きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

チューブスクリーマー特集2012 Part1 Tube Screamerの歴史


5年くらい前、このサイトを始めたばかりのころにチューブスクリーマー特集という記事を書きました。
今でもアクセスしてくださる方がいるようで大変ありがたいんですが、いかんせん情報が古くなってきたので改めて、チューブスクリーマー特集をやってみたいと思います。ちょうど今年はTS9発売30周年ってこともありますしw

で、この特集は何パートかに分けてお送りしたいと思います。今回はパート1、Tube Screamerの歴史です。

ではでは、いってみましょう!

チューブスクリーマーとは

TS808
チューブスクリーマーは、1979年に発売されたオーバードライブペダルです。当時、製作は日伸音波製作所、販売は星野楽器が行っていました。正式名称はIbanez TS808 Tube Screamer Overdrive Pro。
上の写真(リイシューモデルです)のように、コントロールノブとスイッチの間に段差を設け、角度の付いたパネル部に四角いキャラメルスイッチが配置されている見た目が特徴です。カラーはグリーン。今でもTube Screamerのシグネチャーカラーとして有名です。
日伸音波製作所のオリジナルブランドはMaxon。そのMaxonブランドではOD808というペダルが発売されていて、そのペダルのOEMという形で販売されたのがIbanez TS808です。Ibanezは星野楽器の海外ブランドでしたので、チューブスクリーマーが最初に発売されたのは海外だったわけですね。TS808は回路の変更が行われ、別のペダルとなりますが、最初期のOD808はTS808と全く同じです。
なお、Ibanez名義のエフェクターは2002年まで、日伸音波製作所で製作されていたそうです。それ以降は星野楽器が独自で製作しているため、現在のIbanezとMaxonは全く関係ないブランドとなっています。
TS808はデュアルオペアンプを使用して増幅を行い、ダイオードによる対称クリッピングを行っています。Tube ScreamerといえばJRC4558Dオペアンプが非常に有名で、特に初期の「艶あり」オペアンプは貴重だ、というのはよく言われますが、実は初期のTube ScreamerはRC4558Pというオペアンプが使われていました。その違いは比較したことがないのでなんとも言えませんが、音は違いがあるそうです。ただ、RC4558PのTS808は、なんていうか、すごかったですw
ちなみに見分け方。基板を見れば一発なんですが・・・

この部分。アダプタ端子のところに、ナットが付いているかいないかでもだいたいの判断はできるようです。付いている方が古く、後期型のオリジナルTS808は上の写真のように、ジャックがそのまま剥き出しになっています。(この写真は現行のリイシューモデル)
また、型番表記がTS-808になっているものとTS808になっているものがあり、ハイフンがある方が古いようです。Opampの変更、アダプタジャックの変更、型番表記の変更が同時に行われたのかどうかは不明で、一部混ざっている可能性はあるので目安程度にしておくのが良いかもしれません。

また、さらに最初期のモデルは、ナローケース、つまり幅の狭いケースを使ったモデルもあったようです。このモデルは回路も違っていて1458オペアンプが2つ使われたもの・・・つまりMaxon OD808と同じ回路のものが存在していました。非常に数が少ない、レアモデルです。1979年に発売されたTS808ですが、1979年のうちにナローケースからワイドケースへ、そして現在のTube Screamer回路へと変更されたそうです。

全くの余談ですが、1978年に、BOSSがOD-1を発売しています。「Overdrive」を名乗った世界初のコンパクトエフェクター(ちなみに型番にODを使ったのはMaxonが先でした)だったわけですが、この回路はTube Screamerとよく似ています。ただし、発売当初はクアッドオペアンプを採用していて、その後TS回路に近いデュアルオペアンプに変更された経緯があります。なので、今の標準的オーバードライブ回路、すなわちTS系の回路を最初に作ったのがどちらなのかは今となっては分かりませんが、ただ、このOD-1とTS808、お互いになんらかの影響を及ぼし合っていたというのはあり得る話だと思います。こういうの想像するのって楽しいですw

TS9

さて、Tube Screamerは1982年、大きく姿を変えます。TS9の登場です。また、筐体からOverdrive Proの文字が無くなりました。この写真(リイシューモデル)のように、フットスイッチが大きくなり、また型番と製品名を表す部分がシルクスクリーンプリントからシルバーパネルとなっています。基本的に使われている筐体の形は同じですが、これだけで見た目のイメージは大きく変わることになりました。
また、現在でもIbanez、Maxon共に最新のエフェクターにもこの形状の筐体が使われています。
TS9の回路はTS808と特に変わることはありませんでした。アウトプットセクションに違いがあるそうで、TS9の方が少しだけ明るい音となってはいるようです。また、一部モデルでJRC4558Dではなく2043DDやTA7558搭載したものも流通していたようです。TS9は1985年まで生産されます。また、同時期にはMaxonからTS9筐体を使用し、Mid Boostを追加した「Maxon ST9 Super Tube Screamer」も発売されていました。また、MaxonではTube Screamerを内蔵したMULTI-EFFECTS UE300というアナログマルチエフェクターも販売していました。
その後1986年頃、Tube Screamerの見た目はまた大きく変更されます。

TS10の登場ですね。Tube ScreamerといえばSRVことスティーヴィー・レイ・ヴォーンが使用していたことで有名で、TS808からTS10までいろいろ使っていたみたいです。
TS10は、見ての通りフットスイッチが右下に移動し、プラスチック製のスイッチになりました。また、名称もTS10 Tube Scraemer Classicと名前を変えています。ポットやジャックにもプラスチックを多用し、かなりコストの削減が行われたことが分かります。回路も若干変更されたようです。さらに、TS10は途中から台湾で製造されるようになります。
また、同時期にMaxon ST9の回路を踏襲したモデル、「Ibanez STL Super Tube」も発売されていました。ST9自体も筐体変更され、Maxon ST-01 Super Tube Screamerと名前と見た目を替えました。
TS10はその後1988年まで製造が続けられます。



Tube Screamerは、3たび外観が変更されます。
1988年ごろから生産されたこのモデルは、Ibanez TS5 TUBESCREAMERとなり、Sound Tankというシリーズに組み込まれます。黒くて丸っこいプラスチック筐体となり、見た目もかなり安っぽくなってしまいます。通称ゴキブリ、と言われるほどです。生産は台湾で行われ、Daphoneに委託されていたようです。回路はTS9に近い形に戻され、それゆえ外観に似合わず音色の評価が高いペダルでもあります。このシリーズは1999年まで製造されます。




Tube Screamerにとって4度目の外観変更となったのが1999年、Ibanez Tone-LOKシリーズの登場によるものでした。
このIbanez TS7 TUBESCREAMERは、ノブをしまい込める構造となっていて、一度設定したノブを誤って蹴飛ばしたりしないように作られています。筐体も金属に戻されています。生産は台湾。
このモデルには切替スイッチが装備され、TS9モードとHOTモードを切り替えて使えるようになっていました。HOTモードはよりハイゲインなサウンドとなります。TONE-LOKシリーズは昨年、2011年まで生産されていたようですが、現在は終了となっています。このTS7の生産終了で、事実上Tube Screamerの系譜は途絶えることになります。


TS9

しかし、Tube Screamerはリイシューというもう一つの血統を持っています。それが最初に登場したのは1993年。TS9 1st Reissueと呼ばれるモデルです。外観はオリジナルモデルと全く同じですが、裏面のラベルがシルバーになっているのが違いです。(オリジナルはブラック)後期のTS9と同じTA7558オペアンプを使用して製作されました。

さらに、1996年にはラベルにCEマークが付けられ、パーツ類が変更されたバージョンが製作されます。通称2nd Reissueと呼ばれます。同時期にOpampもTA7558からJRC4558Dに変更されているようですが、若干のずれもあるようで、TA7558が載った2nd Reissueもあるようです。また、RoHSの関連とも言われていますが、海外向けにあえてJRCチップを使わないモデルの生産も行っているようです。

TS9DX
その後1998年にはTS9DXが発売されます。オリジナルTS9サウンドに加え、+、HOT、TURBOの3つのサウンドモードを追加したモデルです。このモデルが好評だったこともあり、翌年のTS7にHOTモードが搭載されたのかもしれません。

さて、2002年のことです。Ibanezは全てのエフェクターを自社で製作することになり、それまでのMaxonによる製作ではなくなりました。そのため、この前後で基板にはMaxonではなくIbanezと書かれるようになっています。


TS808
2004年には、ついにTS808 Reissueが発売されます。オリジナル回路や筐体を再現して作られたモデルとなっています。


TS808HW
さらに、2008年にはバッファをなくしてトゥルーバイパスとし、さらに回路をラグ板で組んだハンドワイアードバージョン、TS808HWが登場します。これはもう記憶に新しいですね。当時大変な話題だったことを覚えています。


TSA15H
そして、2010年には15W出力のフルチューブアンプにTube Screamerを内蔵した「Tube Screamer Amp」ことTSA15Hを発売します。


TS9B
翌2011年には2バンドEQとクリーンミックスを搭載し、帯域をベース向けにしたTS9B Bass Tube Screamerを発売します。


【ギターアンプ】Ibanez TSA5 [TUBE SCREAMER AMP]

【ギターアンプ】Ibanez TSA5 [TUBE SCREAMER AMP]
価格:19,800円(税込、送料別)

そして今年になり、先月にはTS9発売30周年を記念した特別外装の限定モデルTS930TH、そして5Wと30WのコンボアンプバージョンのTube Screamer Amp、TSA5とTSA30が今年発売されます。

現在のラインナップは、エフェクターがTS808 Reissue、TS9 Reissue、TS9DX、TS808HW、TS9B、TS930TH、アンプがTSA5、TSA15H、TSA30となっていて、未だTube Screamerというエフェクトが支持され続けていることを示しています。
長い歴史を持つエフェクト故、現行モデルだけでなく過去のモデルもいろいろあり、それぞれ音色の違いもあるのですが、その全てが「Tube Screamerの音」が出るのもまた事実です。
初めてオーバードライブに触れるプレイヤーにはTube Screamerのサウンドとスムーズで歪んでいるのかどうかよく分からない独特の音色を教えてくれるでしょうし、また数々のオーバードライブに触れてきたプレイヤーには、一度立ち返ることの出来る原点を再認識させてくれる。もちろん、Tube Screamerこそが最高という方もいると思います。

それがTube Screamerではないかと思います。ちなみに、Tube Screamerは全然歪まない、と感じている方は、SRVのように2台直列でつないでみてください。Tube Screamerのサウンドが非常によく分かると思います。

いつまでも変わらない、それでいて常に進化し続けるオーバードライブです。まさに名機と呼ばれるのにふさわしいペダルだと思います。

Part2へ続く
 
人気blogランキングへ にほんブログ村 音楽ブログへ



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy