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ドイツの質実剛健オーバードライブ、 「VAHLBRUCH Jewel Drive」弾いてきました。レポートします。

ドイツのハンドメイドエフェクターブランド、VAHLBRUCH(ファールブルーフ)のオーバードライブを弾いてきました。
ドイツブランドらしくとても丁寧に作られたペダルで、どんな感じなのかなと思っていたらちょうど見かけましたので、早速試してみました。では、レポートしてみましょう!

VAHLBRUCH Jewel Drive

こちらが、そのJewel Driveです。ブースター付のオーバードライブペダルで、コントロールは上段にDrive、Timbre、Treble、Volume。そして下段にはブーストON時の音を調整するDrive+、Volume+コントロールを搭載しています。Timbreは音色という意味で、いわゆるToneコントロールですね。
試奏時のセッティングは以下の通りです。

  • セッティング

Roland JC-120

Roland JC-120
セッティングはこんな感じです。ギターはストラトとレスポールの両方を使わせてもらいました。では、レポートいきます。

  • 操作性

このペダルは、オーバードライブとしてはけっこう多機能なモデルなんですが、使い方はとても分かりやすいです。右のフットスイッチでON/OFF、左でブースト。ブースターのみで使うことはできません。基本の音色は上段のノブで作り、ブースト時の歪みと音量を下段のノブで調整可能。特にこのブースト時のコントロールが使いやすいです。
ペダルのサイズは少し大きめですがあくまでもスタンダードなタイプ。また、ペダル手前の電池ボックスはネジ等を使わずに開閉できるので、電池駆動をしたい場合にも扱いやすいと思います。
 

  • サウンドレポート

では、音を。
まず、最初はストラトを使って弾きました。オーバードライブとしてのゲインは高すぎず、低すぎないスタンダードな感じです。まず適当にノブを設定して弾いてみると、音の張りがとても気持ち良いことが分かります。
Timbreはトーン、Trebleは高域で個別に設定出来るんですが、ストラトだとTrebleを少し下げ目にしておくと、あとはTimbreで普通のオーバードライブのように調整できるようになります。各ノブの動きに対する音の変わり方もスムーズで、音を出しながら音色を調整するのが簡単です。例えば目を見張るような飛び抜けたコントロールというのはないんですが、全体的なバランスがとても上手く調整されており、とても真面目に、そして実直に作られていることが分かります。このあたりはさすがドイツブランドという感じですね。
和音では音がしっかりまとまり、単音では伸びるドライブサウンド。しかしミュートを弾けば迫力がしっかり出ます。ということはローエンドはかなり出ている、にもかかわらずそれを変に意識させないところに、このペダルのバランスの取り方のうまさとダイナミクスレンジの広さが伺えます。
ストラトでオーバードライブを弾くと、ペダルによっては少し物足りなく感じることもあるんですが、全くそんな事はありませんでした。そして先に述べた通り、音の張りがしっかりしているので、弦そのものの音がそのまま振動になって伝わってくるような感覚があります。
このペダルはストラトで音が軽くならないので、もしかしたらシングルコイル向きのペダルなのか、と思ってレスポールでも弾いてみました。
もちろん、ストラトとレスポール、シングルとハムの違いによる音の違いはあります。レスポールの方が重く、甘い音になるのは当然。ですが、Trebleを少し上げれば、音全体の重心がしっかりしつつ、かといって重すぎたりしない、相変わらずバランスの取れた音色が得られます。
もちろん歪みそのものは少し迫力が増しますが、それはギターの特性を活かしているからで、ペダルの作る歪みそのものは味が濃すぎることがないというのも分かりました。そしてなによりも、相変わらず音の張りがしっかりしています。この感じはどう言えばいいのか・・・ギターを弾いているときに感じるネックの細かい振動、それがそのままアンプからも伝わってくるような感覚、といえば分かるでしょうか。もしかしたらこれは弾き手にしか伝わらない感覚なのかも知れませんが、このペダル、弾いているとあまりにも楽しくて気持ち良いんです。
音の特性はここまで述べているとおり、バランスがとれて使いやすいサウンド。なのでいろいろなシーンで活躍するペダルです・・・が、それ以上にこの感覚的な気持ちよさはどう説明すればいいのかあまり分かりません。
今までいろいろなペダルを試奏しましたが、この感覚はそうそう無かったですね。これだけでこのペダル、かなり欲しくなりました。実際に普段の環境で試せばまた変わるのか、その辺はどうかわかりませんが、今かなりきになっているペダルです。
サンプルムービー
サンプルムービー2
サンプルムービー3
いくつか動画を載せてみましたが、音の特性はこれでだいぶ分かりやすいと思います。バランスの良い、優等生タイプの音色で、いろいろな使い方の出来るオーバードライブ。それが基本的にこのペダルの特徴です。
ただ、何かそれだけで収まらないものがある・・・そう思いました。でもこれは正直、実際に弾かないと分からないとも思います。私も事前に動画等は見ていましたが、あくまでも優等生なペダルの1つで、実際はどんな感じなのか、機会が在れば試してみようかな、くらいにしか思っていませんでした。もし、見かけることがあったらこのペダル、是非試してみてください。他のペダルではなかなか感じられないものが得られるペダルなのかもしれません。

 
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