今、エフェクターはどんどん増え続けています。
激安ペダルからハイエンドなモデルまで、それぞれ様々な違いはありますが、これだけ数が多くなってくると、一体何を選び、何を使えば良いのか、なかなか選択肢を絞るのが難しくなってくるのではないかと思います。また、よりマニアックなモデルにはある程度定番のエフェクターに対する知識が当たり前のように要求されることもあります。
数年前なら、ある程度「定番」のペダルは決まっていました。それは多少大きなお店ならどの楽器店にも置いているようなペダルがそうでした。しかし、今では楽器店で見かけるペダルもたくさんあって、逆に敷居が上がってしまっているような状態もあるのではないかと思います。
そこで、今改めて、定番ペダルとはどんなものがあるのか、振り返ってみたいと思います。今回はオーバードライブ編ということで、ロングセラーモデルから話題のニューモデルまで、定番としてよく見かけることの多いペダルをいくつか、取り上げてみたいと思います。
では、いってみましょう!
※「定番」に定義はありません。あくまで個人的な印象も含んでいますので、これが入っていない、これは定番じゃない、といったご意見もあるかもしれませんがご了承ください。
では、定番オーバードライブを・・・そうですね、メーカー名順に見ていきましょうか。それぞれ簡単な解説を入れておきますので、これから始めるような方にも伝われば良いな、と思います。
Analog.Man King of Tone
アメリカの大ハンドメイドエフェクトメーカー、Analog.Manのオリジナルオーバードライブです。名機と言われるMarshall Blues Breakerをベースに製作された2in1のオーバードライブです。2つのチャンネルは独立していますが、それぞれに違いは無く、非常にローゲインなドライブエフェクト。しかし2つ合わせることでまた違った側面を見せるペダルです。
国内の楽器店では新品でほとんど出回ることはありませんが、名前は知られており、オークションやUsed品として販売されているのはよく見かけます。見ていると入荷してもけっこうすぐに売れてしまうので、見つけたらすぐに入手しても良いペダルかもしれません。
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Arion MTE-1 Tubulator
激安オーバードライブの定番であり、そしてロングセラーモデル、Arion Tubulatorです。プラスチック筐体を用いることで軽量化と低価格化を実現。回路自体はスタンダードなTS系で、低価格帯ながら使いやすいペダルとして知られるオーバードライブです。
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Bogner Ecstasy Red
Bogner Ecstacy Red / ボグナー・エクスタシー・レッド |
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BOSS BD-2 Blues Driver
ブルージーなドライブ感!BOSS BD-2 ブルースドライバー 【エフェクターセット付】【送料無料】 |
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BOSS OD-3 Over Drive
かつて、1977年に発売された「世界初のオーバードライブ」と言われるBOSS OD-1。そのペダル以来となる、無印の「Over Drive」の名前を与えられたペダルです。こちらもBD-2同様、まさに定番のオーバードライブペダルですね。
BD-2同様ディスクリート回路を用いたドライブペダルで、スタンダードながら若干ローミッドに重点を置き、ローエンドを太くしたスタイルのドライブサウンドが特徴のペダルです。特にシングルコイルと相性が良いように思います。
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BOSS SD-1 Super Over Drive
【送料無料】BOSS SD-1 スーパーオーバードライブ エフェクター ボス オーバードライブ【BCF_SP】 |
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Crews Maniac Sound G.O.D
Crews Maniac... |
重厚な筐体と多彩なノブを搭載したコントロールが特徴で、鋭くエッジの立った、ゲインの高めなオーバードライブが特徴のペダル。アンプ的な質感を持ち、ゲインをスイッチで切り替えて使うことも可能。あえて言えばBD-2を大きく発展させたようなスタイルのサウンドが特徴と言えるかも知れません。
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Fulltone OCD
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BD-2がハイミッドを中心にしているとすれば、こちらはローミッド、それもローに近いあたりに重心を置いた、どっしりとしたサウンドが特徴のペダルです。といってもローが重たくなってしまうこともなく、スタンダードで使いやすく上品なFulltoneサウンドの範疇。さらに設定出来るゲイン幅も広いので、アンプのブーストからリードドライブまで多彩な使い方が出来るのも大きな特徴です。細かなバージョンアップが少しずつなされています。
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バージョン1〜4の比較
Hermida Audio Technology Zendrive
国内に正規輸入代理店を持たず、先ほどのAnalog.Man King of Tone同様楽器店に新品で並ぶことはほぼ無いにもかかわらず、定番ドライブペダルとして非常に知名度の高いオーバードライブです。
ロベン・フォードが自身のダンブルアンプの代用として使った、というのが大きな話題となり、個人で輸入される方も多いペダルですね。非常にシンプルな回路で、ダンブル系と呼ばれるペダルの地位を築いたペダルです。
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Ibanez TS808 Tube Screamer
1978年に発売された、元祖Tube Screamer「TS808」の復刻モデルです。
SRVことスティーヴィー・レイ・ヴォーンの使用でも有名となり、また最近ではこのペダルの回路をベースとして独自の方向性をさだめたTS系と呼ばれるペダルも登場しています。オーバードライブといえばこのペダルを思い浮かべるプレイヤーも世界的に多いです。
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Tube Screamer特集
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Ibanez TS808HW Tube Screamer
TS808をベースに、トゥルーバイパス、バッファ除去というハンドメイド系ブランドの定番手法を用い、ラグ板に手作業での組込を行った、ハンドワイヤードのTube Screamerです。発売当初から大きな話題となり、今でも本家TSの最上位モデルとして作られています。
それほどよく見かけるペダル、ではありませんが、よく知られていて楽器店にも置いていることの多いペダルです。
TS808 vs TS808HW
Ibanez TS9 Tube Screamer
Ibanez TS-9 Tube Screamer 新品[アイバニーズ][チューブスクリーマー][エフェクター,Effector]... |
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Ibanez TS9DX Turbo Tube Screamer
Ibanez Turbo Tube Screamer TS-9DX[アイバニーズ][チューブスクリーマー][Overdrive,オーバー... |
通常のTS9サウンドに加え、ミッドレンジをブーストするHotモード、さらにミッドレンジをブーストするTurboモード、あえてざらついた歪みを作る+モードを備えています。
TS808、TS9、TS9DX比較
JOYO Ultimate Drive
激安エフェクターブランドとして急速に広まり、一気に定番ペダルの1つとなった中国のエフェクターブランド、JOYOのオーバードライブです。
このペダルは先に紹介したFulltone OCDを元に作られたクローン系ペダルで、OCDサウンドをより低価格に手に入れたい、というプレイヤーを中心に広まっています。
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JOYO Sweet Baby Overdrive
続いて、同じくJOYOのオーバードライブです。こちらは、後述しますMad Professor Sweet Honey Overdriveというオーバードライブのクローン系ペダルとして作られたモデルです。Ultimate Drive同様、この価格帯ながら上位機種にせまるサウンドで人気のペダルです。
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Klon KTR
KLON CENTAURの設計、製作者が新しく設計したペダル!!【即納】【送料無料】KLON KTR【オーバー... |
Centaurのサウンドは基本的に変えることなく、より現代的でコンパクトな筐体、そしてバイパスモードの追加などを行って作られたペダルです。太く、ハイミッド〜ローミッドまでをがっつり持ち上げる独特の歪みと、ブースター的な要素も強いロー〜ミドルゲインなドライブサウンドが特徴。チューブアンプと組み合わせてのリードは圧巻です。現在では予約段階で売り切れ続出という状態のペダルです。
レビュー
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Landgraff Dynamic Overdrive
【正規輸入品... |
独特のコンプレッションのかかる厚く太いドライブサウンドが特徴で、TS系をベースとしていながらまるで大出力アンプ的な要素のもつサウンドを作ることの出来るペダル。ハイエンドと呼ばれるオーバードライブのあり方を示したペダルです。
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Leqtique Maestoso
Leqtique Maestoso / レクティーク・マエストーソ |
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ビルダーによる解説
ビルダーによる解説2
Lovepedal Amp Eleven
LOVEPEDAL / ラブペダル Amp Elevenオーバードライブ【御茶ノ水本店】 |
透明感のあるナチュラルなドライブサウンドとブースターを組み合わせた、使いやすくそして上質なサウンドが特徴のペダルです。
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Mad Professor Sweet Honey Overdrive
【送料無料】Mad Professor Sweet Honey Overdrive オーバードライブ マッドプロフェッサー ギ... |
北欧の天才ビルダーと呼ばれるBJFことBjorn Juhlの設計によるオーバードライブペダルで、BJFeや、現在だとBearFoot Honey Bee ODの回路を元にしながら、また違った明るめの色を付けたペダルです。
ほとんど歪まないようなサウンドから、軽いドライブサウンドまでと、ゲイン幅は狭いにもかかわらず、ブースターとしてはもちろん、メインの歪みとして使っても音が前に出ることで、実際のゲイン以上に使うことの出来るドライブペダルです。
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【オーバードライブ】MAD PROFESSOR New Sweet Honey Overdrive 【期間限定プライス】 |
Maxon OD820
弁当箱、とよばれる独特のスタイルの筐体を用いた、Maxonの定番オーバードライブペダルです。
クリーンブーストも可能で、ミッドレンジを中心に据え、タッチもしっかり反映させることの出来る、非常に評判の良いオーバードライブペダルです。
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Maxon OD9Pro+
かつてオリジナルTube Screamerを製作していたMaxonによる、TS系のオーバードライブです。Tube Screamerを発展させたスタイルのペダルで、高電圧駆動やトゥルーバイパス、さらにミッドレンジをブーストさせることでよりスムーズなドライブサウンドを実現することもできるペダルです。非常にクオリティの高い定番オーバードライブですね。
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MXR GT-OD OVERDRIVE M-193
エムエックスアール コンパクトエフェクター【ACアダプターサービス!】【セール市場】MXR M-19... |
GT-ODは、ザック・ワイルドのシグネチャーモデルで知られる、MXR ZW-44 Berzerker Overdrive(旧Wylde Overdrive)を発展させて作られたペダルで、回路的にはTS系のドライブペダルとなっているとのことです。
スタンダードなドライブサウンドですが、エッジが強めに立ち、全体的に明るめな傾向のある、MXRらしいサウンドが特徴のペダルです。
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Paul Cochrane Timmy
【動画もあり!】The パーフェクト・ペダル!!【即納】【送料無料】 Paul Cochrane Timmy Overd... |
先にご紹介したKlon KTRの設計にアドバイスをしたと言われるPaul Cochraneによるハンドメイドエフェクターで、回路的にはTS系のペダルです。しかし、その音色はどこまでもナチュラルで、カットスタイルのパッシブEQを搭載し、また対称/非対称のクリッピング切替にも対応したペダルです。
クリーンブーストから、ミディアムゲインのドライブサウンドにまで対応。歪みを増していくとFenderアンプ的な音色が得られるのもこのペダルの特徴です。常時ONにしてプリアンプ的な使い方にも適しています。同じ定番ペダルのLovepedal Amp Elevenのベースになったとも言われています。
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Xotic BB Preamp
【エフェクター】Xotic BB-Preamp 【XOTiC Effects キャンペーン】 |
ローゲインから本格的なフルドライブサウンドまで、幅広いゲイン設定と2バンドのアクティブEQによる多彩なトーン調整を実現した人気の高い定番オーバードライブペダルです。
サウンドはどちらかといえばマーシャル系と言われることが多いですが、その中でもスタンダードなペダルとしても使える多様さを持ちます。非常に調整範囲が広いため、多くのアンプやギターにも、ジャンルを問わずに使うことができる便利さも併せ持っています。
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と、いうわけで、今回は定番エフェクターのオーバードライブ編でした。
ヴィンテージペダルや生産完了モデルは載せないこととし、その中でも特に定番と呼ばれるペダルを集めました。あれもこれも、とご紹介していくととても足りなくなるので、定番オーバードライブはここまで絞りました。結局・・・25種類のペダル(SHODを分ければ26種類)になりました。
やはりオーバードライブはエフェクターの中でも特に多様なモデルが出ているので、単に定番といってもこれだけ選択肢があるわけです。あとはそれぞれがどんな音を求めるのか次第。また、デザインやコンセプトも大切ですね。是非、自分好みのペダルを探してみてください。
Vol.2 ディストーション編へ続く
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