お借りしたペダルをレビューしてみるシリーズ、「エフェクト世界紀行」も、今回で11回目となりました。
さて、今回はOverdrive Book 2の記事にも書かせていただいたペダル、「Mojo Hand MULE」というペダルをご紹介したいと思います。
Mojo Hand MULE
こちらが、そのMULEです。お借りしたのはおなじみのOverdrive Book 2が発売される前にこちらに載せてしまうと、普段当サイトによく来られている方にとって私の記事が全く新鮮味のないものとなってしまうと思いまして・・・それで本の発売を待っていたんですが、そろそろ発売から1週間が経ちましたので載せさせていただこうと思います。
さて、このMULEですが、Fender系ツイードアンプの歪みを求めたタイプのオーバードライブで、現在日本に入ってきているのは日本限定カラーのみとなっているようです。中身は特に変更はないみたいですね。
オレンジ色ですね。アメリカ向け赤色バージョンと同様、ラメ塗装となっているみたいですね。ラメ塗装ではなく、もっと凝った「テクスチャ塗装」となっています。
搭載されるコントロールはLevelとKickの2つのみとなっています。ちなみにMojo Handというブランドですが、LAに本拠を置く、アメリカでも最大級のエフェクターショップさんオリジナルのモデルということですね。
さて、ではちょっと中身を見てみましょう。
かなりのシンプル回路ですね。大きな、4回路入りかな?のオペアンプが目を惹きます。ちなみに使われているケースですが、「NSC」というメーカー?のもので、Paul Cochrane Timmy Overdriveに使われている物と同じでした。
使われているオペアンプは、CD4049UBEというもので、Way Huge Red Llamaなどにも使われたものとなっています。
では、レビューいってみましょう!
- 操作性
まずエフェクトのコントロールについてですが、2ノブでシンプルな形なのでまず難しいことはないと思います。ただこのKickコントロールが独特で、要するにゲインといえばそうなんですが、あまり「ゲイン」としての幅広さはありません。クランチ〜オーバードライブ程度のものです。しかし、このKickコントロールは、上げていくとかなり低域が強く出るんですよ。なので、このペダルは特性を理解していないと、カン違いされてしまうことがあるかもしれませんが、ペダルの狙いが分かるとかなり使えるペダルではないかと思います。
- サウンドレポート
音としては、やはりFender系のサウンドだと思います。パーツが少ないこともあってか、反応はいい方ですね。和音がちゃんと分離して聞こえると思います。
では、いつもどおりちょっとサンプルを録ってみました。
サンプルサウンド
ギターはテレキャスターです。まず、「Kick」をフルテンにした状態で、ギターのVolを7にしぼったサウンド、そしてギターのVolをフルテンにし、パワーコードでのサウンド、続いてクリーントーンをバックにしたソロ、そして最後がこんどはKickを9時あたりまで下げ、ギター側のVolはフルテンのままのサウンド、となっています。
Kickをフルにすると、かなり低域がつよく出るのが分かっていただけると思います。しかしそれでいてギター側のヴォリュームにはしっかり反応するという感じですね。各弦の音もしっかりと聴けるのではないかと思いました。Fender系で低域が強いといえば・・・HAO SOLE PRESSUREを思い出しますが、Sole Pressureほど「低域のみ」という感じではなく、Kickをさげてやると低域がスっと抜けて周波数特性のバランスが中域方向に動き、「ジャキジャキしたサウンド」も作ることが出来るのでこのように単体使用でも「使える」と思います。なんというか・・・ジャキジャキ系からバリバリ系までという感じ?でしょうか。Fenderアンプのもつ歪みをいいとこどりしたというか、そんな感じがしますね!是非フルチューブアンプを使って大音量で鳴らしてみたいペダルだと思います。
というわけで、今回はMojo Hand MULEのレビューでした。フェンダー系オーバードライブってそんなに数が多くない中で、これはかなり良いペダルではないかと思います。是非、試してみてください!