昨日のオーバードライブに続き、今日はVoxの新しいVox Tone Garageシリーズから、ディストーションペダル、「V8 Distortion」のレビューをしたいと思います。
こちらもお借りしたペダルです。では、いってみましょう!
Vox Tonegarage V8 Distortion
こちらが、V8 Distortionです。多くのスポーツタイプや高級車に載せられているエンジン、V8エンジンの名前を持ったペダルです。その名の通り、パワフルなサウンドを作るペダルですね。
コントロールはVol、Bass、Tone、Gain、そしてMid Shiftスイッチです。Bassで低域、Toneで高域を主に調整し、Mid Shiftでミッドレンジの出方を切り替えることができます。Mid ShiftはONでミッドが強くなるスイッチですね。
筐体はオーバードライブと同じですが、こちらでもサイズ比較をやってみました。黒いディストーション大集合です。右上からG2D Morpheus、Mesa/Boogie Throttle Box、Mooer Black Secret、BOSS MT-2、そしてVox Tonegarage V8 Distortion、Proco Rat2です。さすがにMooerは小さいですが、Voxは大きめなものの、実際使う上ではスタンダードなペダルとそれほど大きな違いはないと思います。
本体にはON/Standbyスイッチとアダプタ端子が奥に付いています。このスイッチは電源スイッチですね。
背面はこんな感じです。
電池は単3が6本。この電池ボックスは何度見てもインパクトがすごいです。
もちろんMade in Japanですね。
本体からは真空管が見えます。Voxロゴ入り12AX7ですね。
というわけで、写真はこんな感じです。では、レビューいってみましょう。
- 操作性
基本的にオーバードライブと同じですが、4ノブ1スイッチの、ディストーションとしては多めのコントロールながら使いやすいです。よく考えられたコントロール構成で、音も操作しやすいです。
一方、こちらもやはり電源には注意です。電流使用量は多いので、できれば個別のアダプタを使うか、電池駆動が良いと思います。大容量のアダプタを使うパワーサプライなら使えると思います。500mAで計算すれば問題ありません。
- サウンドレポート
では、音を。まずはサンプルサウンドをいくつか録りました。
サンプルサウンド1(ストラト/ハイゲイン)
- 録音環境
ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Vol=12:00 Bass=11:00 Tone=1:00 Gain=2:30 Mid SHift=ON
サンプルサウンド2(ストラト/ハイゲイン/Mid Shift OFF)
- 録音環境
ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Vol=11:00 Bass=2:00 Tone=2:00 Gain=3:00 Mid SHift=OFF
サンプルサウンド3(ストラト/ローゲイン)
- 録音環境
ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Vol=1:00 Bass=11:30 Tone=11:30 Gain=9:00 Mid SHift=ON
※序盤と最後はギターのVolumeを7にしています。
サンプルサウンド4(レスポール/ローゲイン)
- 録音環境
ギター:Gibson Custom Shop Les Paul Custom リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Vol=1:00 Bass=11:30 Tone=11:30 Gain=9:00 Mid SHift=ON
サンプルサウンド5(レスポール/ハイゲイン/Mid Shift OFF)
- 録音環境
ギター:Gibson Custom Shop Les Paul Custom リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Vol=11:00 Bass=11:00 Tone=11:00 Gain=2:00 Mid SHift=OFF
今回は5つ、サンプルを録ってみました。順にサンプル1から見てみると、まずはストラトでMid ShiftをONにしてゲインを高めに。続いて同じゲイン高めながらMid ShiftをOFFにしてドンシャリ気味に、続いてゲインを下げた状態でのギターヴォリュームのレスポンスを見ています。続いてレスポールに持ち替え、ストラトと同じローゲインセッティングのままで弾いてみて、最後にゲインを上げMid ShiftをOFFにしてドンシャリ気味なサウンドを作ってみました。
さて、こうして実際に弾いてみて分かりますが、このペダルもオーバードライブ同様、音の迫力とまとまりが特に大きな特徴です。歪みのエッジの強さなどはこのシリーズのチューブサーキットの特徴と言えるかもしれません。
特にこのペダルは、シングルコイルでの音が特徴的です。オーバードライブの方で、ハムバッカーで作れたような歪みが、こちらはシングルコイルで作ることができます。ミュートでは迫力があり、勢いのあるサウンドが得られます。
特にMid ShiftはONの方が個人的には好みです。分厚く、それでいて音がしっかり抜けていくサウンドが得られるのがこのペダルの特徴といえますね。そして、サンプル3のようにゲインを下げると、非常に高いレスポンスのサウンドが得られます。クリーン、とはいきませんがローゲインオーバードライブから本格ディストーションあたりまでは余裕で作れます。そしてゲインを上げれば分厚い歪みが得られるようになります。
一方、レスポールのような高出力のギターでは、さらに厚みのあるサウンドが得られます。ハードロックやメタル系のサウンドはもちろん、もっとヘヴィなサウンドやパンク系のサウンドまで、余裕で対応できます。
おそらく唯一作れない音はミッドを思いっきりカットしたような超ドンシャリサウンドくらいではないでしょうか。Midの独立したEQはないので、さすがにそういう音はできませんが、そこまで極端な音でなければ、かなりのドンシャリサウンド、メタルサウンドにも対応します。
そしてシングル、ハムともに共通するのが、ローエンドの出方、強さです。これだけボトムが厚いので、非常に安定感のあるサウンドが得られます。かといってローが出過ぎるようなこともありませんので、非常に使いやすい音が作れます。けっこう適当にノブを設定しても良い音が出ます。
ある意味、クラシックなVoxのブランドイメージとは少し違う雰囲気のペダルとも言えます。このペダル自体、マーシャルサウンドを意識して作られたもので、実際に出音もマーシャル系サウンドです。Voxの持つイメージに縛られることなく、自由に開発した結果、こうした良いペダルが完成した、と言えるかと思います。
とても良いペダルだと思います。個人的にはこのシリーズ、ハムバッカーならオーバードライブ、シングルコイルならディストーションを試してみるとよいのではないかと思いました。
【エフェクター】NAMMSHOW 2013 NEW MODEL!!VOX Tone Garage V8 DISTORTION TG1-V8DS |
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