先日ご紹介した、インドネシアのハンドメイドエフェクターブランド、K.S.Aji Tone Worksのミニサイズ1ノブディストーション「Violet Drive」のレビューをしてみたいと思います。
【K.S. Aji】Violet Drive Batik Edition |
K.S.Aji Tone Works Violet Drive Batik Edition
こちらが、そのViolet Driveです。日本向けのちょっとこだわった外観を持ったBatik Editionのペダルですね。Batikとはインドネシア語で「蝋結染」の事で、日本では正倉院などに収められている宝物だったり、古代中国からタイ、マレーシア、そしてインドネシアなどアジア地域に古くから伝わる染色法の1つです。模様部分に蝋を塗って保護するスタイルで、今でも使われている染色の1つです。それをイメージしたのがこの外観ということなんだと思います。コントロールはVolumeのみのシンプルな形です。
外観は細かく見るとこんな感じになっています。安っぽさはありませんね。むしろちょっと凝りすぎかも、と思うくらいがんばってます。
裏蓋を開けるとこんな感じ。ミニサイズなので電池は使えません。
パーツ類は金属皮膜抵抗を中心とし、AVXコンデンサはJFETオペアンプなどを使っています。回路自体も非常にシンプルですね。
小さくシンプルなペダルなので、写真はこれくらいです。では、レビューの方いってみましょう。
- 操作性
まずは操作性です。といってもVolumeのみなので、何か考える必要はまったくありません。音量を調整すればそれで終わり。あとの細かな音作りはアンプだったりギター側で行うスタイルです。潔いペダルです。
- サウンドレポート
では、音の方を。まずはサンプルをちょっと録ってみましたので、それから載せてみます。
サンプルサウンド
- 録音環境
ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
Volume:3:00
※前半はストラトのVolumeを7、後半は10にしています。
こんな感じです。ストラトで、Violet Drive側はVolumeを3時に固定。ストラトのヴォリュームを変えて歪みを調整してみました。
Vox系の歪みということで、若干暗めなブリティッシュサウンドが特徴ですね。こうしてヴォリュームをいじると簡単にゲインを変えることができますが、レスポンス的にはそれほどセンシティブすぎず、かといって融通が利かないことは全く無いというバランスの取れた音色が特徴です。なので、ヴォリュームを積極的に活用しやすいペダルですね。バッキングからリードまでこなせるペダルだと思います。
エッジがけっこう強めの歪みなので、ピッキングアタックは出やすいですね。使うピックや指など、弾き方を変えるとまた表情もかなり変わるかと思います。コントロールはVolumeのみとなっていて、いろいろ動かしてみましたがゲイン自体は固定されていてほとんど変わりません。最小から少し動かすくらいまでは若干ゲインも変わりますが、それ以降は微細に変化するもののほぼ不変。いわゆる一般的なオーバードライブやディストーションのVolumeと同じ感じの使い方となります。
ゲイン自体はけっこう高めに固定されていて、またけっこうローよりのローミッドが強めに出るので迫力のある歪みとなりますね。どちらかというとクラシックロック系、またはヘヴィネス系の音を作る感じです。
リードというか、単音の伸びやかさも良い感じで、十分なサステインも得られます。和音にするとちょっと独特というか、Voxっぽいバリっとした感じがあるのでこのへんは好みが分かれるかも知れません。例えば軽くて明るめのハイゲインが合うメロコアやパンク系にはあまり合いませんが、少し陰鬱な感じを出したいときなどには良い感じのペダルとなると思います。
と、いうわけで、K.S.Aji Tone Works Violet Drive Batik Editionのレビューでした。
1ノブの歪みって面白いんですが実際使いにくい、そんな風に思われることが多いかと思います。確かに歪みは細かく調整したいという考えはすごくよく分かります。一方で実際使って見ると、このペダルに限らずかなり楽しいペダルなのも事実です。機会があれば試してみて欲しいペダルだと思います。
【K.S. Aji】Violet Drive Batik Edition |
人気blogランキングへ