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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

Kemperのフロアタイプ!?遂に出る、のか!?公式が謎ムービーを投稿

f:id:toy_love:20190720011830j:plain

Kemper公式が、謎のムービーを投稿しました。

まずは見てみましょう。


Meanwhile at the factories in the Ruhr Area

動画のタイトルは「ルール地方の工場で今」、みたいなそんな感じ。ドイツのルール工業地帯、みたいなのを聞いたことがあるんじゃないかと思いますが、Kemperってルール地方にあるので、まぁそういうことですね。
出てくるものを見てみましょう。

f:id:toy_love:20190720012634j:plain
ノブです。たぶん。ただ、これまで発売されているKemperの製品のものではありません。

f:id:toy_love:20190720012823j:plain
そして何かの図面が左下に出てきます。ノブやディスプレイの配置からして、Kemperのディスプレイと、下に並ぶのがGain、Rig Volume、その間の4つのパラメータノブ、ディスプレイ上にTYPE、BROWSEと4つのボタン、ディスプレイ左にはSTORE、UNDO、REDO、→にはEXITとPAGE>、<ボタンらしきものがあります。
また、ディスプレイ右上にはKemperロゴを思わせる菱形の形が描かれています。

ただ、この画面、そこに注目してしまうんですが、右上に基板があるんですよね。一番上にある基板に、画面に映っているものでは4つ、白くて丸いパーツが載っています。これ、たぶんフットスイッチです(フットスイッチで操作する電子スイッチ部)。ということは・・・!?

f:id:toy_love:20190720013244j:plain
そしてこちら。先ほどの図面のデザインができあがったものでしょうか。
1、2、3と↑(ヘッドフォン)、↓のフットスイッチらしき部分があります。その上部にはさきほどの図面のデザインが反映されているように見えますね。
ちなみに下部、1、2、3のフットスイッチにはKemper Remoteのルーパーの操作を思わせるアイコンも描かれています。

これで出てくるものは終わり。
詳しいことは24日に発表しそうなことを最後に言っていますね。発売時期とかはその後という感じなんでしょうけど。

で、これがフロアタイプのKemperなのか、それともKemper Remoteのニューバージョンなのかはまだ分かりません。
ただ、フロアタイプだとすると…1月にエディタが発表されたのってこの布石だったのかもしれませんね。

toy-love.hatenablog.com


デスクトップタイプやラックなら、エディタがなくてもなんとかやっていけましたが、フロアタイプはさすがにエディタがないと辛いです。どういう順序で実装されて発売されるのかは分かりませんが、並行して開発されていた、と考えればそれは不思議なことではありませんね。
楽しみです。

toy-love.hatenablog.com
toy-love.hatenablog.com

 
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Choptonesが公開した、「7機種のアンプマッチ比較」動画が面白かったので勝手に感想

リアルアンプのサウンドを取り込む、アンプマッチング。Kemperのプロファイリングに代表されるその機能、方式は違えど、似たことができる機材はいろいろあります。

各機材がどうやってアップマッチングをやっているか、というのは以前記事でもまとめたことがありました。
toy-love.hatenablog.com

こういうデジタル系のアンプモデルのプリセットやIRを販売するChotonesが、7機種のアンプマッチの比較動画をアップしていておもしろかったので、紹介したいと思います。
これがその動画になります。

PEAVEY 6505 vs 7 AMP MATCHING Devices | Metal (Kemper, Fractal, Mooer, Overloud TH-U, Bias Amp)

動画内で使用されているのは、先日の記事でも紹介したKemperFractal Audio Systems Axe-Fx IIIMooer Preamp LiveMooer GE300Positive Grid Biasシリーズに加え、Axe-FX IIとプラグインのOverloud TH-Uとなっています。
Overloudにその機能があったのは知らなかったです。アップデートで追加された(?)みたいなのを海外フォーラムで見ましたがそうなんですかね。分かりません。いわゆるTone-Matching機能で、Kemperとは違い、AxeやBias、GE300のように、元々あるモデリングを元にアンプサウンドに近づける機能となっているみたいですね。

で、動画なんですけど、各モデルの印象を軽く。これが書きたかっただけなんですけどね。

動画でターゲットアンプとされているのはPeavey 6505。

Kemperは独自のプロファイリングで、それがメイン機能ということもあり、かなり近いトーンとなっているのが分かります。若干ですが全体的に軽いコンプレッションがかかってるかなーという感じの違いですね。

続いて出てくるのがOverloud。これかなり近いですね。プラグインらしい、音が直接目の前から出てくるみたいな感覚(空気感が少なめ)な感じはありますが、かなり近い音になっていると思いました。

次がGE300。Kemperと比べると若干“薄い”印象はあります。レンジが広すぎてちょいハイファイ感があるのと、ローエンドが少し削れてるのかなと思います。

Preamp LiveのTone Captureはオマケ機能的な扱いだったこともあってか、元のアンプモデリングの特性が強く出ていますね。GE300と基本のプログラムは同じだと思いますが、パラメータが足りてない感じ。

Axe-Fx IIIとIIが続くんですが、これはAxeの特性がかなり強く出ていますね。ロー~ローミッド付近の音の出方がAxe-Fxって感じです。IIとIIIでの違いはほとんどなさそうですね。

最後にBias。Axeの後だとかなり違って聞こえますが、AxeよりもBiasの方がオリジナルに近くなっているようには思います。ただ若干、ハイの潰れがあるかなーと思いました。

この動画は「アンプマッチング」の機能に絞った動画なので、それをメイン機能とするKemperが有利な動画であることは前提としないといけないですね。Preamp LiveとかAxe-Fxではそれはどっちかというとオマケ的機能です。
で、なんとなくコメントも見てみたら「Axeに失望した」みたいなのもありましたが、分かって書いているのか、この動画だけをみて機材の特性を判断しようとしたのかは分かりません。後者だとすればそれは違いますね、言うまでもなく。
あとコメントだと「Helixはないの?」とか。Helixにアンプマッチング機能はないですからね、今のところ。知らなければ書きたくなる気持ちは分かるw

あとKemperでもそうなんですが、誰がどんな環境でマッチングしたかによっても結果は異なります。もちろんChoptonesは多数のデジタル機器の音作りには定評があります(同サイトで無料配布されているKemper用のJSM2000リグパックはKemperユーザーなら持っていて損はないくらい良いリグです)ので、この動画のクオリティ自体はもちろん信用はできると思いますが、それでもこれは一例であることを忘れないようにはしないといけないと思います。

まぁ、その上で、各モデルの「アンプマッチング」の違いを楽しむ動画としてはおもしろいんじゃないかと思います。

あんまり動画の感想とかの記事は書かないと思いますが、なんかこれ見たら書きたくなったので載せてみました。
 
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Kemperで今年アップロードされた共有Rigから良さそうなものを選んでみた

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みんな大好きKemper
長年アップデートを繰り返しながら今でも最高峰のアンプモデリング・・・・・・というかプロファイル機材として使われているKemper。最近ではスタジオに常設されたりもしてきていて、もしそれが一般化すれば「スタジオのケンパー対策」なんて言葉が生まれるんじゃないかとこっそり思ったりしています。

そんなKemperですが、アンプをプロファイルしてそのサウンドを読み取り、アンプモデリングとして使うことができるというのはもちろん、そこにエフェクトなどを加えたプリセット(Rigと呼びます)を共有してみんなで使うことができる、というのも大きな特徴ですね。

toy-love.hatenablog.com

もちろん、ファイルとして自身のウェブサイトで公開したり、SNS上で公開したり、個別に知人にだけ渡したり、ということも可能なんですが、Kemperには公式に、「Rig Exchange」といって、専用のソフトウェアからダウンロードすることも可能です。
このRig Exchangeですが・・・・・・

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現状で14000を越えるリグが共有されています。これを指して、「無料で1万以上のサウンドを選べる」という言い方をされることもあります。
で、言うまでもないんですが、これを全て試そうとすると膨大な時間がかかります。たまにとんでもなく良い音のがあったらちょっと長めに弾いてしまうし、ワンコードでちょっと違うな、となるものもあったりするし。
そしてKemperは、アンプとキャビネット、さらにマイクまでも含めたシステムをプロファイルするモードと、アンプ部のみをプロファイルするダイレクトプロファイリングの2種類があり、それが特に区別されずに共有されています(ダイレクトプロファイリングはキャビネットがN/Aと表示されるため、それ自体は一目で分かります)。これを知らずにダイレクトプロファイリングの音を出して「デジタル感バリバリ」と思ってしまうのもKemper購入直後にはあるあるだったりするんじゃないでしょうか。

今回は、この膨大なリグの内、2019年にアップロードされたリグの中から良さそうなものを選んで簡単にレビューしてみる、という内容となっています。前からちょっとやってみたかったんですよね。

まず、今回対象とするリグについて。
f:id:toy_love:20190616193150j:plain

Rig ManagerでRig Exchangeを選び、これらをアップロード日順に並び替え、2019年にアップロードされたものを対象とします。
また、ベース用のリグと、ダイレクトプロファイリングそのままのリグ(=キャビが設定されていないリグ)は対象とはしません。

つまり、簡単に言うと、「リグを選んでそのまま使えるギター用のもの」から選んでみました。もちろん、それをそのまま何かに使っても良いし、そこからさらに自分好みに調整するのも良いと思います。ただ、とにかくやはり基本のサウンドが良くないと、調整するのも大変になってしまうので、とりあえず使えそうなものを試してみて、良かったらそこからカスタマイズしてみたらどうでしょう?というような内容です。

今回選んだのは15種類。2019年にアップロードされているリグはこの記事を書いている時点で852種類ありますので、だいぶ絞ったんじゃないかなと思います。選ぶ上で、一応対象となる、ギター用でダイレクトプロファイリングじゃないリグは全部音を出しました。少なくともコード1発は弾いています。ただ、そういう選び方をしているので、今回選んでいないものでも良いRigが紛れていることは大いにあると思いますし、また好みや使う機材、環境によっても変わると思いますので、ある程度の参考として見てもらえれば良いかなと思います。

それでは、アップロードされた日の古い順に、今回選んだリグを見てみましょう。

FDM Marshall DSL RED A

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アップロード日:2019/1/1
制作者:FDM Studio
アンプ:Marshall DSL15H RED Channel
キャビネット:Mesa/Boogie Rectifier 412
スピーカー:Celestion V30 412
マイク:SM57
エフェクト:Reverb

1/1にアップロードされたリグです。けっこう12/31とか1/1付近ってアップロードが多くて、まぁ世界的に休日であることもあるかと思いますが、軽いお祭り的な感じもあるのかなと思ったりします。
このRigは、15Wの小型ヘッド、Marshall DSL15Hをメサのキャビで鳴らした音ですね。
分かりやすいマーシャルの音。リバーブちょっと濃いめなのでRECだと切っても良いかもしれません。RED ChannelはたぶんUltra Gainチャンネルのことだと思います。
15Wモデルということもあってか、飽和感高め。でもちゃんと分離感のあるサウンドです。少しミッド多めなのはメサCABの特性かもしれません。同じアンプを使った他のセッティングもアップロードされています。

Silvertone 1483

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アップロード日:2019/1/6
制作者:Rob Evers
アンプ:Silvertone 1483
キャビネット:Marshall JTM45
スピーカー:Celestion V30 212
マイク:U47/SM57
エフェクト:Comp、Wah、EQ、Reverb

1966年製のSilvertone 1483アンプをマーシャルのプレキシ時代のキャビで鳴らしたサウンドです。Jack Whiteとかが使っていることでも有名なアンプです。
素直なクリーントーンです。設定されたコンプのかかりがちょうど良くて使いやすい音。ある意味でギターの音がそのまま出るように感じられる音ですね。ストラトとストランドバーグで試しましたが、実際ギターのキャラクターが素直に反映されます。
マイクやキャビ違いの音もアップされています。

EB ProRev64 - Dude

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アップロード日:2019/1/9
制作者:EB McGee
アンプ:Fender Pro Reverb 1964
キャビネット:Fender Pro Reverb 1964
スピーカー:Celestion 212
マイク:Sennheiser e609 Sil
エフェクト:Reverb

これは1964年、ブラックフェイス期のPro Reverbアンプのサウンドです。マイクはコンデンサマイクですね。
スピーカーがCelestionに変えられているみたいです。そのせいか、オールドブラックフェイスの音というよりも、少しバランスの良いサウンドになっています。歪み方としてはヴィンテージフェンダーが綺麗に歪んだ音ですね。
アメリカンでTwangyな、“いなたい”雰囲気がしっかり出ていますが、その中ではかなりバランスは良いです。ちょっとバランス良すぎて物足りなければ少しBass上げると良いかもしれません。
ちなみにクリーンの方もアップされているんですが、そちらはあまりにもバランスが良すぎて逆に個性がなく感じました。

AXE 3 - Solo 100 + TS

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アップロード日:2019/1/29
制作者:firepile
アンプ:Fractal Audio Systems Axe-Fx III(SLO100)
キャビネット:Marshall 1960A G12M M160
スピーカー:
マイク:
エフェクト:Gate、Reverb

Axe-Fx IIIでのSoldano SLO100モデリングの音をKemperでプロファイリングしたRigです。キャビもたぶんAxe内で設定してラインアウトしたものだと思います(スピーカーとマイク欄が空欄のため)。
Rigネームを考えると、Axe内でTSモデリングをかけているのかもしれませんが、そこは情報がないので分かりませんでした。
ちなみにAxe-FxはIIもIIIもいくつかRigがアップされているんですが、どれも共通してとにかく綺麗な音です。これはAxeの特性なのかもしれないと思います。
このRigは普通に使いやすいです。Axe-Fx IIIの他のモデリングもいろいろアップされていますね。Axeの音はどれも扱いやすいです。
ちなみに、他にデジタルものとしてはLine6 HelixBOSS GT-1Zoom G3nMooer GE200の音なんかもあったりします。

5153 Djent

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アップロード日:2019/2/8
制作者:Rickysomething
アンプ:EVH 5150III
キャビネット:REVV 412
スピーカー:WGS Veteran 30
マイク:SM57
エフェクト:DIST(TS)、Gate、EQ

とてもモダンなサウンドのセッティングです。5150IIIにREVVキャビ。REVVはまだ日本ではそんなになじみはないですが、カナダのアンプメーカーで、耳の早い人ならば知っているかと思います。モダン系のサウンドを得意としていて、エフェクターも少し作ってますね。
これはその5150とREVVキャビにTSとゲートをかけるDjentの王道スタイルのサウンド。ローエンドがばっさりカットされていて、ベース、そしてドラムと合わさることで爆発するようなパワーを持つサウンドとなるように作られています。
けっこうこういうモダンなサウンドのRigっていろいろあるんですが、Djent系のRigは幕がかかった感じが強くなることも多い中、このリグはちゃんとギターの存在感があって良い音です。制作者が音作りをよく知っているんだろうな、というのが伝わってきました。

SOYCD

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アップロード日:2019/2/23
制作者:Gian
アンプ:HIWATT DR103 1972 Linked
キャビネット:WOODSTOCK 0.1 PONCHIA PROTOTIPO 1
スピーカー:Fane AxA 212
マイク:SM57E906RODE
エフェクト:Comp、Delay、Reverb

リグネームが何を指しているのかよく分かりません。キャビの名前も謎です。イタリア語でプロトタイプ的なことが書いてあります。
スピーカーがFaneなので普通のHIWATTの2発キャビか、もしくはHIWATT用に作られた自作キャビでしょうか。
サウンドとしては、とにかく「ハイワット」な音が出るRigです。けっこうクリーンなんだけど迫力があって、なんかこう「ゴー」と来るような圧のあるサウンドですね。いい音です。
かけられているディレイ/リバーブは使い方に合わせて調整したりOFFにして使うと良いと思います。

Cornell Romany 10W

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アップロード日:2019/3/2
制作者:DANIEL RIGLER
アンプ:Cornell Romany Plus
キャビネット:Cornell Romany Plus
スピーカー:Jensen 12' Blue Label 112
マイク:Shure SM58
エフェクト:Reverb

クラプトンが自室用のアンプとして使っているとして知られるCornell Romany Plusのサウンドです。
このRigは単に音が良いです。ひたすらに良いクリーントーンですね。いつまでも弾いていたくなる音です。
けっこうこういうブティックなアンプのRigって、ちゃんとそのアンプの空気感まで録れているものは実は少ないんですが、このRigはとてもよくそこが出ています。
タッチへの反応もすごく良い。お手本みたいな音のRigですね。

MAyer

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アップロード日:2019/3/13
制作者:G Hamilton
アンプ:Two-Rock Steel String Singer
キャビネット:Dumble TR 212 open back
スピーカー:Celestion G12/65 212
マイク:U67-Sm57-Sigma Rbn
エフェクト:Dist(TS)、Delay、Reverb

超ゴージャスな機材でジョン・メイヤーを再現した、というRig。
Two-Rockアンプをダンブルのキャビで鳴らしてる時点でなんかもうおかしいですが、その上にマイクがU67と57とリボンマイクのミックスということで、相当がんばってつくられたリグであることが分かります。
音は、メイヤーの音かどうかはともかく、リードでもいけるしポップ系のバッキングとかにも使いやすい音で、とても良いと思います。
これ、なぜかKemper内でTSのエフェクトがかかっていて、アンプは歪んでないっぽいんですよね。このTSを切ったら弦の音そのままみたいなクリーントーンになります。レスポンスが早くて、それでいて弾きにくくない音なんですが、あまりに機材が豪華すぎて、若干そこは半信半疑(Rigの使用機材は「自己申告」なのです)。ただ、それでも音自体は良いので使えるRigです。

Peavey 6505+ 112

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アップロード日:2019/3/19
制作者:Heinrich House
アンプ:Peavey 6505
キャビネット:Hesu 2x12 Deamon
スピーカー:HESU Demon Speaker 212
マイク:MD421+Pr20+AT4050
エフェクト:EQ

こちらは112コンボの6505+を、あえてHESUキャビで鳴らした音ですね。5150系+HESUも、モダンなハイゲイン系王道セッティングです。
5150系は人気で、とにかく多数のRigがあります。ただ112コンボモデルを使ってのプロファイルは珍しいです。といってもこれはそれをヘッドとして使ってますけど。
で、このRigは数ある5150系の中でもかなり使いやすい音。エッジ感と音の太さがしっかりしていて、どちらもやり過ぎになっていないので好きな音に調整しやすいRigです。クラシックメタルからDjentまでいろいろ使えます。
そのままでも普通にハイゲインで使える音ですね。よりエフェクトをかけたLeadバージョンもアップされています。

V0X AC30HWmed d

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アップロード日:2019/4/25
制作者:Apollo Music
アンプ:VOX AC30HW 2
キャビネット:VOX AC30 HW
スピーカー:Celestion Green Back 212
マイク:SM57
エフェクト:

VOX AC30HW 2のサウンドです。AC30は最近クリーントーンの基本として再評価されつつありますね。
公開されているRigは、多少エフェクトもかけてバランスをとったり存在感を増したものが多い中、これはエフェクトなし。アンプそのものの音だけでアップされています。
かなり良いAC30サウンドですね。このRigがあれば、あとはローゲイン系の音ならエフェクトを追加していけばいろんな音が出せます。他にも同じアンプでいろんな設定のRigが同時にアップロードされています。

MARS MINI STUDIO 2

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アップロード日:2019/5/28
制作者:Bommel
アンプ:Marshall MS-2C
キャビネット:BOMMELS IRs IR Mix
スピーカー:Celestion 7080 / V30
マイク:sm57 mm1 ml52-02
エフェクト:Comp

上のVoxがアンプそのものの音を丁寧に取り込んだのとは対照的に、こちらはアンプの限界を超えた音のRig。
なんせ使っているアンプがミニアンプのMarshall MS-2Cです。
これはマイク録りではなく、ダイレクトプロファイリング+IRの音ですね。歪み自体の音はかなりチープなんですが、そこに制作者のIRミックスを合わせることで「使える」チープな音になっているのが特徴。あえてチープなアンプをレコーディングで使ったような感じです。
若干ファズっぽさもあって、グランジとかだとそのままいけそう。もし、MS-2Cを12インチキャビで鳴らしたらこんな音になるのかな、という感じがしました。
けっこう分離感も良くて、音が潰れすぎていないのはKemperの特徴かもしれません。これはある意味本物じゃ出せない音ですね。
謎にIR違いやセッティング違いのダイレクトプロファイリングとか複数アップされています。制作者も思ったより音が良くて気に入ったのかもしれません。

PAJE - Dark - verse

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アップロード日:2019/5/28
制作者:Supernanard
アンプ:Marshall JCM800
キャビネット:Marshall 4104
スピーカー:
マイク:
エフェクト:Pitch(-1oct)、Pitch(+1/+2oct)、Stereo、Reverb

こちらはちょっと変わったRigで、アンプの音を聴くというよりも、こんなエフェクトのかけ方でこんな音も出せますよ、というようなRigです。
制作者のバンド(ってか親子ユニット?)で使われたRigをそのまま公開しているみたいですね。

PAJE - Dork (clip)

お子様ドラマーのクオリティが高くてそっちを見てしまいそうなオリジナルMV。ちゃんとKemperも映ってますね。
これはVerse(AメロとかBメロとか)のサウンドです。Intro、Verse、Chorus、Bass、Soloがそれぞれアップされています。
JCM800のRigですが、エフェクトの使い方の参考になるRig。シグナルをパラで分けて、ピッチとステレオ効果を使った面白い音が出せます。

NexTOne3

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アップロード日:2019/5/31
制作者:HEUSSCHEN )
アンプ:BOSS Nextone Stage
キャビネット:BOSS Nextone Stage
スピーカー:BOSS
マイク:SM57
エフェクト:Reverb

発売されたばかりのギターアンプ、BOSS NextoneのサウンドのRigです。
こういう最新アンプの音を共有できるのもKemperの特徴ですね。
このRigは、良い意味で恐ろしく無個性な音が出ます。同時にレスポンスと音の分離がやたら良いですね。
エフェクトを掛ける際の基本サウンドとしても使いやすそう。あとカッティングもかなりいける音です。

Sweet Child Solo

f:id:toy_love:20190616202909j:plain
アップロード日:2019/6/14
制作者:WangWei
アンプ:Marshall AFD
キャビネット:Mesa/Boogie Rectifier 212
スピーカー:Celestion V30
マイク:SM57
エフェクト:Wah、Boost、Delay、Reverb

音を出した瞬間笑ってしまったRig。Guns n' Rosesの名曲、Sweet Child O' Mineのイントロとリードの音そのまんまです。その音しか出ません。

Guns N' Roses - Sweet Child O' Mine (Official Music Video)
このピーキーなマーシャルサウンドを再現したRigです。ストラトでもほぼこんな感じの音が出たのは本当に笑いました。80sリードトーンの基本サウンドとしても使えそうです。まさに煌びやかなサウンドです。

FM 57 TWIN SM57

f:id:toy_love:20190616203215j:plain
アップロード日:2019/6/14
制作者:FM
アンプ:Fender Twin 1959
キャビネット:Fender Twin 1959
スピーカー:Jensen P12Q 212
マイク:SM57
エフェクト:Reverb

ラストです。
1959年製のツイードツインの音。ツイードアンプの中でも高価だったためほとんど出回らず、タマも少ない貴重なアンプのサウンドですね。
フェンダー系のリグって、あの「フェンダーの味」が消えてしまって普通のいいクリーン、みたいになってることが多いんですが、これはツイードフェンダーの美味しいところをちゃんと持っているRigです。
シンプルに良い。気持ちの良い、少し甘さのあるクリーントーンですね。いつまでも弾いていられる音だと思います。
意外とモダンなギターとも相性良いかもです。個人的にはストラトで鳴らした時よりもストランドバーグで鳴らした方が音が良く感じました。なぜか分かりませんが。
 
ということで、2019年になってから半年ちょっとの間にアップされたリグから15種類を選んで一言ずつレビューしてみました。
もしKemperを持っていたら、これらのRigはちょっと試してみても良いと思います。好みに合うかは分かりませんが・・・どれも良い感じのリグだと思います。
リグマネージャーのリグ厳選とそのレビュー、1回やってみたかったんですよね。もし反響がありそうならまたやってみようかと思います。
 
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Kemper、Fractal、Mooer、Biasシリーズのプロファイル・キャプチャ・マッチング機能を比べてみる

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本物のアンプやギターサウンドなどを元に、自分だけのプロファイルやプリセットなどを作成する。特に実在するギターアンプのサウンドを自分で再現する、という機能といえば、Kemperが特に有名です。
Kemperではそれを「プロファイル」と呼びますが、構造としては違っていても、似たような感じで実在のアンプサウンドなどをサンプリングして再現する機能があるものがあります。
今回は、それぞれの機能をどうやって行うのか、また何ができるのか、ということを比較してみたいと思います。

まずは、その機能を持った機材を先にまとめましょう。

Kemper

アンプサウンドを再現する機能として特に有名なのがKemperです。
サウンドを独自の方法で「プロファイル」することで、アンプサウンドを再現できます。
再現できるのは、アンプ全体、キャビネット、マイク(と部屋の反響など)を全てと、アンプヘッド部のみの「ダイレクトプロファイリング」の2モードです。
なお、全体をプロファイルするモードでは、プロファイル後自動的にヘッド部とキャビ/マイク部に分けられ、他のプロファイルした「リグ」に組み合わせたり、ダイレクトプロファイリングしたリグに組み合わせることもできます。
ただし、この「キャビ/マイク部」はKemperのみで使用することができるものです。

Fractal Audio Systems Axe-Fx III

Kemperと並んで語られることの多いFractal Audio Systemsのハイエンドマルチエフェクターです。
リアルアンプやアンプシミュレーターを使ったサウンド、または先にレコーディングされた音(ギターのみの部分があるならCD音源からも)に、アンプモデルの音を近づけることができる「Tone Match」機能があります。
また、別途キャビネットIRを独自に作成するIR Capture機能があります。作成したIRや外部機器で使うこともできます。

Mooer Preamp Live

中国のエフェクターブランド、Mooerの、プリアンプモデリングをプリセットして使うことのできるアンプシミュレーターです。
このPreamp Liveには、リアルアンプのサウンドを再現したプリアンプモデルを登録するTone Capture機能があります。

Mooer GE300

同じくMooerのフラッグシップ級マルチエフェクターです。
このモデルのTone Captureには上記Preamp Liveと同様のアンプサウンドを再現するモードに加え、歪みエフェクターを元にエフェクトモデルを作る機能、ギターサウンドを近づける機能、そしてオリジナルIRを作成する機能があります。

Positive Grid Biasシリーズ

プラグインエフェクトからハードウェアにも進出したPositive Gridには、ハードウェアではなくプラグイン側にマッチング機能があります。
様々なパーツを構成してアンプモデリングを作り上げていったりすることの出来るBias Amp 2.0には、実際のアンプサウンドを再現するAmp Match機能、およびギターサウンドを用意されたギターサウンドへと変えることのできるGuitar Match機能があります。

また、様々なエフェクトを収録し、独自の歪みペダルを構築したりすることのできるBias Fx 2.0には、歪みエフェクターのサウンドを近づけるPedal Match機能があります。
 
それでは、それぞれの機能を見てみましょう。

続きを読む

Kemperをコントロールする!Part.2 小さめMIDIスイッチャーまとめ

昨日に続けて、Kemperのリモートコントロールまとめです。

toy-love.hatenablog.com

今回は、MIDIスイッチャーを使ってKemperをコントロールしてみましょう。まずおさらいとして、MIDIでコントロールできるKemperの機能は以下の通りです。

MIDI PCのみ:128種類のリグを読みこめる。
MIDI PCとCCのスイッチングのみ:ブラウズモード/パフォーマンスモードで全てのリグを読み込み。および各エフェクトのON/OFF(全部または個別にON/OFF、ディレイとリバーブはトレイルする/しないも可)、タップテンポ、チューナー、ディレイインフィニティとホールド、ロータリースピーカーのスピード切り替え
MIDI CCコンティニュアスコントロール(エクスプレッションペダル):ワウ、ピッチ、ボリューム、Morph、およびディレイ/リバーブのコントロールやゲインレベル、モニタレベル
MIDIクロック:テンポ設定
※PC=プログラムチェンジ、CC=コントロールチェンジ

MIDIスイッチャーでよくある機能:フットスイッチでMIDIシグナルを個別に送信する、または送信するMIDIシグナル(PCやPC/CCの組み合わせ)をあらかじめプリセットして送信。

つまり、Kemperのリグを切り替えたり、その中でのエフェクトブロックなどの切り替え、エクスプレッションペダルを使ってのペダルコントロールなどを行います。
では、これらの機能を使える小型~中型のMIDIスイッチャーをまとめてみましょう。メーカー/ブランド名順に載せていきます。なお、ここではKemperをコントロールするための機能をまとめているので、ノートオンなどの機能については省略しています。

続きを読む

Kemperをコントロールする!Part.1 まずはKemperとKemper Remoteの機能を知ろう

デジタルアンプの最高峰の1つとして知られるKemper
真空管アンプのサウンドを基本とし、様々なアンプサウンドをプロファイルし、共有して使うことができるデジタルマルチエフェクター/シミュレーターですね。
toy-love.hatenablog.com

Kemperは、デスクトップタイプとラックタイプをラインナップしていて、フロアタイプのモデルは現時点でありません。そのためステージなどで使う際にはリモートコントローラーなどを用いて様々な機能ををコントロールする必要があります。

Kemperには、リモートコントロールするための端子ももちろん装備しています。多彩な入出力と、2つのSWITCH/PEDAL端子、MIDI IN、MIDI OUT、MIDI THRU端子、およびNETWORK端子があります。
まずは、このKemperの各端子を使って何ができるのか、まとめてみましょう。

  • SWITCH/PEDAL端子

2つあるSWITCH/PEDAL端子には、TRSステレオケーブル接続のエクスプレッションペダル、またはBOSS FS-7などのツインスイッチ、またはモノラルスイッチを1端子に接続してリモートコントロールすることができます。スイッチはアンラッチタイプを使用します。
本体に最大4つのフットスイッチ、または2つのエクスプレッションペダルを接続することができます。

エクスプレッションペダルは、下記の4タイプのペダルとして使うことができます。
・Morph Pedal
複数のパラメータを割り当て、リグごとに設定した役割を設定可能

・Wah Pedal
内蔵のワウエフェクトのコントロール
リグごとに設定したワウエフェクトをコントロール。ワウを使わないリグでは無効

・Volume Pedal
ボリュームペダルとして機能
グローバルまたはリグごとの設定

・Pitch Pedal
Pitch Pedal、Pedal Vinyl Stopエフェクトでピッチシフトをコントロール

フットスイッチには、様々な機能を割り当てることができます。リグ(プリセット)のアップ/ダウン、または決まったエフェクトブロックのON/OFF(個別、または1スイッチで複数のエフェクトON/OFFも可能)、チューナーON/OFF、タップテンポ/ビートスキャナー(長押しで演奏からテンポ検知する)を行う事ができます。

  • MIDI 端子

Kemperの3つのMIDI端子は、MIDI INに外部MIDIコントローラーを使っての様々な操作、MIDI OUTを使ってKemperから外部機材へのコントロールやクロックの共有、THRUからMIDI INのシグナルを送信(MIDI THRUを2つ目のMIDI OUTとしても使用可能)ということができます。
今回は「Kemperをコントロールする」ためなので、MIDI IN端子でできることをまとめたいと思います。

Kemperが受けることの出来るMIDIコントロールは、基本的にPC(プログラムチェンジ)、CC(コントロールチェンジ)、MIDIクロックです。

ちなみに、Kemperには全部で400以上のパラメータがありますが、これら全てを128のMIDIコントロールで制御することはできないため、一般的なMIDIでこれら全ての機能をコントロールすることはできません。
ただ、リモートする機能自体はあり、MIDI SYSEXプロトコル、 NRPN (Non Registered Parameter Numbers) プロトコルで400以上の全てのパラメータをコントロールすることも可能となっています。やろうと思えば自分だけのエディタソフトを開発したりするようなこともできますが、今回はそこまでは見ません。そこまでやる場合は、公式ページからMIDI Parameter Documentationをダウンロードして確認してください。ちなみに今年のNAMMで発表されたRIG MANAGER新バージョンではエディタが装備されるので、そこではこの機能を用いているのではないかと思います。(Kemper Ver.7以降で実装されそうなことが公式ページに記載されていました。)

では、PC/CC/クロックでできることをまとめてみましょう。

    • MIDI CC ペダル操作

#1 Wah Pedal (ワウ・ペダル)
#4 Pitch Pedal (ピッチ・ペダル)
#7 Volume Pedal (ボリューム・ペダル)
#11 Morph Pedal (モーフ・ペダル)
#68 Delay Mix (ディレイ・ミックス)
#69 Delay Feedback (ディレイ・フィードバック)
#70 Reverb Mix (リバーブ・ミックス)
#71 Reverb Time (リバーブ・タイム)
#72 Gain (ゲイン)
#73 Monitor Volume (モニター・ボリューム)

これらは、MIDIコンティニュアスコントロールを用いて、MIDIエクスプレッションペダルとして使える機能です。先ほどの本体に接続するエクスプレッションペダルの機能以上に、多彩なコントロールが可能です。

    • MIDI CC スイッチ操作(値は0でOFF、1~127でON)

#16 ストンプ A-D、エフェクツ X/ MOD の on/off を一斉に切り替える (on→off, off→on)
#17 ストンプ・スロット A の on/off
#18 ストンプ・スロット B の on/off
#19 ストンプ・スロット C の on/off
#20 ストンプ・スロット D の on/off
#22 エフェクト・スロット X の on/off
#24 エフェクト・スロット MOD の on/off
#26 ディレイ・モジュールの on/off (ディレイ音を残さない)
#27 ディレイ・モジュールの on/off (ディレイ音を残す)
#28 リバーブ・モジュールの on/off (リバーブ音を残さない)
#29 リバーブ・モジュールの on/off (リバーブ音を残す)
#30 タップ (バリュー= 1-127 でビート・スキャナー起動/ バリュー=0 で同オフ、全てのバリュー値でテンポ起動)
#31 チューナー起動 (チューナー画面の「Mute Signal」がオンの場合は信号がミュートされます)
#33 Rotary Speaker:ロータリー・スピーカーのスピード(バリューを受信するたびにスロー/ファーストをトグル)
#34 Delay Infinity:ディレイ・インフィニティの on/off(バリューを受信するたびにオン/オフをトグル)
#35 Delay Hold:ディレイ・ホールドの on/off(バリューを受信するたびにオン/オフをトグル)

    • MIDI(PC/CC)によるリグ(プリセット)選択

ブラウズモード:PC#0~#127にリグ1~128を割り当て

パフォーマンスモード:各5スロットの125パフォーマンスを設定(125バンク625プリセット的な使い方)
PC#0~#127にパフォーマンス1/スロット1からパフォーマンス26/スロット3までを割り当て
バンク・セレクトLSB#32(MIDI CC#32)を使用してLSB#32=0 PC#0からLSB#32=4 PC#112で全てのスロットを読み込む

・MIDI CCのみでできる操作
#47 バリュー=0 でパフォーマンス 1 にジャンプし、バリュー=1 で現在読み込まれているパフォーマンスに戻る

#48と#49
パフォーマンス・モード時:バリュー=1 でパフォーマンス・ナンバーが1つ進み/戻り、その後スクロール、バリュー=0 でスクロールを止める、またはパフォーマンス・ナンバーが1つ進む/戻る
ブラウズ・モード時:バリュー=0 でリグが1、バリュー=1 で5つ進む/戻る、バリュー=2で次のバンク(リグ5個毎の塊)の最初のリグにジャンプ

#50~#54
パフォーマンス・モード時:選択中のパフォーマンスのスロット1~5のリグを読む
ブラウズ・モード時:現在のバンクの1~5番目のリグを読むMIDI PC

    • MIDIクロック

受信すると自動同期
MIDIクロックの送信も可能

となっています。

  • NETWORK端子

公式リモートコントローラー、Kemper Remoteを接続するための端子です。

Kemper Remoteには、1~5、TAP、↑、↓、I、II、III、IIII、Looper、Tunerの14のフットスイッチとディスプレイ(CONTRASTコントロール付)、およびPEDAL3、PREDAL4、PEDAL5、PEDAL6、NETWORK端子を搭載しています。
NETWORK端子はKemper本体と接続するたけのものですね。リモート本体に追加電源は必要なく、Kemper本体から電源が供給される形となっています。

まずは本体のフットスイッチの役割からまとめてみましょう。

・フットスイッチ↑/↓
パフォーマンスモード;パフォーマンスナンバー(バンク)の切り替え(オートロード時はスロット1が自動選択)、長押しスクロール
ブラウズモード:Viewで選んだリグをソート順に切り替え

・フットスイッチ1~5
選択したパフォーマンスモード内のスロット選択

・TAP
本体のTAPボタンと同様、タップテンポトリガー
長押しで演奏からテンポ検知するビートスキャナーも可能

・TUNER
チューナーモードを切り替え
本体の設定でチューニング中ミュートも可能

・I~IIII
任意のストンプ、エフェクトのON/OFFをリグごとに設定可能
1つのスイッチでまとめて複数のエフェクトON/OFFも可能
(うち2つまでのエフェクトはON/OFF状態をLEDで表示)

・LOOPER
ルーパーの起動

ルーパー時
フットスイッチ1~5を使って録音/再生/オーバーダブ、停止/消去、アンドゥ/リドゥ、トリガー/リトリガー、リバース、ハーフスピードの操作が可能

また、PEDAL3~PEDAL6端子には、本体の2つのSWITCH/PEDAL端子と同様、各端子に1または2フットスイッチ(アンラッチ)、あたはエクスプレッションペダルを接続することができます。
本体とREMOTEを合わせると、REMOTEでできるコントロールに加え、最大12の追加フットスイッチ、または最大6台のエクスプレッションペダルを接続することも可能となっています。まぁもちろん、さらにMIDIコントローラーも合わせればさらなるコントロールもできたりします。
 
ということで、今回はKemper本体とKemper Remoteを使って出来ることをまとめました。

もちろん、公式リモートスイッチであるKemper Remoteは、とても使いやすく作られています。
ですが、サードパーティのMIDIコントローラーを使っても同等のことができる(LOOPER機能はRemoteが必要です)、ということはここまで見れば分かってもらえるかなと思いますので、次回はどんなMIDIコントローラー/MIDIスイッチャーがあるのか、使えるのかということをまとめてみたいと思います。

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「Kemper」とは何なのか、改めて考えてみる

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「デジタルアンプ」。今、ハイクオリティなアンプモデリングだったり、アンプサウンドを再現できる機能を持つ機器は、そう呼ばれることがあります。実際に「アンプサウンドを再現できるデジタル機材」という機能を中心とし、あとはそのサウンド周りのちょっとした機能だけを持つ、ある意味真の意味での「デジタルアンプ」と言える機材は、実はほとんどありません。
Positive Grid Bias Ampシリーズのハードウェア系と、Mooer Preamp Liveくらいでしょうか。
他のモデルは、むしろデジタルアンプというより、マルチエフェクターと言う方が正しいとは思います。

しかし、「デジタルアンプ」という言葉が今の意味で使われ始めたのは、上記のモデルが発売される前のことです。
Kemper Profiler」、「Fractal Audio Systems Axe-Fx」(当時はII)、「Line6 Helix」。この3つのモデルが「デジタルアンプ」というカテゴリとして扱われていました。
これらがそう呼ばれるようになった理由、それはKemperの存在があったことが原因だと思います。もしここにKemperがなかったら、「ハイエンドマルチエフェクター」とか「ハイクオリティアンプモデリング」とか、そんな感じで呼ばれていたんじゃないかと思います。
ちなみに、そもそも「デジタルアンプ」という言葉はオーディオ機器にあった言葉です。その意味は簡単で、デジタル回路で構成されたオーディオアンプのことです。現在でもオーディオ界でデジタルアンプといえばそういうアンプのことを指します。

Kemperの歴史

Kemperは、2011年にドイツで発売、2012年に国内でも発売が開始されました。最新のデジタル機器のイメージが未だにあるKemperですが、その発売はBOSS GT-100より前なのです。現行フラッグシップのBOSS GT-1000ではないです。その前の、GT-100よりさらに前に発売された機材なのです。
他のメーカーと比較してみても、Fractal Audio Axe-Fx IIの発売がKemperと同じ2011年。Line6はPOD HDシリーズが同時期の2011年に発売されています。

Kemper発売以降、BOSSはその後GT-100、そして2018年にBOSS GT-1000を発売。
Line6は2015年にHelix Floorを発売。現在のHelixシリーズやHXシリーズのプラットフォームはこの派生です。
Fractal Audio Systemsは2014年に機能強化したAxe-Fx II XLを、その後2018年にフルモデルチェンジとなったAxe-Fx IIIが発売となっています。

Kemperも、ラックバージョンやパワーアンプ搭載モデル、フットスイッチなどのラインナップ拡充は行っていますが、Kemperのプロファイリングアンプとしてのハードウェアは一切変更されていません。(なぜかモデル名が「Profiling Amplifier」から「Profiler」に変わっていたりはします。いつ頃変わったのかよく分かりません。現在、各楽器店の商品ページでもモデル名が混在していたりします。名前が変わっても中身は変わっていません。)

デジタル機器は「新しいほど良い」と言われますが、これほど他メーカーが世代交代を行っているにもかかわらず、未だに「最新のデジタル機器」のイメージを崩すことなく、さらに「最高峰のデジタルアンプ」としての地位も揺らいでいない。これは、Kemperという機材の異質さを端的に表しています。

Kemperのデザインと操作性

そもそもKemperは、そのデザイン自体がギター用機材としては異質です。
最近はラックバージョンを見ることも多くなっていますが、このヘッドバージョンのデザインは特に異質です。「宇宙船のコックピット」というように例えられることもあったりします。その異質さは、Kemperというメーカーのルーツによるものも大いにあります。

この機材、ギター用ではなくシンセサイザーです。「デスクトップシンセ」と呼ばれる、鍵盤の付いていないシンセサイザーで、ノブだけで音程を制御したり、外部MIDIキーボードを接続したり、DAW等のMIDIシーケンスで音を鳴らすタイプのシンセサイザーです。
まぁ機能はどうでも良くて、このディスプレイを中心に配置されたデザインのスタイルなど、ちょっとKemperっぽい感じがありますよね。
このシンセは、ドイツのAccessというメーカーによるVirusというシンセサイザーの1つです。
Virusは、DSPを用いてアナログシンセのサウンドをハイクオリティに再現するシンセサイザーとして世界的に知られています。そのサウンドクオリティと操作性の良さで高い評価を得ていたりします。

生い立ちもデザインも似ているこのVirusシンセサイザー。1997年にその最初のモデル「Virus A」を開発し、Access Music Electronics社を創業した人物こそ、Christoph Kemper氏。そう。Kemper Profilerの開発者でもあり、Kemper GmbH.代表を務めるChristoph Kemper氏その人です。

Kemperのデザインは、元々ギターアンプを設計していたメーカーではなく、シンセサイザーを設計していたことから生まれたものなのです。といって、単にシンセの方程式で作られたものではなく、きちんとギタリストの意見を聞いて取り入れ、「キャビネットの上に置いても、机の上に置いても違和感のないデザイン」となるよう作られています。
Kemperは、ギター機材として確かに異質なデザインなのですが、無謀なデザインではなく、きちんと計算された作りになっています。また、それは操作性にも影響しています。

2019年のNAMM SHOWで、Kemperは「エディタ」を発表しました。エディタとは、プリセットの内容を細かくPC上で編集するためのソフトウェアです。現時点ではまだ実装されておらず、KemperはPC上からプリセットを選択したり、共有されたプリセット(RIGと呼びます)を読み込んだりすることはできるものの、プリセット自体の細かな編集、エフェクトの選択や各パラメータの調整は本体側で行います。
エディタの実装については発売以来、本国のフォーラムなどでも多大な要望があったことは事実ですが、それでも、未だに「エディタが無い状態」であるにもかかわらず、これだけ多くのユーザーが使用し、その評価が下がることがないというのもやはり異質です。
実際に使っていると、エディタがあれば間違いなく便利になると言えるんですが、同時に「エディタがなくてもなんとかなる」ほど、「本体の操作性が良い」のもKemperの特徴と言えます。

例えば、Kemperと最も比較されるAxe-Fxシリーズは、あまりにも多くのパラメータをコントロールできるが故に、「エディタがないとどうしようもない」と言われることがあります。どちらが良いという話ではなく、これは設計思想の違いですよね。本体だけでちゃんと操作ができるように作られたKemperは、それ故に今となっては「あって当たり前」のエディタの実装が遅れていて、逆にエディタでの操作を前提としたような設計のAxe-Fxは本体だけでプリセットを作り上げるのは至難の業、ということ。どちらの方が優れているとかいう話ではなく、そういう設計思想の違いがあります。

そして、実際に多くの「デジタルアンプ」「マルチエフェクター」と呼ばれるモデルの、特に多機能な上位モデルは、そのほとんどがAxe-Fxよりの設計思想となっています。私はマルチエフェクターとして、Line6 POD HD500を持っています。実際に使用していた時、POD HD500本体でプリセットを作ったことは一度もありません。全てエディタを使用して作っていました。HelixはHD500よりは操作性が高そうに思いますが、それでもやはりあれだけの機能を操作するにはエディタがないとやってられないだろうな、と思います。
Kemperは、その辺が本体だけでもどうにかなってしまう(それでも多数のエフェクトをかけようとするとだいぶめんどくさいですが)ところはすごいなと思います。

「ギターアンプ」然とした操作感

Kemperは、その「異質」なデザインであるにもかかわらず、実際に使用するとまるで「ギターアンプヘッド」のような感覚で使うことができます。
これが、Kemperがあったから「デジタルアンプ」という言葉が使われるようになったという最大の理由ではないかと思います。
実際にKemperを「アンプヘッド」として使用しているアーティストは多いです。国内でもBabymetalのバックバンドとして有名な「神バンド」やスピッツをはじめ、数多くのアーティストがKemperをアンプヘッドとして使用しています。
実際にキャビネットの上にKemperが載っている状態でステージに置かれている、そんなスタイルをTVの音楽番組でも目にすることは多くなっています。「Kemperはアンプだ」という評価を目にすることも多く、事実所有して使ってみると、「エフェクターが付いていろんな音に化けるアンプ」という印象はとても強くなります。
機材としてのジャンルはマルチエフェクターと言って間違いはないんですが、使ってみるとその感覚はアンプのものなんですよね。そこまで意識して設計されたデザインによるものなのか、それとも出てくる音があまりにも「アンプ」だからそう感じてしまうのか、そこまでは分かりませんが、その辺りも、他の「マルチエフェクターの最高峰」的なライバル機種との大きな違いとなっているのではないかと思います。

プロファイルとモデリング

多くのマルチエフェクターは、「モデリング」という手法で、アンプのサウンドを再現しています。
モデリングとは、そのアンプを構成する要素を細かく組み合わせ、その要素がシグナルの強さなどに応じてどのように応答するかを丁寧に突き詰めていき、それらの集合体として音を作る技術です。例えはこのPositive Grid Bias Ampは、その様々な要素を自分で組み合わせてオリジナルなアンプサウンドを作ることもできるようにしたソフトウェアで、そのハードウェア版がBias Head等のシリーズとして、トップクラスの「デジタルアンプ」の一翼を担っています。
従来のモデリングは、それぞれのパーツの動作をデジタルでシミュレートして組み合わせていく方式で作られていて、そこにIRの要素も組み合わせたのが現在のハイクオリティなモデリングテクノロジーとなっています。Axe-FxやHelix、GT-1000のAIRDもそうですね。
Kemperも本体に収録されているエフェクターには従来のモデリングの方式を使って既存のペダルの特性を再現しています。

しかし、Kemperのプロファイリングはモデリングとは違った技術です。プロファイリングは、基本となるアンプサウンドの特性を算出するような「まっさらなアンプ」のようなものがあり、そこに実際のアンプの特性を読み込ませることで音を近づけることができるようになります。
これはKemperを使って、様々なアンプをプロファイルしたリグを、「あえてあり得ないほど極端な設定」にするとよく見えてきます。Gainノブをはじめ、様々なパラメータに対する音の動きが、極端な設定になるほどよく似てきて、Kemperそのものの特性が見えてきます。モデリングで作られたアンプモデルでは、極端な設定にしても破綻しないようにシミュレートされているので、そこがモデリングとプロファイリングの大きな違いです。
特にAxe-Fxのようなハイエンドなモデリングは、設定によって「アンプの特性」を保ちながら実際のアンプではあり得ないような音を、破綻せずに出すことができたりします。Kemperは、「プロファイルしたときの状態をフラット」として読み込むので、例えばアンプ側のEQを最大にしてプロファイルすれば、アンプで設定できるEQの範囲を超えたイコライジングを加えた音、みたいなことはできるんですが、Axe-Fxなどの「ハイエンドなモデリング」が作る事のできるような幅広い音色設定を、1つのプロファイルしたリグで作る事は出来ません。

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この画像は、Choptonesが無料で公開しているJCM2000のプロファイリングパックの一部です。
同じアンプでもセッティングの違い、マイクの違いなどで多数のプロファイリングを作る事ができるのもKemperの特徴ですが、それだけ多数のプロファイリングを行わないとアンプの可能性を全て取り込むような使い方をすることができない、とも言えます。ある意味で自由度が高く、ある意味で1回のプロファイリングで作る事の出来る音の幅はそこまで広くないことを示してもいます。

一方、モデリングはあくまでも決められた動きの中でしか音を作る事はできません。Axe-FxやHelixのモデリングは、それぞれ元となったアンプのサウンドを基本に発展させた音しか作る事はできませんし、Bias Ampのように「オリジナルアンプのサウンド」を作る事ができるというものでも、あくまでも決められた選択肢の組み合わせの結果による「オリジナルアンプサウンド」です。
Kemperは、例えば、「たった今自分で組み上げたオリジナルギターアンプ」の音でも、プロファイルしてデジタルアンプとして使うことができます。これは、あくまでも基準となるモデリングをメーカーが用意しなければならない「アンプモデリング」とは違った自由度の高さです。
Axe-FxやBias Amp、MooerのPremp Liveなどでも、「実際のアンプの音」を再現する機能がありますが、それは現時点ではあくまでもスナップショット的な使い方で、Kemperのように「オリジナルアンプモデリング」のように使えるものではない、というのが現状となっています。

Kemperの本質は、「真空管アンプシミュレーター」

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Kemperは、「アンプのコピー機」とか「メタモンアンプ」というように呼ばれます。一言で説明するとなるとたしかにそうなるのはよく分かるんですが、厳密には違っているとも言えます。
上の写真はKemperのロゴです。下にあるのは真空管ですね。上の部分は、ドイツの世界遺産、「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」を象徴する、世界で最も美しい炭鉱と呼ばれた「ツォルフェアアイン第12採掘坑」を元にしたデザインとなっています。

つまり、このロゴは、「真空管を掘り出す」ようなイメージで描かれているのが分かります。
実際、Kemperは「真空管アンプの特性」を丁寧に研究して細かく再現しています。

例えば、Kemper Profilerというモデル名のとおり、Kemperの最も象徴的な機能はアンプの「プロファイリング」です。
Kemperのプロファイリングには2種類の方法があり、1つは発売当初から行う事のできる、「真空管アンプにマイクを立てて行うプロファイリング」です。Kemperから出したシグナルでアンプを鳴らし、その音をマイキングしてKemperに戻すことでアンプの特性をつかみ取り、「同じ音」を出すプロファイリングですね。
これはアンプのプリアンプ、パワーアンプ、キャビネット、マイク、音を出した環境など様々な要素が合わさり、その状況でのサウンドを再現することができます。

もう1つのプロファイリングは、後からファームウェアアップデートで追加された方法で、「ダイレクトプロファイリング」と呼ばれるものです。これは、真空管アンプのパワーアンプからDIを通して直接音を取り込むもので、キャビネットとマイクのサウンドは取り込まれません。後からIRを使ってキャビネットを追加したり、他のプロファイルされたファイルからキャビネット部に相当する部分だけを組み合わせて音を出すことができます。
この「ダイレクトプロファイリング」を行う際の注意点として、「必ずキャビネットに接続して音を出しながら行ってください」と書かれています。
もちろん、真空管アンプの場合は特に、単にパワーアンプからDIにつないだだけではスピーカーの抵抗がなくなってしまい、アンプが壊れてしまう、ということもあるんですが、その抵抗を別途接続し、無音で真空管アンプをドライブできる「ダミーロード」も使わないでくれ、と書かれています。
その理由は、実際の真空管アンプは、その時のスピーカーの挙動に影響され、微妙にパワーアンプの動作が変わるためです。ダミーロードではそれが起こらなかったり、また実際のスピーカーを接続した時と違っているため、「正しくプロファイリングできないことがある」ためです。それだけ細かなパワーアンプの挙動を正確に読み取ることができる、ということを示しています。

また、Kemperのプロファイリングは、アンプをONにして音を出し始めた時のプロファイルと、1時間ほど放置してから音を出した時のプロファイルでは全く違った音になるということです。もちろんアンプがそれだけ暖かくなった状態での音の違いですが、これは「アンプを1時間プレイしていても気付かない」が、「プロファイリングをすると明確に違っている」、とKemper氏がかつてインタビューで述べていました。

Kemperは、それだけ真空管の限界動作を再現することができる機材である、ということです。
実際にソリッドステートアンプをKemperでプロファイルすると、音そのものは再現できるものの、そこに真空管アンプっぽい応答性が加わると言います。実際にJC-120をプロファイルしたリグで音を出してみると、確かにJCの音がするんですが、そこに真空管アンプのような暖かさがほんの少しですが加わった音になっています。
つまり、Kemperの本質は、真空管アンプのサウンドや限界動作を再現することに特化した「真空管アンプシミュレーター」だと言えます。

それでも、HelixとかAxe-Fxとか、GE200やZoom G3などを「プロファイリング」したリグが共有されていたり、中には1176コンプレッサーをプロファイルした音があったりして、それぞれがちゃんとそれっぽく、マルチエフェクターごとの特性が再現されていたりとか、アウトボードに直接ギターを突っ込んだような特性が再現されていたりするところもKemperのおもしろさだったりしますけどね。(GE200のプロファイリングとか、まんまGE200の特性が出ていて笑いました。)
 
ということで、Kemperとはいったい何なのか、ということをだらだらと書いてみました。

Kemperは、最近ではスタジオに設置されるほど一般化されつつあるハイエンドデジタルアンプです。
発売から長いこと、ハードウェアのモデルチェンジが無いことがその大きな要因となっています。もちろん、細かなソフトウェアアップデートは幾度となく行われており、現時点ではバージョン5.7.8が最新となっています(2019/4/29に公開されたバージョン)。
とはいえ、元々の発売はPOD HDシリーズと同期、BOSS GT-100より古い機材だと改めて考えると、とんでもない機材であることが分かると思います。
これほど長く、トップの座に君臨し続けているデジタル機器を私は知りません。Axe-Fxは「シリーズ」としてはKemperと対を成す、もう一つのトップに君臨し続けていますが、その中ではモデルチェンジによる世代交代が起こっています。
これが、Kemperという機材の異質さを強く示しています。

まぁ、考えてみれば、ギタリストが求める音色は数十年単位で変わっていないんですよね。真空管アンプは60年以上前からある技術です。もちろん、初期の真空管アンプと、今の真空管アンプでは備わっている機能も違えば、内部のゲインステージも違ったりします。でも、基本構造は大きく変わっているわけではなく、60年前のアンプも今のステージで現役で使っても何も違和感が無い、どころか、むしろ「良い音」と賞賛されたりもします。
それらのアンプと「同じ音」が出せる機材であれば、別にハードウェアとしてのモデルチェンジは必要なく、機能を強化したり操作性を高めるファームウェアアップデートで十分だ、というKemperの考え方もよく分かります。
ライバルの多い「モデリング」の世界なら、より高い精度を求めたり、より多くの機能を付けるためのモデルチェンジが必要となってくることもあるかと思います。そこがモデリングとプロファイルという根本的な構造の違いによるものではないかと思います。

SNSとかフォーラムとかを見ていると、「Kemper II」を望む声ってけっこう多いんですよ。ただ、その声を上げているのは、ほとんどがKemperを持っていない人だったりします。
デジタル機器特有の「買ったと思ったら新バージョンが出た」を回避したい、という思いがそこにあるのがよく分かります。一方で、今Kemperを持っている人がモデルチェンジを望んでいる、というのは見たことがないです。エディタが欲しい、とか、フロアタイプなどの小型版が欲しい、という声はよく見かけますけど。音質に不満がある、というのはほぼ無いですね。発売初期の頃はあったようですが、ファームウェアアップデートで改善されましたし。

ただ、もちろん先のことは分かりませんのでなんとも言えませんが、Kemperに関してはまだしばらくはモデルチェンジはしないんじゃないかな、というのが個人的な予想だったりします。当たるかどうかはわかりませんが。
まぁ、何が言いたいのかというと、特に持っていない人にとって、得体の知れない謎の機材「Kemper」は、実はこういうもので、こんな考えの基に作られているんじゃ無いか、ってことが分かってもらえたら良いかな、と思います。
 
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