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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

Soul Power Instruments BD-2 el Diablo


Soul Power Instrumentsのさいとうさんにお願いして、BOSS BD-2をモディファイしていただきました。
ものすごいことになっています。では、早速みてみましょう!

Soul Power Instruments BD-2 el Diablo


こちらが、そのモディファイドBD-2で、その名も「BD-2 el Diablo」とのことです。鬼のようなBD-2・・・みたいな感じになるんでしょうか。
オリジナルのBOSS BD-2はとてもよくできたエフェクターで、ディスクリートの歪み回路を持ち、ちょっとフェンダーアンプライクな歪み方をする、独特のペダルでした。実売価格も1万円を切っていて、その価格帯ではほぼ最強クラスのピッキングやヴォリュームへの反応性を持ち、またBOSS歪み系の中では異色のブルーカラーな筐体など、現在ではBOSSペダルの中でもトップクラスの人気を誇るオーバードライブペダルです。そのサウンドは、最近はやりのブティック系エフェクターのオーバードライブにも通じるサウンドといえるペダルです。

・・・が、
ここで、あえて「価格」という評価を外して考えてみます。すると、たしかにBD-2はすばらしくよくできたペダルなんですが、同時に「ここをこうしたい」と思ってしまう点がいくつかあるように思います。それをいくつか、挙げてみたいと思います。

  • バイパスサウンド

エフェクターバイパス時にバッファアンプを通して、電子スイッチで素早く切り替えをする、というのがBOSSの考え方であり、それ自体はたしかに理にかなっているものといえます。最近、特にFulltoneが3PDT式フットスイッチをつかってLED付のトゥルーバイパスを提唱してからは、ある種「トゥルーバイパス」こそが正義であるかのような売り文句などを見かけることもありますが、この場合どちらが正しい、といえるものではありません。
その一方、BOSSエフェクターなどのようにバッファアンプを通すタイプのペダルは、たしかにバイパス音で変化が見られる、というのも事実です。いや、トゥルーバイパスのペダルでもバイパス音は厳密には変わるので、どちらかというとバッファを通した方が変化が大きい、と書くのが正しいでしょうか。
バッファアンプは、インピーダンスを下げるためとはいえ、ある種の増幅回路を通すのですから、音が変わるのは当然です。それはいいんですが、オリジナルBD-2の場合、どうしてもコストをかけられないという関係などからか、多くの人から「音痩せ」と呼ばれる音の変化をしてしまう、という点は(人それぞれのお好みはさておいて)一つの問題点ではないか、と思います。

  • 反応性

BOSS BD-2は「反応性が優れている」という評価をよく聞きますし、また、それはたしかに事実だと思います。ピッキングの強弱やヴォリューム操作に対するゲインやレベルの応答は見事で、BOSSの歪み系の中では特に「反応性」に特化して作られたDN-2と並んで随一といえるでしょう。
ところが、ここでブティックペダルに目を向けてみますと、LovepedalやTimmyをはじめ、非常に高い反応性を示すペダルが目に止まります。普通は、これらのペダルとBD-2の反応性を比較するなんてことはまずないんですが・・・価格という概念を抜きにして考えると、どうしてもこれらのペダルほどの反応性はBD-2にはないのではないか、と思いました。

  • 歪み

とりわけ反応性と、鋭く高域よりな歪みサウンドが取りざたされるBD-2ですが、そのサウンドはたしかに独特でFenderアンプを彷彿とはさせるものの、個人的な好みとしては音が軽く、ジャキジャキというよりも、少しシャリシャリと聞こえてしまうことがありました。

もちろんこれらの点は、通常BOSSペダルに求められるレベルのものではありません。オリジナルのBD-2は、BOSSらしく使いやすいサウンドを持っていて、それでいて独特でジャキっとした歪みと高い反応性を併せ持つ名機であることには、多くの方が賛同するところではないかと思います。
 
さて、では今回のモディファイの説明に入っていきましょう。コンセプトは「究極のBD-2」です。
BOSS BD-2というエフェクターの根本となる回路構成やサウンドの方向性を変えることなく、そのポテンシャルを突き詰め、数ある高級エフェクターと対等に渡り合えるような、そんなBD-2を作っていただきました。さいとうさんとの相談の課程では、突拍子もないアイディアや、改造というよりも実験に近いような案も出ていたんですが、最終的には以下のような仕様に決定しました。

  1. BD-2のパーツを一部交換することで音質の向上を図ります。
    オーバードライブ部はもちろん、バッファに至るまで全体的にパーツの見直しを行い、バッファを通して電子スイッチでON/OFFをおこなうというBOSSの考え方をそのまま取り入れ、音質を向上させてもらいました。
  2. 昇圧化
    BD-2は9V電源で動作するペダルですが、その9V電源を内部にチャージポンプ回路を設けることで、入力電源は9Vのまま、回路は17V程度での動作としてもらいました。これによってヘッドルーム、つまり「余裕」が大きくなり、平面的だったサウンドに厚みを持たせようという考え方です。
  3. ローファットスイッチの増設
    全体的に高域よりなBD-2のサウンドに、より厚みを持たせるため、低域をほんの少しブーストする回路を組み込んでもらいました。
  4. クリッピング切り替えスイッチの増設
    オリジナルでは特にクリッピングは行っていないんですが、今回はそれに加えて、FullDrive2 MosfetにもあるようなMOSFETクリッピングスイッチを追加してもらいました。
  5. ドライ音のミックス
    今回のモディファイで最も特徴的といえるのがこの機能です。エフェクトをONにしたとき、単純に入力信号を歪ませるだけではなく、歪んだ信号と入力信号(ドライ音)を混ぜ合わせることができるようにしてもらいました。そのドライ音も、サイドに取り付けられたトーンノブで音の調整をおこなうことができます。平面的なサウンドのBD-2を立体的にする、と同時に反応性の向上が目的です。
  6. ブースターの設置
    さらに、クリーンブーストを設置してもらいました。機械式スイッチを使ってブースターを本体とは別にON/OFFさせることができるようになっています。

さて、ではちょっとこのペダルの外観や中身を見てみましょう。

右側側面には「Soul Power Instruments」のロゴが貼られています。オリジナルペダルだと「Powered by」となるんですが、モディファイの場合「mod.by」と書かれているところがまた渋いですねw


上面のコントロール部です。3つのノブはオリジナルそのまま、LEVEL、TONE、DRIVEとなっていて、左側がローファットスイッチ、右側がクリッピングの切り替えスイッチになります。スイッチそ写真上側に倒すと、それぞれローファットとクリッピングがONとなります。


こちらが左側面に追加された3つのノブです。写真左からブースターのレベル、ドライ音のミキシング、ドライ音のトーンとなります。


電池ボックスです。ちゃんと電池が入ります。ブースター用の機械式スイッチと本体用の電子スイッチが見えますね。


そして圧巻の内部。本体基板はあまりはっきりとは映らないようにピントをずらしてありますが、一部パーツが変更されています。この配線は、恐ろしいとしか言えませんw


こちらがブースター用と思われる基板。オペアンプを使ったシンプル回路です。
 
という感じでした、では、レビューいってみます。

  • 操作性

ノブやスイッチがたくさんついた多機能ペダルとなっていますが、操作は非常に簡単です。各ノブやスイッチの役割がわかりやすくなっていますので、音をどう変化させたいか、ということに対応したスイッチやノブを調整するだけで音作りが精密に行えます。
また、本体とは連動しないブースターですが、フットスイッチをこの位置に設置することで、同時踏みもやりやすく、また片方だけのON/OFFも問題なく行えます。機械式フットスイッチが2つ付いているタイプのものよりも場所をとりませんし、踏みやすいです。

  • サウンドレポート

ではでは、サウンドを見てみましょう。
とりあえず・・・これはオリジナルと比較してみましょうか。

BD-2 el Diabloのサウンド

どちらもギターはテレキャスター、本体上部のノブは全て12時となっています。BD-2 el Diabloでは、ファットスイッチをON、クリーンミックスは最大、クリーンサウンドのトーンは高域よりの設定になっています。
こうして比べると、オリジナルに比べて今回のモディファイでは、「音の厚み」「立体感」「反応性」どれも向上しているのが分かっていただけるのではないかと思います。もちろん、音は好みがありますので、どちらが「いい」ということはできませんが、狙いどおりのサウンドになっていて、大変うれしいです。
ピッキングやヴォリュームへの反応性は、まさにトップクラスのブティックペダルにも勝るとも劣らないレベルになっていますし、強く弾いたときの歪みは、「BOSSらしいサウンド」の方向性を持ったまま、より音抜けが良くなっているかな、と思います。
ローファットスイッチですが、個人的にはONの状態が通常で、OFFにして「プレゼンススイッチ」のように使う方が使いやすいような感じもしました。クリッピングはほんの少しですが、弱いピッキングでのクリーンサウンドに歪みが少し加えられる感じになります。

ブースターサウンド

こちらは、搭載されているクリーンブースターのサウンドです。まずクリーン、そしてブースターON、さらに本体の歪みをONにし、最後にブースターをOFFにして歪みだけの音、という流れで録っています。
昨日のEarth Quaker Devices Black Eyeとはまた違ったブーストで、あくまでもメイン歪みをサポートするために作られた、控え目でクリーンなブーストだと思いました。
 
というわけで、今回はSoul Power Instruments BD-2 el Diabloのレビューでした。見た目はとても派手ですが使いやすいペダルだと思います。「究極」を目指して作ってもらいましたが、これはまさに、BD-2の最終形の一つ、といえるのではないかと思います。
もちろん、また違った方向性のモディファイもあるでしょうし、正解というのは存在しない世界なわけですが、「BD-2のブティック化」という意味では、高いレベルでバランスのとれたペダルになっていると思いました。お気に入りですw



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