electro-harmonix ビンテージペダル用マンガン電池 EHX 9V Battery 12個入り1セット |
昨年、Electro-Harmonixから新しい電池が発売されました。
この「EHX 9V Battery」は、電池にエレハモの創設者、マイク・マシューズ氏が大きくプリントされたインパクトのある外観で話題となった電池です。「ヴィンテージペダルに最適」というその電池、はたしてどれほど最適なのか、レビューしてみます!
Electro-Harmonix EHX 9V Battery
こちらが、そのElectro-Harmonix EHX 9V Batteryです。
このように、インパクトの大きな外観が特徴です。ちなみに裏は
こうなっています。こっち側は普通ですね。
この電池は、あえてのマンガン9V電池です。ヴィンテージペダルは、マンガン電池に合わせて設計されているので、当時の音を出すためには電池も当時の物に近づけなければならない、というエレハモらしい変わったこだわりで作られた電池です。現在のヴィンテージクローンペダルにも最適とのことです。
電源で音が変わる。エフェクターにおいて、それはよく知られた事実です。検証も簡単。新品の電池と、無くなりかけの電池の音を比べれば一発です。特にファズなどの歪み系は音が大きく変わりますね。電圧を可変出来るSAG機能のついた、Pedal Power 2 Plusのようなパワーサプライでも検証可能です。
さらに言えば、パワーサプライやアダプターの配線、電源コード等を変えても音は変わります。(電源コードによる音の変化は、アンプで試すとよく分かります。)
では、電池ではどうでしょう。特に新品の電池をアルカリとマンガンで変えたからといって、本当に音は変わるのでしょうか。
アルカリとマンガンは電池の持ちが違いますから、使っているうちに消耗度合いの違いで音が変わってくるのは間違いありません。が、新しい電池で音の違いが分かるのでしょうか。
疑問に思ったなら、検証してみたいと思います。
DURACELL Procell
【9V乾電池×12個】【限定特価】【ポイント2倍】DURACELL PROCELL 9V 006P×12個 世界の電池シ... |
エフェクターに使われるアルカリ9V電池として最も一般的な、DURACELLのProcellです。数多くのエフェクターに電源を供給し続けてきた電池ですね。
もうすでに火花が散っています(漏電じゃないですよw)。
早速、比べてみましょう!
では、特にEHX 9V Batteryはヴィンテージペダルに最適だそうですので、ヴィンテージペダルを数台用意してみました。
今回は、この5台のペダルで比べてみましょう。
それぞれ簡単にご紹介します。
BOSS OD-1 Overdrive
まずはこちら。1978年に発売された元祖オーバードライブペダルですね。
私のOD-1は銀ネジの1979年製(シリアルから判別)で、OpampがクアッドのNEC uPC4741Cを搭載したモデルです。最初期ではなく、第2期的なモデルですね。ON/OFFのLEDもペダルを踏んだ瞬間だけ点灯するタイプです。
Electro-Harmonix Big Muff Pi
ファズは、やっぱここはエレハモということで、ラムズヘッドを使いました。BC239Cトランジスタの赤ロゴモデルで、ポットデートから1978年製と思われます。
ROSS Compressor
たぶん、サイトの方でご紹介するのは初めてでしょうか。オリジナルROSS Compressorです。
Keeley Compressor等、このペダルをお手本にしたコンプレッサーは数多くあります。
年代によっていくつかのバージョンがありますが、これはOUTPUT表記の最初期でオリジナルパーツモデル。USA製です。ポットデートから1978年製と思われます。ラムズヘッドと同い年ですね。
BOSS DM-2 Delay
ヴィンテージアナログディレイの定番モデル、DM-2です。こちらはシリアルからおそらく1983年製だと思われるモデルです。MN3205、MN3102を使った後期型のモデルです。
このペダルについては以前レビューしたのでよかったらそちらも見てください。
以上5モデルで比べてみます。本当はもう1つ、コーラスもやる予定だったんですが電池スナップがちぎれるというヴィンテージらしいトラブルがあったので断念しました。
では、まずは音から聞いていただきます。
動画にもまとめたのでそちらを見ていただいても良いかと思います。
エフェクターと電池以外はいつも通りで、ギターがFender USA American Vintage 57 Stratocaster Thin LacquerのリアPU、アンプが6WのKoch Classic SE C-SE6Cのクリーンセッティングです。
比較がやりやすいかと思って、全体的にエフェクトは強めにかかるセッティングにしています。
さて、では音の違いですが・・・正直に言います。こうして録った音を聞くと、ほとんど変わらないように聞こえます。少なくともうちの再生環境では違いは全然分かりません。なので、このことから「基本的に違いは非常に微細」だということが言えると思います。
ただ、実際にアンプの前で弾いてみると、けっこう面白いんです。
これは私が弾いていて感じたことなので、同じように感じられるかどうかはそれぞれだと思いますが、まず、DURACELLよりもEHXの方がローレンジで、なんとなくですがミッドに音が集中したような感じになります。
最も違って感じたのがラムズヘッドで、次にRAT、OD-1でした。コンプとディレイはほとんど違いを感じませんでした。特にラムズヘッドの場合は、音よりも弾いていて感じた気持ちよさが全く違っていて、録った結果ここまで音が同じになっているとは、弾いている最中は予想できなくて逆に驚いたほどです。
コンプレッサーは、弾く前の時点では一番違いが出るかと思っていたんですが、結果的にほとんど変わりませんでした。ディレイに違いが出なかったのは予想通りです。
結果としてはこんな感じでした。
気分的な違いもあると思います。なによりこれだけインパクトのある外観の電池ですから、特にエレハモが好きな方にとっては、絶対に良い結果を出してくれるお守りのような存在としても「機能する」と思います。音楽は感情表現ですので、こういうメンタルな効果ってとても大切なんですよね。エフェクターのデザインなんかも、そういった面ではあきらかに影響します。
弾いていて思ったことでは、ファズ系にはそれなりに効果もあると感じました。また、長時間使った際の電圧減衰の仕方なども違いがあると思います。音に録って検証できない部分なのですが、そういったことまで含めて、ヴィンテージなサウンドが欲しいというのなら、意味がある電池ではないでしょうか。
現行のペダルで比べてどう違うかは、それぞれお手持ちのペダルに使って試してみてください。高い物ではありませんし、ある意味ネタにも使える電池です。回路がシンプルなファズペダルや、レンジの広いタイプのオーバードライブには特に違いが出やすいと思います。
私は、こういう電池を作る、というエレハモの姿勢が大好きです。
あと電池関係ないですが・・・ROSS Compressorの音はいつ聞いても素晴らしいですw
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