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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

Ibanez TS808 Tube Screamer Overdrive Pro Reissue


基礎編シリーズのオーバードライブ編のときに、「これはそのうち買う」と書いていた、チューブスクリーマーの原点、「TS808」のリイシューを、ふと思い立って買ってみました。
1日ほど使ってみた感じを、早速レビューしたいと思います!

Ibanez TS808 Tube Screamer Overdrive Pro Reissue

  • TS808の歴史

Ibanez TS808といえば、1979年にリリースされた、後に伝説となる「Tube Screamer」の初代機です。外観はモデルチェンジとなる81年までの3年間で、3ヶ所ほど変更が行われています。有名なのが後ろにあるジャックタイプのACアダプタがナットで留められているかいないか、という点。また、「TS808」の文字の部分が、初期のものは「TS-808」となっている点、そして、下部のIbanezのロゴに(R)マークがあったりなかったりする、という3点ですね。このリイシューでは、すべてが「ない」もの(ナットなし、ハイフンなし、(R)なし)なので、81年ごろの最後期型ということになります。
ちなみに、1979年といえば、Ibanezの母体である星野楽器の国内ブランド、Maxonから「OD808」がリリースされていますが、このTS808とは回路が全く違うんですよね。しかし、型番などを考えると、どちらも元は77年に発売されたOD880を基本にしているのだと思いますが、2パターン作って片方を国内向け、片方を輸出向けとした点にはどういった意図があったのかは分かりません。
推測するとすれば、「アンプの使い方の違い」が挙げられます。海外、特に主なマーケットであるアメリカでは、その広い国土からギタリストが使うアンプも真空管が主で、「アンプ側で歪ませる」ということが家庭でも可能な環境にあるというのに対し、日本ではやはりアンプはソリッドであったり、真空管であってもあまり大きな音を出すわけにはいかず、「エフェクターで歪ませる」ことが基本であったのではないかと思います。
BOSSのOD-1でも、「真空管アンプの歪みが小さな音量で作れる」ことを目的としていることなどからも、そういった考え方は当然あったといえるでしょう。実際、国内向けのMaxonのものは「OD808」の名前の通り「Overdrive」であることに対して、海外向けIbanezの「TS808」は「Tube Screamer」と、真空管アンプをブーストするもの、という意味にとれる名前が付けられています。

    • 追記:コメントにてフジサキさんより大変ありがたいご指摘をいただきました。たいへんわかりやすいコメントでしたので、こちらに転載させていただきます。

商品名からいろいろ推測されていますが、残念ながら間違いです。
[Maxon]ブランドのOD-808には前期型スモールボディ(MXRサイズ)と後期型ラージボディの2種類があります。
おっしゃっているのはOPアンプを2台積んだスモールボディのことですね。
実はTS-808にもOD-808のスモールボディに対応するタイプが存在しまして、通称ナローボディと呼ばれています。
その名の通り、外見は普通のTS-808をスリムにしたような形です。

つまり、
☆OD-808スモールボディとTS-808ナローボディは形状を除き全く同じ物。(DCジャックの形状は違います)
☆OD-808ラージボディと一般に知られているTS-808も同じ物。

結局、OD-808とTS-808は同じ物というのが結論です。

※TS -808の商品名が“OVERDRIVE”ではない理由は明確ではありませんが、[Ibanez]の先行商品に“OVERDRIVE”及び “OVERDRIVE2”があったからではないかと思います(ちなみにその2つは[Maxon]の“D&S”及び“D&S2”と同じ物)
だからTS-808には〈Overdrive Pro〉の表記があるんでしょう。

と、いうことだそうです。フジサキさん、ありがとうございました!

レギュラー品のTube Screamerはその後、81年には名機TS9、そして86年に国内で初めて販売されることとなったTS10、91年には通称「ゴキブリ」といわれながらもTS9とTS808の中間的なサウンドで、「これが一番好き」という方も多いTS5が発売されます。そして99年にはIbanez TS7 TUBESCREAMERが発売され、現在でもレギュラーモデルとして流通しています。

今回レビューする、TS808リイシューモデルは、先ほども書いたとおり初代チューブスクリーマーTS808の最後期のデザインを踏襲しています。色は若干明るくなっているようです。
復刻に際しては3年の歳月をかけて研究が行われたようで、通常の日独伊仏英5ヶ国語マニュアルに加え、英語のみの初代の復刻版マニュアルが付属していたり、あえて今、ジャック式のACインプット(センターマイナスに切り替えるためのコードが付いています)や、非常に見にくい奥まったLEDマウントにしたりと、「復刻」を念頭においてデザインされています。
サウンド面ではもちろん当時のパーツそのままを使うことはできないものの、かなりの面で当時のオリジナルTS808に近いサウンドが出せるようになっている、ということです。有名なモディファイとしては、オペアンプを当時のものと同じ「JRC4558D艶あり」に変更したり、クリッピングダイオードを1S1588にしたりと、すでに生産終了となっているパーツのデッドストックを使ったものが多いと思います。
↓奥まっていて見にくいLEDです。これでONなんですよね・・・。

  • 筐体と内部

では、ここで「なんとなく似ている」BOSSの筐体とこのTS808を比べてみましょう。

こちらは表面です。比べてみたところ、若干TS808の方が縦横共に大きく、BOSSは高さがあります。BOSSは基盤面積を大きく取るために電池BOXを中空に設けているので高さがあるのだと思います。

裏面です。スイッチが電池蓋と共有しているBOSSと違い、TS808は裏面から電池を交換します。筐体自体の重さは、BOSSの方が軽く作られています。BOSSの筐体が作られたのが77年、こちらが79年ですが、これに関してはスイッチの踏みやすさや内部構造の合理性など、圧倒的にBOSSの方が出来がいいですね。TS808は味がありますが・・・。
では内部を見ていきましょう。

電池ボックスを開けると、内部にネジがあります。この電池の分だけ、Ibanezは小さな基盤を使わなければいけません。

これがTS808の基盤です。見ての通り、基盤が小さいのでほとんどの抵抗が縦に取り付けられています。それぞれに熱圧縮チューブをかぶせたりと、非常にコストのかかる作りになっています。半田付け等はさすがは日本製らしく、非常にしっかりとしています。(BOSSの台湾製などもその点の信頼性については折り紙付きですけどね)

JRC4558Dオペアンプです。これは現行のリイシュー品を使っています。表面がざらざらしているのが分かると思いますが、これがいわゆる「艶なし」ということです。艶ありのものだと、その名の通り表面がつやつやしています。
もし、Ibanezが総力を挙げて艶ありのJRC4558Dを集め、限定販売としてTS808を発売していたら、ものすごい賞賛を浴びたかも知れませんが、その代わり価格が3万円を超えるものになっていたかもしれません。
艶ありのオペアンプは、それ自体の値段もですが、「それを見つける」ということに多大な労力がかかるそうです。これらに関しては、ROOT20さんやRE-Jさんなどのモディファイで変更してもらえるようです。
面白いのは可変抵抗で、OVERDRIVEはAカーブ、LEVELがBカーブ、そしてTONEがCカーブとなっていました。特にCカーブはあまり使われることがないのでおもしろいです。

  • 操作性

では、使ってみてのレビューにいきましょう。
操作性ですが、ノブは左からOVERDRIVE、TONE、LEVELとなっていて、特に迷うことはありません。独特のキャラメルスイッチですが、少し硬めで踏み幅が小さいので、人によったら「やりにくい」と感じるかもしれませんね。先ほども書いたとおり、LEDは非常に見難いです。
ツマミの利きはさほどよくありません。TONEは高域方向にはよく効きますが、低域方向にはあまり効かないです。その代わり、どのツマミのポジションでもちゃんとした「TS808の音」が出せます。

  • サウンドレポート

音に関してはいまさらいう必要はないかもしれません。まさに「チューブスクリーマー」ともいえる、中域によった非常にマイルドなサウンドです。808はTS9に比べて、より中域に密集したサウンドのようで、確かにマイルドというよりミルキー、クリーミーとも言えるような、とても「甘い」音ですね。音はとても艶やかで、美しい音だと思います。シングルに合うとされていますが、ハムバッカーにつないでもやはり「ギタリストのツボ」を刺激するトーンで、いい音をつくることができます。
歪みのゲインは低く、これ単体では少し使いにくいかもしれないという、典型的なブースター系オーバードライブですね。
しかし、クランチ系の歪みにこれを足すと、これが非常に扱いやすく、ミュートプレイでも引き締まったようになり、コードもきれいにまとまって響くようになります。2つほどサンプルサウンドを置いてみます。

サンプル1はコード、サンプル2はソロとなっています。どちらもセッティングは同じで、ストラトを使い、timmyでクランチを作ったところに、timmyの前に置いたTS808でブーストしています。どちらも808は前半はOFF、後半でONにしています。
コード弾きでは違いが非常に分かりやすいと思いますが、より中域に寄った、ダイナミックなサウンドとなっていますね。これは非常に気に入りました!
ソロではあまり音量が変わらないセッティングにしているので分かりにくいですが、中域がもちあがり、少し音が前に出てくるのが分かるのではないかと思います。しかし、これはもう少し分かりやすいセッティングにするべきでしたね・・・。
しかし、本当に使いやすく、さすがにスタンダードと言われるものだと思いました。いろいろなシチュエーションで隠し味として、またメインの歪みとして使っていこうと思います。



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