オーバードライブ簡易比較動画パート2、いろんなオーバードライブ弾いてみた Part2(Youtubeバージョン)の公開に合わせて、こちらで考察編をやりたいと思います。
それぞれの音の特徴について、簡単に述べていきます。
それでは、いってみましょう!
Himmelstrutz Elektro Art FETTO
Himmelstrutz Elektro Art(ヒメルストゥルツ エレクトロ アート)というスウェーデンのエフェクターブランドのオーバードライブ、「FETTO」です。その名の通りFETの特性を最大限に生かしたドライブペダルで、マーシャル系のサウンドに近いと言われています。(ぶりすと!でもまたレビューしようと思います。)
動画ではかなりFATなサウンドを作り出していました。分厚い音で反応性も高くて、最近人気の高いエフェクターですね。ちなみにこのペダル、同じく北欧フィンランドのブランド、Mad Professorと同じ亜鉛ダイキャスト筐体を使っていて、ずっしりと重量がありますw
Ibanez TS808 Reissue
果たして説明が必要なのか!?と言いたくなるほど有名なオーバードライブペダルです。70年代のオリジナルTS808は、現代まで数々のオーバードライブ回路の基本として君臨してきました。
このTS808 ReissueはそんなオリジナルTS808を、Ibanezが復刻したモデルですね。レトロなキャラメルスイッチを採用したダイキャスト筐体と、シンボルともいえるグリーンカラーが特徴のオーバードライブです。
基本的にさほどゲインを稼げるペダルではありませんが、「正統派オーバードライブ」の中央に位置するようなサウンドを作り出します。チューブアンプのブースターとしての使い方が一番知られていますが、ファズフェイスをブーストしたり、単体でクランチを作ったり、汎用性も高いです。
特徴は「これでもか」というほど中域を強調する周波数レンジですね。昨今のTS系といわれるオーバードライブペダルは、使いやすさを求めてレンジを広げてある物が多く、それはそれで素晴らしいんですが、TSといえばこの狭いレンジと鼻づまりと称されることもある独特のトーンが特徴だと思います。
Ibanez TS808HW
最近はすこし収束ぎみではありますが、市場にはTube Screamerをベースにしたオーバードライブが多数存在しています。ほとんどはハンドメイド系のペダルで、TS回路をベースにLED付のトゥルーバイパス、バッファ除去、クリッピング切替といった改変がなされたものが多いです。
そんな中、本家Ibanezが出してきた「ハンドメイドTS系オーバードライブ」がこのTS808HWです。
LED付のトゥルーバイパスで、バッファを除去したTS回路を、全てラグ板で組み上げるという「荒技」に、発売当時は非常に話題になりました。最近はそうでもないようですが、発売当初はIbanezの技術者さんがラグ板での作業に慣れておらず、月産数台程度だったという噂さえありますw
そんな808HW、サウンドはというと、多くの「TS系オーバードライブ」がオリジナルTSのレンジを広げ、反応を上げるように設計されていたのとは違い、あくまでもオリジナルTube Screamerのサウンドを踏襲しているのがポイントです。やっぱりオフィシャルはこうじゃないと!と思いました。
といっても、バッファ除去のためか専用設計のダイキャスト筐体によるものか、若干レンジが広がって反応性も上がってはいます。並べて聞くと分かりやすいと思います。
Landgraff Dynamic Overdrive
Klon Centaurと並んで高級オーバードライブペダルの代名詞だった、Landgraff Dynamic Overdriveです。世界・・・とくに日本のエフェクター市場がTS系オーバードライブ全盛だった時代(きっかけはFulldriveあたりからでしょうか)、TS系の回路を一部改変し、LED付のトゥルーバイパス、バッファ除去、3モードクリッピング切替機能、を採用したオーバードライブペダルです。というか、定着させたといってもいいかもしれません。あとポイント・トゥ・ポイント配線も定着させましたね。1台1台違った模様のマーブルペイントが施されているのも特徴の一つですね(初期のものはマーブルじゃないモデルもありますが)。まさに現代に通じる「ハイエンドオーバードライブ」の要素を全て詰め込んだかのようなペダルです。数多くの人によって回路は解析され、こんなの誰でも作れると言われながら未だにパーフェクトなクローンが存在しない(まぁ、当たり前なのですがw)ペダルでもあります。基板上のパーツ変更も多く、どの時代が最強か、といった議論が未だに行われているモデルでもありますね。
で、音ですが、今回は3モードそれぞれの音を録音してみました。動画ではDumbleモードの音量が小さいですが、これは最もレンジの広いモードのため同等の音量に聞こえるレベルまで上げるとマスタリングでクリッピングしてしまうためです。全ての音源はそれぞれ、レコーディングソフト上で一切の補正をかけず、クリッピングギリギリの出力になるよう録っているのでこうなってしまいました。リミッターをかければもっと音量は上げられるんですが、それだとサンプルとしての意味がないので・・・w
ちなみにLEVEL設定が同じだとDumbleモードが一番音量は大きくなります。
音の特徴は、コンプレッションですね。Landgraffペダル全てに共通する、独特のスタックアンプ風なコンプレッションがかかります。バランスの取れた音色で、もっとも安定感があるサウンドを作り出すペダル、という感じでしょうか。
MAD PROFESSOR Sky Blue Overdrive
最近飛ぶ鳥を落とす勢いのMAD PROFESSORのオーバードライブペダルです。北欧の伝説的なエフェクトビルダー、Bjorn Juhl(a.k.a. BJF)のオリジナルブランドBJF Electronics Custom Shop製の「Aqua Marine Wonder Machine」という超マニアックなオーバードライブペダルをベースに、さらにBJF自身が「実験的」と言ったZノブ、およびTextureノブを搭載したペダルですね。音色もかなりマニアックですw
かなり高いゲインを作り出すことができて、しかもその音の出方に、非常に独特な立体感を感じさせます。一度使うとやめられない魅力があるペダルです。これに関しては、またちゃんとレビューしますね。
Phantom FX Fluid Prototype
現在http://item.rakuten.co.jp/ninevolt/fluid/:Phantom Fx Fluidとして発売されているペダルのプロトタイプモデルです。正統派とPhantom FXらしさの融合をテーマに作られたオーバードライブペダルで、幅広いゲインと使いやすいサウンドを持ったペダルです。
以前レポートを書いたこともありましたが、そういえば音を出したのって初めてですね。倍音豊かで、とにかくシンプルに使いやすいと言えるオーバードライブです。
Rockbox Boiling Point
以前、お借りしてレビューを書いたこともありましたが、どうしても欲しくて最近買ってしまいましたw
見ての通りのLandgraffフォロワーな、オーバードライブペダルです。Landgraffに近い部分と、Rockboxらしいオリジナルな部分が共存するペダルですね。3×2のスイッチパターンがあるので、動画中最もサンプルが多いペダルとなってしまいました。
ちなみにこのペダル、以前レビューしたときのものとは回路上のパーツが異なっていて、前回のレビューに使わせていただいたものより若干コンプレッションが強く、ゲインが高くなっているように思います。
Soul Power Instruments BD-2 el Diablo
BOSS BD-2を激モディファイしたペダルです。モディファイ内容については、以前のレビューを参照していただくと良いかと思います。
今回の動画の中ではタイプ的にすこし異色なモデルとなるのかもしれませんね。音色はBD-2よりも透明な音から、BD-2よりもファットな音までを、BD-2のキャラクターを損なうことなく作り出すことができるようになっています。あと全体的にバランスが整えられています。
Suhr Shiba Drive
こちらも以前レビューしたペダルですね。非常にかっちりとした印象のオーバードライブペダルです。回路的にはどうか分かりませんが、出音はTSに近い感じもしますね。正統派な歪みが特徴です。
前のレビューでは「分かりにくいから」という理由でSmoothスイッチの切替による音の違いは録りませんでしたが、今回はあえて録ってみました。
こうして並べるとわずかですが微妙にニュアンスが違うのは分かっていただけるかもしれません。
・・・というわけで、いろんなオーバードライブ弾いてみた Part2の考察編でした。
まだいくつかオーバードライブペダルを持っていますが、オーバードライブの比較はいったんこのあたりで小休止させていただいて、次に比較動画を作るときはディストーションあたりにしようかなぁと企んでいますw
また、まだレビューしていないペダルについては、今後レビュー記事も書いていこうと思います。レビュー記事にはサンプルサウンドと、動画も積極的に使って行けたら、と思います。
こういう動画って、作るの楽しいですねw
録音環境と写真さえあれば意外に簡単に動画って作れるので、よかったらみなさんも作ってみてください。是非見てみたいですww
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