華々しいビンテージコーラスのサウンドから、濃厚でサイケデリックなフェーザーstrymon mobius ... |
より詳しいことが分かるようになりましたので、改めてご紹介します。
このペダルは、見ての通り多機能ディレイペダルStrymon TimeLineと同様の筐体を用いた、やはり多機能なモジュレーションペダルとなります。SHARC DSPを用いて様々なサウンドを作ることの出来るペダルです。
本体には「CHORUS、FLANGER、ROTARY、VIBE、PHASER、FILTER、FORMANT、VINTAGE TREMOLO、PATTERN TOREMOLO、AUTOSWELL、DESTROYER、QUADRATURE」の12種類のモジュレーションを搭載。Value、Speed、Depth、Level、Param1、Param2の5種類のノブでそれぞれのサウンドをコントロールします。
200種類のプリセットを保存して呼び出すことが出来、エクスプレッションペダル端子も装備。MIDI IN OUTを搭載してMIDIでコントロールすることも出来ます
入出力はフルステレオとモノラルIN/OUTを切り替え可能。そしてモノラル使用時(Pre/Postモード)にはLEFT IN/OUTを通常のIN、OUTとし、RIGHT IN/OUTをサブIN2/OUT2とすることで、例えば楽曲によってモジュレーションを歪みの前にかけたり後にかけたりしたい、という場合の切替を、接続を変えることなく行えるようになっています。
もうちょっと詳しく説明すると、背面のスイッチをPre/Postモードとして、ギター→IN2/OUT2→他のエフェクター等→IN/OUT→アンプ、といった形に接続し、おそらくパッチのプログラムでメインのIN/OUTかIN2/OUT2を使うかを設定しておくことで、パッチを読み込むだけで自動的に接続順を変えるような働きをすることができるというわけですね。これのすごいところは、例えばある楽曲ではアンプの前、別の楽曲ではアンプのエフェクトループ、みたいな設定もできてしまうところです。これは素晴らしい発想ですね。
3つのフットスイッチはA、B、TAPとなっていて、AB同時押しとB・TAP同時押しでBANKの上下切替が可能となっています。
デモムービー
では、本体に搭載されているエフェクトをより詳しく見てみます。
Chorus(コーラス)
コーラスモードではSpeed、Depth、Level、アサイン可能な2つのパラメータノブと、さらにMode、Mix、Toneの3つのコントロールを使うことが出来ます。コーラスモードではさらに5種類のサウンドバリエーションを変えるモードを搭載し、さまざまなクラシックコーラスサウンドを網羅しているとのことですね。
strymon BRIGADIER等にも搭載されたdBucketテクノロジーによるBBDサウンドを作るアナログ風コーラスやマルチコーラス、ヴィブラート、さらに80年代のクリーンなデジタルコーラス、そしてDetuneサウンドを収録しています。
サンプルムービー
Flanger(フランジャー)
フランジャーモードではSpeed、Depth、Level、2つのパラメータノブの他、Mode、Regeneration、Manualコントロールを搭載。
6種類のフランジャーサウンドを収録し、Modeコントロールで切り替えることができます。収録されているのはヴィンテージフランジャーサウンドを作り出す、シルバー、グレー、ブラック+、ブラック-の4モードと、ゼロフランジャーを再現するゼロ+、ゼロ-モードとなっています。
サンプルムービー
Rotary(ロータリー)
ロータリースピーカーのサウンドをシミュレートするモードです。
Speed、Depth、Level、2つのパラメータノブの他、Horn Level、Preamp Drive、Slow Rotor Speed、Acceleration Time、Tap Switchコントロールがあります。サウンドバリエーションを変えるモードはありませんが、その分多彩なパラメータで様々な音作りが可能です。
サンプルムービー
Strymon Lexを思わせるサウンドですね。
Vibe(ヴァイブ)
伝説的なモジュレーションエフェクター、Uni Vibeを思わせるサウンドを作るモードです。
Speed、Depth、Levelと2つのパラメータノブ、Waveshape、Low End、Headroom、Modeコントロールとなっています。
サンプルムービー
このモードはエクスプレッションペダルを使うと特にすごそうな感じですね。
Phaser(フェイザー)
フェイザー、フェイズシフターと呼ばれるエフェクトです。Speed、Depth、Levelと2つのパラメータノブ、Mode、Regeneration、LFO Type、Spreadコントロールとなっています。
搭載されるモードは、2、4、6、8、12、16ステージフェイザーの切替となっています。どのモードも最適な音響特性となるようチューニングされているとのことです。
サンプルムービー
Filter(フィルター)
続いてはフィルターエフェクトです。Speed、Depth、Level、および2つのノブに加え、Mode、Waveshape、F Mid、Resonance、Dry Level、Spreadのコントロールとしても使用可能。
モードはシンプルにローパス、ワウ、ハイパスとなっていて、フレキシブルなフィルターサウンドが得られます。オートワウ、エンヴェロープフィルタ(タッチワウ)、さらにエクスプレッションペダルでのワウエフェクトも可能です。
サンプルムービー
Formant(フォルマント)
フォルマントはあまり聞き慣れない名前のエフェクトですが、いわゆるトーキングマシンエフェクトです。
Speed、Depth、Level、そして2つのノブと、Vowel 1、Vowel 2、LFO Type、Spreadのコントロール。母音を選択することでバリエーション豊かな「言葉」をしゃべらせることができます。
サンプルムービー
Pattern Trem(パターントレモロ)
続いてはちょっと変わったトレモロです。8ビートまでのシーケンスを用いてリズムを刻むことの出来るトレモロですね。
コントロールはSpeed、Depth、Level、2つのパラメータノブ。そして追加コントロールとしてWaveshape、Beat 1-8、Panを使用可能です。
サンプルムービー
Autoswell(オートスウェル)
最近は「Swell」というエフェクト名を使わなくなりましたが、これはいわゆるスロウギア等のヴォリュームを自動で動かすエフェクトの事です。古いワウ/ヴォリュームペダルなんかだと、「Wah/Swell」と書かれていたりしますが、それと同じです。
コントロールはSpeed、Depth、Level、アサイン可能な2つのノブとRise Time、Shapeコントロールがあります。ヴァイオリンやストリングス風サウンドからリバースエフェクト的な音まで作ることができます。
サンプルムービー
Destroyer(デストロイヤー)
非常に派手な名前のモードです。このエフェクトはビットクラッシャーやサンプルレートの可変を行って個性的な音を作り出すモードとなっています。
コントロールはSpeed、Depth、Levelとアサイン可能な2つのノブ、さらにBit Depth、Sample Rate、Filter、Vinyl、Mixとなっています。古いレコードのようなサウンドから、レトロな8ビットゲームサウンド、さらに凶悪な轟音など様々な音を出すことができます。
サンプルムービー
Quadrature(クワドラチャ)
クワドラチャは、通常はラジオ等の電波を音に変換するために行う検波の一種で、入力された電波を2つに分け、片方を1/4サイクルずらすことでノイズの少ない音を作り出す、というものですが、このペダルのクワドラチャは非常に個性的な音を作り出すシンセ的なエフェクトです。
Speed、Depth、Levelとアサイン可能な2つのノブ、そしてMode、Shift、LFO Type、Mixの追加コントロールを搭載。AM (振幅変調)、FM (周波数変調)、Frequency Shifting (単側波帯変調)のモードを搭載。シンセ、スライサー、リングモジュレータなどいろいろな音が出ます。
サンプルムービー
というわけで、Strymon Mobiusのサウンドをいろいろと見てきました。
けっこう動画を見ないとどんな感じか分からないと思います。スタンダードから個性的なものまでいろいろですが、どれもStrymonらしい高いクオリティが垣間見えるサウンドとなっています。
Strymonのペダルって、デジタルならではの多機能さと、アナログっぽさとハイファイ感が丁度良く混ざり合った独特の味付けが特徴で、弾いていると本当に気持ち良いペダルなんですよね。これは是非とも試してみたいペダルです。
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