話題の金槌です。アメリカのエフェクターブランド、Rockett Pedalsのディストーションペダル10 Ton Hammerのレビューをしてみたいと思います。
では、いってみましょう!
Rockett Pedals 10 Ton Hammer
こちらが、10 Ton Hammerです。独特の筐体が使われていますね。
コントロールは、VOL、GAIN、TREBLE、BASSとなっています。2バンドEQを搭載していますが、非常にシンプルなコントロールです。
アダプタージャックはペダルの奥側に設置されていて、使いやすいです。
大きく見える筐体ですが、実際はこんな感じです。いわゆる「MXRサイズ」よりは少し大きいですが、Phase100タイプの筐体よりは小さいですね。
厚みはBOSSより少し薄い程度です。なぜか単体で写真になると分厚くて大きく見えるんですが、実際は特に実用性に影響するほどではないですね。
裏蓋を開けるとこんな感じです。クリッピングはLEDなんですね。最近流行りのディFET系スクリート回路ではなく、Opampを使ったタイプの回路が搭載されています。
OpampにはFairchild社製LM1458Nが使われています。LM○○NというとRATに使われたLM308Nを思い出しますが・・・このLM1458Nは4558系のOpampのようですね。かなり独特の粗い歪み方をするOpampだと聞いたことがあります。
というところで、写真は以上です。レビューいってみましょう!
- 操作性
非常に良好です。筐体サイズに余裕があるため、各ノブの操作もとてもやりやすいですね。フットスイッチも踏みやすいと思います。搭載されるコントロールもシンプルなので分かりやすいです。特に言うことはありませんが、IN/OUTジャックがかなり低い位置(一般的なMXRサイズのペダルより少し低いくらいの位置)にあるので、ボードの端っこに設置するときは注意が必要かもしれません。
- サウンドレポート
では、音を。このペダルは、Gainの可変幅が非常に広く、また2バンドEQの効きが鋭いため、これらのセッティングによって様々な音を作り出すことができるペダルです。EQは特に「守備範囲が広い」というわけではないものの、Treble、Bassともに最小の位置から最大の位置までまんべんなく「使える」のが大きな特徴ですね。例えば、一般的なペダルだとToneやEQをフルアップにするようなことはあまりないかと思いますが、この10 Ton Hammerの場合はTreble/Bass共にフルアップでも何ら問題はありません。むしろ現代的なメタリックサウンドを作るなら、ギターやアンプとの組み合わせにもよりますが、EQはほぼフルアップにするのが基本となるかと思います。
逆に、EQを絞っていくとなめらかでスムーズなオーバードライブ系の歪みになります。Gainコントロールの可変幅も広いため、Gainを絞ればほとんどブースターとしても使えてしまいます。いろいろなセッティング方法があるかと思いますが、私がこのペダルを使う場合は、Gain12時、EQは全てフルアップにした状態から調整するのが使いやすいと思いました。
全く無駄のないEQです。ここまでノブを使い切ることのできるペダルってなかなか無いですね。素晴らしいです。
このペダル、「ディストーションペダルとしては」かなりきめ細かい歪みが特徴です。ブースター〜オーバードライブとして使うこともできます。それも代替品としてではなく、積極的にローゲインセッティングにしてブルース的な音色を作っても本格的なローゲインオーバードライブペダルにひけを取りません。もちろん、ゲインを上げてメタルディストーションとして使っても非常に良い音です。
ただ、例えばFullbore Metalのような「メタル専用ディストーション」的な、超絶ハイゲインにはなりません。あくまでも一般的なディストーションペダルです。しかし、強力なEQとワイドレンジな歪み特性のため、「ハイゲインアンプで作ったような音」が出せます。ブルース〜ロック〜ヘヴィネスまで、1台でカバーできるペダルですね。
また、ピッキングやギターのヴォリュームに対する反応性が高いのも特徴の一つだと思います。さすがにフルゲイン状態で完全なクリーンを作り出す、というような無茶なことはできませんが、それに近いことなら、けっこうできてしまいますw
歪みとしてはとても正統派で使いやすい音なんですが、似たエフェクターが思いつきません。これまでに無いタイプの、「アンプライクディストーション」だと思います。・・・あ、あえて言えば、Shigemori Mighty Stoneに若干似てますね。出音はもちろん違いますが、向いている方向としては同じです。こういうタイプのディストーションは今のところは珍しいですが、今後増えてくるのではないかと思います。きれいめな歪みなので、合わない人もいるかもしれませんが・・・たぶんかなり需要のある音ではないかと。
というわけで、Rockett Pedals 10 Ton Hammerのレビューでした。このペダル、メタルディストーションだと思って弾くと、一瞬あれ?となるかもしれませんが、使いこなせればとんでもない武器になるペダルです。もし店頭で試すときはディストーションに対する常識を捨てて、様々なセッティングをしてみると分かりやすいかもしれません。低い音量で使うときは、若干Trebleを多めにすると良いかと思います。いいですよこれ!
ディストーション Rockett Pedals 10 Ton Hammer |
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