2015年、最初の衝撃として大きな話題となったエフェクター、ミニサイズの本家TSペダル「Ibanez TSMINI Tube Screamer Mini」。
まだまだ品薄が続いているようですが、そのペダル、ようやく試せたのでレポートしたいと思います。
では、いってみましょう!
Ibanez TSMINI Tube Screamer Mini
![]() 【エフェクター】Ibanez TSMINI Tube Screamer Mini 【2月入荷予定】 【新製品AMP/FX】 |
史上最小のTube Screamer
IbanezのTube Screamer
ですが、歴代のTube Screamerを見ていると、Ibanezとしては別に「お高くとまる」つもりはないように思います。TS7、さらにはTS5など、「低価格ペダル」を求めたと考えられるモデルも存在しているからです。今回のTSMINIも、リイシューモデルとは違う、低価格普及帯のモデルとして考えると辻褄が合うように思います。
また、歴代のTSシリーズを見てみると、TS808、TS9、TS10、TS5、TS7と、それぞれ型番に番号が振られていました。現在は基本的にTS808およびTS9の復刻、またはその発展系のモデルばかりですが、今回のTSMINIは、番号がついていません。
これが何を意味しているのかはIbanezにしか正しいことは言えないと思いますが、推論としては、やはり「TS808」でも「TS9」でもないモデルであり、かといって「新しい番号」を振る必要性も無い、ということではないかと思います。この考えは、実際に音を出してからも変わっていません。なぜか、ということはこの後のレポートなどから分かると思います。ではレポートしてみましょう。
- セッティング
Fender USA American Standard Stratocaster
![]() 【エレキギター】Fender USA American Standard Stratocaster Upgrade (3-Color Sunburst) |
Ibanez TSMINI Tube Screamer Mini
![]() 【オーバードライブ】Ibanez 《アイバニーズ》 TSMINI Tube Screamer Mini【2月入荷予定】 |
Roland JC-120

いつものストラトとJCの組み合わせです。
- 操作性
チューブスクリーマーらしい、というかモディファイTS808みたいな感じで、スラントされたケースに機械式トゥルーバイパススイッチという独特のスタイルですが、操作性としては正直、Mooerペダルと変わりません。何も迷うことなく使えるシンプルさがあり、そこはとても良い部分だと思いますが、やはり上2つの小さなノブがどこを指しているのかは分かりにくいです。まぁ、1度設定してしまえばそうそう変えない部分だと思いますので、そういう意味ではノブ配置は正しいですね。ついでに、中央のOverdriveノブは、7角形の先端のところが少し鋭く、そこが少し安っぽくは感じました。とはいえ、別に操作しづらいということもありません。価格などを考えれば十分以上の出来だと思います。
- サウンドレポート
では、音について。
ノブを真ん中にして音を出して見ると、予想通りの音色が出てきました。内部パーツはSMT(実装パーツ)が用いられ、“JRC44558”のOpampも実装タイプのものである、ということは事前に知っていたんですが、いろいろなTSペダルを知っている方なら、ここまで書けばだいたい音の予想はできると思います。そう、その通りの音です。
どういうことか。現在のスタンダードなチューブスクリーマーであるTS808、TS9
と比較すると、若干音が軽く、そして明るく感じられます。ローが出ていないとか、ハイが強いとかそういう意味ではなく、歪みそのものの質感、なのでおそらく倍音特性の違いによるものです。ある意味、モダンな音色。ですがレンジはけして広くはなく、ミッドが強い音色ですが強すぎることもなく、上手くバランスされた音色です。
この音色を良いと思うか悪いと思うかは、このペダルに何を求めるかによって違います。もし、このペダルにヴィンテージTSサウンドを求めるなら、それは思っていたのと違う音となるかもしれません。ですが、このペダルにスタンダードで使いやすいオーバードライブトーンを求めるなら、まさに正統派。中道の中の中道のような音色です。よくある「オーバードライブサウンド」そのものの音が、ここに入っています。
ゲインを絞れば適度にクリーンで濁りは少なく、スムースさも十分にあり、軽く粘りもあり、アンサンブルの中で埋もれにくいサウンドでありながら、ヴォーカルを邪魔するほどミッドが強くは出ない。Arion MTE-1をはじめとする、低価格TS系サウンドを凝縮したような音色です。良くも悪くもチープさもある音色ですが、その音色は誰がどう聞いてもTSサウンドそのもの。ヴィンテージとは違いますが、間違いなく使いやすい、良い音です。
そして、この音こそ、型番に番号が付かなかった理由ではないかと。TS808ともTS9とも違う音です。ですが、新しいTSサウンドかというとそうではありません。しかし間違いなくTSサウンドです。新型番が付くほどではなく、かといって808や9の型番を付けると、それは違うような気がする・・・そんな音色だと思いました。
褒めているのか貶しているのかと思われるかも知れませんが、正直、このペダルはすごいと思います。Ibanezはよくこの価格で、日本製で、これを出したなと。細部の作りとかは当然安さも感じますが、なによりこのデザインとサイズ、音色、パッケージがどれも素晴らしくバランスされています。あとは、それぞれがどんな「TSサウンド」を求めるかによって、良いと思うか悪いと思うかは変わってくるところですね。
そして何よりも可愛らしいペダルです。手元、足下にあるだけでほっこりするような、そんな癒しも備えたペダルだと思います。個人的には大好きですが、「TSの音」に拘りのある人は、一度試奏する方が良いかも知れません。スタンダードなオーバードライブが欲しい人は(好みに合うかどうかはともかく)、持って置いて損は無いペダルだと思います。
![]() Ibanez アイバニーズ / TS MINI TUBE SCREAMER MINI【初回分完売】【納期未定、予約受付中】【... |
今、実はレビューしたいTS/TS系ペダルがたくさん溜まってきています。少ししたら、連続でTS系レビューもやってみようかと思っています。
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