新世代TS系ペダル！「Noel Etude#3;infinest」レビューします！ - きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

新星国産エフェクターブランド、Noelのオーバードライブペダル、「Noel Etude#3;infinest」。定番のオーバードライブペダル、Ibanez Tube Screamerの回路をベースに作れるTS系と呼ばれるオーバードライブです。

特にバッファの無い構造でのTS系ペダルは、一時期、定番中の定番ペダルとして数多くのモデルが発売されていました。今では多くがディスコンとなっていたりしているんですが、そんな中今あえて、バッファレスのTS系をモチーフとして作られたのがこのEtude#3;infinestです。
さっそくレビューしてみたいと思います。

Noel Etude#3;infinest

こちらが、そのEtude#3;infinestです。サーフグリーン系のカラーが美しいペダルですね。
ノブは3つ。それぞれ左からVolume、Tone、Driveとなっています。スタンダードなコントロール配置です。

ノブは細めのスタイル。各ノブにラベリングがあるタイプもあるようですが、こちらはラベリングの無いタイプです。最小限のデザインが特徴です。

内部はこんな感じです。Noelのペダルは、内部の美しさにも定評があり、外側と内側で全体的なデザインの統一感があるのも特徴。普段は見えないところですし、音には関係のない部分ですが、こういったところまでこだわって作られているのはとても良いと思います。

OpampはMO1458P。ローノイズで落ち着いた音色、と言われることの多いOpampです。

配線には2種類の線が使われています。このあたりも丁寧に作られています。

縦置きの抵抗にもチューブがかぶせられており、細かい配慮が見られる作りですね。こういうのは素晴らしいと思います。

クリッピングはどうやらLEDが使われているようです。

裏蓋の内側にも簡単なサインや日付などが書かれています。
　
というわけで、写真はこんな感じです。では、レビューの方いってみましょう。

操作性

非常にスタンダードなオーバードライブペダルなので、迷うことはまず無いと思います。今回レビューした個体はノブにラベリングがありませんでしたが、何も考えずに使って各ノブの役割や使い方など、全く問題ありませんでした。

サウンドレポート

では、音の方を。まずはいつも通り、簡単なサンプルを録ってみました。

サンプルサウンド

(聴けない場合はこちら）

録音環境

ギター：Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ：Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
Level：1:00
Tone：10:00
Drive：11:00
序盤と最後はギターのVolumeを7に絞っています。中盤のよく歪んでいるところはギターのVolume最大です。

サンプルはこんな感じです。
このペダルは、基本的にはバッファの無いTS系、いわゆるSon of Screamerと呼ばれるモデルを基本として作られています。こういったスタイルのペダルの特徴である、ミッドレンジを基本としながら甘くまろやかで、それでいてロー〜ハイまでしっかりと音が解像する感じはこのペダルにももちろんあります。
しかし、これら多くのTS系がローミッドあたりに重点を置いて作られているのに対し、このペダルはハイミッド、それもかなりハイよりのサウンドが特徴と言えます。サンプルサウンドはストラトのリアPUですが、Toneを下げ目にしてもまだ、若干ハイが強めのサウンドとなっています。
歪み方もけっこう変わっていて、基本的にはスタンダードなオーバードライブサウンドなんですが、その音自体が立体的で、それでいて安定感もあるサウンドです。こういったスタイルのペダルだと、かなり繊細さを意識したような音色となることが多いんですが、このペダルはこの安定感が非常に特徴的で、それが使いやすさにつながっています。
また、ピッキングに対するレスポンスも絶妙です。ピッキングの強弱に対してはそこまで大きく反応するというわけではないんですが、ギターのヴォリュームにはしっかりと反応し、ゲインを上げていても歪みから簡単にクリーンまで持って行くことができます。
ゲインは、こういったTS系ペダルとしては高めの設定になっているのも特徴的です。ハイミッドに重点が置かれていることもあり、ミュート系のバッキングでも音が太くなりすぎることもなく、全体的にすっきりとして上品、使いやすく安定感があり、それでいて他のペダルではあまりないような個性もある、そんなオーバードライブですね。

スタンダードで使いやすい。でもこのペダルにしかない個性がしっかりとある。そしてその音は、ペダル全体のデザインなどが持つ雰囲気ともしっかりリンクしていて、綺麗に全体の作りと音色に一体感のあるペダルですね。このあたりはブランドのデザインの高い力量を示していると思います。