非常に本格的なDAWをiPadの上で動かすことができる、ということで話題になった「Auria」に続き、DAW、DTM系のソフトウェアを多数製作し、最近新バージョンの定番DAW「Cubase 7」を発売したSteibnergが、大手のDAWメーカーとしては初めて、iPad用のDAWアプリをリリースしました。
この「Cubasis」は、PC用のCubaseのインターフェイスを受け継ぐ形で作られるiPad用のアプリです。
動作はiOS 5.1以上。無制限のオーディオ、MIDIトラックに対応し、容量の許す限り、レコーディングを行うことができます。さらに、Steinbergの定番ソフトウェア音源(バーチャル音源)、Halion Sonicを元にした71種類の専用の音源も付属していて、単純にレコーディングが出来るだけでなく、その場で演奏した音を録音したり、ミックス編集などを行うことができます。
ミキサーには11種類のエフェクトを搭載し、バッキングとして使える200種類以上のドラムループトラックを収録。キーボードやドラムパッドを画面に出して演奏することもできますし、外部MIDIキーボード等を接続して音を出し、それを録音することも可能となっています。
また、キーエディタが付属しているので、実際に演奏ができなくても楽曲を構築することができます。AudioCopyやメール送信、SoundCloud、Dropboxによるファイル共有が可能で、PC内のオーディオやMIDIを読み込んだり、逆にCubasisで製作したプロジェクトファイルをCubaseで読んだりすることができます。(Cubase 7/6.5、Cubase Artist 7
/6.5、Cubase Elements 6
、Cubase AI6、Cubase LE6以上のバージョンに対応。それぞれCubasis Importerのインストールが必要となります。)
製作した楽曲をPC等で読めるのはもちろんなんですが、プロジェクトファイル、つまり各トラックの音源や編集、オートメーション、MIDI等の情報をまとめたプロジェクトファイルを、対応のCubaseが必要とは言えそのままPCで読むことが出来るというのはとても素晴らしいですね。
例えばスタジオでとりあえず録って、ある程度の編集まで行っておき、自宅などのメイン環境でPCを使ってより細かな設定や編集、さらに追加の録音等を行う、ということも可能となっています。また、ほぼ完全にレコーディング専用のアプリだったAuriaと違って、Cubasisは最初から多くのバーチャル音源を搭載しているという点も注目です。
もちろんAudioCopy対応なので別のアプリを使って作った音をCubaseで読み、マルチトラック化して楽曲を構築していくことも可能。これだけの多機能でありながら本体サイズは197MBとコンパクトに抑えられているのも良い点ですね。簡易的ではありますがアンプシミュレータを備えているので、ギターをiRig等で直接つないで録音、といったことも可能です。
正規で対応しているハードウェアは以下の通りです。
- オーディオデバイス
Alesis iO Dock
PEAVEY AMPKIT LINK
Apogee Jam
Blue Mikey
Focusrite iTrack Solo
Line 6 Mobile In
RME Fireface UCX
Sonoma Guitar Jack 1/2
Tascam iU2、iM2
、iXZ
Apple Camera Connection Kit USB adapter
Apple earphones
- MIDIデバイス
Yamaha i-MX1
Alesis iO Dock
iConnect MIDI
IK Multimedia iRig KEYS
Line6 MIDI Mobilizer II、Mobile Keys
Tascam iU2
Apple Camera Connection Kit USB adapter
※これらは現時点で公式ページに記載されているモデルなので、新しいモデルやメーカーで未検証のモデルを始め、対応している機器はまだ増えていくと思われます。
デモムービー
イントロダクションムービー(英語)
これはまたすごいアプリが出てきました。iPadを楽器の1つとして使ったパフォーマンスはこれまでも多く見られましたが、今後さらに本格的な楽曲製作をiPadを使って行う、というのが1つの形としてより成熟していくのではないかと思います。
こういうのはいい傾向ですね。
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