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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

「IR」ってなんでしょう? あとフリーIRちょっとまとめ


「IR」って言葉、最近よく聞くように思います。あ、法律の話じゃ無いですよ。ちょっと前に話題になったIR法のIRはIntegrated Resort、総合型リゾートという施設のことですが、それじゃないです。
昨今、より精度の高いモデリングが出てきて、ギター関係だとキャビネットシミュレーションのところで出てくるのが「IR」という言葉ですね。このIRとは、Impulse Response。インパルス応答という意味の言葉です。

例えばこの、Fractal Audio Systems AX8。このハイエンドなモデリングマルチエフェクターのキャビネットシミュレーションには「Ultra-Res」というテクノロジーが使われています。このテクノロジーは、「レイテンシーのないインパルスレスポンス(IR)のパフォーマンスを提供する」というもの。さらに追加のCab-PacksというIRをまとめたパッケージを導入することで様々なキャビネットのサウンドをシミュレートできるようになっています。

IRは別にハイエンドなものではありません。コンパクトで手頃なマルチエフェクター、Zoom G3nのキャビネットシミュレーションには「IR(インパルス応答)を用いた先進のモデリングテクノロジーで“リアルな響き”を再現する5種類のキャビネットモデル」が収録されています。

じゃあIRって何なのか。超簡単に言えば、IRというのは、「大音量のパルスを1回出力したとき、その余韻がどうなるのか」というものです。実際のIRファイルはwavファイルとなっていることが一般的。ちょっと再生してみましょうか。
Download
再生できたでしょうか?出来なくても問題ないです。再生できた方は聞けばわかりますが「プツ」って言って終わりです。その波形が冒頭の画像。これはMarshall 1960AキャビネットとShure SM57を使って、スピーカーのキャップ、つまり真ん中から録ったIRです。一瞬だけの音を出して、その結果どういう反響があるのか、です。スピーカーを構成するコーンや様々な要素、キャビネットそのものの振動などに加え、録っている場所の特性までいろいろな要素が絡んで波形として現れます。といっても、人が聞けばプツで終わり。「これぞマーシャルサウンド」みたいなのは全然無いです。
ちなみに「インパルス」というのは、芸人・・・ではなく、時間幅が最小、値が無限大のパルス信号です。物理的に不可能な信号ですね。なので、実際のIRではごくごく短くて大きなパルス信号を使って作られます。

適当に作りましたけど・・・上のグラフが理想的なIRとします。インパルスは赤線。縦の直線になります。こんな信号を作るのは不可能なので、下のグラフのように短いパルス信号を入力します。「プツ」って音がそれです。そして、その後に録れる青線がその後の反響などの結果ということになります。
で、これが何の役に立つのか。80年代、このIRはスピーカーの設計に使用されました。なぜか音が濁るスピーカー。その理由は位相歪みというものでした。音は波です。電気の波を実際の波に変えて空気を振動させるのがスピーカーなわけですが、スピーカーを構成する要素・・・たとえばコーンだったり、そういったパーツ内でも波が伝わるうちに位相が変わります。その位相の違う波が合わさって打ち消したり重なったりすることで音が歪む・・・この歪みはギターの歪みじゃなく、元の波形と違うものになる、ということですが、そういうことが起こってしまいます。IRを使って波形を解析することで、どのパーツのどこが原因で位相歪みが起こっているのかが分かるようになり、スピーカーの品質が大きく向上しました。
でもこれはスピーカーを作る上での話で、スピーカーをシミュレートする話ではありませんね。

いろいろと書いてきましたけど、IRってのは、ようするに信号に対してスピーカー(に限りませんが、とりあえずスピーカーとします)がどんな応答を示すのかが分かるわけです。では、ここでデジタルの波形について考えてみましょう。デジタルの波形は、実際の波形を短い時間ごとに区切ったものの連続です。ようするに周波数ごとにあるレベルのパルスが連続しているという感じ。それに対する応答、つまりIRが分かっていれば、あとは計算するだけで「この信号をこの機材に通せばこの音になる」というのが分かるわけです。

また適当な図を書きました。あくまでイメージとしてとらえてください。元の信号が赤い波だったとします。それをデジタルで区切ると青い縦線の連続となりますね。で、その青い縦線には、緑色のIR、インパルス応答がすでに分かっています。じゃあ、それらを合計すれば・・・結果がオレンジの線。これがキャビネットシミュレーションです。というとものっすごい語弊がありますが、イメージとしてはこんな感じです。実際はもっと複雑な計算が入ります。

IRは、様々な場所で公開されていたりもします。有料のものもあれば、無料で使えるIRもあります。そういったIRのファイルは、例えばこのTwe Notesなどのキャビネットシミュレーターで読み込んで使うこともできます。

KemperでもIRは使えます。Kemperが提供するCABMAKERというソフトウェアを使って、IRをKemper用に変換することでキャビネットのシミュレートにIRを使うことができます。

ちなみに、IRはギターキャビネットやスピーカーのシミュレートだけに使うものではありません。部屋の反響を録ってIR化することもできます。なので、レコーディングスタジオやホールなどのIRを使ってリバーブで会場や場所の反響を再現することもできます。プラグインソフトだとこっちの方が一般的かもしれません。

ということで、超簡単にIRって何ぞや、というのを書いてみました。イメージというか、感覚的にこういうものですよ、というのが分かると良いかなと思います。記事中にあるように、IRというのは別に最近の技術ではありません。80年代からスピーカー制作には使われてきています。IRをシミュレートとして使うということは、ひたすら計算の連続なわけです。入力されたシグナルに対してIRがどう出るか、それがどう影響するかを計算し続けて音として出力します。IRをスピーカーシミュレートに使うことができるようになっているのも、DSPの高速化、処理能力の向上があるからですね。そういったシミュレートができるDSPが一般的に販売できる価格になってきたからこそ、最近になってIRという言葉が一般的に使われるようになった、ということではないかと思います。

最後に、フリーで落とせるIRファイルを多少まとめます。(リンク先は外部サイトです。フリーだったものが有料になったり、リンクが消えたりしても責任は持てません。あとだいたい英語です。ダウンロード方法はサイトにより様々です。)

ちなみにIGNITE AMPSが提供する「NADIR」というフリープラグインエフェクトを使えば、こういったIRファイルを使ってDAW上からキャビネットシミュレートができたりします。他にもフリーでIRが使えるプラグインなんかもけっこうあったりします。
 
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