Elektron/Analog Heat HFX-1 |
この「Elektron Analog Heat HFX-1」は、デジタルなサウンドに「アナログっぽさ」を加えるアウトボードです。
今、レコーディングでは当たり前のようにデジタルプラグインが多用されています。それはフルアナログで作ったギターサウンドにも当然使われます。また、ギターでもハイクオリティなデジタルエフェクトが増えており、空間系ペダルはもちろん、歪み、さらにアンプそのものも、KemperやFractal Audioのようなデジタルマルチエフェクトをそのままキャビネットに接続して音を出すことも当たり前になりつつあります。
本格的なプロフェッショナルレコーディングでは、デジタルプラグインで処理したサウンドを、アナログのアウトボード機材に通し、音色にアナログサウンドの風合いを加えることはよくあります。たとえば1176やLA-2Aなどのコンプレッサーやプリアンプなどを通します。ただ、こういった本格的なスタジオ機器は復刻モデルはもちろん、オリジナルヴィンテージモデルなどはなかなか手に入るものではありません。
代替として、Slate VTMなどのテープシミュレータープラグインを通したりすると思います。
今回のElektron Analog Heat HFX-1は、そんなデジタルサウンドにアナログな風合いを加えるアウトボード機材です。内部には8つのアナログステレオディストーション、アナログステレオフィルター、アナログステレオEQを搭載。オーディオインターフェイスとして使うことも可能で、さらにこのモデル自体をプラグインエフェクトとしてDAW側から操作することも可能となっています。
マスターヴォリューム、エンヴェロープフィルタ、LFO、EQを操作することができ、ドライ/ウェットのミックスなども可能。8つのディストーション回路はクリーンブースト、サチュレーション、エンチャントメント、ミッドドライブ、ラフクラッシュ、クラシックディストーション、ラウンドファズ、ハイゲインと、軽い味付けからがっつりした歪みまで可能。128種類のセッティングをプリセットすることも可能です。
背面パネルにはステレオインプット、ステレオアウトプット、ヘッドフォンアウト、2つのコントロール端子、MIDI IN、OUT、THRU端子、そしてUSBとアダプター端子、電源スイッチが付いています。
サンプルムービー
基本的にはこんな感じで、シンセやドラムマシンなどにアナログな風合いを付ける機材です。
なので正直、ほとんどのギタリストが興味ないと思う機材だろうなと思いますが、本物のアナログ回路を通すアウトボードとして、プラグイン同様の操作が可能という点も使いやすい感じですし、こういった機材の中では手頃なモデルと言えるかと思います。ギター用の歪みとして使うのではなく、デジタルマルチのセンドリターンに入れることでアナログっぽさを加えるような使い方ができるかと思います。
ちなみにNeveコンソールを再現した珍しいコンパクトペダル、JHS Colour Boxなんかも同様の使い方ができるようにも思っています。よかったら試してみてください。
人気blogランキングへ
Follow my blog with Bloglovin