オーディオールティング系機材やエフェクター周りの小物、そしてエフェクター本体をラインナップするOne Controlの最新作であり、初のオーバードライブペダル「One Control Red Strawberry Over Drive」のレビューをしたいと思います。
以前少しだけ弾いたということで載せましたが、かなり扱いやすいドライブペダルとなっています。
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One Control Red Strawberry Over Drive
こちらが、RSODことRed Strawberry Over Driveです。この表記は初回200台分の限定で、次回以降は「Strawberry Red Over Drive(SROD)」となるということですね。
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コントロールは、トップに3つのノブが配置されます。左からTREBLE、VOL、DRIVE。高域を調整するアクティブトーンと音量、歪みの調整というスタイルですね。
また、側面にはトリムポットが搭載され、ローエンドのカットが可能となっています。
背面はフルフラットな裏蓋です。
アダプタ駆動の場合、9〜18V駆動に対応しています。
オリジナル削り出しケースらしく、いわゆるツライチな裏蓋と筐体です。
そして、内部には電池を入れることも可能。裏蓋の一部が狭まっていて、電池が固定される仕組みです。
回路はこの手前の部分でしょうか。Opampっぽい足の部分が見えます。One Controlのこのシリーズは、これ以上の分解はできません。はんだを外せばもちろん外れますが・・・。
初回200台の限定モデル、RSODに付属する開発者BJFのサイン入りポストカード。
シリアルナンバーも入っています。
では、写真はこんな感じで、レビューいってみましょう。
- 操作性
まずは操作性について。非常にシンプルで扱いやすいペダルです。ミニサイズですがノブの位置も見やすく、操作はしやすいと思います。ペダル表面にヘアライン加工がしてあり、これが光を美しく反射するんですが、それによりノブのラベルは若干見づらいです。なので最初、馴れるまではどれがどのノブだっけ?ということがあるかもしれません。
また、電池を入れる都合上、インプットとアウトプット、DCインプットが手前に配置されています。フットスイッチの位置も手前になっているのでバランスは良く、ひっくり返るようなことはないんですが、ケーブルのセッティングが少しだけ窮屈になる場合があるかもしれないと思いました。
とはいえ、それを無くすには電池駆動をあきらめるしかないので、それは仕方ないかも知れません。トリムポットは側面にあるため、いちいち裏蓋を開けたりする必要も無く、底面にマジックテープを貼ってボードに固定しても問題なく回すことができるのは良いと思います。もちろんノブに比べれば回しやすさは劣りますが、実際使ってみるとここはほとんどいじることは無いと思うのでこの形でもそこまで不便ではないと思います。
無い物ねだりをすればこのようにいろいろ書けますが、全体的にバランス良くまとまって扱いやすいペダルなのは間違いないと思います。
- サウンドレポート
では、音を。先に公開した分も含めて、少しだけサンプルも録ってみました。
- サンプルサウンド1(High Gain / Stratocaster)
- 録音環境
ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
VOL=9:00、Drive=3:00、Treble=9:00、Low Cut=Full Up(Default)
ギターヴォリューム:10→7→10
- サンプルサウンド2(Medium Gain / ES-335)
- 録音環境
ギター:Gibson Custom Shop 50th Anniversary 1959 ES-335 Gloss Antique Natural
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
VOL=9:00、Drive=12:00、Treble=1:00、Low Cut=Full Up(Default)
ピックアップ:フロント(Vol=5)→リア(Vol=Full Up)
- サンプルサウンド3(Low Gain with Anodized Brown Distortion / ES-335)
- 録音環境
ギター:Gibson Custom Shop 50th Anniversary 1959 ES-335 Gloss Antique Natural
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
SROD:VOL=9:00、Drive=8:30、Treble=1:00、Low Cut=Full Up(Default)
ABD:VOL=11:00、Gain=8:30、Tone=3:30
ピックアップ:フロント(Vol=5)→リア(Vol=Full Up)→リア(Vol=Full Up)+ABD
音はこんな感じですね。まずサンプル1ですが、先日載せたものと全く同じです。ゲインを高めにしてストラトで弾いたものですね。
音自体にまとまりがあり、またヴォリュームにも高い応答性を示しています。かなりダイナミクスレンジが広く、コンプレッションは低いですがローエンドがしっかりと出ているのでミュートでのザクザク感もけっこうあったりします。歪ませたいところできちんと歪み、クリアにしたいところはクリアになる。また音の解像度も高い、というところは特にギターアンプっぽい部分ですね。まぁ12インチスピーカーのチューブアンプを使っているので、その特性ももちろんあるんですが、それでも同じアンプで弾いた他のドライブペダルと比べてアンプっぽさが際立っています。
一方で、「どのアンプっぽいか」というと分からないんですよね。ギターとアンプの持つ音をそのまま出しているというか、ある意味で無個性さもあります。あえて誤解を恐れずに言えば、コンポーネント系のハイエンドギターみたいな雰囲気のあるペダルだと思います。個性のあるヴィンテージペダルではなく、扱いやすくどこまでも使えるモダンハイエンドなペダルに近い音ですね。価格は全然ハイエンドじゃないのにこれはすごいと思います。
続いてサンプル2。少しゲインを下げ、ハムバッカーで試してみました。335のフロントとリアの特性がしっかりと出ていると思います。フルヴォリュームのリアPUで和音を伸ばしながら同じ音のアルペジオを最後に入れていますが、音が潰れてフレーズが消えてしまうようなこともありませんでした。もっとちゃんと弾ける方ならさらにはっきりとしたプレイができると思います。
倍音成分よりも原音の強さがある335なのでTrebleは少し上げ目にしましたが、音のまとまり感はストラトよりも強くなっていると思います。かといってハイやローが変にカットされるような音の出方ではないのも良いですね。
サンプル3ではさらにゲインを下げ、同様にゲインを下げたAnodized Brown Distortionをつなげてみました。
ちょっとRSOD側の音量が小さかったかも知れませんが・・・ヴォリュームを下げたフロントPUでは音は素直にクリアで、かつ335のフロントらしい暖かさがちゃんと出ています。フルアップのリアPUでは、ゲインが8:30とかなり絞っているにもかかわらず、強く弾けばエッジが出る歪み方をしていますし、ミュートもしっかりと迫力がありますね。音が軽めなのは335のリアだからです。
そしてABDをONにすればしっかりとゲインが上がります。ABD自体のゲインもほとんど上げていませんが、Toneを強めにしているので倍音がよりリッチになっています。同時に音そのものの特性はあまり変わっていないので、RSOD同様、ABDも素直にギターやアンプの音を出すペダルということも分かりますね。
音がきっちりとまとまって、それが塊になって前に出るので、演奏性も高いです。レスポンスがとても良いので表現力も高いと思います。たいていのオーバードライブの範囲はカバーしていますね。出来ないことがあるとすればBD-2系のジャキジャキした歪みくらいでしょうか。BJF設計のペダルらしく、TrebleノブやLowトリムポットの可変幅はそれほど広くないので、思いっきりローやハイを強くするような使い方はできません。ただ、そういう音を求める場合を除けば十分に使えるというか、積極的なノブ設定をしても破綻することがまずないですね。ちなみにDrive最小にすればほとんどクリーンブーストになります。
音は録っていませんが、18Vにするとさらにアンプっぽさというか、ダイナミクスレンジが明らかに上がるのが分かります。特にトランジスタアンプではそれが顕著ということなので、例えばJC-120を使う場合には18Vにする方が効果的かも知れません。
というわけで、RSODのレビューでした。今後発売されるStrawberry Red Over Drive(SROD)も音や機能は変わらないそうです。ブースターからメイン歪み、さらにプリアンプ的に常時ONにしても良さそうなペダルだと思います。
サンプルムービー
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