国産ハンドメイドエフェクターブランドを応援する特集第4弾。前回のInner Bamboo Electronに続き、今回はギターやベースのメーカーとしてもよく知られる、Crews Maniac Soundを取り上げたいと思います。
特にここのところ、ペダルやボード周りのモデルに力を入れている印象のあるCrews Maniac Soundは、どんなペダルをリリースしているのか、改めて見ていきましょう。
では、いってみます。
まず、Crews Maniac Soundはどんなブランドかというと、オリジナルのギターやベース、またヴィンテージモデルを元にしたコピーモデル、さらにカスタムオーダーモデルなどをラインナップするブランドで、オリジナルエフェクターもギター用やベース用、アコースティック用などいろいろ製作しています。Crews Maniac Soundはブランド名で、社名は株式会社クルーズ。80年代、ギターパーツを中心としたお店から始まったということですね。現在は渋谷にある楽器店、フーチーズの運営を行っていて、そこのスタッフの村田氏はEffector Bookで「今さら人に訊けないエフェクターの使い方」の連載をされているので知っている方もいるかもしれません。自社工場は持っておらず、Crews Maniac Soundとしてラインナップする機材はほぼ全て、国内の、Crews Maniac Soundが信頼する工場で生産されているということです。長い歴史と高い知識のあるブランドとして知られ、多くのプロもその機材を使っていますね。
例えば、これはCrews Maniac Soundの有名なG.O.Dというペダル(冒頭の写真のペダル)ですが、がっしりしたデザインながら、バラしてみると非常にメンテナンス性が高い作りにもなっていて、日本の工業製品らしい作りとなっています。
パーツ類も、例えば変わったNOSパーツを使っている、等というのではなく、スタンダードなパーツを組み合わせ、丁寧な作りで製作されています。音や機能への追求も、汎用部品を使いながらブランド名の通りマニアックで細かなところまでこだわって作られています。
これ以上やるとG.O.Dのレビュー記事になっちゃいますので(それは今後またやりたいですが)、Crews Maniac Soundというブランドがどういうブランドか分かったところで、ラインナップを見てみることにしましょう。
Crews Maniac Soundはいろいろなラインナップがありますので、ギター用エフェクター、ベース用エフェクター、その他という順に見ていきたいと思います。ギター本体やベース本体、アクセサリ類については、ハンドメイドエフェクターブランド特集と言うことで、今回は割愛します。
- ギター用エフェクター
Crews Maniac Sound G.O.D
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G.O.Dとは、Genius Over Driveの頭文字を取ったもので、AとB、2ch仕様のドライブペダルとして使うことができます。コントロールは上段がDriveA、DriveB、Contour、Output。下段がBottom、Middle、TrebleのEQセクションで、さらにBottom Shift、Treble Shiftの切替スイッチを搭載。フットスイッチは右側がON/OFFで、左側がDriveAとBのゲイン切替となっています。
9〜15Vのアダプタ駆動が可能で、付属する15Vアダプタを使えばよりヘッドルームの高い音色が得られるという形です。音色としてはかなりディストーションに近い歪みが得られるペダルで、実際のゲイン以上に歪んでいるように聞こえる鋭く刺さるようなサウンドが特徴。しかしほぼクリーンな音色も作れます。
デモムービー
Crews Maniac Sound Quadrive
Crews Maniac Sound 《クルーズ》 QUADRIVE |
この「Quadrive」は、G.O.Dと対にして使えるようなスタイルのペダルです。外観も似ていますね。ブースター付オーバードライブとなっていて、コントロールは上段にGain、Contour、IMP-Adjust、Output、下段にBass、Middle、Treble、Boost Levelです。右側のフットスイッチでON/OFF、左側でブーストのON/OFFができます。ブースト側のみをONにすることはできません。
音色はG.O.Dよりも穏やかなドライブサウンドで、G.O.Dと同時に使うとより多彩な音色を作ることもできるように作られていると感じました。
試奏レポート
デモムービー
サンプルムービー
サンプルムービー2
Crews Maniac Sound Valve Drive
こちらは、12AX7真空管を搭載したオーバードライブです。
電源はコンセント。コントロールはGain、Bass、Treble、Level。「伝説のチューブドライバーサウンド」を元にしていると言うことで、筐体やコントロールなどを見てもおそらくですがEric Johnsonの使用でも知られるChandler Tube Driverを元にしたペダルだと思います。
サンプルムービー
- ベース用エフェクター
Crews Maniac Sound DPA2B
続いて、こちらも有名なモデルですね。
ベース用のアウトボードプリアンプ「DPA2B」です。
多彩な機能を搭載していて、入出力端子は2インプット、エフェクトループ、ラインアウト、XLRのバランスアウト、ヘッドフォンアウト、チューナーアウト、およびフットスイッチ端子を搭載。コントロールはCh.1、Ch.2(2つのインプットのそれぞれのコントロール)とエフェクトループのバランス(クリーンミックス)、Out、そしてLo、Mid・Mid FRQ、HIのミッドレンジをパラEQとした3バンドEQを搭載しています。3つのフットスイッチは左からEQセクションのON/OFF、エフェクトループのON/OFF、そしてミュートスイッチです。ヘッドフォン用のヴォリュームコントロールも付いています。
ミキサーに直接接続するラインアウトにも対応するプリアンプで、多彩な機能でボードを一括管理できるモデルですね。
- その他
Crews Maniac Sound DPA2A
ベース用のアウトボードプリアンプ「DPA2B」に対し、こちらはアコースティック用のアウトボードプリアンプ「DPA2A」です。
こちらも豊富な入出力端子があり、ピエゾとマグネットそれぞれのインプット、ラインアウト、XLRバランスアウト、エフェクトループ、ヘッドフォンアウト、チューナーアウトを搭載。コントロールはPiezo、Magnet、Effect Balance、Out、Lo、Mid、Hiとヘッドフォンの音量調整です。フットスイッチはEQセクションのON/OFF、エフェクトループのON/OFF、ミュートスイッチとなっています。こちらも多彩な機能を搭載したモデルですね。
Crews Maniac Sound DMA-3.2
3系統の入力を持つフットタイプミキサー。コントラバス奏者にも人気です。Crews DMA-3.2 Discre... |
入出力端子は、Ch.1〜3の3つのインプットと、メインアウト、XLRバランスアウト、チューナーアウト、エフェクトループとなっています。コントロールはCh1〜3の出力とエフェクトループのミックス、マスターヴォリュームで、エフェクトループのON/OFFと、各チャンネルのON/OFFスイッチを搭載。本体奥にあるスイッチで、フットスイッチの動きを、各チャンネルそれぞれ個別にON/OFFするか、選択したチャンネルのみをONにしてあとはOFFにする一発切替タイプにするかを選択できます。
使用例
Crews Maniac Sound DC-Train
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6つの9Vアウトプット、1つの15Vアウトプットを搭載したモデルで、9Vアウトは300mAまで、3つずつ独立した形となっているので、例えば右半分にアナログ、左半分にデジタルペダルをつないで内部で電源を独立させるということも可能。
また、15V端子は、G.O.Dのような15V駆動のペダルに使ったり、2つのDC-Trainを15V端子でリンクさせることもできます。
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Crews Maniac Sound SBS-01
ペダルボードの必須アイテムCrews Maniac Sound / SBS-01 Switchback Station 【パワーサプライ... |
ボード周りに使える非常に便利なモデルですね。
Crews Maniac Sound GB-VI
そして、ラストがこちら。こちらはアンプ用のパワーアッテネータです。これでチューブアンプの音量を詳細にコントロールすることができます。
チューブパワーアンプとスピーカーの間にスピーカーケーブルで接続して使うアッテネータで、アンプからのインプット、スピーカーへのアウトプットの他、ラインアウト、ヘッドフォン端子も搭載。コントロールは出力の調整(0〜アンプの半分)と、ラインレベルとなっています。150Wで8または16Ωの出力に対応したアンプに使うことの出来るモデルとなっています。
というわけで、Crews Maniac Soundの機材をいろいろ見てきました。エフェクター、アウトボードプリアンプ、そして電源やボード関係にアッテネータと、非常に多機能なモデルからアイディア商品までいろいろラインナップしています。
プレイヤー視点で必要なものを詰め込んで作られているモデルばかりですね。こだわりの高さが分かるブランドだと思います。
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