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最近では珍しいチューブディレイ!Mars Amp Damp Echoレビューします!


ディレイペダルは、ギタリストにとって歪み系と並ぶ重要なエフェクターではないかと思います。実際、歪み系の次はディレイを揃えた、という方も多いんじゃないでしょうか。やまびこのように、音の反響を再現するディレイエフェクトは、その形を変えながらも古くからスタジオやステージで使われてきたエフェクトの1つです。
あまり詳しい歴史について書き始めると長くなるので簡単にまとめますが、ギタリストの使うディレイは、古くは真空管を使ったテープエコー(初期のMaestro Echoplex等)、その後トランジスタを用いたテープエコー(Roland Space Echo等)、ICが普及すればBBDによるアナログディレイ(BOSS DM-2等)、デジタルのICチップによるデジタルディレイ(BOSS DD-2等)、さらにDSPを用いた現代の一般的なデジタルディレイへと、技術の発達にともなった変革を遂げてきました。
それと同時に、あえて古いスタイルのサウンドを得るべく、今でも当時の技術を用いたエフェクターも作られています。例えば真空管テープエコーのFulltone Tube Tape Echoはその最たる物といえるでしょう。
しかし、本物のテープエコーを使い続けるのは大変です。特にテープの交換やモーターのメンテナンス等といった、古い構造の機器ならではの苦労がどうしてもあります。しかし、BBD登場後のアナログディレイやデジタルディレイにはそんな手間はありません。そこで、そういったディレイペダルのサウンドと真空管のサウンドを融合させ、一切のメンテナンスを必要とせず、初期の真空管テープエコーサウンドを得ようという試みがあります。それがチューブディレイです。
チューブディレイの有名なモデルでは、世界で初めて真空管をコンパクトペダルに搭載したGuyatoneの、TD-Xでしょうか。しかしそれも生産が完了してしまっており、今あるチューブディレイといえばBlackstar HT-DELAYHughes & Kettner ReplexFuchs Replay Tube Delayくらいのものです。
そこに登場したのが、今回レビューする「Mars Amp Damp Echo」です。今では珍しい真空管搭載アナログディレイです。では、いってみましょう!

Mars Amp Damp Echo


こちらが、そのDamp Echoです。専用設計の筐体を使った真空管搭載ディレイペダルですね。
かなりの大きさに見えますが・・・

いろいろなディレイと比べるとこんな感じです。たしかに大きめですが、それほど強烈にでかい、ってこともありません。まぁでも、大柄なのには変わらないですけど。


コントロールはシンプルに、Delay、Blend、Repeatの3つ。ノブもかなり独特の形状です。


ノブをアップにしたところ。ノブの位置はノブ最下部にある金色のリング部にある印で見分ける形です。


スイッチはトゥルーバイパス。スイッチ左のLEDは、OFF時にオレンジ、ON時に赤のLEDが点灯します。


見えるかな・・・真空管は12AX7Bが搭載されています。ON/OFFかかわらず、通電時には青LEDが灯ります。


電源は24V、500mA。専用アダプタが付属しています。


IN/OUTは本体奥にあります。高電圧の注意書きが入っています。Designed and Manufactured in Chinaということで、設計から制作まで全て中国で行われていることが分かります。

写真はこんなところです。中も見たかったんですが、特殊なネジが使われているため、開けることができませんでした。真空管の保護をしている蓋だけは交換のために開けられますが、中の回路は見えません。

ではでは、レビューの方、いってみましょう!

  • 操作性

コントロール自体はシンプルですので、音作りに迷ってしまう、ということはないと思います。ただ、上の写真にある通りのノブなので、ノブの位置を見極めるのはちょっと大変かもしれません。ただこの形状の筐体なので、間違って足で動かしてしまう、ということはほぼないと思います。
大柄な筐体で、24V電源のためボードに載せるのはちょっとだけ面倒かもしれません。真空管搭載ペダルってだいたいそうですけどね。また、このサイズで重厚な見た目をしていますが、重さは意外に軽いです。サイズ的にも重さ的にも、Fuzz Faceと同じくらいですね。
「非常に使いやすいエフェクター」というわけではないですが、見た目ほど使いにくいってことはなく、普通に使えるペダルだと思います。

  • サウンドレポート

では、音を。サンプルも録りましたが、今回は文章をはさみつつ載せていきます。
記事中のサンプルサウンドは、全てES-335とMAD PROFESSOR Sky Blue Overdriveを使い、クリーンのKoch Classic SEで鳴らしたものとなっています。歪ませた方が分かりやすそうだったので、そうしてみました。
まずは基本的な音から。

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音の特性はこんな感じです。アナログらしい残響の減衰があり、それでいて残響音自体は太く、しかし原音を邪魔しないナチュラルさ。これが特徴です。ディレイ音がとにかくスムーズで、重みのある音ですね。自然にサステインが増強されるような、そんな感覚を感じられるディレイペダルです。ディレイタイムは90〜430msとなっています。

ディレイタイムもそうですが、Blend、Repeatコントロールもそれほど広いコントロール域を持っているわけでなく、むしろ全体的に控えめに設定されています。ディレイ音がやたら主張したりすることのない範囲という感じでしょうか。なので、例えば付点8分ディレイのように、ディレイをあえて強調したプレイにはそれほど向きません。
一応やってみました。

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こんな感じになります。Blendコントロールは最大になっています。
そういう使い方には向かないペダルですが、逆に「残響」を生かしたプレイには最適です。例えばソロ時にONにして音を太くするような使い方もできますし、残響そのものに重厚さがあるので、幻想的な空間を作り出すのにも向いています。
デジタルディレイのように細かなディレイタイムを設定したりすることはできないので、それを逆に生かして、昔ながらのエコーペダルのように使うのが最も適した使い方だと思います。

各コントロールは控えめと書きましたが、Repeatコントロールもそういうセッティングとなっています。なので、最大にしても自己発振はしません。最大にすると非常に音が飽和したディレイサウンドが得られるという形です。
ただ、こういう音は出せます。

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アナログディレイの発振やその状態でTimeを動かした音とはまた全く違う、宇宙的な変わった音です。これは、アンプとギターを発振、つまりフィードバックを起こした状態でTimeノブを動かして作った音です。Repeat、Blendは最大の設定です。
ギターがES-335でさらに歪ませているので簡単にフィードバックを起こせましたが、例えばソリッドなギターでもBOSS FB-2のフィードバック機能を使ったりすれば同様の効果が得られます。

では、このDamp Echoの音、普通のアナログディレイとはどのくらい違うんでしょうか。
実際に比べてみましょう。

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これは、BOSS DM-2をさらに改良したという、今の定番アナログディレイ、Way Huge Aqua Puss MkIIとの比較です。
ディレイタイム、フィードバックを同じくらいに設定して弾きました。前半がWay Huge、後半がMars Ampとなっています。こうして聞くと分かりやすいと思いますが、Mars Ampの方が原音がしっかり残っていて、くせのない減衰の仕方をしています。といって、デジタルにフィルタをかけた音とはまた違っていて、音の粒は細かいけれどハイファイではない、独特の残響音が特徴です。どちらが良い、というよりも全く別の音という感じですね。

ここまで見てきてもらえれば分かるとおり、最近のエフェクターによくある「多機能でコンパクト、使いやすくていろんな音が出せる」というタイプのペダルではありません。古いエフェクターのような、不器用で場所も取るエフェクターです。これはどうやら、あえてこういう形にしたみたいですね。特にMars Ampペダルは、大柄な筐体をあえてポリシーとして作っているということだそうです。こういうスタイル、好きですね。あと、筐体の立て付けがエレハモみたいな感じなのもチャームポイントですw
また、音自体も、正直、素晴らしいと思います。なかなか上手く伝えるのが難しいんですが、音に芯があって太く、それでいてハイファイではなく、また自然な減衰が得られるというのが特に良いところですね。残響の重厚さは、真空管ならではの音なんだと思います。

ちなみにこのペダル、30時間くらい連続で通電してみたところ(単にアダプタ抜き忘れただけです)、筐体全体が暖かくなっていました。ちょうどチューブアンプをずっと使っていた時とかと同じような感じでしたので、本当に高電圧で真空管を駆動させている、というのがとてもよく分かりました。逆に、ずっと付けていてそのくらいの温度なので、熱くなりすぎて危険、ってことはないです。

サンプル使用ペダル

 
というわけで、新しいチューブディレイ「Mars Amp Damp Echo」のレビューでした。
このディレイは本当に気に入っていて、ディレイ好きって方には是非とも弾いてみて欲しいペダルです。非常に高い実力を持ったディレイペダルです。機能性や使いやすさを犠牲にしてまで、あえて真空管を搭載した意味は間違いなくあると思います。ロングディレイができなくても、発振やディレイ音を強調できなくても、この音ってだけでもう十分といえるペダルです。
アナログディレイに近い音ではあるんですが、どんなセッティングでも他のディレイペダルではなかなか作れない独特の音です。あとは、ディレイペダルに何を求めるのか、というところだと思います。

Damp Echoサンプルムービー
Damp Echoサンプルムービー2

 
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