歴史的なテープエコーユニット、エコープレックス。今年Dunlopから、EP103 Echoplex Delayが発表され、遂に公式に「エコープレックス」の名を冠したディレイペダルが発売されました。
伝説的なEchoplex(R) EP-3のサウンドをペダルサイズで再現。JIM DUNLOP / EP103 Echoplex(R) ... |
ディレイタイムは4〜750ms。Sustain、Volume、Delayコントロール、そしてAgeスイッチを搭載。Sustainはディレイのリピート/フィードバックコントロールですね。Ageスイッチは新品のテープを使用した時のブライトでクリアなトーンと、経年変化したテープによるサチュレーションの増加とワウ/フラッターがかかるサウンドを切替。特に経年変化したサウンドのAgeモードでは、Volumeコントロールでサチュレーションやモジュレーションのかかりも調整できるということです。
では、それに合わせ、エコープレックス系の音を出すディレイペダルを改めていくつか見てみましょう。
マルチ系や多機能ディレイペダルにはたいてい入っているディレイサウンドですが、今回はあえて、EP103同様、デジタルディレイチップを使用するコンパクトペダルから集めてみました。
エコープレックスに厳正にこだわったペダルではなく、ゆる〜くテープエコーっぽい音が出るペダルも入って居ます。一方、単にテープエコー系ディレイとなるとかなり数が多い(場合によればモジュレーションがあるだけでテープエコーライクと書かれている)ので、そのあたりは個人的な独断で選びました。
では、行ってみましょう。
※ブランド名順に載せていきます。
Anasounds Utopia
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このペダルはテープエコーやエコーレックのような古いエコーユニットの音を作るというペダルですね。DLY、RPT、MIXノブとMODスイッチを搭載し、それぞれ400ms(または600ms)までのディレイタイムとリピート、ミックスを設定し、モジュレーションのON/OFFを切り替えることができます。
内部にはスイッチとトリムポットがあり、中央のスイッチで最大ディレイタイムを400msから600msまで伸ばすことができます。3つのトリムポットは、左から順にRATE、DEPTH、TONEとなっていて、モジュレーションのスピードと深さの設定、およびディレイサウンドのダークさを調整するコントロールです。
あえてPT2399ディレイチップを研究して使うことで、DSPほど冷たくなく、BBDほど「アナログディレイ」なサウンドにならない、テープエコーライクな音を作ることができるということです。
サンプルムービー
Catalinbread Belle Epoch
【ディレイ/エコー】catalinbread Belle Epoch |
コントロールはEcho Sustain、Mod、Rec Lev、Mix、Echo Delayとなっています。Echo SustainはEP-3のEcho Sustainノブにあたり、いわゆるディレイのフィードバックです。Modはワウ・フラッター効果を再現したもので、その度合いを決めるもの、Rec LevはEP-3のRecordingノブを再現したもので、ヘッドがテープにヒットする強さを調整したものを再現、MixはEP-3のEcho Volumeにあたり、100%ドライから100%ウェットまで、ディレイ音のバランスを調整できます。そしてEcho DelayはEP-3の同名のスライダーを元にしたディレイタイム調整ノブとなっています。
このペダルは、Echoplex EP-3のサウンドを隅々まで研究して作られたペダルとなっていて、ディレイ自体はDSPのデジタルディレイです。どんなことを研究して再現したかというと、まずは有名なEP-3のプリアンプをディスクリートで再現。アウトプットインピーダンスをオリジナルより下げることで、より多くの機材に対応できるようにはしてあるとのことですね。さらにディレイと原音のミックスはオリジナルと同じパッシブミキサーとし、その後にバッファ等は通さないことで、アンプにつないだ際に独特のトーンが得られるということです。
また、Echo Delayノブはオリジナルのスライダーを動かしてヘッドがテープ上を動くように、素早く可変すると若干のラグが出るところも再現。ディレイタイムも、オリジナル同様の80〜800msとなっています。Echo Sustainも、シングルリピートから発振する前の永遠に続くようなフィードバック、そして発振に至るまでオリジナルとおなじ動きを研究して再現し、Modで作るワウ・フラッターも、単純なLFOのモジュレーションではなく、ランダムなモジュレーションを加えることができるということですね。コンディションによって違う揺れは、ノブの設定で変えることができ、モジュレーションを一切かけないこともできます。Rec Levもオリジナル同様、薄く静かなアンビエンスからグランジ風のディレイサウンドまで、オリジナルのRecrdingノブと同様に使うことができるとのことですね。発振したときの音色にもこだわり、各コントロール全てがEP-3の音を再現するためだけに考えられています。
また、内部の切替スイッチでトゥルーバイパスとバッファードバイパスを切り替え可能。バッファ時にはOFFにしてもディレイ音が残る、シームレスディレイとなります。そしてGainトリマでプリアンプのゲインを調整可能。高く設定すればONにすることでブーストや歪みとディレイを同時に加えるような使い方もできるということです。
試奏レポート
サンプルムービー
サンプルムービー2
サンプルムービー3
サンプルムービー4
サンプルムービー5(Strymon El Capistanとの比較)
EarthQuaker Devices Disaster Transport
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コントロールはRate、Depth、Repeats、Time、Tone、Mixとなっていて、左側のフットスイッチでモジュレーションのON/OFFを切替えることが出来ます。Toneコントロールは以前のモデルには無かった機能で、これを下げるとディレイサウンドにフィルターをかけてアナログディレイのような減衰する残響にすることができる、ということですね。
サンプルムービー
Hermida Audio Technology EPH-3
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Mix、Delay、Feedback、Flutterコントロールを搭載。「FET回路により往年のエコーサウンドを再現」したペダルで、暖かなテープエコーならではの音を出せます。EP-3的なモデル名がひっかかるところですw
サンプルムービー
Hotone TAPE EKO
【送料込】HOTONE/ホットトーン TAPE EKO デジタル・テープエコー ディレイ【smtb-TK】 |
サンプルムービー
Lovepedal DL-1
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シンプルなスタイルながら、モジュレーションも完備したスタイルのペダルですね。消費電流50mAとデジタルディレイにしては少なめです。トゥルーバイパスです。設定によりエコープレックス的な音を出すこともできるペダルです。
サンプルムービー
SONOMATIC Cheddar
SONOMATIC Cheddar |
また、TRUEとTAILのBYPASSスイッチがあり、バイパス時のモードとトゥルーバイパスとTAIL、つまり残響を残すシームレスディレイのバイパスとすることも可能です。
サンプルムービー
Wampler Faux Tape Echo
★決算セール開催中★《正規輸入品・新品》 Wampler Pedals (ワンプラーペダル) Faux Tape Echo... |
Level、Shade、Repeats、Echo、そしてテープリールの音を再現するFaux Tape ReelセクションではMovementとSwayノブ、そしてそのTape Reelの有効無効を切り替えるEngaged/Bypassedの切替スイッチを搭載。最大600msのディレイタイムに対応するペダルで、ディレイ自体はPT2399ディレイチップを用いたデジタル。他の部分はアナログ回路で作られている、ということですね。左側でペダルのON/OFF(トゥルーバイパス)を、右側でタップテンポが可能となっています。
サンプルムービー
というわけで、こんな感じで、エコープレックスやテープエコーっぽい音が出せるコンパクトでシンプルなディレイペダルを集めて見ました。
DSPベースではなく、あえてデジタルディレイチップを使用したペダルばかりです。それぞれブランドの味付けの腕前が試されますね。
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