久しぶりの基礎編シリーズ、今回は、「ジミ・ヘンドリクス」の使ったエフェクターとして有名な「3種の神器」のひとつである、ユニヴァイブ系のエフェクターを見ていきたいと思います。
- ユニヴァイブって何?
ユニ・ヴァイブは、いわゆるフェイザーやトレモロ/ヴィブラートなどの流れを汲む、「ロータリースピーカーシミュレータ」のひとつ、「Uni-Vabe」というエフェクターのことで、ジミ・ヘンドリクスがステージやレコーディングなどで使用して有名になったエフェクターですね。ちなみに冒頭で書いた「3種の神器」とは、「ワウ・ファズ・ユニヴァイブ」だと勝手に思っています。
そして、ジミの使っていたオリジナルのユニヴァイブは、当時のギター用空間系エフェクトとして存在していたフェイザーやトレモロといった効果とはまったく違った音を出していて、あれは一体なんだ?ということで、謎とされていたようです。
で、それは一体何だったのか、というと、もともとオルガン用として開発された、フェイザー、トレモロ、そして後にコーラスへと変わる途上のような回路を組み合わせ、ロータリースピーカー(レズリースピーカー)の音を再現しようとしたもので、日本の「新映電気」製のものでした。ジミがいたころから、日本人ってエフェクター製作が得意だったようですね。
- ユニヴァイブの特徴
特徴としては、ペダルで回転速度(いわゆるRate、Speed)を操ることができ、当時はまだなかった、「強くエグい」コーラス的なサウンドが出せる、というものです。
回路には4つのフォトカプラを使っており、これによって「水中サウンド」と表現される独特の揺れを得ることができます。「フォトカプラ」とは、内部にLEDとフォトトランジスタを内蔵した箱(といってもオペアンプ等のICと区別がつかない程度の大きさ)で、これに入力された信号でLEDを発光させ、それを受けたフォトトランジスタが出力信号を流す、という仕組みになっています。もちろんLEDの光の強弱などによって出力信号は変化させることができます。一種の可変抵抗ですね。
ちなみに、DigiTech Whammyペダルでは、これと同様の仕組みでペダルの動きを回路に伝えています。ペダルと連動するLEDと、それを受けるフォトトランジスタで、LEDとの距離による光の強弱を利用したものですね。「フォトカプラ」というにはかなり大きいものになってしまっていますが、フォトカプラの一種と考えていいと思います。
- ユニ・ヴァイブ系エフェクターの紹介
それでは、実際に売られているユニ・ヴァイブ系エフェクトペダルを紹介します。
Dunlop/UV-1SC UNI−VIBE STEREO CHORUS |
【エフェクター】Lovepedal Vibe "Magic Boy" |
送料無料■【UV-1】JIM-DUNLOP ロータリースピーカー・エフェクト/ユニヴァイブ【smtb-k】【ky... |
コントロールはSPEED、VOLUME、INTENSITYとなっていて、左側のフットスイッチでコーラスとヴィブラートの切り替えができるようになっています。
別売りの専用フットコントローラ「Dunlop UV-1FC UNI-VIBE FOOT CONTROL」を使えば、ロータリースピーカーのようにSPEEDをフットペダルで変化させることができます。
Roger Mayer Voodoo-Vibe+ |
さらに、これはエクスプレッションペダルを使うことで速度調整をペダルで行うことができ、アウトプットもAmpA/Bの2系統搭載と、とにかく非常に多機能、高機能なモデルとなっています。
Fulltone Mini Deja Vibe-2 |
コントロールはヴォリュームとブーストで、スピードはもちろんペダルでコントロールします。左下の2つのスイッチは、コーラス/ヴィブラートの切り替え、およびモダン/ヴィンテージのサウンド切り替えとなっています。
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というわけで、今回はユニヴァイブ系のエフェクトをいくつか見てきました。基本的にこのユニヴァイブというエフェクターは、いわゆる「高品位」といわれるレベルのモデルばかりであることが分かりますね。それだけパーツの値段が高いのかもしれません。しかし、ユニークなペダルですので、一つ持っておきたい、そんな気になってしまいます。次回、基礎編シリーズはモジュレーション系のラストとして、現代のモデリング技術で甦った「ロータリースピーカーシミュレータ」を紹介したいと思います。
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- 追記
ご指摘をいただいて初めて気付きましたが、「フランジャー」を忘れていましたwつんさんありがとうございます。では、スピーカーシミュレータの後で、フランジャーについて書きたいと思います。