MXRとCustom Audio Electronicsのダブルネームで製作されているシリーズの大型パワーサプライ、「MXR/CAE POWER SYSTEM MC-403」のレビューをしてみたいと思います。といってパワーサプライですからそんなに書くこともありませんが・・・w
さっそくいってみましょう!
MXR/CAE POWER SYSTEM MC-403
こちらが、Power Systemです。でかいです。サイズは、タバコの1カートンより横幅をすこし広げたくらいのサイズでしょうか。1Uラックに収めることもできます。
Power Systemは全出力が独立してレギュレートされたタイプのパワーサプライで、以前レビューしたVoodooLab Pedal Power 2 Plusと似たタイプの電源装置です。
出力は3種類、16個搭載されています。
まずはエフェクターにとって基本的な9VDC出力。各端子の最大電流は80mAで、これが8個搭載されています。18VDC出力は125mAの容量で4つ、さらにWhammyなどを駆動させる800mAの9VAC出力が2つ、付けられています。
また、出力電圧を6.5〜15.0VDCの間で可変出来る端子が2つ付いています。この端子は赤いプッシュボタン、そして小さなノブと連動していて、プッシュボタンを押していない状態6.5〜10.5VDC、押した状態で10.5〜15.0VDCの電圧を、ノブを使って可変することが出来るという仕組みです。シビアな電圧調整ができるわけではありませんが、この端子を使えば電池が消耗した状態をシミュレートしたり、12Vなどの電圧を出力することも可能です。ここは200mAの電流容量があります。
写真左の部分に電源コードを差し込みます。右は電源の出力で、3極タイプの電源コードからコンセントと同じ電源を供給することができます。
中央にある赤いスイッチは115V(日本やアメリカなどの地域)と230V(欧州などの地域)の切り替えスイッチです。
電源のON/OFFスイッチも搭載しているため、簡単にエフェクターの電源を一括管理することができますね。
せっかくなので中を開けてみましょう
パワーサプライの内部って地味なものが多いですが、これは派手ですね。巨大な丸いトランスが2つ見えます。パーツも所狭しと並んでいますね。
トランスです。2つあるのは、さきほどの115/230V切り替えスイッチでトランスを切り替えるためですね。どっちがどっちかは分かりませんが、違いはコイルの巻き数だけだと思います。
大きな排熱板を付けたレギュレータが2つ。これは9VAC出力用でしょうか。
ずらりと並ぶレギュレータです。9VDC出力用だと思います。各出力個別にレギュレートされていることが分かりますね。
本体の写真はこんなところでしょうか。では、レビューしてみたいと思います。今回はパワーサプライですので、特に音について書くことはありません。
- 操作性
というわけでレビューです。操作性といっても、まぁパワーサプライですから、電圧を間違えたりしなければ基本的に難しいことはなにもありません。電圧を可変出来る出力のコントロールも単純明快で良い操作性だと思います。
本体はやはりでかいです。もちろんその分出力の数も多いわけですが・・・Pedal Power 2 Plusと比べると、高さというか、厚みは1Uラックサイズということもあり、薄いですが、横幅は倍以上あります。
また、若干使いづらい点としては、本体側面にあるコンセントの出力端子が日本のコンセントとは違っているため、変換プラグ等を買わないといけません。また、付属する電源コードも、アース端子付のタイプ・・・アンプ等によく使われるタイプとなっているため、こちらも一般的なアース端子のないコンセントに差し込むには変換コネクタ等が必要です。
そして、電圧を可変出来る端子のノブ・・・このノブは一応▽で印がつけられているのですが、今それがどこを挿しているのかわかりにくく、また「最小」「最大」を示す方向もバラバラなので、その都度最小〜最大に回して「どのあたり」というのを決めなければなりません。ノブで電圧を調整するため正確さに欠けるのは仕方のないことですが、それゆえ例えば「12VDCで駆動するけれど12.5Vになると壊れるよ」というような機材には危なくて使うことができません・・・まぁそんなは機材ほとんどないですがw
逆に、良い点をを挙げてみましょう。まずは端子の数。これだけの端子数があれば、たいていのエフェクターボードはこれ1台で足りてしまうと思います。全ての出力端子が独立しているため、デジタルエフェクターと同時にアナログエフェクターを使っても、クロックノイズがグラウンドループから干渉してくる心配もありません。各出力に1台のアダプターを使っているのと全く同じ形となります。
続いて、18VDCが4つも付いている点です。最近は、「18Vでしか駆動しない」エフェクターは減りましたが、逆に「18Vでも駆動できる」エフェクターは増えています。そういったペダルに、18Vと9Vの電源を供給して音を比較する、といったことも簡単にできますし、電圧可変の出力を使えばさらにベストな電圧を探し出すことも出来ます。
例えば・・・
こんなボードの電源も、これ1台でOKです。これでもまだ出力端子が余っていますので、ボードのサイズが足りなくて入れていませんが、ここにさらにWhammyを追加したり、18V駆動に対応したペダルを入れたりすることが出来ます。写真では12Vまでの電圧に対応するProteusに電圧可変可能な出力を、18V駆動対応のForest Green Compには18V出力をつないでいます。
写真のように立てて使うことも出来ますし、各面が平らなのでボードに寝かせた上にエフェクターを並べることもできます。
また、旧Xotic Robotalk(レビュー記事)のように2つのアダプターを必要とするエフェクターや、センタープラスなエフェクターがあってもこれ1台で対応できるのは素晴らしいです。そして、電源スイッチが思った以上に便利です。エフェクターの電源を一括で管理できるのがこれほど楽だとは思いませんでした。ボードに入れて移動するような場合はもちろん、自宅で使うだけでも非常に便利です。
といった感じでしょうか。操作性は悪くないどころかとても良いと思いますし、いろいろなエフェクターに対応することができるというのも素晴らしいです。本当にこれ1台あれば、たいていのエフェクターボードは電源について考える必要がなくなると思います。大型なのでエフェクター数が少ないプレイヤーには無用だと思いますが、8台とか10台とかエフェクターを使っている方にはぴったりのパワーサプライではないでしょうか。とても良いモデルです。
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