Z.VEX Fuzz Factory Vexter Series |
実は、この本を買ったのは、前のThe OVERDRIVE BOOKが非常によかった、というのもあるんですが、なにより「この記事」が読みたかった、というのが一番大きいです。
そう、あのFuzz Factoryを生み出したZachary Vex博士のインタビュー記事です。(Z.VEXの輸入代理店であるPCIさんのサイトで全文が公開されています。あわせてどうぞ→こちら)
インタビューを読むと、彼は物理学専攻だったようですね。それにしても、大学の研究機材を破壊するのは実際相当ヤバイです。「高価な機器を大量に」と書いてありますが、ヘタをすると億単位で損害が出るかも・・・専門の研究機材ってめちゃくちゃ高価ですからね。私も20万円超の簡易測量機器を破壊して形式上の始末書を書かされたことがありましたがw(教授は全く怒ってませんでしたけど・・・さすが公務員w)
さて、それではインタビューについてもう少し触れてみましょう。まず、Fuzz Factoryが完成したきっかけが、Fuzz Faceの作成失敗というのは非常におもしろいですね。Fuzz Factoryという名前は、Fuzz Faceに掛けたジョークだと思っていたんですが、まさかそんな逸話があったとは思いませんでした。
回路的にはゲインの低いFuzz Faceを無理やりトランジスタでブーストしたのが、あのFuzz Factoryの基本となっているわけですね。ということは、ブースター+ファズでも似たようなことができるのかもしれません。
その後もFuzz ProbeのことやZ.VEXの生産体制など、面白いことが書いてありますが、ここで「Fuzz Factory」そのものについて書いてみます。
Z.VEX Fuzz Factory Vexter Series |
話が逸れていきましたが、元に戻して・・・Fuzz Factoryには、5つのツマミがあります。左からVOL、GATE、COMP、DRIVE、STABですね。ツマミの役割は、VOLはそのままヴォリューム、GATEは古いファズ特有の「ブチブチ感」を、COMPは音の潰れ方をコントロールします。これを下げるとニュアンスを表現できるような素直なサウンドに、上げるとロングサスティンと共にグシャっと潰れたファズサウンドが得られます。Driveはファズのゲイン、そしてFuzz Factoryの肝ともいえるSTABですが、発振と、その発振音の音程をコントロールするツマミです。とはいえ、本当に繊細で、その日の環境などによってもツマミの効き具合が左右されますので、必ずしもこちらに書いたような役割を素直に果たすかどうかは分かりませんw
The fuzz bookでは、このインタビュー記事のあと、Fuzz Factoryの基本的な設定方法が載っていますが、これは非常にためになると思いますので紹介します。
まず音を出す前に、STABをフルに、他を0に合わせます。そしてVOLとDRIVEで基本的な歪みを作りそこからCOMPとGATEを上げて好みのサウンドにしていきます。発振をさせたい場合はSTAB(=スタビリティ。安定という意味ですね。つまりフルにしたら最も安定するということです。)を下げてゆきます。発振音の音程や音色は、ギター側のPU切り替えSW、VOLUME、TONEなどでもコントロールできます。また、ワウペダルを前につなぐと、音程や発振の有無をコントロールできるそうです。すでにThe fuzz bookを持っている方は知っていると思いますが、一般的にはあまり知られていないことだと思いましたので書いてみました。
うーん、これは是非とも手にいれたいですね。普段から試奏を薦めている私ですが、このペダルに関しては試していいものかどうか迷います。何も知らないならともかく、「発振系である」と知っているから余計に・・・。お店の迷惑になってはちょっと問題ですからね。試されるときは音量に注意しましょう。試奏は借り物であることを忘れずに・・・。
ただ幸いにも、その「おてんばぶり」はもちろん、作りの信頼性や、サウンドの確かさは信用できるペダルだと思いますので、「欲しいと思ったら即買い」でもいいペダルです。機材の相性を考える前に、ツマミの設定を考えた方がいい、というペダルですね。
さて、今回は私の大好きなエフェクトメーカー、Z.VEXのFuzz Factoryについて書いてみました。今回のインタビューを読んで、このZ.VEXというブランドがますます好きになりましたよ。そうポンポン買えるような値段のものではありませんので、私も今のところはBOX OF ROCKしか持っていませんが、Fuzz Factoryは近いうちに買うと思います。そのときはまたレビューしますのでご期待くださいね。