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Strymon El Capistan dTape Echo


Damage Controlの新ブランド、Strymonから発売されたテープエコーシミュレータ「Strymon El Capistan dTape Echo」のレビューをしてみます。
どのモデルもとにかく評判の良いStrymonペダル。さっそくいってみましょう!

Strymon El Capistan dTape Echo


こちらが、そのEl Capistanです。Strymonのディレイペダルとしては2作目。1作目はBBDの動きをシミュレートした「dBucket」テクノロジーを使ったBRIGADIER、そして2作目が「dTape」テクノロジーでテープエコーが生み出すサウンドをシミュレートした、このEl Capistanというわけですね。
Strymonのエフェクターで、コンプレッサーを除く全機種はデジタルペダルです。新しいデジタルペダルは良いと言われますが、これほどの評判になったデジタルペダルは、そうそうないと思います。最近だとEventide Timafactorが出たとき以来ではないでしょうか。その前となると、Line6 DL4やYAMAHA UD-Stompあたりまでさかのぼることになるかもしれません。
もちろん、もともとDamage Controlはデジタルペダルにも強く、以前発売していたTime Lineもコンパクト(というのは大柄でしたがw)ペダルのディレイとしてTimefactorに並ぶ実力と言われていました。しかし、Strymonペダルに対する評判の良さはそれ以上です。なぜこれほどのクオリティのペダルが出来たのか、というのは EFFECTOR BOOK Vol.8でのインタビューでも垣間見ることができますが、通常マルチエフェクターに使われるような高性能DSP(パソコンのCPUのようなものです)を、1つのエフェクトだけを作るコンパクトペダルに使ったから、ということのようです。

実際、Strymonペダルを使っているとその品質に圧倒されます。例えばBRIGADIER。以前レビューでも書きましたが、「完全にアナログディレイをシミュレートできているか」と言われるとNOです。本物のアナログディレイと比べると、当然のことですが違う部分が存在します。ただ・・・音の良さ、というと語弊があるんですが、弾いたときの気持ちよさというか、音そのものの魅力は全く見劣りしないんですよね。明確に言葉にできないんですが、Strymonペダルにしかない魅力というのがあるんですよね。
・・・っと、少しそれました。El Capistanについてですね。

El Capistanは、5つのノブと2つのトグルスイッチ、2つのフットスイッチで構成されています。TIMEはディレイタイム、MIXは原音とエフェクト音のバランス調整、TAPE AGEはテープエコーに使われているテープが古くなった状態をシミュレートします。REPEATSはディレイのフィードバック、WOW&FLUTTERはテープエコーの状態によって再生にムラができる効果をシミュレートするコントロールです。
トグルスイッチは、左側のTAPE HEADスイッチの位置によって、右側のMODEスイッチの役割が変わります。TAPE HEADがfixedの時にはヘッドが1つの固定ヘッドモードとなり、MODEスイッチはタップテンポ時の音符切替、およびTIMEノブの設定範囲になります。Aモードはタップテンポ時16分音符となり、TIMEノブが50〜250ms、Bモードが付点8分でTIMEノブは150〜750ms、Cモードは4分音符となり、TIMEノブは300〜1500msの設定範囲となります。
TAPE HEADがmultiモードのときは、マルチヘッドディレイになります。均等に3つのヘッドが配置されるテープエコーをシミュレートしていて、それぞれのヘッドを近い順に1、2、3とすると、Aモードでは1と2、Bモードでは2と3、Cモードでは1と3のヘッドが有効になります。擬音で表すと、Aモードはタタタッタタッタタッタタ・・・、Bモードはタッタタッタタッタタ・・・、Cモードはタタッタタッタタッタタ・・・というディレイ音になります。TIMEノブは全モードで240〜1200msの範囲となります。
TAPE HEADがsingleのときは、可変ヘッドのテープエコーをシミュレートします。モードAとBはタイムノブの設定範囲で、Aが25〜770ms、Bが50〜1500msとなります。また、モードBでは残響時の音の減衰が大きくなります。モードCはサウンド・オン・サウンドのループモードとなり、TIMEノブがセンターより左の位置にあれば10秒、右なら20秒のループサンプラーとして使うことができます。TAPフットスイッチで録音開始、もう一度TAPでループ再生が始まり、自動的に音が重なって行きます。その状態でBYPASSスイッチを踏むとループ再生は続きますが新たな録音は止まります。もう一度TAPスイッチを踏めば再生が停止します。

また、El Capistanには「裏モード」のコントロールが存在します。2つのフットスイッチを押している間、5つのノブの機能が変わります。TIMEノブはスプリングリバーブ(初期設定は0)、MIXノブは±3dbの範囲で動作するレベルブースト/カット(初期設定は12時の位置)、TAPE AGEはディレイ音の低域を調整するLow End Contour(初期設定は12時の位置、右に回すほどローカット)、REPEATSはヘッドルームを調整するTape Bias(初期設定12時、右にまわすほどヘッドルームが狭くなり、ローファイ化)、WOW&FLUTTERはテープのシワ等を再現するTape Crinkle(初期設定12時、右に回すほどテープが劣化)コントロールとなります。

TAPフットスイッチは、通常はタップテンポで、ループサンプラーモードでは再生や停止などを行います。また、通常のモードでTAPスイッチをHOLDすれば、ディレイサウンドが永続するHOLDディレイとなります。
BYPASSスイッチはエフェクトのON/OFF切替です。このスイッチを押したままアダプターを差し込むとバイパスモードが変更できます。初期設定ではトゥルーバイパスとなっていて、モードを変えるとOFF時にもバッファを通るようになります。このときエフェクトを切っても最後のディレイだけが残るシームレスディレイとなります。もう一度フットスイッチを押したまま電源を入れれば、トゥルーバイパスに戻ります。

それにしても、よくディスプレイを搭載せずにこれだけの機能を詰め込んだものだと感心してしまいます。

インプット/アウトプットはペダルの奥側に設置されています。1IN2OUT仕様で、アウトプットはLEFTがモノラルモードのアウトプットです。EXP端子にはエクスプレッションペダル、もしくはFAVORITE Switchを接続します。


裏蓋を開けるとこんな感じです。ひときわ大きなチップがDSPです。


基板は3層になっています。

というところで、写真と機能説明はこんなもんでしょうか。では、レビューいってみましょう!

  • 操作性

非常に多機能なエフェクトをコンパクトな筐体に押し込んでいるので、機能が分からないうちは難しく感じるかもしれません。ただ、基本的にはディレイペダルなので、裏モードの機能等を使わずとも、テープエコー風ディレイサウンドを作ることは簡単にできます。細かい設定をするなら、機能を覚えた方が良さそうです。
また、Strymonペダルに共通するんですが、センターマイナスの9VDCアダプターで動作するというのは地味ながらとても使いやすい要素です。El Capistanは動作電流も250mAと、デジタルペダルとしては低めに抑えられているので、1SPOT等の分岐型パワーサプライでも(他のエフェクターにもよりますが)十分動作させることができます。ちなみに、コンパクトディレイペダルとしては圧倒的な機能性と高音質で知られるTimifactorの場合、同じくDC9V(センタープラス)での動作ですが、動作電流は1.2Aと、マルチエフェクター並の非常に大きな電流を消費します。
また、筐体が小さいのもとても素晴らしいです。ほぼ正方形の独自筐体ですが、サイズ的にはPhase100タイプのMXRペダルとほとんど変わりません。

  • サウンドレポート

では、音を。基本的に、とても高音質なディレイサウンドです。といってハイファイというわけではありません。設定によってかなりハイファイな音にもできますが、基本的にはテープエコーということで、残響音は原音よりこもっていて、残響を重ねるごとにゆっくりと減衰して行きます。(BBDを使ったアナログディレイや、それをシミュレートするBRIGADIERと比べると、残響の減衰は抑えられています。)
本物のテープエコーを使ったことはないんですが、多くのテープエコーシミュレートサウンドで見られる独特の、少しのっぺりとして重々しいテープエコー風サウンドはEl Capistanでも再現されています。今まで弾いたことのあるペダルと比べると、RE-20よりも音は立体的で、Timefactorのテープエコーシミュレートよりもローファイなサウンドというように思いました。
Strymonペダルはどれもそうですが、エフェクト音が本当に立体的で重厚です。それでいて派手すぎたり重すぎたりすることがなく、自然な音なんですよね。絶妙のバランスで作られた音だと思います。
ちょうどいい比較対象なので何度も名前が出てきますが・・・例えばTimefactorで似たような音を作ることはできます・・・が、あまりに自由度が高く、基本的に超クリアなサウンドゆえに、このバランスを作るのは難しいです。El Capistanの場合は、最初からある程度バランスよく気持ちの良い音作りがなされているので(それでもかなり自由度は高いですが)、求める音にたどり着くのがより簡単です。
そして、裏モードで設定できるスプリングリバーブサウンド。トラディショナルなリバーブなんですが、これがまた非常にクオリティが高いです。このリバーブは残響音だけにかかるんですが、それがけっこう面白い効果になりますね。ちなみに、このリバーブは同じStrymonのblueSkyで作り出すスプリングリバーブと比べても遜色はないです。ただ、blueSkyがシミュレートするスプリングリバーブよりもバネの短いリバーブを元にしているということで、全く同じ音色にはなりません。とはいえ、オマケ的な機能ではなく、非常に本格的なリバーブサウンドです。
また、発振もちゃんとします。StrymonのdBucketやdTapeのシミュレートは、通常時だけでなく発振等の状態のシミュレートも細かく行っているようで、BRIGADIERとはまた違った発振音になります。重くてクリアな・・・ロングディレイタイムに対応したアナログディレイなどでも見られるような発振を作れます。
 
というわけで、El Capistanのレビューでした。これ、一発で気に入りました!BRIGADIERの時にも思いましたが、本当に、弾いていて気持ち良いディレイサウンドなんですよ。シミュレートしている以上、「本物」と比較されるのは仕方ないかもしれませんが、似てるとか似てないとかどうでも良くなってしまうほど、すごい音です。本物のテープエコーの音はちゃんと知らないのでその点についてはなんとも言えないんですが・・・それに言及せずとも、El Capistanの音が素晴らしいことには変わりないと思います。Strymonのペダル、どれもすごすぎです。

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