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SONAR初見勢による「Cakewalk by BandLab」での曲作り Part.11 ピアノ、ストリングス、ギターのミックスと音圧調整


無償で使えるフル機能のDAW、「Cakewalk by BandLab」を使って1曲作ってみるシリーズ、今回はピアノとストリングス、ギターのミックスをやってみましょう。

Part.10(前回)はこちら
Part.1はこちら
Cakewalk by BandLabのダウンロード方法はこちら

前回で、楽曲の屋台骨となるドラム、ベース、ヴォーカルをミックスしました。今回の楽曲は最初と最後にピアノだけで歌うところがありますが、それ以外のところ、バンドサウンドの入る部分はこれで「十分聞ける形」になっているはずです(もちろんギター等がないからさみしい、というのはあっても)。

前回やったこと
・ベースの音作り(EQとアンプの音をイメージ)
・ベースバスでEQとリバーブ
・ベースの音量調整
・ヴォーカルに“ダブラー”をかける
・ヴォーカルの音作り
・ヴォーカルの音量調整

でした。今回は、残りのパート、ピアノとストリングス、さらにギターのミックスをやります。
まずはトラックとバスの形をおさらい。

今、トラックはこんな感じでバスにまとまっています。

では、ピアノのミックスです。
ピアノはPart.2で音を設定して、そのままですね。

YAMAHA CP-70。1976年に発売されたヤマハのエレピを再現した音です。

実際のミックスをやる上で、その楽器がもともとどういうものか知っておくことは重要です。エレピ、エレクトリックピアノとは、アコギに対するエレキギターのようなモデルです。弦を張り、それを打って音を出す。その構造は本物のピアノと同じ。ですが音を大きくして届ける構造を電気的に行います。要はピックアップがあって、それで音を出す訳ですね。まさにエレキギターと同じ。
なので、音としてはピアノ版の「エレアコ」「エレキギター」みたいな音になります。これまで私も表記いろいろ間違えていますが、現在の電子ピアノ、つまりデジタルでサンプリングしたリアルなアコースティックピアノの音を出すものとは違っているわけです。まぁ今回はそれをプラグイン(デジタル)で再現しているわけなので、電子電気ピアノ、というのが正しいのかもしれませんが・・・w

で、エレピの音。これはアコギに対するエレアコやエレキギターの音に近い特性を持っており、それをアコースティックピアノの音に近づけたいと思います。といっても完全に再現するのは無理です。これはエレアコのラインアウトをマイク録りと同じ音にするのは無理なのと同じですね。
ですが、できるだけ近づけましょう。今回はイントロがピアノのみ、一方リファレンスとして使っているいきものがかり“Yell”も、イントロはピアノから始まります。ここを聞き比べて、遜色がない・・・は無理としても、できるだけ近い形にしたいと思います。


まず何よりも重要なのがEQ。Yamaha CP-70のピックアップはピエゾピックアップです。エレアコのピエゾの音に近い特性があるので、それをアコースティック風にするため、ローミッドを大きくブーストし、ハイエンドを落としました。


さらに厚みと倍音の広がりを出すため、コンソールエミュレータ、テープシミュレーター、プレートリバーブをかけています。テープシミュレーターはアコースティックピアノの音源にもよく使う感じですね。

ちなみに、ピアノトラックは今回2つあります。Part.2でコピーしてバンドサウンドのところでピアノの音を前に出していましたが、その設定はそのまま使っています。今回これだけ様々な設定をプロチャンネルでしたので、おなじことをやるのは大変です。なので・・・



プリセットとして保存し、Piano2トラックではプリセットをロードすることで設定をそのままコピーすることができます。


さらに、ピアノのバスでもプロチャンネルを設定します。
まず、SHAPERを使ってちょっと不足気味のアタック、つまり打弦時の圧を強めに出します。
さらにEQを調整します。基本的な方向は先ほどと同じ、ローミッド強調、ハイカットです。ローミッドの下に細いQで音を思いっきりカットしているところ(緑のところ)がありますが、これはこの帯域の音がなんか嫌な出方をしていたためです。ノイズまで行かないけど、なんかモワモワ感が耳に付いたのでカットしました。


さらにここではホールリバーブをかけています。暖かく音を広げるためです。


で、バスのリバーブセンドを設定。これでピアノのミックスはOKです。

次はストリングス行きましょう。ストリングスはPart.4で音を設定しました。

デフォルトのまんまですね。この設定自体はそのまま変えていませんが、曲を作る上でストリングスの「リードとバッキング」を分け、さらにCメロでリードを強調するためリードトラックをコピー、都合3トラックになっています。
しかし、このストリングスプラグイン、音がいいんですよ。なので各トラックでは下処理としてローエンド、ハイエンドをカットしただけで、それ以外はいじってません。


音に暖かみを出すため、ストリングスバスでテープシミュレーターをかけています。


そしてEQはこんな感じ。黄色でカットしているところは歌を前に出したいため。他のブーストは音を聴きながらちょっとだけふくよかさをプラスした感じです。


あとセンドリバーブ設定。これで終わりです。

次はギターのミックスです。まずはアコギからいきましょう。
アコギの音は、今回は基本的にそのままでOKでした。Part.5でTH3を使って作った音ですね。アルペジオは右がコンプとリバーブ、左がコーラスとリバーブ。コードは右がコンプ+リバーブ、左がリバーブ+コンプという接続でした。このままの音で基本OK、あとはEQ下処理で上下を軽くカットしています。


ただ、ちょっとアルペジオのトラックが弱かったので、それぞれBoost11を挿入し、音の厚みを付けました。

続いてエレキギターの音ですが、まずサビのバックに入るエレキの音。これもPart.5でTH3を使って作った音そのままです。右チャンネルがコンプとマーシャルアンプ、左チャンネルがマフとオレンジアンプですね。

このとおり、下処理のEQをかけただけです。これで十分音が良いと思いました。

次はリードギター。リードはPart.6で基本の音を作りました。バッキングのエレキと同じ、右チャンネルがコンプとマーシャルアンプ、左チャンネルがマフとオレンジアンプで作っていましたが、ミックスを進めていき、最後にリードとなったとき、ここで全体のバランスを聞くと、リードの音に全く満足できませんでした。
なので、ここはしっかりやっていきます。まずは基本の音がダメでした。


いろいろ試行錯誤した結果。右チャンネルはコンプ、OD、Voxアンプ(AC30)という形に落ち着きました。

あとコンソールエミュレータをONにしています。


左チャンネルは、オレンジアンプではなくマーシャルアンプに変更。これで基本の音を作っています。


ちなみに、このTH3はサードパーティのIRを読んでキャビネットシミュレーターとして使うことができます。IRも2つをミックスさせることができて、位相の反転やミックス時のディレイも設定できます。ただ、今回は「付属プラグインのみ」で作るので、使っていません(サードパーティIRを入れるとなんか付属のみのデータじゃなくなってしまう気がしたので)。


そしたら、いったん2つのリードトラックに入れていた(Part.6参照)ディレイとリバーブのうち、ディレイを削除しました。これはディレイの設定が悪いということではなく、リードのバスでディレイをかける方がより自然になりそうだと思ったからです。


リードのバスでのディレイ設定。Part.6では右チャンネルのディレイはLのみ、左チャンネルのディレイはRのみから出力していましたが、今回はそれが合わさった形にしています。厳密に左右チャンネルのトラックはそれぞれ100%ではないため、バスでまとめてかけた方が左右の音が良い感じに混ざる形になります。それぞれディレイタイムやミックスは引き継いで、Lが全音符、Rが8分音符となるよう設定しています。


そして、バスのプロチャンネル設定。ここではリードの音をいかにバランス良く楽曲に混ぜるか、という設定をしています。まず、アタックが目立っていたのでSHAPERでアタックを弱めています。
そしてEQ。ローミッドを下げ、ハイミッドを強めに出すことで倍音を多めにしました。


そしてコンプレッサー。ここではPC4Kコンプを採用。SSLのVCAコンプですね。このSSL系のコンプは、けっこう音をなじませるのにも有効なんですよ。
さらに真空管シミュレーターとコンソールエミュレータをONにしています。


続いて大好きなプレートリバーブと、テープシミュレーターもONにしました。ギターの音が全体的に鋭かったため、暖かく、楽曲になじませる方向で設定しています。
ちなみに、TH3、つまりアンプシミュレーター側でやれば良いじゃん、と思うかもしれませんが、さんざんやったんですよ。やってもやってもなじまなくて、引っ込みすぎるか目立ちすぎるかどっちか。ならTH3は基本の音を作るだけにして、音をなじませるのはミックスでやればいいや、となりました。
なお、TH3自体は優秀なアンプシミュレーターです。今回なじまなかったのはこの楽曲だからで、また別の楽曲に使えばすんなりいくこともあります。この辺はあくまで個々の事例であり、これをもって全体の特性というわけではないです。まぁ言うまでもないとは思いますが・・・。


最後に、各ギターのバスでセンドリバーブを設定。主にAメロ、Bメロで歌のバックとしてちょっと顔を出すアコギは近めの音像、サビの後ろでストリングスと共にシンセパッド的に包み込むエレキギターは少し遠めの音像として、リバーブ多めに設定。リードは近めの音像なんですが、音が大きく楽曲にしっかりなじませるため、強めにセンドしています。
 
これで全トラックのミックス、というかその設定が終わりました。全体を通して聞いてみて、変なところはありませんか?
なければ、「音圧」を調整しましょう。
音圧とは何か。プレイヤーで「同じ音量」に設定したのに、片方の楽曲は音が大きく聞こえる。これを「音圧が高い」と言います。ギターとかで音の特性としての音圧の高さではなく、聴覚上の音量レベルが音圧の高さ、といって間違いありません。
音圧戦争という言葉があります。最近はそうでもありませんが、2010年代の初め頃、少しでも他の楽曲より音量を高めるため、音圧をとにかく上げる、という兆候がありました。もちろんそれが意味のあるジャンルもあります。ラウド系のロックとかEDMのトランスなんかは音圧重視で良いと思います。ただ普通のポップスも音圧が重視されすぎてしまい、「多少歪んでもいいから音圧を上げる」という流れがあったんですね。最近は見直されてきていますが。ちなみにひたすら音圧を上げ続けるとどうなるか、は宅録+おうちミックスでギターの音圧を上げてみよう!という記事で悪い例をやってますので、見てみても良いかもです。
一方、クラシック楽曲ならともかく、ポップスであればある程度音圧確保は重要です。良く60年代とか70年代の音源を「リマスター」して発売しますよね。このリマスターとはリマスタリング、つまりマスタリングのやり直しという事なんですが、そこで音圧がだいぶ上げられています。昔の楽曲をそのまま今のプレイヤーで、今の楽曲と同じ音量で流せば確実に音は小さいです。それは音圧が出ていないからです。高めれば高めるほど良い、ということはありませんが、ある程度十分な音圧を確保していないと、元気のない曲、で終わってしまうこともあります。なので、多少は音圧を確保していきましょう。
音圧を高めるには、まずしっかりとミックスの処理をする必要があります。Part.8で行ったEQの下処理。ローエンドとハイエンドをカットするのは、音圧向上に大きな役割を果たします。なぜなら不要な帯域にパワーを割くことがなくなるからです。
これは私の勝手なイメージなんですが、「音圧」ってパズルだと思うんですよ。枠のサイズが決まっていて、そこに多くのパート/トラックを隙間無く綺麗に並べられるか、というパズル。無理矢理押し込むと形が変わってしまいます(歪み)し、スッカスカだと物足りなくなってしまう(音圧不足)。できる限り様々なトラックの形を変えずにすっきりと収まるようにEQ等を調整する、それが音圧を自然に高めるコツです。
とはいえ、じつはそこまでの行程は現時点で終わっています。ここまでやってきたミックスがそれです。なので、ここで全体の音を聴く際、パートごとの周波数帯も考えながら聞くと良いと思います。ゴワゴワしているところがあれば、EQ設定を見直してみましょう。


全体のバランスが良くなったら、最後にマスタートラックにBoost11を挿入しましょう。Part.9の最初にバイパスにしたやつですね。
今回はこれを2重にかけています。マスタートラックのリミッターで音圧を上げるのは基本的なやり方ですが、ここで音圧を上げる際、1つのプラグインで一気に上げるより、複数のプラグインを使って徐々に上げていく方が良い結果になることがあります。今回はその効果を狙っています。上の画像は1段目のBoost11の設定。


こっちが2段目のBoost11の設定です。1段目よりブーストレベルが上がっていますが、実は最初3段がけにしていたのを2段に戻したので、十分な音圧を確保するための設定です。3段にすると、Boost11というプラグインの「悪いところ」が目立ってしまったため、2段にしています。こういうことがどうしてもあるので、リミッター複数がけをする際は使うリミッターもいろいろ変えるとバランス良くなったりはします。今回は付属プラグインのみ、ということなのでBoost11だけでやってます。
ちなみに「マスタリング」という言葉、それはこのマスタートラックを調整するからマスタリングと言います。マスタリングとは、全体の音量調整で、特にアルバムなどを作る際に全楽曲のバランスを調整することです。今回のように1曲だけしか作らない時は、なんとなくですが「市場にある一般的な楽曲」と比べて音量感が足りなく無いか、バランスはどうか、というのを調整することも、広義のマスタリングだと私は思っています。
 
さて、これで全トラックのミックス設定が終わり、さらに簡易的なマスタリングもやりました。いったんこれで曲を書き出し、バランスがおかしくないか何度も聞き直します。おかしいところがあれば調整をします。
ただ、ミックスはこれで終わりません。楽曲にもよりますが、ここまででだいたい6〜7割くらい終わった感じ。最後の仕上げがこの後に控えています。それは次回やっていきましょう。

今回やったこと
・ピアノの音作り
・ピアノバスでの音作りとバランス
・ストリングスのバランス調整
・アコギ、エレキのバランス調整
・リードギターの音作り
・リードギターのバランス調整
・音圧の調整

 
次回、最終回です。最後の仕上げをやります。
Part.12 最後の仕上げ
 
Part.10(前回)はこちら
Part.1はこちら
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