Kemperのプロファイラーには、大きく分けて2つの使い方があります。
1つは、自身の所有するアンプや仲間のアンプなどを自身でプロファイルして、そのサウンドを保存するというもの。レコーディングなどではリアルアンプを使用し、ステージなどではKemperを使うというもの。プロアーティストなどに多い使い方で、スピッツなどがそのように使っているのが有名です。
もう1つは、アンプシミュレーターとしてメイン機材で使う方法。共有されているリグや有料リグを中心に、ダウンロード前提で使う方法です。おそらく多くのユーザーがこのスタイルで、先日発表されたPROFILER Playerは主にこちらのユーザーを想定しているように思います。(もちろん前者の方法で、さらにライブ機材を軽くする方法もありです。)
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Kemperは有料のリグもたくさん販売されていますが、大量に共有された無料で使えるリグもKemperの大きな特徴です。
現時点で共有されているリグは20103個。最新で1/20に共有されたリグがあります。ヴィンテージアンプから最新アンプ、さらにマルチエフェクターのサウンドをプロファイルしたものなど多くのリグがあります。
- Liquid Profiling
さらにKemperは今も進化を続けています。
2023年5月、新たなプロファイリングの方法としてLiquid Profilingが発表されました。これまでのプロファイリング方法は、アンプ~スピーカー、マイクまで全体をプロファイルする初期からあるプロファイルと、DIを用いてアンプ部分のみ(プリアンプ~パワーアンプ)をプロファイルする方法がありました。
新たに加わったLiquid Profilingは、アンプのトーンスタックとゲインコントロールの実際の動作までをプロファイルするもので、さらにリアルにアンプサウンドを再現できるというものです。(その代わりこれまでのプロファイルに比べ、1つのリグで作ることのできるゲインレンジやEQレンジは狭くなります。)
ということで、今回は久しぶりに、Kemperの無料リグをいくつか選んで紹介してみようと思います。
こちらは以前書いたやつ。
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今回は、2023年以降に共有されたリグの中からいくつか選んでみました。
RigネームをRig Managerの”Rig Exchange”から検索(右上の虫眼鏡マーク)するとそのリグが出てきます。制作者の名前を検索すると、その人がアップしたリグを見ることができます。
気に入ったリグがあると、同じ制作者のリグを見てみると好きなリグが見つかったりもしますね。
Rigネーム:Twin Reverb Liquid #02
PRS
制作:gun9undo
アンプ名:Fender Twin Reverb 1996 VIBRATO Channel
スピーカー名:Jensen C12N
マイク名:Royer R121
アップロード日:2023/8/11
かかっているエフェクト:ノイズゲート、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
Liquid Profilingを用いて作られたツインリバーブのリグです。とても素直なクリーントーンが特徴です。シングルでもハムでも使えますね。
Rigネーム:SUPER-SONIC 22 FAT ON
制作:KooKoo3D
アンプ名:Fender Super Sonic 22 2012 FAT Channel
スピーカー名:Celestion V30
マイク名:Audix i5
アップロード日:2023/7/13
かかっているエフェクト:コンプ、ノイズゲート、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
フェンダースーパーソニックのリグです。先程のツインリバーブと比べ、より”フェンダーっぽい”特徴が強いように思います。どちらが良いかは好みだと思いますが、クリーントーンを別の雰囲気で作ったりするのにこういういろんなアンプがあるのはとても助かりますね。
Rigネーム:C30 EF86 10:00 v2.0
PRS
制作:shawn light
アンプ名:Matchless C30 2008 EF86
スピーカー名:Celestion G12
マイク名:記載なし
アップロード日:2023/5/6
かかっているエフェクト:リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
こちらはマッチレス。少し歪んだサウンドです。シングルだとほぼクリーン、ハムだともう少し歪んだクランチトーンとなるようなリグです。
Rigネーム:VOX AC30 Chime
PRS
制作:ANDRAS S
アンプ名:VOX AC30 TB Channel
スピーカー名:Celestion Blue
マイク名:SENNHEISER MD421 + Shure SM57
アップロード日:2023/2/5
かかっているエフェクト:リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
AC30です。こちらもマッチレス同様、シングルだとほぼクリーン、ハムだとクランチになるリグ。マッチレスと雰囲気が似ているのは、マッチレスのベースがAC30だからかもしれませんね。ただもう少しロックよりなサウンドという印象です。
Rigネーム:-Dumble 10
制作:ANDRAS S
アンプ名:Dumble ODS
スピーカー名:2x12 EV12L
マイク名:Shure SM57 / Royer R121
アップロード日:2023/12/16
かかっているエフェクト:リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
ダンブルアンプのリグです。けっこう独特のサウンドです。
Rigネーム:JTM50 liquid 4 cleanish
PRS
制作:David G Burns
アンプ名:Marshall 1966 JTM50 Black Flag Ch.2
スピーカー名:1960A x2 (詳細記載なしですが通常ならCelstion G12T-75)
マイク名:Shure SM57/ Royer / 4033A
アップロード日:2024/1/1
かかっているエフェクト:ノイズゲート、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
JTMブラックフラッグのリグ。めっちゃロックな感じ。ハムだとかなり歪みます。Liquid Profilingです。
Rigネーム:JTM50 liquid 5 more mid
制作:David G Burns
アンプ名:Marshall 1966 JTM50 Black Flag Ch.2
スピーカー名:1960A x2 (詳細記載なしですが通常ならCelstion G12T-75)
マイク名:Shure SM57/ Royer / 4033A
アップロード日:2024/1/1
かかっているエフェクト:ノイズゲート、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
同じ人が同じ環境でプロファイルした、よりゲインを上げたサウンド、こちらもLiquid Profilingです。
Rigネーム:Orange Dual Terror
制作:Chris Bubel
アンプ名:Orange Dual Terror FAT Channel
スピーカー名:Celestion MC90 (Mesa 112)
マイク名:Shure SM57
アップロード日:2023/8/12
かかっているエフェクト:リバーブ (オリジナルはODがかかっているがOFFにしている)
サンプルサウンド
ストラト
ジャリジャリでめっちゃロックなDual Terrorのリグ。弾いていてすごく楽しいです。
Rigネーム:Peavey 5150
制作:Marius F
アンプ名:Peavey 5150 1992 Red Channel
スピーカー名:Celestion V30(Friedman)
マイク名:Shure SM57
アップロード日:2023/9/1
かかっているエフェクト:オーバードライブ(TS)、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
5150のリグ。5150系(6505やEVHなど)はたくさんリグがあります。その中でも使いやすいサウンドでした。
Rigネーム:BE100DX BE SM57
制作:Kaju
アンプ名:Friedman BE-100DX Channel 2
スピーカー名:Friedman 412(詳細記載なし)
マイク名:Shure SM57
アップロード日:2023/6/13
かかっているエフェクト:リバーブ
サンプルサウンド
PRS
フリードマンのリグ。ゲインはかなり高めですが、その中でもミッド~ハイとエッジが強くて明瞭な音色が特徴。
Rigネーム:Dual Rectifier
制作:J.Bellow
アンプ名:Mesa/Boogie Dual Rectifier
スピーカー名:Celestion V30 (Mesa Cab)
マイク名:Royer R121 / Shure SM57
アップロード日:2023/3/1
かかっているエフェクト:リバーブ
サンプルサウンド
PRS
レクチサウンド。このリグは数あるレクチのリグの中でも個性はそこまで強くなく、使いやすいと思います。
Rigネーム:Mick Ronson
制作:Antonio / ChatGPT
アンプ名:ADA MP-1 / Marshall JTM50 1968(Preamp Bypass)
スピーカー名:Marshall 1960A(詳細記載なし、通常ならCelstion G12T-75)
マイク名:Shure SM57 / AKG C414
アップロード日:2023/7/9
かかっているエフェクト:ノイズゲート、コンプ、オーバードライブ、オクターブシェイパー、EQ、リバーブ
サンプルサウンド
ストラト
最後にオマケ。ミック・ロンソンのサウンドを再現したと思われるリグです。こういうアーティストサウンド再現系リグもけっこうあったりしますね。
ということで、今回はこんな感じでいろいろなリグを見てみました。参考になればうれしいです。
通常のKemperユーザーも、早くもPROFILER Playerを手に入れたユーザーも、是非試してみてください。
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