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最新チューブスクリーマー!「Ibanez TS808DX」レビューします! 後編


前編はこちら
伝説のオーバードライブペダル、TS808の発売から35周年。それを記念して発売されたTS808DXのレビュー。各部の写真などを掲載した前編に続き、後編では音色について主に書いていきたいと思います。

では、いってみましょう!

Ibanez TS808DX Tube Screamer Overdrive Pro


それではレビュー、いってみます。
 

  • 操作性

試奏レポートでも載せましたが、このペダル、操作性は非常に良いです。基本的にスタンダードなオーバードライブ+ブースターという構成で、切替スイッチの役割も各ノブの役割も全てがとても分かりやすいです。筐体サイズは大きめなんですが、その分各コントロールの幅に余裕があって扱いやすいですね。
また、前編で見たとおり内部の基板がかなり大きく、その中をぎっちりとパーツが詰まっているので、この筐体サイズになったのは操作性のためだけでなく、物理的な理由もあったのかもしれませんね。前編での仮説が正しければ、このペダルには2つのオーバードライブとブースターという、3台分の回路が収まっていることになります。
 

  • サウンドレポート

では、音です。まずはいつも通り、サンプルサウンドから。

サンプルサウンド1(TS808DX vs TS808 Medium Gain)

全ノブを12時にしてのオーバードライブサウンドです。ブースターは使っていません。

Download聴けない場合はこちら

  • 録音環境

ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Overdrive:12:00、Tone:12:00、Level:12:00(TS808DX、TS808共に)
サウンド:TS808DX→TS808→TS808DX(18V駆動)

サンプルサウンド2(TS808DX vs TS808 High Gain)

ゲインを上げてのオーバードライブサウンドです。ブースターは使っていません。

Download聴けない場合はこちら

  • 録音環境

ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Overdrive:Full up、Tone:3:00、Level:12:00(TS808DX、TS808共に)
サウンド:TS808DX→TS808→TS808DX(18V駆動)

サンプルサウンド3(Boosted Overdrive)

TS808DXでブースターとオーバードライブを両方使用してのサウンドです。(オーバードライブ側の設定、DAWの設定、フレーズはサンプル2と同じ)


Download聴けない場合はこちら

  • 録音環境

ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Overdrive:Full up、Tone:3:00、Level:12:00 Boost:3:00(Pre) / 1:00(Post)
サウンド:Pre Boost→Post Boost

サンプルサウンド4/5(Booster)

ブースターのみのサウンドです。

サンプル4:Download聴けない場合はこちら
サンプル5:Download聴けない場合はこちら

  • 録音環境

ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:BoostのみON
サンプル4:バイパス→Boost:Minimum→バイパス→Boost:12:00→バイパス→Boost:2:00
サンプル5:Boost:3:00

音はこんな感じです。
まずはオーバードライブの方から。サンプル1や2を聴いてもらえると分かるとおり、TS808 Reissueモデルと今回のTS808DXの9V駆動では、音色はほとんど変わりません。あえて細かく言えば、リイシューモデルの方が少しコンプレッションが強め、DXの方が少しオープンで分離感が高めになっているのが分かります。特にゲインを上げるほど、その違いが分かりますね。ただ、それぞれ単体で弾いていれば、どちらがどちらだか全く分からないくらいの違いですので、ほぼ同じ音のペダルだと言って良いでしょう。
一方、18V駆動にすると違いがけっこう出ますね。設定が同じでも音が大きめでダイナミクスレンジは明らかに広がり、ゲインが少し下がります。セオリー通りの違いですが、こうして実際に聴くとその効果がよく分かります。このペダルの場合、回路は同じでも9Vと18Vでパーツが違っている可能性があるので、余計に違いが出るのかも知れません。
音色自体は、昔ながらのというか、スタンダード、トラディショナルなチューブスクリーマーの音です。強めのコンプレッション、強く強調されるミッドレンジ、ソフトでスムースなエッジの音色です。
ブースターとオーバードライブを組み合わせると、また雰囲気が変わりますね。基本的に音はチューブスクリーマーの音そのものですが、より迫力のある音色となるのが分かります。通常、オーバードライブとブースターを組み合わせる場合、ブースター→オーバードライブの接続(Preモード)ではブーストによりゲインが高まり、オーバードライブ→ブースターの接続(Postモード)では音量が高まります。この特性はTS808DXでも実感することができます。
ただ、実際にTS808DXでブーストを使ってみると、Preモードでもけっこう音量が上がりますね。これはおもしろい特性だと思います。たいてい、リードなどでゲインを上げたいときって、音量も少し上げたいことがありますが、これならPreモードにしてBoostノブを高めにしておけば簡単です。扱いやすい特性ですね。
Postモードでは、明らかに音量が上がります。ゲインも多少上がっていますが、今回チューブアンプなので、アンプ側が多少プッシュされているというのもあると思います。TSの場合、前段ブーストでプッシュしてもそこまで強くゲインは上がりませんので、例えばマーシャルなどのクランチ設定に使う場合だと、Postモードの方がより高いゲインを作ることができるかもしれません。このあたり、PreとPostの使い分けはそれぞれの好みやその時の環境などで求める設定にすると良さそうですね。ちなみにサンプル3でPostモードでBoostの値を下げているのは、それ以上にするとDAWのインプットでクリップしてしまうためです。
最後にブースター単体でのサウンド。サンプルサウンドでは4と5ですね。さきにこのサンプルサウンドについて解説すると、サンプル4はバイパスとONを繰り返しつつ、Boostノブを上げていきました。しかしBoost2時の設定で思いっきり弾くとクリッピングしたので、サンプル4の最後のブーストサウンドは少し弱めに弾いています。ただそれだとブースト高めの音色が分かりにくいと思ったので、サンプル5で弱めに弾いてクリップしないギリギリのところ(Boost3時)で、高いブースト設定でのブースト量を載せました。
ブースター単体の音色は、味付けのほとんど無いタイプの音色です。少しだけコンプレッションがかかるかな、という感じの音ですね。ブーストノブは、最小設定でほぼユニティゲイン。そこから12時ごろまでは、ブースト量がゆるやかに上がっていきます。12時の位置でもほとんどブーストされません。しかしそこからブースト量が上がり始め、フルアップまで上げれば+20dBという、一般的なクリーンブースターのフルアップレベルと同等のブースト量となります。ノブの設定は、前半が「軽くブースト」の詳細な調整、後半が「がっつりブースト」できるアグレッシブな設定、という感じの使い方ができます。最初は、12時でもほとんどブーストしないので、あれ?と思ったんですが、このノブの動きの特徴が分かれば、非常に使いやすい特性のノブであることが分かりました。
けっこう「あとちょっと」が欲しいときってあると思いますが、そう言うときはだいたい12時あたりまでの位置でブーストします。その部分はかなり微調整が効くので、細かい音色のニュアンスなどにこだわって詳細にブースト量を調整できます。一方、しっかりとブーストして音量とゲインを上げたいなら12時以降の設定で、一気にブーストの設定ができます。
 
実際に使ってみて思いました。このペダル、すごいです。よくよく考えて作られているのが分かります。かつてIbanezは、TS9のリイシュー(1stリイシュー)でオリジナルと違ったOpampを使用し、それを指摘されてから現行品ながらもオリジナルと同じOpampに変更した、という経緯があります。
Ibanez側が無知で、そのため最初のOpampを間違えた、として語られることが多いこの事例なんですが、一方で、Ibanezはユーザーの声にしっかり耳を傾け、丁寧に対応するブランドである、ということも言えると思います。
今回のTS808DXは、これまでTS808に対して言われてきたこと、ユーザーの声をよく聴いて作られたペダルだと思います。LEDが見づらいという点には大きなジュエルタイプにして対応していますし、18V駆動やブースター搭載も、Full-Driveの存在もあるのかもしれませんが、ユーザーからの要望があったことだと思います。
思い返せば、TS808HWにしても、当時隆盛を極めた「TS系」「Son of Screamer」と呼ばれたペダルの特性・・・トゥルーバイパス、バッファなし、ハンドワイヤードという声に対応して作られたモデルと言えますね。
まぁ、HWにしてもDXにしても、おもしろいのが「ユーザーの声に対応」したというよりも、それを超えてさらに一歩進めたようなモデルを作るところですね。HWについては、まさかラグ板のTSが出るとは誰も思わなかったでしょうし、DXにしても、LEDをここまで大きくしなくても良かったかもしれませんし、また、(実際どうか分かりませんが)18V用と9V用のTS回路を分けてまで18V駆動のモデルをつくるとは予想しなかっただろうと思います。
IbanezがTube Screamerというペダルに込めた想い。特にTS808への想いは本当にすごいものがあると思いました。
素晴らしいペダルです。Tube Screamerが好きな方は、是非とも触ってみてほしいと思います。
サンプルムービー

 
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