きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

ギタークローズアップ VOL.2 〜ストラトキャスター〜


「ギタークローズアップ」シリーズ第二回、今回はエレキギターの王道モデル、ストラトキャスターを掘り下げてみようと思います。数々のこだわりもあるかと思いますが、できる限り客観的な視点でみていけたらと思っています。
また、歴史に関しては諸説あると思いますので、こんな説もある、というお話など教えていただければうれしいです。
Fender Storatocaster

  • ストラトキャスターの歴史
    • 「王道」の幕開け

ストラトキャスターは、Gibson Les Paulに遅れること2年、1954年に「新製品」としてお目見えすることになります。
もともとストラトキャスターは、テレキャスターの改良型モデルとして登場します。現在ではストラトとテレキャスは完全に別のモデルとして見られていますが、もともとは同じ思想のもとに通じるギターだったわけですね。「特徴」の項目で述べますが、その進化は革新的なものでした。しかし、ストラトキャスターの歴史は、誕生時よりもむしろ、その後のFender社の歴史に左右されていきます。

    • 見捨てられた「王道」

1954年に発表されたストラトキャスターですが、市場の評価はそこそこといったところでした。もともとハワイアンギターとして登場した、ともいわれるストラトは、やはりそういったジャンルでは非常に歓迎されたといいます。「音が太すぎて使えない」といわれたレスポールを尻目に、この生産性に優れたストラトキャスターはテレキャスターと共に、市場に浸透していくことになります。
ところが1960年代に入ってにある事件がおきます。それは些細な始まりでした。
1962年 Beatles レコードデビュー
最初はイギリスのニューバンドがデビューした、ただそれだけの出来事でしかなかったのです。しかし、このイギリスのバンドは、瞬く間に世界を席巻、当然音楽業界においての影響もすさまじいものでした。それまでブルースとカントリーの発展系として人気はあったものの、マイナーなジャンルでしかなかったロックミュージックの台頭は、多くの人が「エレキギターを始める」きっかけとなったことは想像に難くありません。
ところで、Beatlesの使っているギターといえば・・・やはりエピフォン・カジノやグレッチのテネシアンといったホロウボディにアーチトップの機材が有名ではないでしょうか。(もちろんジョンのリッケンバッカーや、ジョージのオールローズテレキャスターといったフラットトップのギターも有名なものではありますが、それはギターに詳しい人の間でのことですし)
そして、そのイメージのとおり、グレッチやエピフォンのホロウボディのギターはヒットしていきます。余談ですがグレッチ社の最盛期はやはりこの時期ですし、もしエピフォンがこのときギブソンに買収されていなければ、未だに一流ギターメーカーとしての名声があったかもしれません。

そして60年代後期に入ると、ヴェンチャーズに代表されるサーフミュージックの人気、さらにはクラプトンやレッドツェッペリンらによるロック=ディストーションサウンド=レスポール+マーシャル、といったイメージによって、ストラトキャスターの人気は見る影もなく、逆にサーフミュージシャンの間でJazzMasterやJaguarといったモデルがヒットし、ストラトは生産中止の危機に追い込まれることになります。

    • Fender社の事件

少し時期が前後しますが、60年代半ばには、Fender社にとって大きな事件がおこることになります。1964年のCBS社によるFender社の買収です。レオ・フェンダー氏の健康上から経営が困難になった、というのがその理由だと言われていますね。そしてその影響はストラトキャスターにも訪れます。まずは64年の末に、CBS社はFenderロゴを変更します。

こちらがCBS社に買収される前の、通称スパゲティロゴ、と呼ばれるロゴです。


そしてこちらが通称トラディショナルロゴ、と呼ばれる、CBSによって変更されたロゴです。以前のものに比べて字体が太くなっているのが分かるかと思います。さらに1965年半ばから、ヘッドが「ラージヘッド」と呼ばれるものに変わります。(実際にはロゴ変更と同時に行ったと思いますが、生産のずれで半年ほど遅れた、と考えられます)
1弦側の出っ張りが大きくなり、よりロゴが大きく見えることで、TV等に写ったときにFenderブランドがクローズアップされる、というわけです。これは1981年まで続きます。
ちなみにこの買収によって、85年にCBSが楽器部門をやめるまで、会社としてのFender社は事実上存在しなくなります。

    • 救世主の登場

しかし、そんな低迷した人気のストラトを使い、英雄となったギタリストがいました。後に「神」とよばれるギタリスト、ジミ・ヘンドリクスは、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスとして1966年から活動し、67年のモンタレー・ポップ・フェスティバル、69年のウッドストックフェスティバルのトリを務め、70年の急逝まで、主にストラトキャスターを使用していたことは有名ですね。アームを駆使し、ファズを使ったフィードバックなどによる過激な演奏法は、当時の一般の聴衆よりもむしろ、有名なプロミュージシャンに多大な影響を与えました。ちなみにジミの演奏を見たレオ・フェンダーは、そのギターの使い方が間違っている、と怒りをあらわにした、ともいわれています。
そして70年代、ジミの影響を受けてストラトを使用するミュージシャンが現れます。ジミの死後、彼にプレゼントしようとしたものの叶わなかったストラトを組み合わせ、トレモロアームを木片で固定して使い出したエリック・クラプトン、ヘンドリクス同様のラージヘッドストラトを使うようになったリッチー・ブラックモアといった、ブルース界の超大物と、ハードロック界の新星ギタリストが直接的な影響となり、ストラトキャスターは爆発的な人気を博していきます。
特に70年代後半から80年代へと続くハードロック、メタルブームの中、ダブルカッタウェイと深く利くトレモロアームを搭載したストラトは市場の頂点へと上り詰めて生きます。

    • 新技術の登場と「王道」への批判

ところが、70年代後期から80年代にかけて、CBS社はその人気にあぐらをかいていた、というと言い方は悪いですが、そういった面があったようで、コストダウンと、設備投資を惜しんだ挙句、精度の悪い機材であまり品質のよくないストラトを作っていたため、多数の不満が集まることとなります。もともと大量生産に適した構造であるが故に、精度の悪さは命取りともなり、当時のフェルナンデス、グレコ、トーカイといった日本製コピーメーカーに押されてしまう、という結果となっていきます。そして、当時の富士弦楽器(現在のフジゲン)と、ヤマハという日本のメーカーから人材を呼んで、精度の回復へのてこ入れを行った、という事実もあります。
しかし、メタルブームでもてはやされたストラトですが、さらなるメタルのハイゲイン化と速弾き、過激さを求めたメタルバンドは、ストラトから離れていくことになります。よりアーミング前後のチューニング変化を抑えることを目的としたフロイドローズやケーラーアームといったトレモロが開発され、JacksonやHAMMERといったとがった変形ギターに人気が集まるようになります。そして83年、29年間続いた「ストラトキャスター」というモデルは、フェンダーのカタログから消え、「最新モデル」としてのストラトキャスターはそこで終わることとなります。とはいえ、ヴィンテージの復刻、という観点から、ストラトキャスターは現在までずっと生産は行われてきます。よく'72ストラトとか、'57ストラトという名前はあるのに、無冠の「ストラトキャスター」がないのはそのためです。現在、カタログにはFENDER Standard Stratocasterという、メキシコ工場生産によるものが存在していますが、これはどちらかというとエントリーモデル的な位置づけとなっています。

  • ストラトキャスターの特徴
    • 構造的な特徴

先ほども書きましたが、ストラトキャスターはもともとテレキャスターのアップグレードバージョンとして生産されました。その内容を見ていこうと思います。

      • テレキャスターと共通する部分

角度のないネック、ボルトオンジョイント、指板を貼らないメイプル1ピース、アッシュ/アルダー材を使用、ニトロセルロースラッカー塗装と、基本的にテレキャスでなされたコストダウンと大量生産方法はそのまま引き継いでいます。

      • テレキャスターからアップグレードされた部分

・ダブルカッタウェイ
ストラトキャスターのボディシェイプは、テレキャスター同様、MARTIN D-45などに代表されるドレッドノートスタイルのアコースティックギターが元となっています。ボディ下半分が、レスポールのように丸くなく、ちょっとつぶれた楕円形のようになっている点が特徴ですね。そして、テレキャスターではそれにカッタウェイをつけ、ハイフレットでの演奏性を向上させることに成功しました。
そして1952年、Fender社は自社初のエレキベース、JazzBassを発売します。ベースはギターよりも長いネックが必要となるので、既存のテレキャスシェイプではバランスが悪かったため、ストラップピンの取り付け位置をつける目的で、4弦側にもカッタウェイを設け、カッタウェイの先を伸ばす形としました。この形を継承したのがストラトキャスターです。
・コンター加工
ストラトキャスターのヘッドの先の丸い部分、あそこには当初、「Original Contour Body」というデカールが貼られていました。現在でも、当時のスペックを復刻したモデルにはそのデカールが貼られていますね。このコンター加工とは、ボディのお腹に当たる部分、つまり6弦側の裏側を削り取り、さらには腕の当たるボディの下部6弦側を削ることによってギターのフィット感を上げ、より演奏しやすい形状にとしたものです。ギブソンからファイアバードが発売されたときには、そのコンター加工の特許権についての訴訟もあり、フェンダー社が勝訴しました。また、ギターの角を丸く加工する、といったこともやっています。
・3PU仕様に
テレキャスターでは2つだったピックアップを3つに増やし、サウンドバリエーションを広げています。もともとPUセレクターは3Wayセレクターだったのですが、裏技的に5Wayに改造され、ハーフトーンが使われることが多くなり、後に5Wayセレクターが一般的となりました。ツマミは一番上がマスターヴォリューム、続いてふたつ並んだトーンがフロントとセンターPUのトーンとなっています。デザインとスペースの関係から、これ以上のツマミをつけることができなかったのだと思いますが、このツマミの作りはある意味欠陥ともいえそうですね。リアのトーンがないのですから。そのため、この回路を改造するミュージシャンは後を絶ちません。
・全ての電送系をピックガードに装着
テレキャスターもコストダウンを考えてのアイディアがたくさん盛り込まれたギターでしたが、こちらはさらにそれを昇華させ、ピックアップからコントロール系に至るまで、ほぼ全ての電送系がピックガードにぶら下がる形で装着されているため、改造や製造が他のギターの類を見ないほど楽に行える、という特徴があります。後にギブソンのSGやフライングVでも見られることとなる手法です。
・シンクロナイズドトレモロを搭載
当時のトレモロユニットといえば、ビグズビートレモロが一般的でした。これはギブソンやグレッチのギターによく搭載されていたため、トレモロユニットのないテレキャスターにもトレモロがほしい、とプロミュージシャンからの要望が寄せられ、Fender社は新たにトレモロの開発を行うことになります。
そして度重なる試行錯誤の結果生まれたのが、ボディの裏面につけられたバネと、弦の張力によるつりあいによってネジを支点としてブリッジを浮かせ、アームで動かすことができる、という画期的なシンクロナイズドトレモロだったわけです。結果的に、テレキャスターとストラトキャスターの音の違いはこのトレモロユニットが非常に関わっていることとなるわけですね。

    • 歴史的に変更された特徴

ストラトキャスターは長い歴史の中で、様々な変更を加えられてきました。その流れをまとめてみたいと思います。
・1954〜1956年
メイプル1ピースネックに、白の1プライピックガード、ヘッドに設けられたストリングガイドはネジ式でした。ピックアップのホールピースは4弦が一番高くなっていました。
・1957〜1958年
ストリングガイドが羽根型に変わります
・1959〜1964年
ローズウッドの指板が追加されます。長いこと使われて汚れたメイプル指板が汚いから、という理由でした。また、このころから生産が始まったジャズマスターがローズ指板だったため、統一されたという見解もあるようです。一部少量生産で、ローズウッドの代わりにメイプル指板が貼られた「貼りメイプル」という指板も登場します。また、1964年の終わりにトラディショナルロゴへと変更されます。また、ピックガードが白/黒/白の3プライとなります。ピックアップのホールピース、3弦と4弦の高さが変更され、3弦が一番高くなります。
・1965〜1966年
ラージヘッドとなります。
・1967年
それまでのクルーソンペグがシャーラー製Fキーペグとなります。また、オプション生産だった貼りメイプルが正式モデルとなります。
・1968〜1970年
ロゴの縁取りと文字色が逆転し、黒地に金縁の「モダン・ロゴ」とよばれる字体に変更されます。
・1971年
ネックジョイントが4点止めから3点止めに変更されます。また、トラスロッド調整をネックをはずすことなく行うため、ヘッド部にトラスロッドがはみ出す形となります。飛び出たロッドが弾丸に見えたのでブレットと呼ばれます。
・1972〜1975年
ストリングガイドが2枚となります。また、ピックアップのホールピースがフラットとなります。
・1976年
ピックガードが黒/白/黒に変更されます。また、シリアルナンバーがヘッドに書かれるようになります。
・1977〜1979年
ハードウェアが黒に変更され、PUセレクトスイッチが5Wayとなります。コンター加工もより小さくなります。
・1980〜1982年
リアPUがハイパワーモデルとなります。
・1981年
従来のラージヘッドモデルとは別に、スモールヘッドが復活します。これがヴィンテージの追求への始まりとなります。
・1982年
フェンダー・ジャパンが発足します。主にヴィンテージの復刻モデルをリーズナブルな価格で行い、国内よりもアメリカで人気が出ます。後に本家USAのテレキャスターのボディシェイプの間違いを指摘する等、その精度は世界的に信頼されるようになります。当初の製造は富士弦楽器、後に東海楽器、ダイナ楽器と変わります。
・1983年
エリート・ストラトキャスターが発売され、従来からのストラトキャスターはカタログから姿を消します。

  • サウンドの特徴

ストラトキャスターのサウンドは、ある意味「さわやか」という言葉が正しいと思います。音の太さはレスポール等に及ばないものの、高域のヌケのよさ、そしてクリーントーンでの素直な音色はストラトならではですね。
ストラト復活の祖となったジミ・ヘンドリクスの変態プレイ、速弾きの元祖ともなったリッチー・ブラックモアの音源、さらには初期のストラトサウンドをブルースに使ったエリック・クラプトンや、主にヴィンテージのストラトでメタル系の速弾きにこだわったイングウェイ・マルムスティーンと、ストラトを使用した名演は数多く残されています。

  • 伝説となったギター


ストラトキャスターには、「世界最高額ギター」の名前を残しているギターがあります。それがエリック・クラプトンがチャリティオークションで出品した「ブラッキー」というストラトです。
ある日、クラプトンが楽器屋に立ち寄ったところ、そこには50年代のヴィンテージストラトが信じられないくらい安い値段で売られていました。クラプトンは知らないふりをしてそのストラトを全て買占め、当時ストラトをメインとしてプレイしていた友人のジミ・ヘンドリクスに贈ることを決めます。
しかし、その願いが叶うまえにジミは亡くなってしまい、彼はオリジナルへの冒涜(現代においても、ヴィンテージは「オリジナルスペック」が最も重宝されます)と分かっていながらも、贈るつもりだったストラトの中から、各パーツのいいとろを組み合わせて、1本のストラトキャスターを完成させます。それがこの「ブラッキー」という愛称をつけられたストラトでした。彼はもともとこんな価値になるとは思っていなかったようですね。

  • ストラトキャスターの種類

基本的にストラトキャスターには派生モデルは存在しません。逆にピックアップや配線、木材が変わっているとか、そういった程度のものならば無数に存在します。アーティストによる改造もそれぞれで、まさに「いじくられることによって成長するギター」だといえるのもストラトの特徴ですね。そのため、多数のアーティストモデルが存在します。
また、もともと大量生産に適したこの「ストラトキャスター」ならではの現象で、「コンポーネントギター」と呼ばれる、フェンダー社だけでなく、他社製の部品を組み合わせたり、年代違いの部品を組み合わせることによって新しいギターを作り出すことができる、というのも一つの特徴で、さきほど書きました「ブラッキー」はその最たるもの、といっていいのではないかと思います。
そういった個性を作りやすい、という魅力も、いまだにストラトキャスターがエレキギターの王道をいくモデルとして君臨している理由と言えそうですね。

さて、今回はストラトの歴史や特徴を見てきました。やはり王道モデルだけあって、様々な歴史やドラマが存在しますね。次回は「王道」ストラトと対をなすかのごとく存在する、エレキギターの「王者」、レス・ポールを見ていこうと思います。



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy