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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

「IK Multimedia UNO Drum」!アナログとデジタルを融合したドラムマシン!

イタリアの音響メーカー、IK Multimediaから、クラシックなドラムマシンが発売されます。
先に発売されたUNO Synthと同様、イタリアのアナログシンセメーカー、Soundmachinesとのコラボレーションで製作されたモデルです。

IK Multimedia UNO Drum」。
6種類のアナログ音源と2種類のキック、スネア、クラップ、ハイハットのコアキット、合計54種類のPCMサンプルを収録。PCMサンプルはタム、リム、カウベル、ライド、クラッシュ・シンバルのほか、キック、スネア、クラップ、ハイハットなどにアサインでき、PCMとアナログドラムマシンを組み合わせたドラムキットを作ることができます。

COMP、DRIVE、STUTTERのエフェクトを搭載。7つの物理ノブとタッチパネルを組み合わせた操作性となっています。
内部には64ステップシーケンサーがあり、本体にある16ステップのボタン4ページで64ステップとなっています。リアルタイムで入力したり、1ステップごとに8つのパラメータをオートメーション設定したり、最大64個のパターンを組み合わせたソングとして管理したりすることができます。

デジタルコントロールとしていることで、MIDIからの操作にも対応。インプット、アウトプット、MIDI IN/OUT、USB端子を搭載。

サイズはこんな感じです。


Announcing UNO Drum analog/PCM drum machine

UNO Drum & UNO Synth performance
 
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ギターをつなぐだけでPCをアンプ化する「ギターアンププラグイン」まとめてみました。

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今、「デジタルアンプ」と呼ばれる、アンプシミュレーター/マルチエフェクター機材が全盛です。

toy-love.hatenablog.com
toy-love.hatenablog.com

KemperAxe-Fxなどのハイエンドモデルから、Mooer GE200などの小型低価格モデル、また、超小型かつ手頃なMooer Micro Preampシリーズもデジタルアンプの一種として見ることができます。

こういったハードウェアの機材とは別に、もう1つ、「デジタルアンプ」の世界があります。
それが「プラグイン」です。プラグインとは、主にDAW上で動作するエフェクトや音源(シンセ)のことですね。中には単体で動作できるものもありますが、基本的にはDAW上で、録った音や打ち込んだ音にたいしてかけるエフェクトという形でアンプシミュレーションを行うもの、それがプラグインのデジタルアンプです。

ハードウェアとソフトウェア

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ハードウェア機材とソフトウェアのプラグイン。それぞれには利点と欠点があります。
ハードウェア機材の利点は、もちろんそれ自体がそのまま音を出せるものであるということ。まぁアンプやヘッドフォンとかギターは必要になったりしますが、それは別として。いわゆる楽器機材ですので、内部に使われているDSP(デジタルシグナルプロセッサ)と、機材内で動作するファームウェアや各種サウンドは、もちろんそれ専用に設計されています。そのため、ギターやアンプをつないで音を出せば、普通に楽器やエフェクターとして音が出ます。
一方、ハードウェアの欠点は、それをDAW上から制御するのが簡単ではなく(別途エディタ等でPC上から操作できるものは多いです)、またDAW内での簡単なルーティングができない、ということ。基本的に「ハードウェアを通った音」がそのまま録音されるので、後からいじったりするのが大変ということですね。
例えば、「リアンプ」という言葉があり、これはクリーントーンで録った音を機材に戻して再生し、改めて機材を通して録音する、ということを挿します。ハイエンドなデジタルアンプ機材ならリアンプもそこそこ簡単にできるようにはなっていますが、それでもソフトウェアの利便性にはかないません。

一方でソフトウェアです。全てDAW上で制御し、また録った音に対して「後掛け」して行うため、後から音やパラメータの設定を細かく調整することができます。また、機材の置き場が不要というのも利点と言えますね。
しかし、動作させるには必ずPCが必要となります。DAWを介さないスタンドアロン動作が可能なものでも、PCは必要です。
そして、演奏したときの「リニアな反応」を望むことはまずできません。なぜなら、ギター→オーディオインターフェイス→(DAW)→プラグインという形でかかるため、どうしてもレイテンシが発生します。また、オーディオインターフェイスでモニタされる音はクリーントーンのままですので、例えば歪ませたアンプをプラグインでかけて音を出すと、クリーントーンに歪んだディレイがかかったみたいな感じになってしまい、演奏性はあまり良いとは言えなくなります。
また、一部モデルを除き、基本的に処理をPC内で行うため、高解像度や高機能なプラグインは重くなってしまうこともあります。PCの性能によっては使えなかったり、使うのが大変だったりすることもあり得るという感じですね。

どっちが良いの?

これはそれぞれのスタイルによると思います。例えば、ほとんどDTMがメインで、たまにしかギターを弾かないということであれば、ギターアンプはプラグインのみでも良いと思います。ただ上記のとおりレイテンシなどがあり、練習には向かないので、練習用の低価格なアンプなどもあると、より良いかもしれません。
ギターをメインで弾くなら、ハードウェアが欲しくなると思います。特にハイエンドなデジタルアンプ機器は、応答性も高く、ほとんどアンプそのもののように使うことができますね。いつでも録音できて、いつでも簡単に好きな音を出せる環境というのは、一度味わってしまうとなかなか戻れないと思います。

また、ギターを弾かないけどギターやベースの音源を使って楽曲を作る場合もあります。この場合はプラグインで良いと思います。あえてリアルさを追求するために「アウトボード機材」としてハードウェアを使うのはありですが、その場合はリアルアンプヘッドを通してリアンプするような形でやると、かなり本物っぽくなると思います。値段はかかりますし、大がかりなシステムになりますが、「打ち込みでも音を追求する」なら、そこまでいってしまうのもまた一つの方法です。

ハードとソフトを両立させる

個人的には、どちらも両立させて使うのが一番良いかなと思います。
例えばギターを録る時に、トラック1にハードウェアを通した音、トラック2に通さない音が録れるように設定しておきます。機材にもよりますが、別途バイパスサウンドを出力できる端子があれば、そこからオーディオインターフェイスにつなぐことで、1回の演奏でドライとウェットを同時に録ることができます。バイパスを出せる端子がない機材でも、スプリッターなどのパラアウトができるものを最初に通しておけば同様にクリーントーンだけを別に録ることは可能ですね。
そして、ドライシグナル、つまりクリーントーンの方は、後からリアンプに回したり、プラグインをかけて音を混ぜたりすることもできます。
また、「デジタルアンプを通した音にアンプシミュレーションプラグインをかける」のももちろん「あり」です。やってみると分かるんですが、これ、意外と「あり」なんですよね。音を太くして前に出したりするとき、変にレコーディング用のエフェクトプラグインをかけるより、アンプシミュレーターの重ね掛けをするとよりギターらしい音で前に出せたりもします。もちろん設定によっては破綻しますが、それはどんなエフェクトでも同じ事ですよね。

ギターアンプのプラグインまとめ

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それでは、ギターアンプのプラグインをまとめて見てみましょう。
ギターアンププラグインは多くのメーカーだけでなく、個人で製作されたものもあり、それらもフリーだったり有償だったりいろいろなものがあります。全てを見ることはもちろんできませんので、評判が良かったり定番だったりするプラグインをまとめてみました。
メーカー/ブランド名順に載せていきます。

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「Saito Guitars S-HL7」に無改造でシャーラーストラップロックを付ける方法!「Moody Strap」とストラップロックを付けてみた。

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最近人気の高い国産ギターメーカー、SAITO Guitarsの7弦ギター、「Saito Guitars S-HL7」。昨日レポートで書いたモデルですね。

toy-love.hatenablog.com

このS-HL7は、独特なボディ形状に合わせ、ストラップピンの位置も少し変わった場所に付けられています。

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こちらが元のストラップピンです。背面のネックジョイントプレートのネジ、そして、ボディエンドのエンドサポーターを固定しているネジでストラップピンを固定しています。
ただ、一般的なストラップピンを固定するネジとは違っているため、そのピンをロックピンにそのまま変えるのは難しいです。
今回は、ギターの本体や付属品に一切の改造は施すこと無く、このようにストラップロックピン

ではまず、今回使用したものから。

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現代的なスタイルのヘッドレス7弦ギター「SAITO Guitars S-HL7」買ったのでレポートします!

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今、人気の国産ギターメーカー、SAITO Guitarsの7弦ギターを買ったので、レポートしたいと思います。
モダンなスタイルと高い演奏性、そしてその価格と良い意味で見合わない高いクオリティのサウンドとして人気のギターブランドですね。

SAITO Guitarsとは

SAITO Guitarsは、2014年に埼玉県川口市で始まったギターブランドです。
代表の齋藤正昭氏はフェルナンデスエンジニアスクールの第一期生として卒業後、1991年から2013年まで東京のギターリペアショップをやっていた齋藤楽器工房によるギターブランドが、SAITO Guitarsです。
齋藤楽器工房としては、2011年にSAYTONE PICKUPSをブランドとして立ち上げ、Crews Maniac Soundのギターなどに搭載されました。その後2012年にオリジナルアーチトップギターを制作し、それがギターメーカーとしての転機となりました。2014年のブランド設立当初、SAITO Guitarsはアーチトップギターとラップスティールギターを制作、2015年にはソリッドボディのギターの制作も開始しました。

SAITO Guitarsのラインナップは分かりやすく、アーチトップギターはMから始まる型番で、「M35」は13.5インチ、「M385」は15インチのフルサイズ、基本的にジャズギターです。
ラップスティールギターはLSから始まる型番のモデルです。
そしてSから始まるのがソリッドボディ。「S-622」は6弦、22Fのストラトシェイプです。モデル名最後にJMCが付くのがジャズマスタイプ、TLCがテレキャスタイプ、MSがマルチスケール(ファンドフレット)のストラトタイプです。
同様にS722は7弦22F、724は7弦24Fモデルとなります。現時点で724はMS(マルチスケール)のみとなります。
そして、特殊な上位モデルとしての位置づけでS-HL7(ソリッドボディ、ヘッドレス7弦)があります。
また、S-420bと521bがそれぞれ4弦20Fのベース、5弦21Fのベースです。ベースは2018年に新たに加わったラインナップですね。

SAITO Guitarsのギター/ベースは基本的にセミオーダーで製作されます。大きな特徴として、木部の加工にはNCルーターを使用して3Dで削り出すことで製作されています。
そして、基本的にマットな質感で製作される塗装。単色のカラーやグラデーション、独特のグラナイト系塗装などで製作されますが、塗装はボディトップのみに行われ、サイドとバックはナチュラルで仕上げられているのも大きな特徴。塗装が薄く仕上げられていることもあってか、全体的にクリアで高い解像のサウンドで知られています。
また、SNSでのみプロモーションを行い、口コミで人気が高まっていったというところもSAITO Guitarsの特徴です。

特にソリッドボディのモデルが人気となっています。James Tyler系スタイルのヘッド形状は好みが分かれるところもあったりしますが、メイプルの中にマホガニーのラインを見せるように作られた構造など、細かなところにこだわりのある作りのギターを制作しています。

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それでは、改めて今回のモデル、「SAITO Guitars S-HL7」を見ていきましょう。

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「ORIGIN EFFECTS Cali76-CB」!オリジンエフェクツのUREI 1176系のコンパクトコンプレッサーにベース用モデルが登場!

英国のハンドメイドエフェクターブランド、ORIGIN EFFECTSを代表するコンプレッサーに、ベース用コンパクトモデルが登場です。

独特のシンプルなコントロール、そして“ロックなサウンド”を作ることのできるコンプレッサーとして、数多くのクローンモデルやプラグインが制作されている1176コンプレッサーのサウンドにインスパイアされたコンプレッサーですね。

この「ORIGIN EFFECTS Cali76-CB」は、1176同様FETで製作されたコンプレッサーです。
「CB」はCompact、Bassの意味だと思います。

コントロールはIn、Out、Dry、Ratio、Att/Rel、HPF。
インプットレベル、アウトプットレベルとドライシグナル、アタック/リリースをまとめて調整するノブとレシオがコンプレッサー用のコントロール、そして別途サイドチェインのハイパスフィルある(HPF)となっています。

このHPFは、コンプレッサーのエフェクトシグナルに送られるシグナルにかかるもので、ベースサウンドの高域にのみコンプレッサーをかけることで、低域の太さ、暖かさを残しながら高域の倍音成分を中心としたコンプレッションをかけることができます。
そして、元の低域のサウンドはDryで後からブレンドすることができるという構造です。

これはけっこう面白いですね。ペダルとしての構造はもちろんですが、プラグインを使った音作りにも応用できそうです。
例えばベースのトラックからセンドトラックを作り、そこにハイパスフィルターと76系コンプをかけてベースのバス(ステム)トラックに送ってまとめることで、ベースサウンドに迫力を加えるようなことができそうです。今度試してみよう。

ペダル自体はクラスAディスクリート回路で作られるコンパクトモデル。6ノブですがそれぞれの役割や分かりやすく作られています。
パーツにもこだわりローノイズに仕上げられています。
9-18Vアダプターで駆動するペダルとなっています。


Origin Effects Cali76 Compact Bass Compressor Demo (Review featuring Dingwall ABZ 6 string)
 
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「Kemper」とは何なのか、改めて考えてみる

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「デジタルアンプ」。今、ハイクオリティなアンプモデリングだったり、アンプサウンドを再現できる機能を持つ機器は、そう呼ばれることがあります。実際に「アンプサウンドを再現できるデジタル機材」という機能を中心とし、あとはそのサウンド周りのちょっとした機能だけを持つ、ある意味真の意味での「デジタルアンプ」と言える機材は、実はほとんどありません。
Positive Grid Bias Ampシリーズのハードウェア系と、Mooer Preamp Liveくらいでしょうか。
他のモデルは、むしろデジタルアンプというより、マルチエフェクターと言う方が正しいとは思います。

しかし、「デジタルアンプ」という言葉が今の意味で使われ始めたのは、上記のモデルが発売される前のことです。
Kemper Profiler」、「Fractal Audio Systems Axe-Fx」(当時はII)、「Line6 Helix」。この3つのモデルが「デジタルアンプ」というカテゴリとして扱われていました。
これらがそう呼ばれるようになった理由、それはKemperの存在があったことが原因だと思います。もしここにKemperがなかったら、「ハイエンドマルチエフェクター」とか「ハイクオリティアンプモデリング」とか、そんな感じで呼ばれていたんじゃないかと思います。
ちなみに、そもそも「デジタルアンプ」という言葉はオーディオ機器にあった言葉です。その意味は簡単で、デジタル回路で構成されたオーディオアンプのことです。現在でもオーディオ界でデジタルアンプといえばそういうアンプのことを指します。

Kemperの歴史

Kemperは、2011年にドイツで発売、2012年に国内でも発売が開始されました。最新のデジタル機器のイメージが未だにあるKemperですが、その発売はBOSS GT-100より前なのです。現行フラッグシップのBOSS GT-1000ではないです。その前の、GT-100よりさらに前に発売された機材なのです。
他のメーカーと比較してみても、Fractal Audio Axe-Fx IIの発売がKemperと同じ2011年。Line6はPOD HDシリーズが同時期の2011年に発売されています。

Kemper発売以降、BOSSはその後GT-100、そして2018年にBOSS GT-1000を発売。
Line6は2015年にHelix Floorを発売。現在のHelixシリーズやHXシリーズのプラットフォームはこの派生です。
Fractal Audio Systemsは2014年に機能強化したAxe-Fx II XLを、その後2018年にフルモデルチェンジとなったAxe-Fx IIIが発売となっています。

Kemperも、ラックバージョンやパワーアンプ搭載モデル、フットスイッチなどのラインナップ拡充は行っていますが、Kemperのプロファイリングアンプとしてのハードウェアは一切変更されていません。(なぜかモデル名が「Profiling Amplifier」から「Profiler」に変わっていたりはします。いつ頃変わったのかよく分かりません。現在、各楽器店の商品ページでもモデル名が混在していたりします。名前が変わっても中身は変わっていません。)

デジタル機器は「新しいほど良い」と言われますが、これほど他メーカーが世代交代を行っているにもかかわらず、未だに「最新のデジタル機器」のイメージを崩すことなく、さらに「最高峰のデジタルアンプ」としての地位も揺らいでいない。これは、Kemperという機材の異質さを端的に表しています。

Kemperのデザインと操作性

そもそもKemperは、そのデザイン自体がギター用機材としては異質です。
最近はラックバージョンを見ることも多くなっていますが、このヘッドバージョンのデザインは特に異質です。「宇宙船のコックピット」というように例えられることもあったりします。その異質さは、Kemperというメーカーのルーツによるものも大いにあります。

この機材、ギター用ではなくシンセサイザーです。「デスクトップシンセ」と呼ばれる、鍵盤の付いていないシンセサイザーで、ノブだけで音程を制御したり、外部MIDIキーボードを接続したり、DAW等のMIDIシーケンスで音を鳴らすタイプのシンセサイザーです。
まぁ機能はどうでも良くて、このディスプレイを中心に配置されたデザインのスタイルなど、ちょっとKemperっぽい感じがありますよね。
このシンセは、ドイツのAccessというメーカーによるVirusというシンセサイザーの1つです。
Virusは、DSPを用いてアナログシンセのサウンドをハイクオリティに再現するシンセサイザーとして世界的に知られています。そのサウンドクオリティと操作性の良さで高い評価を得ていたりします。

生い立ちもデザインも似ているこのVirusシンセサイザー。1997年にその最初のモデル「Virus A」を開発し、Access Music Electronics社を創業した人物こそ、Christoph Kemper氏。そう。Kemper Profilerの開発者でもあり、Kemper GmbH.代表を務めるChristoph Kemper氏その人です。

Kemperのデザインは、元々ギターアンプを設計していたメーカーではなく、シンセサイザーを設計していたことから生まれたものなのです。といって、単にシンセの方程式で作られたものではなく、きちんとギタリストの意見を聞いて取り入れ、「キャビネットの上に置いても、机の上に置いても違和感のないデザイン」となるよう作られています。
Kemperは、ギター機材として確かに異質なデザインなのですが、無謀なデザインではなく、きちんと計算された作りになっています。また、それは操作性にも影響しています。

2019年のNAMM SHOWで、Kemperは「エディタ」を発表しました。エディタとは、プリセットの内容を細かくPC上で編集するためのソフトウェアです。現時点ではまだ実装されておらず、KemperはPC上からプリセットを選択したり、共有されたプリセット(RIGと呼びます)を読み込んだりすることはできるものの、プリセット自体の細かな編集、エフェクトの選択や各パラメータの調整は本体側で行います。
エディタの実装については発売以来、本国のフォーラムなどでも多大な要望があったことは事実ですが、それでも、未だに「エディタが無い状態」であるにもかかわらず、これだけ多くのユーザーが使用し、その評価が下がることがないというのもやはり異質です。
実際に使っていると、エディタがあれば間違いなく便利になると言えるんですが、同時に「エディタがなくてもなんとかなる」ほど、「本体の操作性が良い」のもKemperの特徴と言えます。

例えば、Kemperと最も比較されるAxe-Fxシリーズは、あまりにも多くのパラメータをコントロールできるが故に、「エディタがないとどうしようもない」と言われることがあります。どちらが良いという話ではなく、これは設計思想の違いですよね。本体だけでちゃんと操作ができるように作られたKemperは、それ故に今となっては「あって当たり前」のエディタの実装が遅れていて、逆にエディタでの操作を前提としたような設計のAxe-Fxは本体だけでプリセットを作り上げるのは至難の業、ということ。どちらの方が優れているとかいう話ではなく、そういう設計思想の違いがあります。

そして、実際に多くの「デジタルアンプ」「マルチエフェクター」と呼ばれるモデルの、特に多機能な上位モデルは、そのほとんどがAxe-Fxよりの設計思想となっています。私はマルチエフェクターとして、Line6 POD HD500を持っています。実際に使用していた時、POD HD500本体でプリセットを作ったことは一度もありません。全てエディタを使用して作っていました。HelixはHD500よりは操作性が高そうに思いますが、それでもやはりあれだけの機能を操作するにはエディタがないとやってられないだろうな、と思います。
Kemperは、その辺が本体だけでもどうにかなってしまう(それでも多数のエフェクトをかけようとするとだいぶめんどくさいですが)ところはすごいなと思います。

「ギターアンプ」然とした操作感

Kemperは、その「異質」なデザインであるにもかかわらず、実際に使用するとまるで「ギターアンプヘッド」のような感覚で使うことができます。
これが、Kemperがあったから「デジタルアンプ」という言葉が使われるようになったという最大の理由ではないかと思います。
実際にKemperを「アンプヘッド」として使用しているアーティストは多いです。国内でもBabymetalのバックバンドとして有名な「神バンド」やスピッツをはじめ、数多くのアーティストがKemperをアンプヘッドとして使用しています。
実際にキャビネットの上にKemperが載っている状態でステージに置かれている、そんなスタイルをTVの音楽番組でも目にすることは多くなっています。「Kemperはアンプだ」という評価を目にすることも多く、事実所有して使ってみると、「エフェクターが付いていろんな音に化けるアンプ」という印象はとても強くなります。
機材としてのジャンルはマルチエフェクターと言って間違いはないんですが、使ってみるとその感覚はアンプのものなんですよね。そこまで意識して設計されたデザインによるものなのか、それとも出てくる音があまりにも「アンプ」だからそう感じてしまうのか、そこまでは分かりませんが、その辺りも、他の「マルチエフェクターの最高峰」的なライバル機種との大きな違いとなっているのではないかと思います。

プロファイルとモデリング

多くのマルチエフェクターは、「モデリング」という手法で、アンプのサウンドを再現しています。
モデリングとは、そのアンプを構成する要素を細かく組み合わせ、その要素がシグナルの強さなどに応じてどのように応答するかを丁寧に突き詰めていき、それらの集合体として音を作る技術です。例えはこのPositive Grid Bias Ampは、その様々な要素を自分で組み合わせてオリジナルなアンプサウンドを作ることもできるようにしたソフトウェアで、そのハードウェア版がBias Head等のシリーズとして、トップクラスの「デジタルアンプ」の一翼を担っています。
従来のモデリングは、それぞれのパーツの動作をデジタルでシミュレートして組み合わせていく方式で作られていて、そこにIRの要素も組み合わせたのが現在のハイクオリティなモデリングテクノロジーとなっています。Axe-FxやHelix、GT-1000のAIRDもそうですね。
Kemperも本体に収録されているエフェクターには従来のモデリングの方式を使って既存のペダルの特性を再現しています。

しかし、Kemperのプロファイリングはモデリングとは違った技術です。プロファイリングは、基本となるアンプサウンドの特性を算出するような「まっさらなアンプ」のようなものがあり、そこに実際のアンプの特性を読み込ませることで音を近づけることができるようになります。
これはKemperを使って、様々なアンプをプロファイルしたリグを、「あえてあり得ないほど極端な設定」にするとよく見えてきます。Gainノブをはじめ、様々なパラメータに対する音の動きが、極端な設定になるほどよく似てきて、Kemperそのものの特性が見えてきます。モデリングで作られたアンプモデルでは、極端な設定にしても破綻しないようにシミュレートされているので、そこがモデリングとプロファイリングの大きな違いです。
特にAxe-Fxのようなハイエンドなモデリングは、設定によって「アンプの特性」を保ちながら実際のアンプではあり得ないような音を、破綻せずに出すことができたりします。Kemperは、「プロファイルしたときの状態をフラット」として読み込むので、例えばアンプ側のEQを最大にしてプロファイルすれば、アンプで設定できるEQの範囲を超えたイコライジングを加えた音、みたいなことはできるんですが、Axe-Fxなどの「ハイエンドなモデリング」が作る事のできるような幅広い音色設定を、1つのプロファイルしたリグで作る事は出来ません。

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この画像は、Choptonesが無料で公開しているJCM2000のプロファイリングパックの一部です。
同じアンプでもセッティングの違い、マイクの違いなどで多数のプロファイリングを作る事ができるのもKemperの特徴ですが、それだけ多数のプロファイリングを行わないとアンプの可能性を全て取り込むような使い方をすることができない、とも言えます。ある意味で自由度が高く、ある意味で1回のプロファイリングで作る事の出来る音の幅はそこまで広くないことを示してもいます。

一方、モデリングはあくまでも決められた動きの中でしか音を作る事はできません。Axe-FxやHelixのモデリングは、それぞれ元となったアンプのサウンドを基本に発展させた音しか作る事はできませんし、Bias Ampのように「オリジナルアンプのサウンド」を作る事ができるというものでも、あくまでも決められた選択肢の組み合わせの結果による「オリジナルアンプサウンド」です。
Kemperは、例えば、「たった今自分で組み上げたオリジナルギターアンプ」の音でも、プロファイルしてデジタルアンプとして使うことができます。これは、あくまでも基準となるモデリングをメーカーが用意しなければならない「アンプモデリング」とは違った自由度の高さです。
Axe-FxやBias Amp、MooerのPremp Liveなどでも、「実際のアンプの音」を再現する機能がありますが、それは現時点ではあくまでもスナップショット的な使い方で、Kemperのように「オリジナルアンプモデリング」のように使えるものではない、というのが現状となっています。

Kemperの本質は、「真空管アンプシミュレーター」

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Kemperは、「アンプのコピー機」とか「メタモンアンプ」というように呼ばれます。一言で説明するとなるとたしかにそうなるのはよく分かるんですが、厳密には違っているとも言えます。
上の写真はKemperのロゴです。下にあるのは真空管ですね。上の部分は、ドイツの世界遺産、「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」を象徴する、世界で最も美しい炭鉱と呼ばれた「ツォルフェアアイン第12採掘坑」を元にしたデザインとなっています。

つまり、このロゴは、「真空管を掘り出す」ようなイメージで描かれているのが分かります。
実際、Kemperは「真空管アンプの特性」を丁寧に研究して細かく再現しています。

例えば、Kemper Profilerというモデル名のとおり、Kemperの最も象徴的な機能はアンプの「プロファイリング」です。
Kemperのプロファイリングには2種類の方法があり、1つは発売当初から行う事のできる、「真空管アンプにマイクを立てて行うプロファイリング」です。Kemperから出したシグナルでアンプを鳴らし、その音をマイキングしてKemperに戻すことでアンプの特性をつかみ取り、「同じ音」を出すプロファイリングですね。
これはアンプのプリアンプ、パワーアンプ、キャビネット、マイク、音を出した環境など様々な要素が合わさり、その状況でのサウンドを再現することができます。

もう1つのプロファイリングは、後からファームウェアアップデートで追加された方法で、「ダイレクトプロファイリング」と呼ばれるものです。これは、真空管アンプのパワーアンプからDIを通して直接音を取り込むもので、キャビネットとマイクのサウンドは取り込まれません。後からIRを使ってキャビネットを追加したり、他のプロファイルされたファイルからキャビネット部に相当する部分だけを組み合わせて音を出すことができます。
この「ダイレクトプロファイリング」を行う際の注意点として、「必ずキャビネットに接続して音を出しながら行ってください」と書かれています。
もちろん、真空管アンプの場合は特に、単にパワーアンプからDIにつないだだけではスピーカーの抵抗がなくなってしまい、アンプが壊れてしまう、ということもあるんですが、その抵抗を別途接続し、無音で真空管アンプをドライブできる「ダミーロード」も使わないでくれ、と書かれています。
その理由は、実際の真空管アンプは、その時のスピーカーの挙動に影響され、微妙にパワーアンプの動作が変わるためです。ダミーロードではそれが起こらなかったり、また実際のスピーカーを接続した時と違っているため、「正しくプロファイリングできないことがある」ためです。それだけ細かなパワーアンプの挙動を正確に読み取ることができる、ということを示しています。

また、Kemperのプロファイリングは、アンプをONにして音を出し始めた時のプロファイルと、1時間ほど放置してから音を出した時のプロファイルでは全く違った音になるということです。もちろんアンプがそれだけ暖かくなった状態での音の違いですが、これは「アンプを1時間プレイしていても気付かない」が、「プロファイリングをすると明確に違っている」、とKemper氏がかつてインタビューで述べていました。

Kemperは、それだけ真空管の限界動作を再現することができる機材である、ということです。
実際にソリッドステートアンプをKemperでプロファイルすると、音そのものは再現できるものの、そこに真空管アンプっぽい応答性が加わると言います。実際にJC-120をプロファイルしたリグで音を出してみると、確かにJCの音がするんですが、そこに真空管アンプのような暖かさがほんの少しですが加わった音になっています。
つまり、Kemperの本質は、真空管アンプのサウンドや限界動作を再現することに特化した「真空管アンプシミュレーター」だと言えます。

それでも、HelixとかAxe-Fxとか、GE200やZoom G3などを「プロファイリング」したリグが共有されていたり、中には1176コンプレッサーをプロファイルした音があったりして、それぞれがちゃんとそれっぽく、マルチエフェクターごとの特性が再現されていたりとか、アウトボードに直接ギターを突っ込んだような特性が再現されていたりするところもKemperのおもしろさだったりしますけどね。(GE200のプロファイリングとか、まんまGE200の特性が出ていて笑いました。)
 
ということで、Kemperとはいったい何なのか、ということをだらだらと書いてみました。

Kemperは、最近ではスタジオに設置されるほど一般化されつつあるハイエンドデジタルアンプです。
発売から長いこと、ハードウェアのモデルチェンジが無いことがその大きな要因となっています。もちろん、細かなソフトウェアアップデートは幾度となく行われており、現時点ではバージョン5.7.8が最新となっています(2019/4/29に公開されたバージョン)。
とはいえ、元々の発売はPOD HDシリーズと同期、BOSS GT-100より古い機材だと改めて考えると、とんでもない機材であることが分かると思います。
これほど長く、トップの座に君臨し続けているデジタル機器を私は知りません。Axe-Fxは「シリーズ」としてはKemperと対を成す、もう一つのトップに君臨し続けていますが、その中ではモデルチェンジによる世代交代が起こっています。
これが、Kemperという機材の異質さを強く示しています。

まぁ、考えてみれば、ギタリストが求める音色は数十年単位で変わっていないんですよね。真空管アンプは60年以上前からある技術です。もちろん、初期の真空管アンプと、今の真空管アンプでは備わっている機能も違えば、内部のゲインステージも違ったりします。でも、基本構造は大きく変わっているわけではなく、60年前のアンプも今のステージで現役で使っても何も違和感が無い、どころか、むしろ「良い音」と賞賛されたりもします。
それらのアンプと「同じ音」が出せる機材であれば、別にハードウェアとしてのモデルチェンジは必要なく、機能を強化したり操作性を高めるファームウェアアップデートで十分だ、というKemperの考え方もよく分かります。
ライバルの多い「モデリング」の世界なら、より高い精度を求めたり、より多くの機能を付けるためのモデルチェンジが必要となってくることもあるかと思います。そこがモデリングとプロファイルという根本的な構造の違いによるものではないかと思います。

SNSとかフォーラムとかを見ていると、「Kemper II」を望む声ってけっこう多いんですよ。ただ、その声を上げているのは、ほとんどがKemperを持っていない人だったりします。
デジタル機器特有の「買ったと思ったら新バージョンが出た」を回避したい、という思いがそこにあるのがよく分かります。一方で、今Kemperを持っている人がモデルチェンジを望んでいる、というのは見たことがないです。エディタが欲しい、とか、フロアタイプなどの小型版が欲しい、という声はよく見かけますけど。音質に不満がある、というのはほぼ無いですね。発売初期の頃はあったようですが、ファームウェアアップデートで改善されましたし。

ただ、もちろん先のことは分かりませんのでなんとも言えませんが、Kemperに関してはまだしばらくはモデルチェンジはしないんじゃないかな、というのが個人的な予想だったりします。当たるかどうかはわかりませんが。
まぁ、何が言いたいのかというと、特に持っていない人にとって、得体の知れない謎の機材「Kemper」は、実はこういうもので、こんな考えの基に作られているんじゃ無いか、ってことが分かってもらえたら良いかな、と思います。
 
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ギタリストが本格音楽制作をするためのオーディオインターフェイス、3機種を比べてみた

かつて、PCやMacを使って音楽を作る、「DTM」(デスクトップミュージック)は、特殊な趣味の1つでした。DTMで制作される楽曲の多くはダンスミュージックを主体とした打ち込み系がその大半を占め、バンドサウンドやギターを中心とした楽曲は少なかったと言えます。
ただ、一方で自宅で楽曲を録音して作品にする「宅録」という文化自体は古くからあります。1998年に発売された the brilliant greenの名曲、「There will be love there -愛のある場所-」は、当時のインタビューで「宅録で録った」と言っているのを見て驚いた覚えがあります。ちなみに私自身は当時「宅録」がどのようなものでどうやってやるのかは全く分かりませんでした。自宅でこんな曲が録れるのか、ということにびっくりした、という感じです。今ならさすがに、当時のMTRだけで楽曲が完成することはなく、その後プロのミキサーの手が入って楽曲となっていることは分かりますが、それでも、その元となった録音は「宅録」で行われたものだったのです。
今、「宅録」って言葉はほとんど聞かなくなりました。そして、宅録とDTMの違いがほとんどなくなっていっています。かつての狭義のDTMは「デスクトップ(コンピュータ)だけで作る音楽」という意味合いも強く、楽器自体を一切使わない、打ち込みだけで100%仕上げるダンスミュージックという意味合いもあったようですが、今ではそこまでのことはありません。また、DAW(デスクトップオーディオワークステーション)の発達により、MTR(マルチトラックレコーダー)自体が廃れ、PCでレコーディングを行うのが当たり前となっています。
かつて、プロのレコーディング環境(アウトボードとかスタジオとか抜きで、単に音を録るだけの環境)を揃えるのにも数百万という機材が必要だった時代はもうなく、今では誰でも、買おうと思えばプロと同じレコーディング環境が手に入る時代となっています。

必然的に、ギタリストがDTMをやる、ということも当たり前となっています。DAWを使ってギターパートを録音する、というだけにとどまらず、ギター1本で楽曲を作る事も簡単にできるようになっています。

先月公開したボカロ曲、「咲き誇れ!」も、楽器はギターだけを使い、あとは打ち込みでバンドサウンドに仕上げた楽曲です。

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こんな感じで、楽曲を作って完成させる、さすがにプロのクオリティと同じとはいかなくても、ある程度普通に聴けるレベルの曲を仕上げることは、それほど難しいことではなくなっています。
もちろん、ある程度の機材や多少の知識は必要となります。特に、ちゃんと「曲として仕上げられる」環境を作るには、どうしても必要な機材があります。

  • PC/Mac
  • オーディオインターフェイス
  • DAW(デスクトップオーディオワークステーション)
  • モニタースピーカー
  • ヘッドフォン

です。最近はモバイル機器も進歩してきていて、それにともなったDAWアプリなんかもしっかりしたものが出てきています。ただ、ちゃんと楽曲として「自分で」仕上げるには、まだ力不足なところは否めません。例えば最近はプロの方が「iPadとガレージバンドで録った」ということがあります。それ自体はウソではないでしょう。
ただ、それって前述の the brilliant greenが言った「宅録」と同じ意味です。
プロの楽曲制作は役割分担があって、アーティストは「ちゃんと音を録るところまで」が基本的な仕事です。iPadを使ったガレージバンドでも、というか、モバイル機器でも今はちゃんと音を録れるんです。ただ、その後のミックス、マスタリング処理に関しては、まだ力不足です。プロの場合、そこはアーティストの役割ではありません。エンジニアの役割となります。なので、「iPadとガレージバンドで録った」音を使ってプロのエンジニアがミックスしたのが、完成した音源となるわけです。しかし、それを自分だけで楽曲を仕上げる、となると、やはりまだPC/Macは欠かせないものとなります。あと10年もすればどうなるか分かりませんけどね。

続いてオーディオインターフェイス。今回の本題となるものですが、これはやはり欠かせません。オーディオインターフェイスは、PCやMacに、音の出入り口を付けてやる機器です。その他の機能があるものもありますが、メインとしてはそれです。ちゃんと音を入力/出力するものであれば、実はなんでも大丈夫です。この記事で紹介する3機種は、その中でも特にギタリストが音楽制作をするのに向いた機種、ということになります。別にこれじゃないとできないよ、ということではない、ということは先に述べておきます。

そしてDAW。レコーディング自体に使うソフトウェアですね。作りたい楽曲にもよりますが、DAW自体はオーディオインターフェイスに付属しているものや、Mac用のガレージバンドからスタートしても大丈夫です。Windows機なら、最上位DAWと同等の機能を持つCakewalk by Bandlabを無料で入手することも今ならできます。
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ここはそれほど神経質になる必要はありません。このCakewalkでもいいですし、オーディオインターフェイスに付属している機能限定版を使っていって、やりたいことが出来ないと感じたら上位モデルを入手するような形で良いと思います。


あとモニタースピーカー。これも、ある程度のものがあれば十分に楽曲を作る事ができます。そこから先のこだわりは個人の話になります。まぁモニタースピーカーについては以前まとめたことがあるのでそちらも見てもらえればと思います。
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モニタースピーカーは音も出るし、住宅環境によっては部屋で使いにくく、場所もとるのでヘッドフォンじゃだめなの?って思うかもしれません。確かにヘッドフォンだけでミックス等の作業ができるプロもいます。ですが、最初からヘッドフォンだけでミックスをするのは無謀です。
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これは、モニタースピーカーとヘッドフォンの音の定位を示したものです。
定位とは、音がどの位置から出ているか、というものです。例えばL100%に振った音は、左側のスピーカー/ドライバからしか音は出ません。その時の音の位置は、「左斜め前」から出るのが正解です。厳密にセッティングしたスタジオなら、「左斜め前60°」から聞こえるのが正しい位置です。これがヘッドフォンだと「左耳だけ」から聞こえます。ゲームのVRなんかではそれを逆に利用して、ヘッドフォンで音を聴くことを前提とした音場を作ったりすることはありますが、楽曲制作に於いては左斜め前60°から聞こえるのが正しい形となります。これを「ヘッドフォンだけ」で「違和感無く聞こえる」ようにミックスしてしまうと、普通に再生した時にやたら音が広がらない感じになってしまったりします。
これは一例で、他にもいろいろな理由があるんですが、楽曲を自分だけで完成させるなら、モニタースピーカーは欠かせない機器となります。

逆に、やっぱりヘッドフォンも必要です。ミックス時にもモニタとの違いを確認したり、小さなノイズを探したりするのに使うこともありますが、ヘッドフォンが活躍するのは録音時です。例えば「定番のスタジオヘッドフォン」として知られるSONY MDR-CD900STは、「レコーディング」で活躍するヘッドフォンです。音がちゃんと録れているかを確認するためのものですね。前述のブリグリの「宅録」とか、「ガレージバンドで録った」という時の確認用に活躍します。単純にリスニング用等としてはかなり癖の強いヘッドフォンなので、これで「音作り」や「ミックス作業」をすると、なんかバランスが変な感じになってしまったりします。要は適材適所ってことで、レコーディングからミックスまで全部パーフェクトに使えるヘッドフォンは存在しません。だから、モニタースピーカーも必要となるわけですね。モニタースピーカーとヘッドフォン、これは楽曲を最後まで仕上げるという意味での楽曲制作にはどちらも欠かせないものとなります。
ちなみに、SONY MDR-CD900STだけで違和感なくミックスをすると、他の環境でのバランスがおかしくなったりするんですが、モニタースピーカーを使ってきっちりミックスをした楽曲は、SONY MDR-CD900STで聴いても違和感がなく仕上がります。おもしろいです。

さて、だいぶ前置きが長くなりました。なんでこんなことを書いたのかというと、オーディオインターフェイスにもいろいろなモデルがあります。例えば、ギター/ベース用のオーディオインターフェイスとして「Zoom GCE-3」という機材があります。
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これはとても素晴らしい機材で、ギター用機材としても新たな可能性を作り出したオーディオインターフェイスと言えるのですが、このGCE-3が活躍するのは「レコーディング」までで、その後のミックス等の工程や、ギター以外、例えば打ち込み等を行う際のモニタリングに使う、というものではありません。
今回比較するオーディオインターフェイスは、それ自体で本格的に音楽制作全般に使えるものであり、それでいてギタリストが初めて使う本格オーディオインターフェイスとして、また楽器にギターを使い、他を打ち込むようなスタイルのDTMerにとって有用なモデル、という基準で選んだものとなります。そのため、確かに素晴らしい機材なのですが、今回の比較にGCE-3は入りません。その基準を明確にするために、こんな長い前置きを書いた、という感じです。

それでは、実際に比べてみることにしましょう。

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