きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

IK Multimedia iRigレビュー!本物と偽物を徹底比較!


iPhoneやiPad、iPod touchといったiOS機器と楽器を簡単に接続できるシンプルなオーディオインターフェイス、「IK Multimedia iRig」。
イタリアの音響メーカー、IK Multimediaの製作するiOS用オーディオインターフェイスとして定番中の定番モデルです。数々のフォロワーモデルも発売されており、iOS機器を持っていて楽器を繋ぐことがあるという方でも持っている人は多いんじゃないかと思います。
発売されたのは2010年の7月。それ以来iRigシリーズは非常に人気モデルとなり、現在ではオーディオインターフェイスだけでもマイクプリアンプ搭載の「iRig Pre」やコンパクトエフェクタータイプの異色モデル「iRig Stomp」をはじめ、他にMIDIインターフェイス「iRig MIDI」、コンデンサマイク「iRig Mic」、コンパクトマイク「iRig Mic Casticon」、DJミキサー「iRig Mix」、キーボードコントローラー「iRig KEYS」といったモデルをラインナップ。iOS機器用のスタンド「iKlip」シリーズも発売され、IK MultimediaがいかにiOS機器に力を入れているのかよく分かります。
さて、その先駆けモデルとなったiRigですが、あまりに定番モデルとなり、またそのシンプルな造形と機能ということもあってか、かなりの「偽物」が出回っています。実際iRigをWeb上で探そうとすると、直輸入品という扱いなどで、非常に低価格なモデルが販売されていたりもしています。その対策として、IK Multimediaは特設ページを設けて注意を促しています。
正直言って、今改めて「iRig」そのものをレビューする意味ってあまりないとは思います。新製品というわけでもない定番モデルで、どこでも簡単に入手できるものですし、機能そのものもシンプルで分かりやすい。正直これほどレビューに適さないものはないってくらいです。それを何故、あえて今レビューするかというと、今「本物」のiRigと「偽物」のiRigが手元にあるからです。
偽物が出ているという情報もけっこう前からあり、簡単な見分け方などは書かれていますが、詳しくどこがどう違うのか比較したものって探しても無かったので、意外と役に立つんじゃないかと思って書くことにしました。
では、いってみましょう!

IK Multimedia iRig


こちらが、そのiRigです。非常にシンプルなモデルですね。各部を見てみましょう。
 

まずはiOS機器に接続する部分のプラグです。iOS機器は、最初期のモデルを除き、ヘッドフォン端子にはこのように4つの極を持つタイプとなっています。これでステレオアウト、モノラルインプット、グランドをミニプラグのサイズでまとめて入出力が可能という形となっています。
 

こちらは、プラグのついたケーブルの付け根です。iRigをつないでしまうと当然ヘッドフォン端子はふさがってしまうので、iRigに新たなヘッドフォン端子を追加することで録音しながらのモニタリングを可能としています。
 

ケーブルやヘッドフォン端子の逆側には、モノラルフォンタイプのインプットジャックがあり、ここに楽器を接続することで楽器の音をiOS機器に送ることができるようになります。
 

実際使うとこんな感じになります。
 
iRigの機能は以上です。とにかく非常にシンプルなモデルで、ヘッドフォン端子を使って音の入出力を行うので充電しながらの操作も可能。またiPhone5でDock端子の形が変わりましたが、ヘッドフォン端子を使うのでそれに関係なく使用出来るという強みがあります。一方、Dock端子を使うタイプのオーディオインターフェイスと比べると、必ずアナログ信号で入出力をしなければならないという点などから、音質面で違いが出る可能性もある、という点もあります。そのあたりは使い方や求めるものに応じて選ぶと良いと思います。
さて、冒頭にも述べた通り、iRigには「偽物」が出回っています。IK Multimediaによる簡単な偽物の見分け方をまず載せておきます。

  • ケーブル先端のミニ・プラグが銀色(正規品のプラグは金色です)。
  • ギター入力部のリングが銀色または金色(正規品のリングは黒色です)。
  • 本体がネジ留めされていない(正規品は背面からネジで留められています)。
  • ギター・アイコンがiRigロゴの下に寄っている(正規品のギター・アイコンはiRigロゴの中央に揃っています)。
  • 登録書(Registration Card)が入っていない(正規品にはIK Multimedia Registration Cardが入っています)。

とのことですね。それに加えて、パッケージやロゴの印刷の質が劣っていたり、iRig本体接合部に突起(いわゆるバリ)があったり、ネジ留めされていなかったり・・・と、偽物にもいくつかのバリエーションがあるようです。他の見分け方として、並行輸入と書かれている、価格が極端に安いといったことがあり、偽物を買ってしまった場合は販売店に連絡をしてください、ということです。レビューしてください、とは書かれていませんでしたw

さて、では問題です。

どちらが本物でしょう?
 
・・・分からないですよね。この写真じゃ。ギター入力部のリングが黒いから右が本物、と思った人は目の付け所が良いですが、はずれです。正解は左が本物、右は偽物です。より詳しく見てみましょう。
 

まずは本体にプリントされるロゴです。左が本物です。ロゴの印刷は、目を近づけてよーく見ると、偽物の方がプリントのクオリティが低いかな、というのは分かります。ただ、もっと分かりやすいのが上と下のヘッドフォンとギターのロゴですね。偽物の方が幅広な感じ。本物はスマートなロゴが付いています。
 

次はIN/OUTプラグ。見ての通り、外観に違いは見られません。左が本物です。あえて言うと、偽物の方はプラグの付け根にちょっとした段差がありますが、よほどよく見ないと分からないです。後で分かりますが、この部分、見た目は同じでも中身は大違いなんです。なお、端子部が銀色の偽物もあるそうです。
 

続いて楽器のインプット端子。さきほど2つ並べた写真では黒く見えた端子ですが、こうして見ると分かりやすいですね。偽物は端子の外側が黒で内側が金色(銀色のタイプもあるようです)、本物は全て黒です。
 

続いてパッケージ比較。左が本物ですが、これ、違い分かりますか?もしパッケージに入った状態で判断しろと言われても普通分からないです。さきほど見た、ギターやヘッドフォンのロゴが幅広になっていれば分かりますが、それもいくつかバリエーションがあるかもしれません。
 

こうして並べるとよく分かります。偽物は全体的に赤が強めの色となっています。
 

パッケージ裏。こっちは分かりやすいかも。左の本物の方が、明らかに写真の印刷が鮮明です。ちなみに本物パッケージ右下に貼ってあるシールはお店さんが貼ったものなので、必ず貼ってあるとは限りません。
 

付属品。本物は説明書とRegistration Card、偽物は説明書だけが入っています。
 

説明書そのものは、正直違いが分かりません。
 

では、ここから中身を見ていきましょう。まずは本体の裏側を見ます。どちらもネジ留めされていて、区別はつけられません。本体のサイズが違うように見えるのは写真の場所の関係で、サイズは全く同じです。(ネジ留めでないタイプの偽物もあるようです)
 

ネジを外してみると、本物の方が長いネジを使っています。こんなところまでコストダウンされているのが偽物です。
 

まずは、本物の基板です。非常にシンプルな回路で、たしかにコピーそのものは簡単そうだ、というのが分かります。
 

そしてこちらが偽物の基板。並べると分かりますが、安っぽいですよね。そして・・・
 


偽物は線が1本足りません。先ほど、プラグ部で見た目は同じだが中身が違うと言ったのはこれです。ケーブル内に入っている線の数が違っていました。
 

基板裏。本物にはIK Multimedia iRigの文字が書かれています。ついでにうちのはiRig Ver.3となっているようです。
こうして内部を比較すると、偽物は使われている線やパーツも安っぽいし、そもそも線が1本無いという形になっているのが分かりました。これもいくつかバリエーションがあるのかもしれませんが、こういう違いがはっきりと見れたのは良かったです。
なお、IK Multimediaは「偽造品では、内部の保護回路が省略されている」と言っていますが、それがおそらくこのことなんだろうと思います。比較すると、基板上に載っているパーツの数自体は全く同じです。定数までは見てませんが、回路そのものは同じなのかもしれません。だとすると、偽物は「保護回路を搭載していながらケーブルのコストを下げるためあえて使っていない」という意味不明な状態になっている可能性もあるわけですね。
 
では、ここからはiRigそのもののレビューも交えつつ、本物と偽物の音の比較なんかもやってみようと思います。その前に、ちょっとだけ一言書きます。
Web上を見ていると、「偽物でも安いし、機能は変わらないから別に良い」という感じの意見をちょっとだけ見かけました。それは流れ的に、知らずに偽物を買ってしまった人に向けた言葉で、まぁドンマイ、的な意味が込められていたものでした。なのでその意見を書いた人に悪気は無いと思います。
ただ、知らずに買ってしまった人は、「別にいいや」で済まさないで欲しいと思います。きちんとお店に連絡して、対応次第でそういった事例があったことが広まるように・・・たとえばレビューとかいろいろ方法はあるので、そういったことを一言でも良いのでやってもらえると良いかと思います。そして・・・こんな記事書くために偽物をあえて入手した私が言えることじゃないんですが、偽物と分かっていて「これでいいや」って感じで買うのはやめた方が良いと思います。うちにある偽物はとりあえず動作自体はしましたが、動作しないものの割合も高いという話を聞きますし、iRig以外にも、より低価格なiOS用コンパクトオーディオインターフェイスはいろいろ出ています。あえて偽iRigを選ぶ意味は無いと思います。たしかにiRigは、こういったスタイルのオーディオインターフェイスの中では価格帯が高めになっていて、「これならもっと安く作れるんじゃない?」という意見があるのは分かります。分かりますが、だからといって偽物を使う必要はないと思います。本当にもっと安く同等のものが作れるなら、回路そのものに著作権はないんですし、ちゃんとオリジナル製品として作って売れば良いんです。これはよくある、回路コピー系の激安エフェクターとは全く次元の違う話ですので。
それでは、レビューの方行きたいと思います。

  • 操作性

何も考える必要がないほどシンプルです。多くの人は説明書を全く読まずに使えると思います。
 

  • レポート

では、音を。まずは本物のiRigをギターで使ってみました。
iRigそのものは、音をiOS機器に送り、また音をヘッドフォン端子から出力することしかできません。しかし、それだけで出来ることは膨大です。数々のアプリを用いて、楽器を使ったさまざまなことができます。例えば・・・

これは、t.c.electronic PolyTuneiconのアプリを使ってチューニングをしているところです。右に置いてあるSonic Research ST-200はサイズ比較用。iPadの大きな画面を使って、コンパクトチューナーではありえないサイズの画面でチューニングをすることもできます。

続いて、AmpliTubeiconを用いて音を録ってみましょう。AmpliTubeはIK Multimediaのアプリで、アンプシミュレーターやエフェクターを搭載し、音の録音もできるというマルチエフェクターアプリです。ストラトをiRigにつないで、そのままiPadに接続しています。

セッティングはこんな感じ。クランチなアンプでリバーブをかけ、オーバードライブでブーストしたサウンドって感じのセッティングです。

リアPUでコードを弾いた音です。

フロントPUで単音を弾いた音です。

音はすべてAmpliTubeiconだけで作っており、フェードアウトだけあとから追加していますが、それ以外に音の補正は行っていません。
簡単にこうした音を作ることができるので、手軽にフレーズをメモするような使い方から本格的なレコーディングに至るまで、コンパクトなスマートフォンやタブレットPUであるiOS機器で行える・・・これが今の技術なんですよね。今回は簡単なオーバードライブサウンドだけでしたが、空間系や残響系などもありますし、もっとハイゲインなサウンドやクリーンサウンドも作ることができます。
 
では、「本物」と「偽物」の音の比較をやってみましょう。
より音の違いが分かりやすいよう、音域の広い電子ピアノを使って比較したいと思います。使ったアプリはiOS用の本格DAW、「Auria」で、音に補正は行わず、フェードアウトだけを追加しています。
ではまず「本物」のiRigを使った音から。

はい、普通にピアノの音が録れます。とても綺麗に音が録れていますね。では、「偽物」はどうでしょう。まずは、一切の設定を変えることなく、ただiRigだけを偽物にして弾いてみます。

聴いての通りです。とんでもなく音がクリップしています。入力レベル自体も大きくなっていますが、クリップしていない部分のピアノの音自体もなんだか変わってしまっているような感じですね。
ただ、もしかしたらクリップしないように音量を下げればちゃんと録れるかもしれません。やってみましょう。

すると、こうなりました。今度はちゃんと録れたように思います。電子ピアノ側でヴォリュームを半分くらいにはしましたが、たしかにクリップすることもなく、ピアノの音が録れています。・・・が、よく聞いてみてください。音の後ろに「サーー」というノイズが入ってしまっています。一番上の本物の音と比べると明らかにノイズが入っているのが分かります。
 
というわけで、今回はIK Multimedia iRigと、その偽物を比べてのレビューでした。
やっぱり偽物はダメですね。一応まがりなりにもちゃんと認識され、トラブルなく動作したものでこの有様です。たしかに、偽物でもチューナーアプリを使ってのチューニングくらいは問題なくできます。回路自体はおそらく本物のコピーですから。
ですが、ケーブルが1本足りないという分かりやすい違いもあり、そして録ってみると音も違っていて、いくら多少安いといっても偽物を買うメリットは全く無い、と言えると思います。そして逆に、本物のiRigのすごさも分かった気がします。
iRig自体がとても良いモデルなのは言うまでもありません。シンプルで、手頃で、そして無限大の汎用性を持ったモデルです。イメージ的にギター用って雰囲気もありますが、今回使った様に電子ピアノやシンセサイザー等を使うことももちろん可能。マルチエフェクターからのラインアウトをDAWアプリでレコーディングしたりはもちろん、iRealbiconのようなアプリを使ったセッションをしてみたり、出先でiPhoneをチューナーとして使ったり・・・アプリやアイディア次第で使い方はいろいろあります。
そして、今回比較してみて思ったんですが、iRigって相当ノイズレスなんですね。あまりにもシンプルな外観から、多少その点は妥協せざるを得ないのかな、と思ってあまり考えることもなく使っていたんですが・・・今回偽物と比べて、iRigは音質も良いインターフェイスだということが分かりました。
これからiRigを買おうと考えている人に、偽物を買わないようにするためにどうするかというと・・・店頭に置いてある物、これはほぼ間違いなく大丈夫だと思います。よほどアンダーグラウンドなお店でなければw
ネットで買う際も、「正規輸入品」やそれと同様のことが書かれていることを確認しましょう。直輸入、並行輸入は避けた方が良いと思います。ギターエフェクターなんかだとそうでもないんですが、iRigは実際にこうして偽物が流通しているわけですから。そして、できるだけ信頼のおけるお店で買うこと。どこに信頼を置いているかはそれぞれだと思いますが、きちんと表だって営業されている楽器店さんならまず間違いないと思います。
そして、万が一偽物を買ってしまった場合は、すぐにお店に連絡してください。その後の対応次第では考えられることもあるかと思いますし、お店側のミスで(つまり悪気が無く)偽物を売ってしまったとしたら、すぐに交換、または返品に応じてくれるはずです。iRigという素晴らしいモデルが、しっかりと守られるように、そしてその機能、サウンド、性能を必要としている人がきちんと享受できるように、それに少しでも助けになればと思って、この記事を書いてみました。

ちなみに、今回使った「本物」のiRigは楽天のchuya-onlineさんから購入したものでした。

 
人気blogランキングへ にほんブログ村 音楽ブログへ



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy