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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

ギタークローズアップ VOL.3 〜レスポール〜


前回のストラト編から約1年ぶりに、このシリーズを復活させることにしました。
ちょうどレスポールについて書こうと思っていた矢先に、国内の代理店「山野楽器」がギブソンから撤退、混沌としていた時期で、次期代理店が決まるまで待とうとしていて忘れ・・・書くタイミングを逃していましたw
では、レスポール、いってみたいと思います!

  • レスポールの歴史
    • 変なギター

1950年、ある奇妙なギターがシカゴの楽器ショウに出展されます。
後に、「エレキギター」の基本的構造を一変させる引き金となった、まるで「ボートのオール」のようなギターは、レオ・なんとかとかいうラジオ屋が作ったギターでした。名前は「Esquire」・・・そう、現在の「Fender Telecaster」の元となったギターです。
ソリッドボディ、いわゆる「一枚板」のボディに、指板も貼っていないネックをネジ止めし、ボディに開けた穴に電装系を吊り下げたフタをつけた、非常に単純な構造のものでした。ボディ形状こそ、Martin & Co.のドレッドノートにカッタウェイをつけた形状をしているとはいえ、当時のギターを見慣れていた人たちにとって、なんとも陳腐なものに見えたことでしょう。

    • 「Fender」の躍進

そして、その変なギターを出展した元ラジオ屋こと、レオ・フェンダー氏は、エスクアイアを改良し、2PU仕様として「Broadcaster」の名称で出荷を始めます。単純で、部品単位で生産し、最後に組み込むという「流れ作業」を可能としたそのギターは、安価で音がいいという評判を得ることに成功し、多くのミュージシャンに使われていくことになります。発売後すぐに「Broadcaster」の名前がグレッチの商標に抵触するとして「Telecaster」と名前を変えることを余儀なくされましたが、それはまた別の話ですね。

    • 「Gibson」の逆襲

さて、当時すでに50年近い伝統を持っていたギブソン社(1902年創業)は、なにかよくわからない新興メーカーのソリッドボディが売れているということで、それを超えるソリッドボディのエレキギターを発売することを決意します。当時アメリカで人気のあったジャズギタリスト「レス・ポール」氏に相談をもちかけ、彼の助言を受け、ギブソンらしい「伝統の技術」と「最新の技術」を取り入れたギターを発表します。合わせたのか偶然なのかは分かりませんが、奇しくもギブソン社創業50周年にあたる1952年、ジャズギタリスト、レス・ポール氏のシグネチャーモデルとして発表されたのが「Gibson Les Paul」です。

    • 発売当時のレスポール

レスポールは、同じソリッドボディでありながら、フェンダーテレキャスターとの差別化を図ったかのようなモデルでした。マホガニー材のボディにメイプル材をつかったアーチトップを貼り付け、ネックはマホガニーにローズウッドの指板、そしてネックマウントもボルトオンではなくセットネック方式という、伝統的なギターの形をそのままソリッドボディにしたかのような仕様となっていました。
当時Fender社にはボディのアーチをつける技術(というか機材?)がなく、そういう点でも差別化をはかったモデルということになりますね。ボディカラーはレスポール氏の意見を取り入れ、ゴージャスな「ゴールド」、そしてレスポール氏が開発したブランコテイルピースにP-90が2発搭載されるという形でした。電装系もFenderのような吊り下げ式ではなく、ESシリーズ同様、ボディの後ろから穴を開けてポット等を取り付けるという形になっていました。

    • ストップテイルピース&チューン-O-マチック

発売当初はブランコテイルピースを採用していたレスポールですが、その後1954年にカスタムモデル、1956年にはレギュラーモデルにも、ストップテイルピースとTUNE-O-MATICというブリッジが採用されるようになります。
現在のレスポールもこの形ですが、弦を固定する「ストップテイルピース」と、各弦可動式の「支点」を持った「TUNE-O-MATIC」を組み合わせたブリッジとなります。TUNE-O-MATICの稼動部って、「-O-」みたいな形をしているんですが、そこから取った名前なのかもしれませんね。

    • 伝説の「PAF」

レスポールと一緒によく出てくるキーワードとして、「PAF」というのを聞いたことがある方、多いと思います。多くの方は意味をご存知だと思いますが、最初なんだか意味がわからないながら、「PAFピックアップはすごい」ということだけ知っているという方もおられるのではないでしょうか?
これは、1957年、レスポールに搭載された「P490」というピックアップの通称です。当時、音楽の中でギターの占める割合がどんどん高まり、エレキギターの音量が上がっていく中で問題になっていたのが「ノイズ」です。シングルコイルPUをお使いの方は分かると思いますが、シングルPUは構造上ノイズが多いんですね。このノイズのことを「ハムノイズ」というのですが、これをなんとか軽減できないかと開発されたのが、「ハムバッキング」というPUでした。シングルコイルを2つ、左右逆にして組み合わせることで、弦からの信号はそのままに、ハムノイズを+-で足し合わせてゼロにする、という形のPUです。これはギブソン社だけでなく、グレッチ社も同時期に開発していました。
さて、このPUを完成させたギブソン社は、特許として出願します。よく「特許出願中」というのを見たことがあると思いますが、あれを英語にすると「Patent Applied For」となるんですね。この文字がP490の裏側に貼られていたので、その頭文字をとって「PAF」と呼ばれています。ちなみに、当時グレッチのフィルタートロンPU(ハムバッカー)にも、同じく「Patent Applied For」の文字が刻印され、その後特許番号に変わっています。微妙な構造の違いからか、どちらも特許が認められたということなんでしょうね。

    • 重すぎた「伝統」

さて、レスポールは伝統的な手法と最新技術を組み合わせたギターだとさきほども述べましたが、構造はもちろん、このハムバッカーを採用するという点においても、やはりそうだといえると思います。
しかし、ここである問題が発生します。50年代といえば、ビートルズもデビューする前のこと、当時ギターサウンドはクリーンが基本でした。その当時の音楽にとって、レスポールのギターサウンドは「重すぎた」といえます。もちろん、構造的にも「重たい」ギターなわけですが・・・。
考えてみれば、これほど重厚な構造のギターにハムバッカーを2発載せたわけで、音が重たくなるのは当然のことといわざるを得ないと思います。そして、それが当時のギタリストから敬遠される要因となっていきます。
製造にもコストがかかりますし、それでいて人気がないとなれば、ギブソンとしても何らかの対応をしなくてはなりません。結局、1960年にレスポールは廃盤となり、後継機種の「レスポールSG」へと移っていきます。

    • 伝説の始まり

1966年、当時の人気バンド、ヤードバーズを脱退したあるギタリストが、別のバンドに参加し、1枚のアルバムを発表します。そのアルバムは「John Mayall and The Blues Breakers with Eric Clapton」。
このアルバムでは、今までに聞いたことのないようなギターサウンドが収録されていました。フェンダーアンプを元に、より大きな音がでるように改造された、マーシャルのコンボアンプとレスポールの組み合わせでならされる「ディストーションサウンド」です。ギターといえばクリーンサウンドだった時代、単純な改造の結果、出てはいけないはずの「歪み」が発生するという、当時としては「欠陥アンプ」と、ジャズギターとして作られ、音が重すぎるといわれたレスポールという組み合わせが、その後のロックを大変革するサウンドを作り出したわけです。これにより、ジャズギター「レスポール」は、多くのロック系アーティストに使われていくことになります。

    • ギブソンの英断

エリッククラプトンによってレスポールの再評価がなされ、それに応じて1968年、ギブソン社はレスポールを復活させます。こういった経緯から、68年以降のレスポールは「リイシュー」と呼ばれます。思えば、当時はビートルズの躍進、Fender社のCBSによる買収などを尻目に、ギター業界においてギブソン(エピフォン)はかなり安泰な地位を得ていたというのもあって、こういったレスポールの再販ということができたのかもしれませんね。当時ビートルズは、いろいろなギターを使っていましたが、やはり最も有名なのはエピフォンカジノでしょうから。

    • レスポールの立役者

さて、レスポールが復活した年、やはりヤードバーズを離れたギタリストが、あるバンドを発足させます。ビートルズ以降、世界を席巻したハードロックバンド、「LED ZEPPELIN」です。
リーダーであるジミーペイジは、レコーディングでテレキャスターを使っていましたが、ライブでは長いストラップを付け、低く構えたレスポールを使用していました。アンプ等の関係もあるとは思いますが、彼の使うテレキャスターは分厚く太いサウンドを持っていて、レスポールの音とそっくりだったというのもあり、「ツェッペリンといえばレスポール」から「ハードロックといえばレスポール」というように広まっていきます。ジミーペイジはレスポールを使った理由として、「テレキャスターに音がそっくりだったから」と言っているそうです。(今のテレキャスとレスポールは音がまったく違いますが、ペイジの使っていたものに関してはそうだったようですね)

    • エレキギター二傑時代到来

ジミーペイジとは別に、もう一人、後に大きな影響をのこすギターヒーローが登場します。「神」とすら呼ばれるギタリスト、ジミ・ヘンドリクスですね。彼もいろいろなギターを使いはしましたが、最も有名なのがストラトキャスターです。現在においても、エレキギターといえばストラトかレスポールという風潮があるのは、この二人の影響、と言っても過言ではないと思います。
その後、80年代ごろに一旦人気は落ち込みますが、Guns'n'Rosesのスラッシュの影響などもあり、現在まで定番ギターとして高い人気を保っていますね。

  • レスポールのモデル

Les Paul Standard

57〜60年、ハムバッキングPUが採用された、最も人気のあるレスポールの復刻版です。68年再販からの復刻もあります。エリッククラプトンやジミーペイジの使った、サンバーストカラーを基本にさまざまなカラーリングのものが発売されています。

Les Paul Custom

1954年から作られた、レスポールの上位機種「LES PAUL CUSTOM」の復刻版です。ギブソンの高級モデルであることを意味するヘッドのダイアモンドインレイ、高級ギター向けのエボニー指板、当時ゴールドのみだったレスポールに対し、ブラック、ホワイトというカラーを再現しています。有名な「ブラックビューティー」はトップもマホガニーでしたが、現在の復刻版はメイプルトップとなっているようです。

Les Paul Studio

現在のレスポールの廉価版です。バインディングのないボディ、490Rと498TというPUを搭載していて、スタンダードとは違った音が出るため、ファンの方も多いです。基本はチェリーレッドになると思いますが、ホワイトボディのみエボニー指板(ローズも一部あります)だったりします。

Les Paul Junior / Les Paul Special

【エレキギター】Gibson Les Paul Junior

【エレキギター】Gibson Les Paul Junior
価格:73,000円(税込、送料込)

1954年〜55年にレスポールの廉価版として作られたモデルです。1PUがJunior、2PUがSpecialの名前で売られていました。PUはP-90、アーチのトップ板がないという点で、安く作られていました。現在ではカスタムショップでのみ作られているため、スタンダードより値段が高いです。

その他多くのモデルが現在、過去問わず発売されています。当のレス・ポール氏は「Les Paul Recording」というモデルがお気に入りのようですね。(あまり一般に人気が出なかったこともあり、現在廃盤です)
こちらで、レス・ポール氏本人の、レスポール・レコーディングを使ったプレイを見ることができます。90歳を超えてもギターを弾いているというのはすばらしいことですね。ギターも伝説ですが、本人も伝説的なプレイヤーだと思います。
 
というわけで、レスポールについていろいろ書いてみました。このシリーズはあまり頻度は高くないと思いますが、少しずつやっていきたいと思います。次回は、SGについて見てみたいと思います。



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