最近の話題といえばこれでしょうか！今年のSummer NAMM Showでも発表されていた、「自動チューニング機構」を搭載したレスポール、Gibson ROBOT Guitarです。
では、その詳細をみてみることにします。
正式な発売は来年、しかし一部地域では本日（もう昨日ですか）12/7に発売となるこのギター、「一部地域」に日本は入っていなかったと思ったんですが、どうやら結局発売するみたいですね。まぁ、日本は世界有数のギター大国なので当然といえば当然ですか・・・初期段階でリストに載っていなかったことがすでにおかしいのかもしれません。
このギター、ヘッドに「Les Paul Model」の刻印がなく、代わりにギブソン伝統の王冠マークがついています。これはレスポールといっていいのかどうか微妙なとこですね。あの刻印だけはこだわって欲しかった･･･と個人的に思います。
材は基本的なレスポール同様、マホガニーバックメイプルトップのボディに、マホガニーネックのようです。指板はエボニーですね。ちなみにネックシェイプは50's Les Paulと同じだそうです。PUは490Rと498Tの組み合わせ･･･つまりこのロボットギター、基本的なサウンドは、「LES PAUL STUDIO」のホワイトボディ（なぜかスタジオは白のみエボニー指板）と同じということになりますね。
自動チューニング機構の仕組みですが、ブリッジで弦のチューニングを感知、テイルピースで情報を処理し、コントロール部のCPUで判断、そしてネックを通ってヘッド裏のCPUでペグの動作を制御する、という形のようですね。
コントロールは、通常の2VOL、2TONEで、TONEノブの一つがプッシュ・プル式になっています。このノブを引っ張ると、自動チューニングモードとなり、スタンダードやオープンGなど、指定したチューニングに簡単にすることができるわけですね。このチューニングシステム、電源はリチウムイオンバッテリーで、シールドジャックから充電することができるようですね。1回90分の充電で約200回のチューニングが可能だそうです。ケータイと同じように、練習やライブから帰ってきたら「ギターを充電する」時代になったということですねｗ
ちなみに、ロボットギター公式サイトでは、「ボディ内に空洞（チェンバー）がある」と書かれていますが、これは別に特別なことでもなく、このギターがホロウボディということでもありません。レスポールにはどのモデルにも、トップ材を張る前のマホガニーにチェンバーが空けられています。これをホロウボディといってしまうと、ストラトのキャビティなどもホロウボディといわなければならなくなると思います。
さて、この自動チューニングギター、基本周波数の調整などの問題点もあるにはありますが、画期的なものであるのは確かだと思います。まぁジミー・ペイジが似たようなのを使っていたという話もありますが、一般的に販売してしまったのは珍しいのではないでしょうか。（一応自動チューニングシステム自体はキットとしても売られていたようです）
このシステム、私はまた違った期待をしてみたいです。例えば、演奏中にチューニングモードを変更することで、ペグが自動で動くのを利用して独特のワーミー風サウンドを作ってみたり･･･また、弦を張るとき、ある程度巻いたらあとはこのシステムで自動的に弦を巻いてもらう、といった使い方が思い浮かびました。他にも独創的な使い方はできそうですね。
ただ、心配なのは耐久性です。ギターのヘッドって、狭い部屋とかだとぶつけてしまう可能性が高いわけですが、それですぐに壊れてしまうような形だと心配ですね。特に「ネックCPU」というヘッド裏につけられたCPUは、もちろんカバーされているとはいえむき出しのような状態に見えます。問題がないならいいんですが、きになる部分ではあります。
しかし、お店で見かけたら是非試してみたいですね！お店で「試奏用」として使うにもなかなかいいんじゃないでしょうか。店員さんもチューニングの手間が省けます。一度使ってみたいギターです。
