ディレイは、特にここ数年、飛躍的な進化を遂げています。この定番を振り返るシリーズでも、アナログディレイ、そして前回のコンパクトデジタルディレイと、いろいろ見てきました。
今回は、コンパクトデジタルディレイの中でも、特にアナログ時代の、アナログディレイやテープエコーなどの音を再現することに特化した、デジタルディレイを見ていきたいと思います。
特にここ数年、アナログディレイの時に述べたように、一度BBDの入手が難しくなって以降、そのBBDをはじめ、アナログな音を再現するためのデジタルディレイ、というのが1つのジャンルと言えるほど増えています。
その方向性は2種類あり、1つはデジタルディレイそのものの進化、DSPという、いわばCPUのようなデジタルエフェクターの頭脳そのものの進化によるもの、そしてもう1つが、特にPT2399という、それ自体で完結するデジタルディレイチップ(他の部分の回路はアナログで製作できる)を用いた、アナログ回路にデジタルディレイを組み合わせたものです。特にPT2399は、BBDと並んでハンドメイド系エフェクターブランドの定番ディレイと言えるほど、多くのモデルが製作されています。
今回は、そんなアナログサウンドを作り出すコンパクトなデジタルディレイをいくつか見てみましょう。
※「定番」に定義はありません。あくまで個人的な印象も含んでいますので、これが入っていない、これは定番じゃない、といったご意見もあるかもしれませんがご了承ください。メーカーのアルファベット順にご紹介します。
BOSS RE-20
【スペースエコー】BOSS RE-20 【HxIv17_04】 |
試奏レポート
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Catalinbread Montavillian Echo
【送料無料】Catalinbread ME-2 Montavillian Echo ギターエフェクター カタリンブレッド モン... |
このペダルは、往年のチューブエコー〜テープエコー風の音を作ることができるというペダルで、Time、Repeats、Mix、Cutコントロールを搭載。Cutノブはディレイサウンドのハイカットで、これにより暖かなテープエコーから、さらに暖かなチューブエコーサウンドまでを調整可能。またドライサウンドをできるかぎり変えないよう、Barr BrownのOpampなどを用いて回路設計を行っているということですね。コンパクトにチューブエコーサウンドを再現した、というペダルは他にはなかなかないモデルと言えそうです。
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Catalinbread Echorec
Catalinbread / カタリンブレッド Echorec ディレイ【御茶ノ水本店】 |
コントロールはDelay Time、Swell、Tone、Mix、そしてProgram Select。フィードバックのタイプを12種類から選択肢、マルチヘッドのようなディレイサウンドを再現。オリジナルモデルの音はもちろん、オリジナルでは作ることのできなかったスタイルのディレイにも対応しています。
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Fuchs REP-3
★★【ポイント6倍!エントリーで最大10倍】8/13(火)23:59まで!Fuchs / REP-3 Tube-Voiced Del... |
Delay、Repeats、Fidelity、Wow、Flutter、Echo Levelコントロールとタップテンポを搭載。中央のメーターはインプットレベルのようです。Fidelityがディレイサウンドに大きく関わっており、これでクリアなデジタルディレイサウンドからテープエコーの音までコントロール可能。非常にクオリティが高いことでも知られるディレイで、多くのプレイヤーも使用しているとのことですね。
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Hotone EKO
【エフェクター】HOTONE EKO [DIGITAL DELAY] |
コントロールはTime、Echo、Repeat、そしてMODスイッチでモジュレーションの追加も可能です。PT2399を用いたディレイで、アナログディレイ風の音を作ることができます。
レビュー
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Jet City Amp The Flood Analog Delay
アメリカで低価格なアンプやエフェクターを製作するJet City Ampのディレイペダルです。Analog Delayと名前が付いていますがPT2399を用いたデジタルディレイです。
コントロールはTime、Repeats、Levelとシンプル。低価格かつシンプルながら、スタンダードでアナログライクなディレイサウンドが得られるペダルです。
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Lovepedal Echophonic Jr.
【エフェクター】Lovepedal Echophonic Jr. |
Time、Delay、Volume、Repeats、Modulationノブを搭載。アナログディレイ風のヴォイシングを行ったペダルで、シンプルで使いやすく、同時にキルドライからドライのみまで調整できるMixや、深く掛けることもできるModulationなどスタンダードな機能を押さえたモデルですね。
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Mad Professor Deep Blue Delay
MAD PROFESSORDeep Blue Delay【エントリーでポイント合計最大10倍!】 |
Delay、Level、Repeatのみのコントロールで、BOSS DM-2的なディレイサウンドを作ります。アナログディレイそのものと言えるほどのディレイサウンドで、発振時にもアナログディレイに非常に近い音を出すことができます。
【送料無料】MAD PROFESSOR エフェクター NEW Deep Blue Delay【マッドプロフェッサー】【ピッ... |
試奏レポート
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Strymon Brigadier
strymon BRIGADIER 【dBucket Delay】 |
ディレイタイムとタップテンポそれぞれを3種類のモードから選択でき、またTime、Mix、Repeats、Bucket Loss、Modノブで、モジュレーションやアナログディレイのハイカットフィルターなどを再現可能。タップテンポ搭載、1IN2OUTのステレオ使用で、エクスプレッションペダルにも対応。ミキサー回路にもこだわり、ドライサウンドを出来る限りそのまま出力できるように作られています。
レビュー
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Strymon El Capistan
【エフェクター】strymon El Capistan [dTape Echo] |
テープエコーのヘッドを固定式、マルチヘッド、シングルヘッドから選択し、それぞれのモードごとに3種類の音を選ぶことができます。Time、Mix、Repeats、Tape Age、Wow&Flutterノブを搭載。タップテンポにも対応します。さらに2つのフットスイッチを押しながらノブを回すことで、Tape Crinkle、Tape Bias、Low End Contour、Spring Reverb、+/- 3dB Boost/Cutのコントロールとして使うことも可能。ヴィンテージテープエコーの持つ機能や音をコンパクトな中に収めています。
レビュー
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というわけで、今回はコンパクトペダルで、アナログ時代のディレイサウンドを再現したデジタルディレイペダルをいろいろ見てみました。DSP系、PT2399系、それぞれがいろいろなコンセプトでペダルを製作していておもしろいです。
単純に音がそのまま返ってくるというディレイエフェクト。ですがその音は非常に奥が深いものがあります。特に古い音を作るなら、アナログ時代のディレイサウンドが必要になることは多いです。そんなときにアナログディレイを選ぶか、オリジナルヴィンテージペダルやテープエコーを探すのか、それともデジタルディレイを使うのか、それは様々ですね。ヴィンテージモデルやテープエコーにはやはりそれでしか作れない音があります。BBDのアナログディレイも、PT2399もDSP系ディレイも、やはりいくつかのペダルを見ていると、それぞれ共通する特性があることも分かってきます。それが良いか悪いかは必要な音がどういう音かによって変わってくると思いますので、是非いろいろなディレイペダルを試してみてください!
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