ビンテージ・ファズ・サウンドが蘇る!BOSSFZ-5 |
それでは、いってみましょう!
ビンテージ・ファズ・サウンドが蘇る!BOSSFZ-5 |
そんな中生まれたのが、FZ-3、その名も「FUZZ」です。海外からの声を考慮した上で、ブースター的にも使える往年のファズサウンドを、シリコントランジスタを用いてどこまで再現できるか、を追求した、これまたBOSSらしいモデルですね。シリコンをゲルマニウムのように動かすための回路が追加されていますが、基本的にはディスクリート回路によるクラシックなファズです。99年まで定価¥10,000で売られていましたが、現在、場合によってはプレミア価格となっているものもある、通好みのファズだったようです。
そして8年の時を経て、復活したのが今回のメインテーマとなる、BOSS FZ-5」です。名前はFZ-3同様、「FUZZ」!
このモデルの注目すべきところは、フルデジタル回路、COSMによるモデリングファズであるという点ですね。搭載されるコントロールはLEVEL、FUZZ、そしてMODEです。MODEではF(FUZZ FACE)、M(MAESTRO)、O(OCTAVE)の3モードを搭載していて、それぞれのサウンドをCOSMによってモデリングしています。
ところでBOSSのもつ「COSM」とはいったいどういうものなのか、というと、ひとつの部品がある入力に対してある反応をする、というデータを蓄積、解析して、それらの動きをデジタルで表現する、というのを一つ一つの部品ごとに行い、組み合わせることによってもとの回路と同等の動きをさせてやる、というのがBOSSのもつCOSM技術です。FUZZは基本的に部品が少ないとはいえ、こんな処理をいちいち行うには膨大な計算が必要なのですが、今回のFZ-5では、新たなチップを開発することによって、このコンパクトサイズのエフェクターに収めることを実現しています。
そして、「BOSSの自信」が、このコントロール系統に現れています。MODE切り替えツマミを除けば、それぞれのファズをコントロールするのは「LEVEL」「FUZZ」という2系統のみです。今回BOSSは、これらのツマミの状態によって、ギター側のピッキングやヴォリューム、トーン操作による反応や、いくつもの種類のギターをつなげたときの反応を蓄積し、データ化することで、過去のヴィンテージファズ3種類を再現した、ということですね。これは気の遠くなるような根気と作業が必要です。日本メーカーの意地を感じますね。
今回開発された、BOSS FZ-5は、デジタルモデリング「COSM」によるファズですが、これまでにマルチエフェクターに搭載されてきたものとは違った、まったく新しい「ファズ」です。
なんだかこういう話を聞くと、試してみたくなりますね。ゲルマニウムトランジスタの価格が高騰する中、新世代の「デジタル」によるファズというのも、今後は定番となっていくのかも知れませんね。