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エフェクターの選び方 VOL.7 〜オーバードライブの選び方 前編〜

さて、「エフェクターの選び方」シリーズも、どちらかといえばここまでは予備知識というか、前置き的な内容でしたが、今回からはまさに、「本題」の方へと入っていきます。まずは、コンパクトエフェクターの中で最も数が多いと思われる、「オーバードライブ」を選ぶことについて2回に分けて書いてみようと思います。
まずはその前編、いってみましょう!

  • オーバードライブとは

これは、「基礎編シリーズ」でやっておくべきだったのですが、最初のオーバードライブの基礎編といえば、この「きになるおもちゃ」がスタートした初日(2006/11/07)に書いた記事で、こういった技術的なことは全く書かず、なぜかちょきんぎょについて熱く書いていたので・・・w、改めてこちらで書いていこうと思います。
では、そもそもオーバードライブってなんでしょうか?英語で「OverDrive」といえば、すなわち「動きすぎ」というところから転じて、「酷使」という意味です。オーバードライブサウンドが、車のエンジン音に似ているから、という説もあるようですが、意味を考えると十中八九、間違いであると思います。「ドライブ」という言葉から、自動車を想像したんでしょうね。英語で「Drive」は、「駆動する」ということです。「酷使する」という意味もあります。(もちろん、「運転する」という意味もあります)
つまり、オーバードライブサウンドというと、「酷使サウンド」ということですね。何を酷使するのか?それはもちろん、アンプのことです。今でこそ、ギターアンプは歪んで当然というか、歪みこそギターアンプの真骨頂のようになっていますが、もともとはそういった「歪み」を想定して作られたわけではありませんでした。50年代の「ロックンロール」を聞いてもらえばわかりますが、ギターサウンドはクリーンなものばかりです。
さて、ここで「より大きな音」を得ようとすると、当然アンプのヴォリュームを回しますよね。そして、アンプのヴォリュームをフルまで上げたときに、真空管の限界を通り越して偶然出た音、それが今で言う「オーバードライブサウンド」だったわけです。もちろん、想定外の使い方ですし、車のアクセルを踏みっぱなしにするようなものですから、アンプの故障の原因にもなりました。そんなところから、「酷使する」という意味の「OverDrive」という言葉が使われたんだと思います。(今のアンプは歪ませることを前提に作られていますので、歪ませて故障の原因となる、ということはありません)
ちなみに、車の「Over Drive」は、一段上のギア、という意味で使われています。エンジンを無理なく駆動させるために必要なギアに加え、もう1段上にギアを組み、余裕を持った走行をできるようにしたのが車のオーバードライブですね。エンジンを「酷使しない」ための設計です。何か面白いですね。
で、エフェクターでの「オーバードライブ」は、そういった「アンプが歪んだ音」をシミュレートしたもののことを指し、起源は「BOSS OD-1 OverDrive」の名前から来ています。BOSSは偉大ですね。

 

  • ディストーションとの違い

日本では、歪み系エフェクターの中に、「オーバードライブ」と「ディストーション」が分かれて存在しています。そして、現に国内製のペダルに関しては、オーバードライブとディストーションのサウンドには明らかな違いが見られます。
しかし、海外、特に英語圏においては、「オーバードライブ」と「ディストーション」という区別がありません。これは今までも何度か書きましたが、英語で「Distortion」というと、「歪み」という意味を指すからです。単純に「Distortion Pedal」といった場合、歪み系全般を指すわけですね。場合によっては、FUZZもDistortionとして扱われます。日本語での「歪み系」の使い方を考えれば当たり前ですが・・・。
英語圏でエフェクターに対して「Distortion」の名前が定着したのは、MXRのDistortion +が起源ですね。ランディ・ローズが好んで使っていたという名機です。
国内における、オーバードライブとディストーションの分け方は、回路内部のゲインの上げ方によって変わっている場合がほとんどです。少しずつ上げていくのを「オーバードライブ」、一気に増幅するのを「ディストーション」といった具合です。「きになるおもちゃ」では、基本的に日本式に、オーバードライブとディストーションを分けていきます。

 

  • オーバードライブの仕組み

オーバードライブは、回路内で増幅を複数回繰り返すことで、目的となるゲインに到達する仕組みとなっています。理論的には、これだけでは全く歪みません。単純に音の振幅が大きくなるだけです。
そこで、歪んだ音の波形を作り出す為に、「クリッピング回路」を通してやります。ここではダイオードが使われます。ダイオードは片方(アノード)から片方(カソード)へのみ電流を流す、整流の目的で知られていますが、アノード側に対してカソード側の電圧が増大していくと、急にカソードからアノードへと電流が流れるようになります。(降伏といいます。)その境目は降伏電圧と呼ばれるのですが、この性質を使ったのがクリッピング回路です。ちなみにこういった接続(カソード側の電圧を高くする接続)を、逆方向バイアスといいます。
さて、GND(アース)側にアノードを、音声信号が通る部分にカソードを接続すると、降伏電圧を超えた信号はGNDへと流れ、アウトプットからは出力されません。その結果、アンプをオーバードライブさせたときに現れる、上部が切り取られた独特の波形を作り出すことができるわけですね。
ちなみに、このクリッピングにおける最大電圧が一定であれば一定であるほど、真空管の歪みからはかけ離れていき、トランジスタの特性に近づいていきます。なぜなら、真空管のクリッピング電圧はかなり曖昧だからです。以前の記事で、トランジスタアンプのクリッピングを「コンクリートの壁」、真空管のクリッピングを「ショック吸収剤を張った壁」というように書きましたが、それがこの、クリッピング電圧が一定でない、ということですね。使うダイオードによって、降伏電圧もある程度の曖昧さがあるため、真空管のような、オーバードライブサウンドが作り出せるというわけです。BOSS OD-1の「非対称クリッピング」は、ダイオードを2つ接続することで出来上がった回路です。

  • 回路から見るオーバードライブの種類

さて、回路的に、オーバードライブはいくつかの種類に分けられます。まず、「増幅回路」についてですが、ここでよく使われるのが、「オペアンプ」というICです。しかし、オペアンプを使うことなく、全ての増幅をトランジスタでやってしまうものもあり、こういったオペアンプを使わないものを、「ディスクリート回路」と呼びます。理論上はどちらを使っても効果は同じなのですが、理論どおりにならないのがエフェクターの面白いところで、音の特性も変わってきます。さらに、増幅部分に真空管を使ったものもありますね。

 
さらに、クリッピングにも種類があります。先ほど書いたとおり、BOSS OD-1に使われた「非対称クリッピング」、があれば、当然あるのが「対称クリッピング」、そして、ゲインの増幅回路の部分で出来た歪み(理論上はないはずですが、パーツには限界があります)のみで、クリッピングを行わずに出力する、「コンプカット」の3種類です。また、クリッピング回路は場所をとらないので、これらをスイッチによって切り替えできるモデルも存在します。特に、「コンプカット」が可能なモデルは、ほとんどがスイッチによってクリッピングのあり/なしを切り替えられます。
サウンドを知る基準としては、増幅部分で基本的な音色を作り、クリッピングによって歪み方を変える、という感覚でいいと思います。

というわけで、今回は「オーバードライブ」がどういうものか、についてをまず書いてみました。このあと、どのように選んでいくか、ということについては、後編で書きたいと思います。
それでは・・・to be continued.



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