BOSSの新作歪みモデル、BOSS ST-2のレビューをしてみます。
いろいろと話題になっているペダルということで、つい買ってしまいました。
では、行ってみましょう!
BOSS ST-2 Power Stack
こちらがそのST-2です。「ヴィンテージスタックアンプの特性」を再現したというコンパクトシリーズの歪みペダルですね。
BOSSのアンプシミュレーターに使われるCOSMロゴはありませんが、デジタルでアンプサウンドを作り出すという、近年のBOSSペダルのスタイルで作られています。
ヴィンテージスタックアンプということですが、ブラックカラーの筐体にゴールド風コントロールパネルを組み合わせ、白文字でモデル名が書かれたこの外観は、もっとも有名なブリティッシュアンプを思わせます。
コントロールは、LEVEL、BASS、TREBLE、SOUNDの4つ。SOUNDはゲイン量の調整で、最小でCRUNCH、中央でDRIVE、最大でULTRAゲインとなります。
ものすごくどうでも良いことですが、このノブの下にあるパネルは
いわゆる「金」でも「銀」でもありません。かなり薄いピンクゴールドというか、金銀銅の色を混ぜたようなカラーです。写真右のシルバーZippoと比較するとどんな色か分かりやすいかもしれません。
では、ちょっと中を見てみましょう。
ぎっしりと表面実装チップの並ぶ基板。BOSSに限らず、最近のエフェクターではもはや一般的といえますね。
基板の逆側は、まるで何かの工場のようにタンクのようなコンデンサ(?)が並びます。
ST-2の心臓部であるRolandオリジナルDSPです。
基板と筐体を接続するアース。今までのBOSSペダルには無かった機構です。いつ頃から付けられているのかは分かりません・・・。
写真はこんなところでしょうか。では、レビューいってみましょう。
- 操作性
申し分ないです。全く迷うことはありません。さすがBOSSコン。
MIDコントロールが欲しい方もいるかもしれませんが、個人的には無いなら無いでとくに不便は感じませんでした。
- サウンドレポート
ST-2が届いたとき、ちょうど別のペダルの音を出していたところでした。ギター弾いてるときに呼び鈴が鳴ると苦情かと思って焦ります・・・今のところまだないですがw
そのときはレスポールを使っていたので、適当なノブ設定でそのままプラグインして音を出してみました。・・・びっくりしました。
音が凄く良い。いや、音が良いというよりもバランスが良いんです。あまりにもスタンダードで、それでいてエフェクターではなかなかたどり着けなかった、いわゆる「ロックな音」がそこにあるように思いました。音を出して最初にイメージしたのはZARD「負けないで」のイントロだったんですが、改めて聞き直してみると違っていましたw
その後、スタンダードなロックサウンドからイメージされる音をいくつか聴いてみたんですが、(当たり前ですが)同じ音は見つかりませんでした。
あえて言えば、負けないでのイントロよりはフラットで、Guns'n'RosesのSLASHよりもソリッドで、ZAKKのCrazy Trainよりも・・・言い出したらきりがないですが、そういうサウンドを思い起こさせる、熱い音でした。
まぁ、このときはかなりゲインが高めで、あとテンションも上がり気味だったので、後日改めて音を出して、いろいろと比べてみました。
まずはレスポールを使ってのサウンド。やはり非常にバランスの良い、勢いのある歪みが特徴です。なによりも素晴らしいのが、ミュート時の迫力。これは「スタック・アンプのパワー感と箱鳴りをシミュレートした」という部分でしょうか。
ピッキングやギターヴォリュームへの反応性は、標準的といったところです。反応性が高すぎることなく、かといって全くコントロールできないようなことはありません。使いやすいペダルです。
あまりに良かったので、普通なら比較対象にならない、価格で言えば5倍以上の差があるペダルと比べてみました。そうしてみると若干、近年のBOSSペダルに共通する、平面っぽさは感じます。例えばゲイン・・・SOUNDノブを下げたときのクランチサウンドに弦そのものの存在感が少ないといった点などはあるのですが、ただそれは価格帯などを考えると求める方がおかしいと言われるところかと思います。「全く平面的でつまらない歪み」ではありません。
続いてストラトを使ってみます。うちにあるストラトは、少しPUの出力が低めのものとなっていることもあってか、SOUNDノブをULTRAの位置にしてもそれほど激しい歪みにはなりませんでした。ストラトを使うと、標準的なオーバードライブ〜ディストーションサウンドといったところです。
これはアンプとの組み合わせや好みなどもあるので難しいところなんですが、このST-2は、シングルコイルよりもむしろハムバッカー、特にレスポールと非常に相性のよいペダルだと思います。
それにしても、この音は本当にすごいです。細かいことを言おうと思えばいろいろと言うことはできますし、そういう細かい点についてなら、より優れたペダルもたくさんあります。
ただ、このクラスの歪みペダルで、これほどバランスの取れたモデルはとなると、ほとんど思い浮かびません。歪みエフェクターにとってもっとも大事なのは音のバランス・・・周波数帯ごとのバランスはもちろん、倍音の出方や、歪み方など、全ての要素を含めたバランスの良さだと思います。(あえてバランスを崩した音を狙ったペダルもありますが、それはまた別です。)バランスが良いペダルは、弾いていてとても気持ちが良いペダルです。
ST-2そのものも良いですが、特にレスポールと組み合わせたときの絶妙なバランスの良さは素晴らしいです。デジタルの歪みペダルには抵抗がある方もおられるかもしれませんが・・・結果的に好きか嫌いかはともかく、これは是非機会があれば一度弾いてみてください。Strymonのペダルにもびっくりしましたが・・・デジタル技術の進歩はすごいです。
前評判がとても良いことは知っていましたが、これほどとは思っていませんでした。
BOSS/Power Stack ST-2 【ボス】【smtb-ms】 |
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