無償で使えるフル機能のDAW、「Cakewalk by BandLab」を使って1曲作ってみるシリーズ、Part.4ですね。
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Part.1はこちら
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Cakewalk by BandLabと付属のプラグイン、および最小限の機材で曲を作ってみようというシリーズです。不定期とかいいながら連日投稿してますが、土日でまとめて進めたというのが大きいので、平日はあんまりこのシリーズの更新はできないと思います。
さて、前回はAメロまでいきました。ピアノのイントロからヴォーカルが載るところまでですね。
今回はさらに進めて、より厚みのある楽曲を作っていきましょう。
今回作っている楽曲は、イントロ、A、A、B、サビ、ソロ、B、C、サビの構成です。イントロからAまでいったので、そのままサビ前までのAとBメロを作っていきます。
それではやっていきます。
※Cakewalk by BandLabの表記はCakewalkで統一します。
※Cakewalk by BandLabが公式で日本語に対応しました。メニュー画面などの画像を後から日本語版に変更しているため、変更した画像の一部は現在の設定と違っている場合があります。
まずは前回に続き、ピアノとボカロの打ち込みを先にやっておきます。今回進めるのはイントロ、A、A、Bまでです。イントロとAメロは入っているので、続きからAメロとBメロを打ち込んでいきます。
ここは前回までと同じように、ピアノを入れて、サステインペダルやヴェロシティ調整を行い、続けてPiapro Studioでボカロを入力します。そうそう、前回言っていたピアノのコード間違いの部分や、イントロの和音のずらしも少し手直ししてみました。
では、このパートから加わる新たなトラックを入れましょう。
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まずはドラムを入れましょうか。
挿入、プラグインシンセからSI-Drum Kitを選びます。
鍵盤のボタンを押すと、プラグインの画面が出ます。ここまではいままでと同様。
こちらがSI-Drum Kitの画面です。画面に出ているドラムキットを実際にクリックすると、音が出せます。まずはPRGのところから、イメージに近い音がでるキットを選びます。今回はGarage Kitを選びました。続けて各ドラムの音を調整します。具体的にはピッチとパン、およびコンプレッサーを調整します。リバーブとボリュームはミックスの時にいろいろやるのでここでは触っていません。
ピッチはドラムの音を大きく変えるので丁寧に調整します。スネアの音を決めたら、スネアからハイ、ミッド、ロータムをクリックしてみて、フィルインが自然な音になるように調整します。これは楽曲によってどんな音が合うかは違ってきますので、その都度調整しましょう。
そしてパン。これは各キットが左右どの位置から出るかを決めるもの。楽曲のステレオの広がりが全然違ってきますので、作っている楽曲をイメージしながら調整します。基本的にバスドラはセンター、スネアもセンターかちょっとずらす程度、ハイハットはもう少し左右どちらかにずらす、というところは基本。そのあたりはキットを選んだときからそうなっているのでデフォルトのままでも良いと思います。
そこからタムの位置。これはフィルインでスネアからタムを回したとき、どういう方向に音を流すかという感じで決めます。そしてライドとクラッシュ。この辺も楽曲によるんですが、ハイハットの刻みをメインにする場合、ライドは逆側にするとライド刻みで雰囲気を変えやすくなります。
このSI-Drum Kitの場合はクラッシュが1つしかありませんので、それもハイハットと逆側にします。ライドをより外側にもってきて、クラッシュを少し内側に置く感じがより広がり感が出そうですかね。プラグインによってクラッシュが複数ある場合は、それぞれの音で左右どちらで鳴らしたいかということで調整すると良いでしょう。
まぁ、この辺は後から変えることもできるので気楽にやりましょう。作っているうちに変更したくなったら変えれば良いのです。
ちなみに、今回はバラードなのでこのキットでもいけそうですが、これじゃシンバルが足りない、という場合。やっぱり追加のプラグインを買う必要があるんでしょうか。
もちろんそれも1つの方法です。普段私がメインで使っているBFD3とかだと、もっと多くのキットを増やすこともできます。
ただ、SI-Drum Kitではできないということではありません。やり方は簡単。もう1つドラムトラックを作ります。例えばクラッシュを2枚にしたいという場合は、別のキットを読んで違う音のクラッシュを設定し、さきほどのクラッシュと逆側に置けば良いのです。そして、そのクラッシュが必要なときだけこちらのドラムトラックに打ち込めばOK。無いなら無いで、いくらでもやり方があります。大切なのは最終的に欲しい音に仕上げることなので、過程がごちゃごちゃしていても別に良い、という考え方で良いのです。
さて、では打ち込んでいきましょう。
ここもピアノロールを使います。ドラムの打ち込みについてですが、「ドラムマップ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ドラムマップは、環境設定を開き、下の詳細表示を押すことでMIDIの欄に出てきます。ここでドラムマップを作っておくと、音程に対してキットを割り当て、それを毎回同じように使うことができます。
初期設定でどのキットがどこに割り当てられているかは使うプラグインによっても変わったりするので、例えばプロジェクトファイルを共有したり、別のプラグインで読み込ませたりする場合には必要になってきますが、今回は特に使わないので設定はしていません。
ピアノロールの画面で左側の鍵盤を押してみて、必要な音の位置が分かれば、あとは打ち込んでいるうちに自然とここがこれ、と分かってきます。
ドラムの打ち込みの場合、私は一番小さなノートを使います。今回は1/32で打ち込んでいます。ドラムって基本的に「この音をどれだけ伸ばす」というのが無いので、これで打ち込んでいくのが見た目にもリズムが分かって良いと思います。ドラムはリズムを刻むための最も重要な要素です。言うまでもありませんが。基本のビートとフィルインを組み合わせて作っていく感じ。フィルインにもいろいろあって、曲の流れをいったん止めて雰囲気をかえるためのフィルインだったり、勢いを増すためのフィルイン、期待感を持たすためのフィルインなどいろいろあります。あとはシンバルですね。ハイハットのオープンとクローズ、ライド、クラッシュなどを組み合わせて、曲の動きに飽きが来ないように、というのを意識して作っています。
ドラム打ち込みで他に注意することと言えば、腕は2本しかないってことですかね。当たり前なんですが、バスドラ、あとハイハットのペダル操作をのぞけば、同時に叩けるのは2つまで、ということを忘れなければ、ドラムらしいフレーズが作りやすいのではないかと思います。
さて、このSI-Drum Kitの場合、ライドの音でちょっと注意があります。他もそうなんですが、特にライドが顕著だったので。
ライドの音って、エッジを叩いたときのチン、って音と、カップを叩いたときのカンって音がありますよね。SI-Drum Kitではそれをヴェロシティで分けているようで、初期状態のヴェロシティ100だとカップの音になります。
スネアとかもあったりするんですが、スネアの場合通常のショットとオープンリム、クローズドリムがそれぞれ別の音程に割り当てられているので、基本的にヴェロシティでの音の変化はそこまで必要なかったりします。ハイハットもオープン、クローズ、ペダルでのクローズが音程で分かれていました。
なので・・・
ライドのエッジを使いたい場合はこのように、ベロシティを調整(今回は80にしたら良い感じでした)して、ライドの音を変えます。
キットの音がヴェロシティで変わったり、音階が割り当てられていたり、そのあたりはプラグインによっても変わってきますね。(前述のBFD3では例えばライドのカップとエッジ、チョークなどがそれぞれ違う音程で設定できます。)
ドラムの次はベース入れましょう。これまで同じように、プラグインシンセからSI-Bass Guitarを選びます。画像撮ってませんでしたが、こちらもトラック名を変えます。Bassにしました。
プラグインを開くとこんな感じ。スタンダードで使える音ですね。デフォルトでは若干歪み感がある音です。今回はバラードなので、Clean Fingerで歪みのないスムースなベースを選びました。
同じように、ピアノロールで打ち込んでいきます。ベースラインは楽曲全体の雰囲気を支える重要な要素ですね。ドラムと合わせてどんな雰囲気にしたいかでラインを作っていきましょう。今回は基本的にルートとコード構成音を主にしつつ、4分/8分刻みで少し動くくらいのベースラインにしています。
ベースラインは、頭で考えて打ち込んだあと、実際に再生しながら調整を入れていくのが良いと思います。コードは合ってるのになんか変だなってところがあれば、そこを修正していく感じですね。
次はストリングスを入れていきましょう。
挿入から同様にSI-String Sectionを選びます。実はベースより先にストリングスを追加したので画面ではトラックが3しかないところに追加していますが、そのへんは気にせず。2つトラックをまとめて追加して、ベースから打ち込んで作っていきました。(日本語表示の設定に変えてからの画像となるため、様々なトラックが追加されています。)
こちらがSI-String Sectionの画面。これ初めて使ったんですが、このプラグインかなり良いですね。音が十分に太くて柔らかいです。今までKomplete11 Ultimateに入っているSession Stringsというプラグインを使っていましたが、歌モノのバックとして普通のサステインプレイでやる分にはフレーズによってこっちの方が良い場面があるってレベルです。
ポップスに使うストリングスプラグインとしては、これがあればだいたいこなせそう。音もデフォルトのままで良い感じだったので、今回はそのまんま使ってます。
こんな感じで、同じくピアノロールで打ち込みます。ストリングスは、こういうポップなバラード系ではシンセパッド的な、コードで曲全体をふわっと包み込む役割と、同時に第2メロディラインみたいな位置づけになることがあります。ヴォーカルを補完するようにメロディを動かすと良いと思います。
いろいろ曲を聴いていると、歌を聴くとここはこんな感じでストリング入れると良さそう、みたいなのが浮かぶと思います。基本的にはそれをそのまま入れてみて、変だったら修正する、という感じでやっています。
そうそう、これは好みですが、トラックの順序も並び替えました。ピアノ、ヴォーカル、ストリングス、ベース、ドラム。この辺は作業のやりやすいようにすると良いと思います。トラックを選択してドラッグ&ドロップで順番が変わります。
さて、ここまで入力して音を出してみると、ヴォーカルがほとんど聞こえなくなりました。ついでにピアノも。ストリングスの音が大きすぎるんですね。実際の楽曲のバランス調整はミックスの時にやりますが、曲を打ち込んでいく段階でもある程度曲っぽく聞こえないと作業がやりにくくなってしまいます。
そこで、こうしてVocalを思いっきり上げ、ストリングスを落としました。なんとなくちょうど良いかなーくらいのところにするのが良いと思います。ミックスでは、Vocalに限らずここまでフェーダーを上げるってことはまずありませんが、作業用のバランス調整ってことで気にせずやって良いと思います。
それで出来たのがこんな感じ。
一気に楽曲っぽくなりましたね。ここからサビにつながる予定です。一部アウトプットがクリップしています。これは作業用にヴォーカルをマックスまで上げたためですね。これは完成品じゃないので、この程度のクリップなら気にせず作業を進めます。なのでそこは気にしないでください。
さて、2回目のAメロ以降、ピアノが全然聞こえなくなりました。かといってフェーダーを上げるとへんな感じというか、ヴォーカルを邪魔する感じになります。
他のパートにそれほど影響を与えず、同時に音を太くしたい。そんな時、ミックスでもたまにやる簡単な小技で、ピアノを前に出してみましょう。
といってたいしたことではありません。ピアノのトラックをコピーします。
ピアノのトラックのところで右クリックし、トラックの複製を選びます。
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そしたらこんな画面が出てきます。最初はイベントにチェックが入っていないので、そこにもチェックを入れてOKをします。トラック内のイベントとは、いわゆる打ち込んだものになります。このチェックを入れないと、トラックの設定だけをコピーした無音のトラックが作られます。
コピーしたトラックだと分かるように名前を付けます。今回はpiano2と付けています。
さて、トラックをコピーしましたが、最初のイントロ〜Aメロ、ピアノとヴォーカルだけの部分まではよく聞こえているので、そこの音を大きくする必要はありません。
なので、Editから分割を選び
コピーしたトラックの、イントロ〜Aメロまでの部分をカットして分けます。
そしたらその部分を削除します。これで、ストリングスが入ってくるところからだけピアノの音を太くできます。
コピーしたトラックの音量を少し下げます。
できあがったのがこんな感じです。
少しピアノが前に出てきました。あと次のサビへの展開を考えて、Bメロのドラム、ハイハットの刻みからライドの刻みに変えています。
曲を作りながらミックス作業をする必要はありませんが、こうしてミックスしたときのバランスを念頭におきつつ作業をしていくと、ミックスする時のイメージもつかみやすくなるので良いと思います。
今回はこうして記事に書くため、要所要所で細かくオーディオミックスダウンを行って音声ファイルにしていますが、ここまで細かくやらなくても、ある程度進んだらオーディオミックスダウンして音声ファイルにしておき、何度か聞いたりすることで修正点が見えてきたり、全体のイメージがより詳細に固まってくるので、そういうのも曲作りとしては大切だと思います。
ということで、今回はこんな感じ。ここまでで、今回の楽曲で打ち込みとして使うパートは全部そろいました。続けてサビにつながりますが、次からはギターを入れるところになってくると思います。
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