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パワーサプライについて

掲示板にて、パワーサプライについてのご質問をいただきました。今日書こうと思っていた、「この間買ってきた¥315の機材」が意外と多機能で試行錯誤中なので、そちらはいったん置いておいて、今回はパワーサプライについて見てみたいと思います。
では、いってみましょう!

  • パワーサプライとは

BOSS PSA-100P
これは、自社製のACアダプタをもたない多くのメーカーからも推奨されている、おそらくギタリストにとってもっとも馴染み深い「パワーサプライ」である、BOSS PSA-100Pです。
なんだ、ACアダプタじゃないか、と思う方もおられるかと思いますが、そもそもパワーサプライ、というのはその名のとおり、電源を供給するもの、ということですので、ACアダプタは立派なパワーサプライなわけです。逆に、ACアダプタは交流電源を直流電源に変換するものである、という見方をすれば、よく使われるCAJ AC/DC STATIONといったいわゆる「パワーサプライ」と言われるものなどもACアダプタとして見ることができますね。
まずは、こういったACアダプタタイプのパワーサプライの仕組みを知っておきましょう。
 

  • ACアダプタ

ACアダプタといってもいろいろあるのですが、エフェクタなどに使われるのは主にトランス型のAC-DCアダプタです。単純にいえば、コンセントからくる交流電源をトランスによって降圧し、直流電源として送り出す役目をしています。たとえば上記のBOSS PSA-100Pの場合、日本における一般の家庭用電源、100Vを9Vにまで減圧しているわけですね。
トランス型と書きましたが、AC-DCアダプタには大きく2種類があり、トランス型とスイッチングレギュレータ型があります。スイッチングレギュレータ型は、スイッチング電源とも呼ばれる近年完成された手法で、大きくて重たく、効率の悪いトランスを使わないことで、小型、軽量、高効率化を実現していますが、高コストな上にノイズが発生しやすいため、音楽機材には合っていないといえるでしょう。適材適所ということですね。もっとも、エフェクターのように電池1つで動作するような低電圧の機器には効率化を求める必要はあまりないので、高コストという時点で普通は使われません。
ちなみにアンプなどの120Vのものなどでは、逆に昇圧トランスを用いて電圧を上げてやる場合もあります。このあたりで謎だと思うかもしれませんが、電源の容量というのは、電力、つまりW(ワット)で表され、電力というのは電圧と電流の掛け算によって表されるわけで、電圧が上がれば電流は減りますので、昇圧とは無から有を生み出すようなものではありません。あえて言うこともないと思いますが、電圧はV(ボルト)、電流はA(アンペア)という単位で表されます。アンペアという単位を普段あまり見ることがないのは、電力(W)と電圧(V)が分かれば自動的に求まるので、あえて書く必要がないわけですが、パワーサプライなどでは出てきますので、覚えておいて損はありません。

さて、トランス型のアダプタですが、回路構成としては、入力電圧をトランスによって下げ、ダイオードによって整流して直流電源に変換します。この後なのですが、一般的にはレギュレータ(電源安定回路)を通るのですがエフェクターに使われるような9V程度の電源だと、電流の安定のためにコンデンサが使われる場合があります。これはコストを下げるためのものなのですが、その分電流の安定度は、レギュレータを使うものに比べて低くなりますし、ノイズも乗ります。よく、「レギュレータを通る」とかいう話を聞きますがこういうことです。ですので、確かにあまりに安価なACアダプタは使わない方が無難です。
しかし、コストが下がるといっても、レギュレータ自体はそれほど高いものでもありませんので、とりたてて大仰な説明文を付けるようなものではありません。事実、BOSS PSA-100Pにはちゃんとレギュレータが使われています。

では、ここでBOSS PSA-100Pの背面、赤いシールに書かれている仕様の読み方を書いておきます。これが分かれば他の機器の表示も読めると思いますので、お持ちの方はちょっと見てみてください。

INPUT:AC 100V 50/60Hz 8VA
OUTPUT:DC 9V 200mA

と書かれていますね。INPUTはコンセントからの入力です。AC100V 50/60Hzというのは、電圧が100Vで、交流の振動が50Hz(東日本)または60Hz(西日本)に対応するということです。8VAのVAという単位は「皮相電力(ボルトアンペア)」のことで、見かけ上の電力のことであり、実際の電力であるW(ワット)と区別していますが、意味としては同じようなものです。コンセントの電力というのは、そういった誤差がある、ということを覚えておきましょう。
OUTPUTはいわゆるエフェクターのDCジャックに差し込む部分から供給される電力のことで、DC9V、つまり直流で9Vの電圧、200mAの電流が供給できますよ、ということです。
ここで出力される最大電力が9V×0.2A=1.8W、入力が理想的だと8W(8VA)ということですので、この差、6.2Wが損失しています。これが熱となって放出されるため、ACアダプタを使っていると熱くなるわけです。ACアダプタが熱を持つのは故障でもなんでもありません。
この200mAというのは供給限界のことで、それ以下であればOK、という意味です。アダプタの分岐ケーブルなどを使ったとき、ディレイとオーバードライブを同時にONにしたら電源が入らなかった、などというときは、この200mAという電流をオーバーしてしまったというわけですね。
ちなみに、家庭用コンセントの最大電流はエアコン用などの特殊なものを除いて15Aで、それを超えなければどれほどタコ足配線にしても大丈夫です。もちろん、一部屋であったり、一家庭ごとの最大がそれぞれの状況によってありますので、部屋のコンセント全てで15Aずつ消費するような状況だとブレーカーが先に落ちることもありますけどね。

  • アナログエフェクターとデジタルエフェクター

ここからは、いわゆる「パワーサプライ」の名称で呼ばれるマルチタップ式のもの、もしくは分岐ケーブルについて書いていきます。
よく、「アナログエフェクターとデジタルエフェクターは同じパワーサプライ/分岐ケーブルで接続しない方がいい」と言われますね。これはノイズの問題なのですが、デジタル回路というのは、言ってしまえば0と1、ON/OFFの繰り返しです。この0と1は、電圧がかかるかかからないか(一般的には5Vだそうです)で認識していますので、絶えず電圧が変動している回路ということになります。電圧変動は電源のノイズの元となりますので、これに別の機器を並列(パラレル)で接続した場合、そのノイズが乗った電源が供給されてしまいます。もちろんデジタルエフェクター同士ならば、そういったデジタル回路に起因する電源部のノイズ対策は当然おこなわれているわけですが、アナログエフェクターにはないため、デジタルとアナログを同時につなぐとノイズが乗ることがあります。
また、分岐ケーブルを使う場合には、一般的にデジタル回路は消費電流が大きいため、電源としてみても、トラブル防止のためには同時に使わない方がいいと思います。
もし、これらを同じパワーサプライから接続したい、という場合には、それぞれの出力が独立しているタイプのもの(かなり高級品になります)を使われるといいと思います。

  • パワーディストリビュータとは

こちらも同時にご質問をいただいたのですが、パワーサプライとは別に、パワーディストリビュータというものがあります。これらはちょっと混同しがちなのですが、ディストリビュートとは、「分配する」という意味ですので、どこでも売っているテーブルタップなどもパワーディストリビュータ(電源を分配する物)に違いありません。ですので、一般的なマルチタップ式のパワーサプライもパワーディストリビュータの一種で、Maxon PD-01などはそう名乗っています。
しかし、音楽機材でパワーディストリビュータといわれるものは、主に「クリーン電源」を供給する、と書かれています。ご質問にあった、FURMAN SS-6BはもちろんラックタイプのFURMAN M-8シリーズや、Accuphase PS-1210のような超高級品まで様々ですが、どれも目的は電源の安定です。先ほど、VAの単位について説明したときに書きましたが、コンセントの電力は一定ではありませんし、ノイズもあります。発電所から自宅に電気が届くまでに通る多数の機器や距離を考えれば当然のことですが、それをできる限り一定にして、ノイズを除去し、さらに複数に分配するのがこれらの機器の役割です。つまり主な目的は電力の安定とノイズ除去であって、「ディストリビュート」つまり分配はその次の役割ということでしょうか。ですので、ACアダプタを使う場合にも、これらを使えるならば使った方がいい、といえますね。方法としては、PC用などのタップを使うのも一つの手だと思います。ラックの場合は組み込んでしまった方が楽だとは思います。

  • どのパワーサプライを選ぶ?

ここまで長々と書いてきましたが、皆さんがもっとも知りたいのはこれだと思います。私は、エフェクターを使う際のパワーサプライは、大きく3段階に分かれると思っています。

    • 分岐ケーブル

単純に、BOSS等の単一エフェクター供給用アダプタに、分岐ケーブルを取り付けて複数台に供給できるようにする、というものです。BOSSのアダプタだと最大200mAまでですが、アナログ回路の歪み系エフェクター数台程度ならば余裕で供給できます。Visual Sound MC5などが使いやすいと思います。

    • いわゆる「パワーサプライ」

POWER-ALL PA-9やGATOR G-BUS-8、Noah'sark AC/DC-1*1などの、「一般的な」パワーサプライです。単純に分岐ケーブルを使うよりは大容量な電流を作れますので、機器の安全性などを考えると、これらを使う方がいいかもしれません。POWER-ALL PA-9はACアダプタに分岐ケーブルを使うものと形は似ていますが、1.7Aという大容量で、分岐させることを前提に設計されていますので、こちらに入れました。コンパクトでオススメです。
独特なものとしては、本体の電池を充電することでコンセントのない環境でもDC電源をタップ接続できるDNA Mr.Eightというものもありますね。

    • ハイエンドパワーサプライ

ここでは、Providence PAE-101Pを紹介しておきます。各出力にグラウンドリフトスイッチが搭載されていますので、複数の機種をパラレルで接続することによるグラウンド(アース)の電位差などによるノイズ(グラウンドループによるノイズ)を軽減することができ、また、それぞれの出力に状態を示すLEDが付いており、それらの明るさによってエフェクターの電源状態が分かります。暗い場合には何らかの問題が、消灯している場合には接続先のエフェクターでショートが起こっていることがわかります。通常のパラレル出力の場合、一つがショートすると他の機器まで故障する場合があるようです。滅多にないことだとは思いますが、古いエフェクターや自作機、改造品等をお使いの場合などには用心しておいてもいいのではないかと思います。
 
というわけで、パワーサプライについていろいろ見てきました。様々なものが販売されていますが、信頼性のあるメーカーで、ある程度の価格のものならば、大抵は大丈夫だと思います。あとは用途に合わせて、(例えば省スペースであるとか、18V電源が必要である等)選ばれるといいと思います。

*1:Noah's Arkについては設計上の問題があるという噂もありますが、実際に問題が起きたという話は聞いたことがありません。これについては私にはちょっと確かめられません。



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