The EFFECTOR BOOK Vol.1の連載記事でインタビューをさせていただいたブランド、MAD PROFESSORのMighty Red Distortionです。MAD PROFESSORは、フィンランドのアンプ/エフェクトブランドで、エフェクターのデザインをしている、Björn Juhlさん(BJF)はヨーロッパを中心に絶大な人気を誇るビルダーさんです。元々BJF Electronicsというブランドをやっておられましたが、今ではMAD PROFESSORでその手腕を発揮されているというようですね。
では、早速このMighty Red Distortionをレビューしてみましょう!
Mighty Red Distortion
こちらが、Mighty Red Distortionです。直訳だと「力強い赤」といった感じでしょうか。名前にあるとおり、ディストーションペダルです。コントロールはVOLUME、PRESENCE、DISTORT.となっています。80年代後半のハードロック系によくある、コンプレッションが強めの歪みを作り出すもの、ということですね。
中はこんな感じになっています。基板はモールドではなく、絶縁のための黒いゴムが巻き付けられています。基板にボンドで留められていますので、パーツ等はあまり見えないんですが・・・
隙間からのぞくと、こんな感じになっています。LEDクリッピングですね。Opampは、AD797ANZが使われています。けっこう高いOpampです。さほどパーツは多くなく、標準的なディストーションのパーツ量といった感じですね。
では、レビューしてみます。
- 操作性
いい感じです。コントロール自体は普通に見れば分かるかと思いますが、ToneでなくPresenceコントロールが搭載されているのが特徴的ですね。これにより、倍音を調整することでゲインや高域はもちろん、中低域をいじることなくバランスを変えることで出方を変化させることができます。BJFはかなりこのペダルの中域に自信を持っているようですね。
- サウンドレポート
では音を。動画を作る時間がなかったので、音源のみですがサンプルをUPしてみました。
ローゲインサウンド
ギターはテレキャス、アンプはGVA Customで、アンプのEQはTreble、Bassともに12時の状態にしてあります。ハイゲインの方は、Presenceが1時、Distort.が4時あたりのセッティング、ローゲインの方は、Presenceが11時、Distort.が10時あたりのセッティングとなっています。ギター側のVOLとTONEはフルテンで、リアPUです。
ザクザクで倍音の豊かなハイゲインサウンドから、クランチ程度のサウンドまで、幅広く作ることができます。ドンシャリサウンドを作ることはできませんので、メタル向きではなさそうですが、それ以外のロック〜ブルースならなんにでもこれ1台で使えるほどのディストーションペダルですね。反応性も十分で、非常に図太い中低域が特徴です。前にスタジオで使った時には、マーシャルアンプとの相性も非常にいい感じでした。ディストーションらしい鋭さがあり、それでいて分厚さもあるので、音の塊がそのまま飛んでくるような印象です。ここまでの幅広さを持ったディストーションペダルは、今のところ他には見たことがないです。回路としてはRATの進化形だそうですが、ここまでくるともう別物ですね。このクラスだと当然のことかもしれませんが、各ノブの可変もスムーズで、どこからか急に音が変わったりしないので音作りもやりやすいです。現在最もお気に入りのディストーションです。
というわけで、MAD PROFESSOR Mighty Red Distortionのレビューでした。MAD PROFESSORのペダルは、筐体がアルミではなく、より強度がある代わりに重くて高い、亜鉛ダイキャストを使用していて、持った感触もアルミと違いますし、かなり重厚で密度がある印象があっておもしろいです。MAD PROFESSORは少しずつ取扱点が増えているそうですので、もし見かけられたら是非試してみてください。クオリティ高いです。
MAD PROFESSOR/Mighty Red Distortion【マッドプロフェッサー】【smtb-ms】 |