1979年に発売されたオリジナル「TS808」から今年で35年。それを記念し、Ibanezから新たに発売された最新のチューブスクリーマー、TS808DX。これまでNAMM SHOWでの発表、新製品情報、試奏レポートと載せてきましたが、今回はレビューしたいと思います。
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Ibanez TS808DX Tube Screamer Overdrive Pro
こちらが、そのTS808DXです。大柄な筐体のブースターを搭載。これまでのTSのスタイルとは違ったタイプのペダルとして作られています。筐体の雰囲気は旧来のTS808よりもTS808HWに近いですね。
コントロールは、Overdrive、Tone、Level、そしてBoost。さらにブースターの位置をオーバードライブの前後で入れ替えるPre/Postセレクトスイッチも搭載。モダンなコントロール配置となっています。
新旧筐体比較。今回のレビューでは、このTS808DXとTS808 Reissueを使って比較していきます。どちらも現行品ですし、特にリイシューのTS808は現在のチューブスクリーマーの中でもスタンダードなモデルの1つと言えますね。
こうしてみると、筐体の形状は基本的に継承されていますが、形は違います。色も違いますね。DXモデルの方が高さも低めになっているのが分かります。
本体奥。こちらはアダプタージャックと9V/18Vの駆動電圧切替スイッチがあります。接続するアダプターは9Vですが、18Vモードにすると内部で昇圧され、18V駆動に切り替わります。
新旧比較。これまでのモデルは、アダプタージャックがミニプラグのタイプとなっていましたが、DXではスタンダードなセンターマイナスの2.1mmバレル型となりました。いわゆるBOSSアダプターなどと同じプラグです。
TS808モデルでは、オリジナルや、それを再現したリイシューモデルはもちろん、よりモダンなTS808HWでもミニプラグでしから、今回のモデルで初めて、アダプタージャックの形状が変わったことになります。
また、このペダルではON/OFFを表示するLEDも大型のジュエルタイプのものが使われています。アンプなどに使われるのと同じようなスタイルですね。これにより、視認性も抜群です。
ちなみにリイシューモデルのLED。これはオリジナルのスタイルを継承しているんですが、ものすごく見づらいです。真上から見れば分かりますが、斜めで、例えば光が当たったりするともう見えません。
裏蓋です。ここのスタイルは似通っていますね。
電池ボックスの蓋。実は共通パーツです。
では、裏蓋を開けてみましょう。
TS808DXでは、蓋を開けるとすぐに基板が見えます。ここで見えている基板は、おそらくブースターの回路です。
TS808リイシューの方も裏蓋を開けてみました。よく見てもらうと分かりますが、ブースター基板の裏で絶縁している黒いプラスチック、右側のTS808DXで絶縁している部品と全く同じです。共通の部品を使うことはコストの削減にもなりますが、電池ボックスや内部の絶縁板などで、TS808と同じパーツを使っていることに、このペダルの場合はちょっとした意味があるように思います。
リイシューの絶縁板を外しました。基板裏の構成です。こうして見ると、基板自体の作りやはんだ付けなども違っているのが分かります。
ブースター回路を持ち上げたところ。基板の作りはかなり現代的ですね。
さて、TS808DXの基板を外しました。めっちゃ大変でした。外側のノブやスイッチ等のナットを外す・・・くらいはたいしたことないんですが、それでもなかなか基板が外れません。理由は本体奥にある9V/18V切替スイッチ。あれがひっかかってしまいます。
基板を外す際は、なにかの工具でこのスイッチを奥に押し込みつつ、ノブというか、ポット部を上から押してやれば基板が外れます。もしやる場合、力を入れすぎて壊さないように気をつけてくださいね。
オーバードライブや昇圧回路などの基板です。あちこちから配線が飛び出ていて、なかなか見やすい写真が撮れませんでした・・・
さて、この基板をよく見ると・・・Opampが3つありますね。左側におなじみのJRC4558Dが2つ、右側には、ちょっと見えにくいですがTL061CPというOpampが載せられています。昇圧用かなにかでしょうか。
2つのJRC4558D。なぜ2つのOpampが必要なんでしょうか。回路の解析などは行っていませんが、1つの仮説として考えられるのが、「9V駆動」と「18V駆動」で、完全に別の回路となっているという可能性です。ここの写真だと小さくて分からないと思いますが、よく見るとクリッピングと思われるダイオードも2組あったりします。「9V駆動」用は、これまでのTS808を踏襲したものを、パーツまで含めてしっかりと再現し、「18V駆動」用は、昇圧された電圧に耐えられる、耐圧の高いパーツを使いつつ、オリジナルの回路を踏襲したものとなっている、という可能性ですね。
事実は分かりませんが、もしそうなら、Ibanezのこだわりに脱帽です。
ブースターの回路(たぶん)はこんな感じです。
こちらはおなじみの、TS808リイシューの回路です。JRC4558Dは1つしか使われていませんね。
さて、写真はこんな感じでしょうか。ではレビューを・・・といきたいところなのですが、今日のレビューは準備にすごく時間がかかってしまって、もう日付が変わってしまいそうです。
そこで、いったんこの記事を「前編」として、後編では音について書いていこうと思います。このまますぐに書きますので、公開は日付が変わると思いますがすぐです。
後編できました!
〈TS808 35th Anniversary〉 OVERDRIVEの新境地 - “TS808DX”登場!IbanezTS808DX【入荷】 |
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