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SONAR初見勢による「Cakewalk by BandLab」での曲作り Part.10 ベース、ヴォーカルのミックス


無償で使えるフル機能のDAW、「Cakewalk by BandLab」を使って1曲作ってみるシリーズ、いつの間にかパート10ですね。前回に続き、ミックスをやっていきます。

Part.9(前回)はこちら
Part.1はこちら
Cakewalk by BandLabのダウンロード方法はこちら

Cakewalk by BandLabが公式に日本語対応となりました。今回の記事の画像はそれ以前に作ったものとなるため、英語版の画像となりますが、プラグイン画面とコンソール画面が主なので、そこは日本語英語関係ないところだと思います。

前回はドラムのミックスをしました。今回は続けて、ベースとヴォーカルをやっていきます。バンドサウンドでは、特にこの3つ。ドラム、ベース、ヴォーカルが基本の柱となります。なのでここからミックスをしていくのが良いと思います。

前回やったこと
・スネアの音作り
・バスドラの調整
・タムの調整
・太鼓類に歪みをミックス
・ハイハットの調整
・シンバルのゲート調整
・クラッシュの左右PAN振り
・ライド調整
・アンビエントマイクトラックの調整
・ドラムトラックをコピーして太鼓の音を強化
・ドラム全体のバスにリバーブをミックス
・ドラム全体の音量調整

ドラムはトラック数も多いので、やることもたくさんありました。DAW付属音源ならではの機能不足を補ってみたりといったこともやってましたね。

今、トラックはこんな感じでバスにまとまっています。
では、続きやっていきましょう。
まずはベースのミックスですね。ベースはそれ自体がけっこう強い音です。低音なのでセンターに居る(どこに居ても同じように聞こえる)んですが、それでいて音が強いので、他のパートの邪魔をしないように、それでいてしっかりと存在感を確保するようにします。


今回はこんな感じのEQにしてみました。超低域は下処理でカットしたところ、黄色でカットしている部分は他の楽器のためのスペース、それより下はベースの原音、緑でブーストしているところは、今回のベースサウンドでちょっとおいしい感じだったので上げました。その後青とローパスで一気に下げていますが、ここは今回のSI-Bass Guitar音源でなんかジリジリしたノイズ成分みたいなのが出てくるところなのでそこはカットしています。けっこうプラグインのベース音源だと、どこかにこういうノイズ成分みたいな帯域がありますね。


それから、真空管シミュレーターとコンソールエミュレータで音を多少作ります。ベースってレコーディングの時にDIを通した音とアンプの音をミックスすることがあるんですが、そのアンプ部分の成分を足したような感じです。


さらに、SaturationとShaperというエフェクトをかけています。どちらもプロチャンネルに入っているエフェクトですね。Saturationはドイツ、Softube社のエフェクトで、FETの歪みとコンプレッションをシミュレート。真空管ライクなドライブサウンドを作ります。これもアンプ成分の音を足す役割です。
Shaperはトランジェントコントロールというエフェクトで、要するに音のアタックを変えます。50%の位置でクリーン、そこから増やすとアタックが強調され、減らすとアタックが減ります。ベースサウンド全体的に平坦な感じだったので、ここではアタックを少し強調しています。


続いてBassバスでのEQ。今回、ベースは1トラックのみで、それをバスに通しています。この形ではEQを二重がけしているわけですが、そこには意味があります。ベーストラックでのEQは音作りでのEQ。なのでベース単体での音を重視して調整します。バスでのEQはバランスのEQ。楽曲の中で音を聴かせたいところと聴かせたくないところを設定しています。この緑の軽いブーストと青のカットは、ベーストラック側でのEQと似た形ですね。ベース単体で音を調整し、その後他のトラックとも合わせてみたところ、やはりこの部分の形をよりはっきりさせたかったということです。
あと、この画像左上で、76系コンプもかけています。トラック側でアンプサウンドをミックスした形を再現したり、アタックを強調した後にコンプが入る形になります。まぁそれ自体はプロチャンネルの中で接続順を変えることでもできるので、トラック側でもできるんですが、基本的なイメージとして、トラック側の調整は録音時にミュージシャンがやるもの、バス側の調整はコンソールでエンジニアがやるもの、みたいな分け方をしています。ここはそれぞれやり方があると思いますが、私の場合そうやってイメージを分ける方が音作りがしやすい、というだけの話です。


Bassバスでも前回設定したリバーブにSendしています。
このリバーブのSendなんですが、前回の説明のとおり、「同じ空間で音を鳴らしている」ようにするために重要な役割となります。各パートがしっかりとなじんで、違和感の無いまとまりのある楽曲に仕上がります。もう1つ、ここへのSendレベルを調整することで、各パートの立体的な立ち位置が変わったりします。近い音はリバーブ少なめ、遠い音はリバーブ多めとなります。一方、音量によっても変わりますね。大きな音はリバーブ多め、小さな音はリバーブ少なめです。ヴォーカルやリードギターみたいな大きめの音は、リバーブを少なくしすぎると浮いてくるので、ある程度強くリバーブをかけた方が自然に目の前で音が鳴っているように聞こえます。この辺は実際に音を聴きながら設定する感じですね。
あーそういえばセンドリバーブですけど、「リバーブエフェクトは全部センドにしよう」ってTips、よくありますよね。たしかに同じプラグインを複数使うより、まとめてセンドにする方がCPUの負担は減ります。多くのトラックで同じ設定のリバーブを使うなら、それをセンドにしてしまった方が良いというのは理があります。ただ、私はけっこう気にせずインサート(各トラックやバスに直接エフェクトをかける)でリバーブを使っています。前回のドラムのミックスでもそうでしたよね。どれだけプレートリバーブいれるんやってくらいあっちこっちにプレートリバーブ使ってました。
よく言われるTipsで、リバーブをセンドで使うってのは、「原音とエフェクト音のバランスをちゃんと取るため」だったりします。ただ、リバーブプラグインって中の設定でウェットとドライのバランスを分けられるので、別にインサートで使っても全然問題ないんですよね(常にWet100%の設定しかできないリバーブプラグインはセンドするしかありませんが)。
じゃあCPU負担や、空間の把握以外にセンドでリバーブをかける意味が無いかというと、それは違います。センドでかけたリバーブは、元のトラックにシグナルが戻ってくるのではなく、後でミックスされます。なのでリバーブ成分だけを別途どこかに出して加工したりする、という時にはセンドで使う必要があります。自分が何をどうしたいのか、そしてそれはどうすれば出来るのかを考えて使い分けるのが大事という話ですね。
あくまで私の場合です。今回のBassバスでもそうなんですが、ミックスのとき、音作りのための設定とバランスのための設定をけっこう分けて考えてやっています。そのため、私の場合は音作りのためのリバーブはインサート、バランスや位置取りのためのリバーブはセンドと分けて使っています。まぁもちろん、前回のTaiko_Fxバスみたいに、複数のエフェクトをパラレルで使いたいって時はセンドしますけど。
また、センドリバーブはベースにかけなくても良いよ、というのを見たことがあります。たしかにあんまりローエンドにリバーブが強くかかると好ましくない結果になることもありますが、特にプラグインで打ち込みのベースを作ると、リバーブかけないと浮いてくることがあるので、その辺は楽曲次第でやったりやらなかったりということになるかと思います。基本的に、音の前後の位置、奥行きを調整するためにセンドリバーブを使っている、というのが私のやり方です。どのTipsも正しいことを言っているんですが、「それだけが正解じゃない」というか、前回も書いたとおり「ミックスに正解はない」と思います。スタート地点としてTipsを利用するのは良いと思いますが、鵜呑みにしてそれだけが正解だ、としてしまうと、たいていよくない方向にいってしまいがちだと思います。

さて、これでベースのミックスは終わりです。最後にBassバスでフェーダーを調整します。


前回のドラムと、今回のベースだけを鳴らして、マスタートラックでだいたい-4〜-5dBくらいになるように設定します。その後調整が必要なら調整しても良いと思いますが、基本的にこの設定にして、できるだけ動かさないようにします。

ベースをやったら次はヴォーカルいきましょう。
以前Part.7でボカロの調整をしたとき、こんな事を言っていました。

実際の楽曲では、同じ音程を重ねて歌うということも行われます。これはヴォーカルの音を太くしつつ、どうしてもある細かいズレを味わいとして奥行きを出す表現です。これはボカロではできない(無理矢理やろうと思えばできますが)ので、そこはミックスの時に別の方法で厚みをつけます。

ヴォーカルにちょっとずれたヴォーカルを重ねて音に奥行きを出すという手法。ついでにこれをやるとヴォーカル自体が太く存在感が出ます。これをミックスで再現する・・・実は言葉で言うとシンプルで「ダブリングをかける」と言います。
普段はWaves Diamondに入っているダブラープラグインを使うんですが、今回はあくまでCakewalkに最初から入っているプラグイン、ということなので、使えません。
なので、まずは「ダブラープラグイン」を擬似的に作りましょう。


ということで、「Mod」というバスを作ります。ReverbバスやTaiko_Fxバス同様、センドエフェクト用のバスとして使います。そしたらここに、Sonitus ModulationとSonitus Delayをインサートしましょう。


モジュレーションの設定はこんな感じ。プリセットに「Default Ensemble」というのがあったので、そのまんま使ってます。ほとんど揺れの無い、薄いモジュレーションエフェクトですね。Wetだけ100%に設定します。


そしてディレイの設定。ここは左右分けて、左側が32ms、右側が16ms、フィードバックは0で、1回しか反響しないショートディレイです。ダブリングディレイって言ったりしますね。ちなみにこのSnotus Delayでディレイタイムを数値で設定するには、下の方にあるTempo Syncってボタンを押してOFFにします。また、中央のLinkってボタンを解除することで左右個別のディレイ設定ができます。ここもMixは100%(キルドライ)に設定します。


そしたらVocalバスで、Reverbと先ほど作ったModにSendします。それぞれ設定はこんな感じです。このセンドエフェクトは全てパラレル(並列)で出るので、ここの順番は関係ありません。パラレルエフェクトループ、という使い方ですが、DAW内での処理ではこのトラックにエフェクト音は戻ってこず、各バスFXで設定したアウトプット(今回はMaster)に出力されます。
あと、この画像のとおりコーラスをまとめたバスにもリバーブをセンドしています。これはヴォーカルとの位置関係で、メインヴォーカルの後ろにコーラスが立っているのをイメージした設定です。メインヴォーカルのトラックにはリバーブはかけていません。

この「疑似ダブラー」みたいな感じで、複数のエフェクトをまとめて、同時にパラレルで使う時はセンドエフェクトを使うと効果的です。シグナルがどう接続されていくのかを考えると良いですね。例えば、このモジュレーションとディレイはどちらも個別にDry/Wetの設定ができるので、1つずつ使う時はインサートで使っても問題ありません。ただ、今回のように2つ同時にかけたいときにインサートすると、ヴォーカルにモジュレーションがかかり、ミックスされた後で別のディレイがかかる流れになります。つまり、モジュレーション成分とヴォーカルの原音両方にディレイがかかる形になります。それを今回のようにセンドで使うことで、ヴォーカルにかけるモジュレーションの成分にだけディレイをかけて出力できます。ディレイもWet100%になっているので、モジュレーション自体が少し遅れて出力される形になります。
「ダブラー」というエフェクトは、元の音にピッチを少しだけ変えたディレイを混ぜます。Cakewalkに最初から入っているプラグインにピッチシフトが無いのでモジュレーションで代用していますが、こうすることでそれと似た効果を作っているというわけですね。今回そこまでやってませんが、Wavesのダブラーとかだと3声(ディレイが並列で3つかかる)みたいな形になります。そこまで再現するなら、別途ディレイのセンドFXバスを複数作って、Modのバスから100%で各ディレイに並列で出力する、ということをすればできます。


また、Vocalバスのプロチャンネルでコンプレッサーをかけます。ヴォーカルのコンプはけっこう強めにかけて良いです。特に1176系コンプを使って、Ratioを20、アタック最大、リリース最小という設定、好きです。何かで見かけて真似てみたらすごい良かったので、それ以来よく使う設定です。ただ、楽曲によってレシオを20にすると歪むことがあるので、その辺はその都度設定を変えます。今回は20でOKでした。レシオっていうのは、コンプレッサーに入るシグナルがスレッショルドを越えてからどの程度潰すかという設定ですね。値を大きくすればするほどコンプが強くかかると考えて良いです。


さらに暖かみを出すため、真空管シミュレーター、コンソールエミュレータをかけ、上に抜けるような音にするためプレートリバーブをかけています。ヴォーカルにプレートリバーブをかけると、頭の上から声が出てるような感じになるのが良いですね。実際に歌うときも、声はのどじゃなく頭の上から出てるように意識すると歌いやすいかったりします。

ここまで設定したら、あとはフェーダーの調整ですね。

ドラム、ベース、ヴォーカルをまとめて音を出し、-2dB前後になるようにすると、勝手に良いバランスになっていることが多いです。あとの2dBは、ギターとかストリングスのための空間ですね。まとめると、ドラムで-6dB、ベースを加えて-4dB、さらにヴォーカルが入って-2dB程度、という感じですね。

これで、楽曲の屋台骨のミックスができました。今回の曲では最初と最後がピアノだけの伴奏で歌っているので、そこはまだですが、とりあえずバンドサウンドが入るところの調整は完了ですね。
今回やったことをまとめましょう。

今回やったこと
・ベースの音作り(EQとアンプの音をイメージ)
・ベースバスでEQとリバーブ
・ベースの音量調整
・ヴォーカルに“ダブラー”をかける
・ヴォーカルの音作り
・ヴォーカルの音量調整

です。次回は、ピアノとストリングスのミックスをやってみましょうか。
Part.11 ピアノ、ストリングス、ギターのミックスと音圧調整

Part.9(前回)はこちら
Part.1はこちら
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