数々の多彩なギターをラインナップし、全世界的にGibson、Fenderと並ぶ、日本を代表するギターブランド、Ibanez。さまざまなジャンルに合ったギターを製作するIbanezですが、中でも特にハイゲイン系のアーティストやプレイヤーに人気の高いブランドです。
日本国内においてもやはりハイゲイン系で人気が高く、ESP系列、Schecter、Dean、Jacksonなどと並ぶメタルギターの代名詞の1つ。上位機種の国産モデルはもちろんのこと、海外生産モデルにおいても高い品質管理で知られるギターメーカーですね。聞いた話ではあるんですが、特にアジア諸国において「Ibanezギターを製作させてもらっている」というだけでその工場の技術の高さや品質の良さが分かるという話もあるほどです。
そんなIbanezから、ニューモデルが一挙9種類登場！まとめてご紹介します。
先に、簡単にIbanezギターの現在のラインナップ構成について軽く見てみます。
Ibanezのエレキギターは、まず攻撃的なシェイプのソリッドボディとクラシカルなホロウボディに分けられます。ホロウボディは簡単で、アーティストモデルとArtcoreシリーズのモデルがその用途によっていろいろ製作されています。一方、ソリッドボディは非常に種類が多彩です。まず、アーティストモデルがあります。それを除くと、ボディシェイプの違いによって分けられたモデルが多数あり、現時点では定番のRG
、アーチトップのRGA
、ダウンチューニング向けのRGD
、ボディの薄さを追求したS
、Sを基調により多彩な音色を求めるSV
、よりシンプルなSA
。ここまで全てストラト系シェイプです。続いてテレキャスターを変形させたような形のFR
、レスポール系シェイプのARZ
、重厚なサウンドを求める変形タイプのDN
、ランダムスター系の派手な変形モデルのX
、そして、非常に低価格なエントリー向けのギターをラインナップするGio Ibanez
また、Ibanezではもう1つ、シリーズ分けがあります。それは作りの違いによるものです。特にネックシェイプの違いが大きいですね。まず、Ibanezの最高峰モデルで、いわばカスタムショップ的なj.customシリーズがあり、続いて国産でこだわって作られる高級モデル、Prestige
シリーズ。大手ギターメーカーのレギュラーモデル的な位置づけになります。派手な外観と高いこだわりを海外生産で実現するPremium
シリーズがあり、基本的に海外生産で手頃な無印のIbanezギター
があります。そしてエントリーモデルのGio Ibanez
とりあえずアーティストモデルを除いて、非常におおまかな実売価格帯を述べると、1〜3万円程度がGio、4〜8万円程度が無印、9〜12万円辺りのPremium、8〜20万円程度と開きが大きいのがPrestige、20万円以上のj.customモデルとなっています。世界的なメーカーだけあってラインナップ数がものすごくあるので、いろいろ例外モデルも多いですが、だいたいこんな感じで考えておくとIbanezギターが分かりやすいかと思います。ちなみに、今回省きましたがアコースティックギターやベースもいろいろ製作しています。
では、今回のニューモデルご紹介に移りましょう。
Ibanez Prestige RG1550MV-BK
 【エレキギター】Ibanez Prestige RG1550MV-BK |
アルダーボディにメイプルとウォルナットを合わせた5ピースのPrestigeネック、メイプル指板24Fです。ピックアップはピックガードマウントとなっていて、HSH配列。フロントからIbanezオリジナルのV7、S1、V8の順で搭載されます。ブリッジはシンクロナイズドトレモロの発展系、SynchroniZR（シンクロナイザー）ブリッジを搭載。1Vol、1Tone、5Wayセレクターとなっていて、VolumeノブがPush/Pullタイプになっています。引き上げることでフロントとリアPUのコイルタップが可能となります。ストラト系HSH配列でコイルタップ可能、という新しいRGシリーズのモデルですね。
Ibanez Prestige RG2770FV
 【エレキギター】Ibanez Prestige RG2770FV 【12月発売予定】 |
フレイムメイプルの化粧板の下にメイプルトップ、アルダーバックのボディにメイプル/ウォルナットの5ピースネック、ローズ指板24Fを搭載。PUはHSH配列で、フロントから順にIbanezオリジナルのTDB2、ST2、TDB3を採用。ブリッジはシンクロナイズドトレモロ系のSynchroniZRとなっています。
1Vol、1Tone、5Wayセレクターで、Volumeノブを引き上げてフロントとリアのコイルタップが可能。コイルタップとシンクロナイズド系トレモロを採用することでより幅広いジャンルに適応したモデルとなっています。ヘッドにもフレイムメイプルの化粧板を用いたマッチングヘッドで、ヘッドとボディにバインディングの巻かれています。
Ibanez Prestige RG2770FZ
 【エレキギター】Ibanez Prestige RG2770FZ 【12月発売予定】 |
フレイムメイプル+メイプルトップ、マホガニーバックのボディにメイプル/ウォルナットの5ピースネック、24Fローズ指板。HSH配列のPUで、フロントから順にDiMarzioのIbanezモデル専用PU、IBZ-N、IBZ-M、IBZ-Bを搭載しています。1Vol、1Tone、5Wayセレクターに、ゼロポイントシステム（ブリッジの左右のずれを補正してチューニングの狂いを軽減するシステム）搭載ダブルロッキングトレモロ、Edge-Zeroを採用しています。最もスタンダードなRGと言えるモデルですね。
Ibanez Prestige RG2727FZ-TBK
 【エレキギター】Ibanez Prestige RG2727FZ-TBK 【12月発売予定】 |
こちらはIbanezが得意とする7弦のRGモデルですね。フレイムメイプル+メイプルトップにマホガニーバックのボディ、メイプル/ウォルナットの5ピースネックに24Fローズ指板。PUは2ハムで、DiMarzio IBZ-7NとIBZ-7Bを搭載します。1Vol、1Tone、5Wayセレクターに、ゼロポイントシステム搭載の7弦用ダブルロッキングトレモロ、Edge-Zero7を採用したモデルです。
非常にスタンダードな7弦RGモデルですね。
Ibanez Premium RG920Z-BK
 【エレキギター】Ibanez RG920Z-BK 【12月上旬発売予定】 |
ボディはアメリカンバスウッド、ネックはメイプル/ウォルナットの5ピースネックで24Fローズ指板。2ハムを採用し、Prestigeシリーズ譲りのDiMarzio IBZ-N、IBZ-Bを搭載します。コントロールは1Vol、1Tone、PUセレクター。詳細が出ていませんが3WayセレクターならスタンダードなPU切替、5Wayセレクターなら2ハムながらストラトのハーフトーン的な音色を作ることも可能となります。どちらかが搭載されます。ブリッジはゼロポイントシステム搭載のダブルロッキング、Edge Zero IIトレモロとなっています。
Premiumシリーズならではの、j.custom譲りのフレットの球面加工等ももちろん採用。Prestigeよりに作られたPremiumシリーズという感じのモデルですね。
Ibanez Premium RG920QMZ
 【エレキギター】Ibanez RG920QMZ 【12月上旬発売予定】 |
キルトメイプルトップにアメリカンバスウッドボディ、メイプル/ウォルナットの5ピースネックに24Fローズ指板。2ハムPUで、DiMarzio IBZ-NとIBZ-Bを搭載し、1Vol、1Tone、PUセレクターとなっています。ブリッジはゼロポイントシステム付Edge Zero IIで、基本的にRG920Z-BKと同じですが、キルトメイプルトップ+マッチングヘッドでPremiumシリーズらしい派手な外観を実現しています。
Ibanez RGA42E-BK
 【エレキギター】Ibanez RGA42E-BK 【12月上旬発売予定】 |
マホガニーボディに3ピースメイプルネック、ローズ指板24Fを搭載。PUは2ハムのアクティブPUで、フロントにEMG 85
1Vol、1Tone、3Wayセレクターで、ハードテイルのGibraltar Standardブリッジを搭載します。手軽にEMGサウンドを体感できるモデルですね。
Ibanez RGA32-MOL
 【エレキギター】Ibanez RGA32-MOL 【12月上旬発売予定】 |
マホガニーボディ、3ピースメイプルネック、ローズ指板24Fで、ローノイズ・ハイパワーな2ハムアクティブPU、CAP-LZ10とCAP-LZ20を搭載。1Vol、1Tone、3Wayセレクターに、ハードテイルのGibraltar Standardブリッジとなっています。マホガニーの木目を活かしたフィニッシュも特徴ですね。
サンプルムービー
Ibanez S421
 【エレキギター】Ibanez S421 【12月上旬発売予定】 |
マホガニーボディに3ピースメイプルネック、ローズ指板24Fで、Ibanez INF1、INF2の2ハムPUを搭載。1Vol、1Tone、5Wayセレクターで、2ハムながらストラトのハーフトーン的な音も作ることが出来ます。ブリッジはハードテイルのGibraltar Standardとなっています。シンプルに作られたモデルで、ボディの薄さ等からSG的なスタイルのモデルという感じですね。
というわけで、Ibanezのニューモデル、まとめて9種類のご紹介でした。
非常に多彩なモデルをラインナップするIbanez。最近のモデルを見ていると、PrestigeのRGは化粧板の派手なメイプルとメイプルトップを組み合わせたスタイルが増えている感じですね。一方、これまでとにかくメカニックな仕様が多かったんですが、そのあたりが若干シンプルというか、スタンダードなモデルへと移行しつつある流れもあるようです。
2013年以降を見据えて、またさらに多彩なモデルが出てくるのではないかと思います。楽しみです。
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