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チューブスクリーマー特集


2012年バージョンの記事はこちら

Tube Screamerと聞いたら何を思い浮かべますか?
甘くクリーミーなドライブサウンド?緑色?それともスティーヴィー・レイ・ヴォーンですか?
今回は、そんなBOSSと並んで「オーバードライブ」の基本形として多くの人に愛されるチューブスクリーマーをいろいろ見てみたいと思います。

チューブスクリーマーの特徴

  • ドライブサウンド

チューブスクリーマーといえば、非常にマイルドでスムーズなドライブサウンド、という傾向があります。まずは、そのドライブサウンドを見てみましょう。
その前に・・・ちょっと「歪み」というもの自体を考えてみましょうか。
エフェクターにおいて、ドライブサウンドを作り出すのは、オペアンプ、ダイオード、トランジスタといろいろあります。それぞれ、役割としては同じです。音色はもちろん違いますけど。どういうことかというと、「音をクリップさせる」「波形を切り取る」という役割をします。
次の画像を見てください。

これはBOSS OD-3を使っていますが、左がクリーンサウンドの波形、右がドライブサウンドの波形です。昨日の記事で、オーバードライブのサンプルサウンドとして使用した音源の、最初のワンコードの波形です。(左チャンネルのみ)

見ていただくと分かると思いますが、クリーンサウンドにおいては、波形がギザギザしているのに対して、ドライブサンドでは上下を切り取られたかのような形になっているのが分かるかと思います。これが「クリップ」ということですね。
もともとは、真空管アンプにおいて、入力を大きくしてやることで、その真空管のキャパを超えてしまい、波形が切り取られるような形になったサウンドが、非常に気持ちのいい、かっこいいサウンドだったことが始まりです。エフェクターにおいては、それを真空管のような高価で大きく、扱いにくいものの代替として、オペアンプやトランジスタ、ダイオードを使用したんですね。そしてチューブスクリーマーは、オペアンプを使っています。(ちなみに、サンプルにつかいましたBOSS OD-3はオペアンプを使っていません)
では、オペアンプ(演算増幅器、Operational Amplifier、Opamp)っていったいなんでしょうか?

もともとオペアンプとは、「計算するため」に作られたものです。現在では電卓とかを分解すると、デジタル回路によるLSDなどを使っていますが、このオペアンプはアナログ回路です。見ての通り、ICチップとして売られています。最初はもっと大きくて、値段も数十万からするものだったそうですね。アナログ回路であるがゆえに、このオペアンプはコンピュータの世界では一般化することができませんでした。それはデジタルに比べてノイズに弱く、それどころかオペアンプ内部ですらノイズが出てしまうからです。まぁ、これはアナログ回路においては当然のことでして、ギターにおいても、部品を通った瞬間からごくごく小さなノイズは常に発生しているものです。で、そういう特性があるので、入力値が正確に伝わらず、結果として「計算間違い」をしてしまったりするんですね。なので、やはり「コンピュータ」として考えると、まだ技術不足の時代のものなわけです。こういった視点から見た「理想的なオペアンプ」という定義もあり、全てのオペアンプはその理想に近づけるために作られているため、基本的には「全て同じ」とみてもいいのです。
しかし、これを音の増幅装置として見た場合には、そうはいきません。使いたい電流の大きさとかにあわせたいろいろなものがありますが、その用途が合っているという前提の上で、「全て同じ」なのは「役割」だけです。つまり、歪みエフェクターにおいて、「音を歪ませる」という点においては「全て同じ」なわけですが、出力される音は全く違ったものになります。
ちょっと話がそれすぎな感じになってきましたので、元に戻します。オペアンプについてはそれだけで本が出ているほどの内容にもできますので、興味のある方はどうぞ。

で、そういうオペアンプによって音が全く違う、ということが言いたかったわけですが、チューブスクリーマーにおいて、オペアンプといえば「艶ありJRC4558D」というのが一般的になっています。なぜかというと、「オリジナルに使われてたから」です。単純ですね。現行のリイシューTS9も、現在ではJRC4558Dを使っていますが、発売当初は違うものを使っていて批判の声なんかもあったらしいですね。
では、そのJRC4558Dに代表される、チューブスクリーマーのサウンドの特徴は・・・

  • 長所・・・マイルドでスムーズなドライブサウンド。中域がブーストされ、倍音が少なめで、真空管アンプと相性がよく、ブースターとしての使用にも向いている。
  • 短所・・・ドライブペダルとしてみると、ゲインが低く、歪みが足りない。全体的にフィルターをかけたようなサウンドとなり、また、低域が削られる。

といった点にあるかと思います。あえて長所と短所に分けましたが、あくまでも他の機材との相性や好みもありますので、短所と書いたところが逆に好きという方もいれば、長所と書いたところが嫌い、という方もおられると思います。

  • アンプとの相性

チューブスクリーマーをお店で試すとき、Roland JC-120を使うか、Marshall JCM2000のようなチューブアンプに繋ぐかで印象は全く違ってくると思います。
JC-120のようなソリッドステートのクリーンが綺麗なアンプに繋いだ場合、なんだか歪み成分が足りなくて、またキラキラした感じもなく、地味な印象を受けるかもしれません。ただ、単音でソロなんかを弾いたときの、その甘い音色には驚かれるかと思います。
マーシャルのようなチューブアンプに繋いだ場合は、アンプをクリーンにしたときはやはり歪みが足りないと思うかもしれませんが、アンプをドライブしたとき、その相性のよさに気づく方も多いと思います。「Tube Sceramer」という名前の通り、真空管をドライブさせ、ブーストさせるという役割において、これは最高の仕事をしてくれるのです。また、現在においては音をそのまま持ち上げる「クリーンブースト」「ブースター」といった高品質なエフェクターもありますが、それに微妙なマイルドさを加えることができる、というのがこのチューブスクリーマーがいまだに使われ続ける最大の理由だと思います。
それではチューブスクリーマーを紹介していきましょう。

  • Ibanez製品

「チューブスクリーマー」の名前はIbanezしか使えません。というわけで、まずは本家ともいえるIbanezの製品から見ていきましょう。

Ibanez TS9 Tube Screamer

Tube Screamerといえばまさにこれではないでしょうか。TS9を当時のまま再現した、チューブスクリーマー、TS9です。少なめの倍音と、中域をブーストしたマイルドな歪み。そしてちょっと見にくいLEDまで再現されています。

Ibanez TS9DX

いや、BOSSといいIbanezといい、日本のメーカーは「ターボ」とか「スーパー」って好きですね・・・。こちらは従来のTS9をより使いやすくするために、普通のTS9に加えて、中低音域を強化した「Turbo」、もともと強い中音域をさらに強化した「Hot」、より歪みを加えた「Plus」という3モードを追加し、1粒で4度おいしい(?)モデルとなっています。IbanezもTS9のいいところと、使いにくいところを理解していますね。さすがプレイアビリティを追求させたら世界最高のメーカーです。

Ibanez TS808

全てはここから始まった、といっても過言ではないでしょう。
チューブスクリーマーの一番最初のモデルのリイシューです。TS9に比べてゲインが若干低く、その代わりより中域に集まった感じが強くて、甘く、まるまった感じが強かったですね。好みによって選んでもらえばいいと思いますが、このキャラメルスイッチを使った、時代を感じさせるデザインには心を惹かれますね。

Ibanez TS7 TUBESCREAMER

現行のレギュラーラインナップに入っているチューブスクリーマーです。TS9DXにおけるHOTモードと、通常のTS9モードを搭載していますね。また、このIbanezのシリーズに共通しますが、使用時に間違ってノブを蹴る、などで動いてしまわないように、ノブを中に押し込めるという配慮は、シンプルでありながら非常に使いやすいですね。レギュラーラインナップだけあって、値段も安く抑えられているのも素晴らしいです。
 

  • Maxon製品

今ではIbanezといえば国内でも有名なブランドとなっていますが、もともとIbanezはMaxonの海外輸出向けの名前でした。自動車の例でいうと、少し前まで海外でLexusとして売っているのが国内ではセルシオだったりソアラだったりしたようなものですね。日本のメーカーだと名前がどうしてもアジアっぽくなりますから、海外で売るときにそういった先入観をおこさせないように名前を変える、というのはよくあることです。
現在ではMaxonもIbanezも国内で販売していますので、それぞれで差別化を図って違った製品を出しています。

復刻版TS9と中身はほぼ同じです。違いといえば、TS9が完全に復刻を目的としたのに対して、こちらのOD9はOFF時の音痩せを考慮して、4PDT(!)スイッチを採用した完全なバイパスとなっています。電子スイッチにもかかわらずバイパス時に電子回路をまったく通らないこの回路は、「True Bypass Switching」という商標を取っているようですね。サウンドはまさにTS9と同じですので、私としてはこちらをオススメしたいと思います。

ちょっと見えにくいですが、コントロールノブの左下に、ミニスイッチが一つ付いているのが分かると思います。上記のOD9をよりブーストすることによって、足りないゲインを補うモードにすることができるようになっていますね。こちらもOD9同様、True Bypass Switchingを採用しています。

Maxon(マクソン)エフェクター OD808

Maxon(マクソン)エフェクター OD808
価格:12,180円(税込、送料込)

「オーディーヤオヤ」の名前で親しまれたOD808の復刻モデルです。これは非常に評判のいいエフェクターですね。ピッキングへの反応がよく、またマイルドで、さらにクリアな音質、ということです。人によってはこれ一台でブルースからロックンロール、ハードロックまでこなしてしまう人もいるようですね(もちろんそういう方はアンプの歪みも使っていますが)
とにかく一度試して欲しい逸品です。

MAXON / マクソン OD820 オーバードライブ【新品】

MAXON / マクソン OD820 オーバードライブ【新品】
価格:18,480円(税込、送料別)

Char氏の使用で有名ですが、以前かわいい先輩が使ってたので個人的にはその人のイメージが強いです・・・って誰もわからんってw
こちらもTrue Bypass Switchingを採用したモデルですね。ゲインの幅はOD9より広く、ブースターとしてはもちろん、単体のオーバードライブとしての使用にも十分いけると思います。とくにピッキングへの反応は素晴らしく、また、ドライブを0にすると「完全に」歪みをなくすので、クリーンブーストも出来るのはよく考えられていますね。メーカーが「正常進化」と言うだけのことはあります。いい感じですね。
 

  • その他TS系オーバードライブ

チューブスクリーマーが「オーバードライブの基礎」にある以上、その回路を元としたハンドメイド系オーバードライブもたくさんあります。そんなTS系ドライブをいくつか紹介していきます。

BBE Green Screamer オーバー・ドライブ

BBE Green Screamer オーバー・ドライブ
価格:15,800円(税込、送料込)

そのまんま、ですねwこの名前にはちょっと笑ってしまいました。
まさに音も「そのまんま」TS系のオーバードライブです。BBEといえばエンハンサーやエキサイターなどでも有名ですが、全体的に高品質なエフェクトを作っていますね。TS系が欲しいけどみんなとカブるのはヤだ、って人にはオススメです。

Noah'sark GREEN/Over Drive

Noah'sark GREEN/Over Drive
価格:6,825円(税込、送料別)

低価格ながらなかなか高品質なペダルをリリースしているノアズアークのTS系ドライブ、「緑」ですね。うん、これもそのままw
非常に使いやすくて、いいペダルだと思います。ノアズアークらしい、クリック感のあるスイッチを使ったトゥルー・バイパスです。しかし、この値段でのトゥルーバイパスは本当にすごいですね。音も、ミッドに集中したマイルドな、まさにTSサウンドで、非常に使いやすいと思いますよ。

この間紹介しましたCusackのTS系ハンドメイドオーバードライブです。従来のTS系よりもゲインの幅を広げることによって、より使いやすいものにしたドライブペダルですね。
出てきたばかりのメーカーですが、すでにプロの方でも使っている人がいるらしいです。一度、試してみたいです。

t.c. electronic Vintage Overdrive

デンマークの高品質ハンドメイドエフェクトメーカー、t.c.electronicのオーバードライブです。「Vintage」という名前から想像できるドライブサウンドを、幅広く作ることができ、当然TS系もカバーしています。これがあれば古いタイプのロックならばなんでもできてしまいそうですね。オススメです。

町田地区No1在庫量!Fulltone FULL-DRIVE 2 Mosfet (machida)

町田地区No1在庫量!Fulltone FULL-DRIVE 2 Mosfet (machida)
価格:28,390円(税込、送料別)

様々な用途で使える3モードのドライブを搭載し、定番商品として人気のあるFull Driveですが、この3モードのうち「Vintage」というモードはまさにチューブスクリーマーを狙いとした、中域に密集したドライブサウンドです。また、オリジナルのTS9よりも音抜けがすばらしく、BOOSTスイッチも装備していますので、より広い音作りが可能となりますね。

MJM GUITAR FX BLUES DEVIL

カナダのハンドメイドエフェクターメーカーMJM Guitar FxによるTS系の極みとも呼べるエフェクターです。TS系にありがちな抜けの悪さを改善し、また幅広いトーンコントロールによって様々な音作りが出来る点も見逃せませんね。

KeeleyによるTS9DXのモディファイです。トゥルー・バイパスは当然のこと、4つあるそれぞれのモードのキャラクターを際立たせることによって音の幅を広げ、さらに中央のミニスイッチによってハイゲインなモードも作りました。そのため、1粒で8度おいしい、というとんでもないペダルに仕上がっていますね。これは是非試してみたいものです。

さて、本家チューブスクリーマーからTS系と呼ばれるハンドメイド品、そしてモディファイ品までいろいろと見てきましたが、これだけの数あるオーバードライブの中で、いまだにスタンダードとしての地位を築いているのは本当に素晴らしいですね。チューブスクリーマーって個人的には、スタンダードにも関わらず、「それにしかない」独特の音色を持っていると思うんですよね。ですから、「この音が出したい」というときにはこれしかないわけで、そういうのも売れ続ける理由の一つかもしれませんね。



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