超個性派から正統派なペダルまで、ラインナップされる多くのペダル全てが独創性あふれる老舗エフェクターブランド、Z.Vexから、新製品が登場です。
その多彩なラインナップの中でも特に個性派なシーケンサー搭載ペダル。それが強烈にパワーアップしました。
この写真は、Ringtoneというシーケンサーを使ったリングモジュレーターです(レビュー)。多くの小さなノブが付いていて、これでステップシーケンサーの各ステップの設定を行うペダルですね。Ringtoneの他、Seek WahやSeek Trem、Tremoramaといったペダルがラインナップされています。それにしてもZ.Vexのペダルって絵になりますね。美しい。
それはともかく、今回、このシーケンサー搭載ペダルが大幅に進化しました。ハンドペイントバージョンも作られているようですが、今回はより低価格なVexterシリーズでの登場です。ちなみにハンドペイントとVexterシリーズ、現在は音に違いがなく、基本的に外観と生産国のみの違いとなっているようですね。
では、3種類見てみましょう。
Z.Vex Super Seek Trem Vexter Series
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最も大きな進化としては、これまで8ステップだったシーケンサーが16ステップに増えています。これによりさらに多彩な効果が実現できるようになりました。そして4つの大きなノブといろいろなスイッチが付いていますね。
まず、大きなノブはそれぞれSpeed、Gliss、Tap Div/Delta、Steps/Presetとなっています。Speedはシーケンサーのステップスピードの調整です。隣にあるSEQスイッチはSTEPとRNDの切替で、これによりシーケンサーの動きを順にステップさせるか、ランダムで動かすかを切り替えられます。
Glissはシーケンサーのステップの間をグリッサンド、つまりどれだけスムーズに変化させるかの設定です。ノブの下にあるGroove/Trem切替スイッチにより、その動きを変えることもできるようです。
左下のTap Div/Deltaは、左側のTapスイッチと合わせて設定します。Tapスイッチでタップテンポを行った場合、Tap Divによって実際に設定されるテンポの倍率を変えられます。DeltaはSonarにも搭載されていたコントロールで、ノブの隣にある←/ /→のスイッチと連動しています。スイッチが中央の時は無効ですが、それ以外の時はTapスイッチを長押しすることでテンポをだんだん速くしたり遅くしたりすることができます。速くするか遅くするかはスイッチで、どの程度テンポを変えるかをノブで設定するコントロールです。
右下のSteps/Presetは、グローバルなセッティングノブです。まず、シーケンサーのステップ数を2〜16までで自由に設定出来ます。続いて、このペダルは8種類のプリセットを設定できるんんですが、その読み込みの設定に使うという感じですね。細かい操作についてはまだ分かりませんが、おそらくフットスイッチと組み合わせてプリセットの読み込みや保存ができるんだと思います。
各ステップシーケンサーに付いているノブは、音量の調整で、このノブの位置によっていろいろな表情を持つトレモロを作ることができます。左のフットスイッチはHold機能もあり、あるステップでエフェクトを固定することができます。
さて、このペダルはただものではありません。ここまででも十分すごいんですが、さらにこのペダル、MIDI IN/OUT THRU端子と、TAP IN/OUT、EXP端子を搭載。MIDIクロックに合わせてテンポをシンクロさせることや、外部からのタップテンポ入力、逆に本体のタップテンポを外部に出力することができます。EXPはCVを使ったエクスプレッションペダル端子で、右上のGLISS/OFF/SPEEDスイッチによってエクスプレッションペダルの役割をグリッサンドコントロールとスピードコントロールの2種類に設定することもできます。MIDIを使えば、例えばドラムマシンやその他MIDIクロックソースに合わせてエフェクトを動かすことで、リズミックな効果を作ることができますし、タップテンポのIN/OUTでは同じシーケンサーペダルやその他タップテンポ入出力に対応したエフェクターとテンポを同期させることができる、ということですね。
非常に凄まじいペダルです。アナログシンセや、デジタルシンセなどの技術も応用した集大成的なペダルですね。
Z.Vex Super Seek Wah Vexter Series
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エフェクトはワウで、各シーケンサーの上のノブでワウの開度を調整することができるようになっています。全体的な機能としては、先ほどのSuper Seek Tremと同様で、ステップ数やプリセット、デルタコントロール、グリッサンド、MIDIやEXPペダルなどの同じ機能を備えています。
Z.Vex Super Ringtone Vexter Series
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NAMM SHOWでの解説(英語)
どのペダルもとんでもない機能性を備えています。大柄な筐体ですが、それを補ってあまりある機能ですね。よくこれだけ、アナログの風合いを壊すことなくこれだけの機能を搭載したものだと思います。このスタイルのペダルを今後増やしていくだけで、Moogerfoogerのような個性派エフェクトの代表的なシリーズとなっていけるほどの可能性を秘めていると思います。
多機能すぎて、何を言っているのか分からない的な状態になっているかもしれませんが、1つ1つの機能はそれほど難しいものではありませんので、じっくりと見てみるとこのペダルの機能を理解できるかと思います。
それにしてもすごすぎる。安いペダルではありませんが、この機能や音色を考えれば十分だと思いますし、つい欲しくなってしまいそうなペダルですね。
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