ちょっと大仰なタイトルになったかもですが・・・。
最近いくつかヘッドフォンを見たり買ったりしたので、何か役立つような記事を書きたいなと思っていろいろ準備をしています。
SONYのヘッドフォンが増えたので比較をしてみたりできたらと思っているんですが・・・多少音楽に関わっていて、SONYのヘッドフォンで一番有名なものといえば、MDR-CD900STだと言って良いと思います。
うちにあるMDR-CD900STは、12年前に買ったもので、かなり使い込まれた状態になっていました。
その状態のMDR-CD900STと、新しく買ったばかりのヘッドフォンを比較するのは明らかに公平ではないと思い、より”新しい状態”にリフレッシュしてみようと思いました。
よく知られていることではありますが、MDR-CD900STはパーツが細かく販売されています。
というか、販売されているMDR-CD900STパーツを集めて、新品を1つ作る事もできます。まぁ面倒だし、完成品買った方が安くなりますけどね。
そして、MDR-CD900STは恐ろしく頑丈です。プロ機なんだから・・・というのもありますが、何かそれを越えた、神がかりのような頑丈さを持っています。
ですがそれでも、長く使っているといろいろとヘタリも出てきます。特に音質に関わる部分でキーとなるパーツがあり、それらはけっこう手軽に交換してリフレッシュできますので、今回はそれをやってみました。
もしお手元のMDR-CD900STがヘタってると思ったら、やってみても良いと思います。
用意するものは、まずこれ
ちなみに・・・
こういう感じの、サードパーティのレザー仕様のイヤーパッド、YAXI stpad-DX-LRとかもあったりします。ヘッドフォンマニアでDTMerで声優の小岩井ことり氏もたしかこのパッド使ってたと思います。
が、イヤーパッドは音が変わります。このYAXIのイヤーパッドは評判も良いんですが、今回は他のヘッドフォンと比較なども考えているので、あくまで純正パーツを使っています。
そしてもう1つがこれ。
CD900ST用ウレタンリング。これが2つ。
ヘッドバンドとかは多少汚れはあるものの12年使ったとは思えないくらいしっかりとしていて特に問題もないので、今回はこれらのパーツを使ってヘッドフォンをリフレッシュさせたいと思います。
ではいってみましょう。
こちらが、12年モノのMDR-CD900STになります。さすがにだいぶボロボロです。
ここに、イヤーパッドとウレタンリングを用意します。工具は不要。
まず、今ついているイヤーパッドを取り外します。写真のようにこの側面のところに指を入れて押せば簡単に外れます。
イヤーパッドを取り外すとこんな感じになっています。ここはけっこう綺麗。12年といっても、そこまでヘヴィに使っていたわけではないので、パッド部はさすがにキてますけど、他はあまりダメージは無い感じです。
別角度から。白いプラスチックの前面レジスタがあって、その中心にあるのがドライバーユニットです。これらは問題ないんですが、その境目にある部分・・・スポンジみたいなのが出てますよね。ここがぺったんこになってしまっています。これがウレタンリングです。
なので、まずはこのウレタンリングを交換します。
両面テープで留まっているので、まずはこれを剥がします。スポンジ部分を引っ張るとただそこが破れて取れるだけなので、スポンジ部ではなくその付け根のところを爪でカリっとやると外しやすいです。
そしたら、新しいウレタンリングを持ってきて・・・
裏側の両面テープを剥がします。この両面テープ、手作業でハサミで切った感じがとても良いです。ウレタンのスポンジ部をゆっくりと持ち上げると剥がしやすいです。
これをドライバーユニットに合わせて貼り付けます。
このウレタンリングは切れ込みが入っているので、中の部分を引っ張って外すと・・・
こうなります。
ドライバーユニット周りにしっかりとウレタンの壁が出来ました。
MDR-CD900STにおいて、このウレタンリングは最大の消耗品です。
交換済み(奥)と交換前(手前)。ウレタンリングの厚みの違いが分かると思います。
次に、新しいイヤーパッドを取り付けます。このようにイヤーパッド裏側の端の部分を・・・
ハウジング側面にある溝のところに入れていきます。取り外しは一瞬だったイヤーパッドですが、ここはちょっとだけ丁寧に根気よく。まぁ難しさはないですけどね。
はい、これで片側が完成です。
イヤーパッドの中央部はメッシュになっているんですが、その真ん中をよく見てもらうと、ドライバーユニットの部分がちょっと盛り上がってますよね。この盛り上がりが先ほどのウレタンリングによるものです。
つまりウレタンリングは、イヤーパッドのメッシュ部分で常に押さえられている状態。なので時間が経つほどに縮んでしまうから、消耗品なわけです。
逆に、この「メッシュ部分の盛り上がり」がなくなったら、ウレタンリングの交換時期と考えて良いと思います。
もう片方も同じようにやれば完成。超簡単ですが、効果絶大です。
定番のヘッドフォン、MDR-CD900STってどんな音だと思いますか?
音ってのは感じ方に個人差もある上、特にヘッドフォンは基本的に相対評価で語るしかない部分があって難しいんですけど・・・「全ての音がすごく近くで鳴っている」のは確かにそう。ですが、「音が近すぎてキンキンする」とか「音が刺さる」「低音が全然出ない」までいくと、それはもしかしたらウレタンリングがヘタってるかもしれません。
そういえば思い出したんですけど、12年前、初めてMDR-CD900STを買ったとき、音が近くに聞こえて解像度が高い、まではいいんですけど、「それでもリスニングにもまぁまぁいける」感じだったんですよね。
もちろんもっと良いヘッドフォンをちゃんと知らなかったってのもあると思いますが・・・ここ最近というか数年くらいは、MDR-CD900STの音は「とてもじゃないけどリスニングは無理」って感じに思ってたんです。
なんでこれでリスニングいけると思ってたんだろうと自分でも不思議だったんですが、実はこのウレタンリングのヘタりがかなり影響していたということは良く分かりました。
自分でもちゃんと分かるように、交換前に一度音源を聞いて、交換後にも同じ音源を聞きました。
笑えるくらい違います。音の刺さる感じがかなり緩和され、バランスが良くなります。まぁかといって、より上位モデルのモニターヘッドフォンと拮抗するまでいくかというとそれはまた別の話ですが・・・MDR-CD900ST、やはり優秀です。
販売されている価格を考えると、これは確かにお買い得。もちろん好みに合うかどうかはそれぞれあると思いますが・・・楽曲制作時のノイズチェックと中域付近の音かぶりチェック専用機だったものが、気軽なリスニング程度ならこなせる音にリフレッシュしました。
もし、MDR-CD900STを持っていて、あまりメンテナンスとかしていないなら、是非試してみてください。ウレタンリングだけなら2個で2~300円。イヤーパッド入れても2000円ちょっとでこの効果はびっくりしました。
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