久しぶりにまた基礎編シリーズをやりましょうか。今回は、「コーラス」です。意味としては、そのまんま「合唱」という意味ですね。(ちなみに海外では、サビのことをChorusと言うこともありますね。)
独特のうねり感が気持ちいいコーラスエフェクターは、日本で誕生しました。今回は1回目ですので、まずは5000円までのコーラスの紹介と共に、コーラスエフェクターの歴史みたいなものについても書いてみたいと思います。
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このアンプはすごいんですよ。日本ではスタジオやライブハウスならばどこにでも置いてありますが、その現象が世界的に見られる、という超ベストセラーアンプの一つです。それも、1975年から30年を超えて、いまだに基本的な構成を変えることなく(小変更はありましたが)現代でもその澄み切ったサウンドが愛されているという、超ロングセラーモデルでもあるんですね。
Limp Bizkitのギタリストの方がクリーンサウンドを使うときにこれを何台か使用していました。そんなジャズ・コーラスですが、現代においては、エフェクターと相性のいい、多少ブライトな澄み切ったクリーンサウンドと、ワット数の大きさもありますが他のソリッドステートアンプに比べて大きい音量のアンプ、という傾向を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、このジャズコーラスは、「コーラスエフェクターの始祖」にあたります。このエフェクターが入っているから、ジャズコは定番商品となれたのです。
ちなみにこのジャズコーラスの「JAZZ」は、音楽ジャンルのことではなく、"and all that jazz"というスラングからきているようですね。意味は、etcとかand so onと同じく「その他いっぱい」といった意味ですね。かるくふざけた感じで使うらしいです。要するに、「どんなジャンルにでも対応できる」という意味をこめてJAZZ、と名づけたんですね。それにしてもRolandは名づけがうまくないですね・・・こんな名前つけたら絶対カン違いされますってw
さて、このジャズコーラスに世界で初めて搭載されたコーラスエフェクター、その効果はなかなかうまく考えられてておもしろいですよ。コーラスの仕組みにおける二大的な要素を見てみましょうか。
- コーラスにおけるエフェクト要素
- 音を揺らす
ハーモニクスチューニングをされる方ならばお分かりいただけると思うのですが、ある音程に対して微妙にずれた音程の音を合わせると、音が揺れますよね。あの効果を利用しています。(ちなみにあの音の揺れ、1秒間に何回揺れるか、というのが二つの音の周波数差になります)
つまり、入力された音に対して、その波形のまま周波数を変えた音を混ぜ合わせて出力しています。フランジャーもこういった仕組みです。
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- 音を響かせる
コーラスにはショートディレイと同様の、音をすこし遅らせて残響効果を得る仕組みも入っています。よくアナログコーラスとかデジタルコーラスとかがあったり、特に初期のアナログコーラスにものすごい高値がついていたりするのは、このディレイを司る部分のせいですね。特に初期のアナログディレイやコーラスに使用されたBBD素子というものが入手困難になっているため、古いものはヴィンテージ的な価値でプレミアがついているのです。
さて、これらの効果を組み合わせることで、コーラス独特の、あの心地のいい爽やかなうねりを生み出せるんですね。ですから、もちろんフランジャーとディレイを使って擬似コーラスを作ることもできますし、また元のフレーズに対して微妙にチューニングをずらしたギターを、微妙にタイミングをずらして重ねれば、お手製のコーラス効果を作ることができます。私はけっこうこのレコーディングテクニックによるコーラス効果を曲にちょくちょく使ったりしています。2本のギターを変えたり、イコライジングをいじったりすればなかなか独特なコーラスもできますw
- 最初のコーラスペダル
このジャズコーラスからコーラス回路をそのまま取り出したモデル、それがBOSSとして最初のエフェクターにして、世界初のコーラスペダル、「CE-1 CHORUS ENSMBLE」です。(Rolandによるmc clubというページのコーラスの回の中央下よりにCE-1の写真があります)今とは違い、機械式スイッチを使った古いルックスがおもしろいですね。CE-1を現代の技術でクローンしたようなペダルも出ています。
さて、ここまでコーラスエフェクターの歴史みたいなものを見てきましたが、いかがだったでしょうか?それでは5000円までの激安コーラスペダルをいくつか見てみましょう。
- 激安コーラス紹介
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Tony Smith CH-70
オーバードライブもディストーションもありますが、ことコーラスに関してはTony Smithはオススメです。Tony Smithのシリーズは、この値段にしてメタル製の筐体を使っていて、リーズナブルでいいという点もあるのですが、私はこれは「いじくれる人」に特にオススメしたいと考えています。
このCH-70、実は内部に可変抵抗が2つあるんですが、そのうちの一つが、ものすごく「おもしろい」働きをしてくれて、ごく普通のコーラスからフランジャー的なもの、そして聞いたこともないような変態サウンドまで作り出せるんです。少し音痩せの激しい機種で、電子スイッチですので、ラッチング式かなにかによるバイパス化と共にお楽しみいただければと思います。そのうち買ってモディファイしようと思っていますので、そのときはまたレビューしたいと思います。
![]() Arion/SCH-Z(Stereo Chorus) |
PCI E.W.S.さんによるこんなモディファイも出ています。
![]() E.W.S. ARION SCH-Z [CHORUS/VIBE] Mod |
ということで、コーラス基礎編、次回は定番コーラスについてみていきます。コーラスは、全体的に薄くかけるもよし、どぎつくかけて曲のスパイスにするもよし、という、非常に素晴らしい効果ですよね。Rolandが作り上げたこのサウンドは、いまや世界的になくてはならない効果になっています。なんだか、自分が作ったわけでもないのに、嬉しいですね。