GRETSCHギターでスィートハート的存在の”テネシー・ローズ”!GRETSCH G6119 Chet Atkins Tenn... |
うちで活躍している3本のメインギターのうち、最も付き合いが長く、最もてこずらせてくれるギター。Gretschのテネシーローズです。
今、新品で買えるテネシーローズはFender傘下に入ってからのものですが、うちのはFender傘下に入る前の、しかし現行のグレッチです。
シリアルナンバーの見方が分かる人にはすぐわかると思いますが、2001年の9月製ですね。
買ったのが2001年10月ですから、本当にできたばっかりのときからうちにいることになります。確か某三宮のしま○らで、特価品としてお安く売られていました。
実は当時、ギターを始めてまだ半年だったんですね。
2000年にブランキージェットシティが解散して、しかしまだその余韻が冷めずにいたとき、2001年の4月に大学に入学と共に1本のギターを買ってもらったのです。
今だったら見向きもしないであろう、Gretsch ElectromaticのJet Proというギターです。
レスポールタイプ、チェリーサンバースト、フレイムトップ、バインディングなしという謎仕様の韓国製ギターは、エントリーモデルにありがちなパワーだけはあるオープンハムPU2発を積んだ、まぁそれなりに使えるものだったことは確かです。
しかし、ギターを背負っての帰り道、電車の中で疲れていた私は手すりにもたれて眠ってしまいます。哀れなそのエレマチは、フレットが耐え切れず、1弦側が浮いて、ハイポジションでのプレイングが不可能な状態になってしまいました。
さて、どうしたものか、としばらく考えながらふと立ち寄ったし○むら三宮店に、こいつはありました。
いいなぁ、と眺めていると、「試奏してみますか?」の声が・・・。
まだ暦半年の私は、まともなプレイングができないことはよく分かっていました。
しかし、触るだけでもいいから「本物」に近づきたかった私は、もう覚えていない、何かのアンプにつないでもらって、弾いてみました。
歪ませることもない、なにも通さないクリーンサウンドは、エントリーモデルの音しか知らない私にとって、極上のクリーントーンに聞こえたのです。
なぜか数分後、大学に入って初めて持ったカードで、初めての買い物をしました。
21回払い・・・月々1万ちょっと・・・いけるじゃん!
そして神戸から奈良までの帰り道、大きくて重いハードケースを持って帰ったのでした。
グレッチとの最初の半年は、すばらしいものでした。
そもそもちゃんと弾けないし、「いい音」がどんなものかもよく分かってない初心者です。
「高いんだからいい音」を信じて、Nirvanaのカートコバーンが使ってたというBOSSのDS-2をつないで、フルドライブさせていました。
しかし、いくらやっても納得のいく音が出ません。今から考えれば当たり前です。
どちらかというとシングルコイルに合うDS-2をハムバッカーで、それも暴れやすいフィルタートロンで、ドライブつまみをMAXに上げて使ってたんですから、いい音が出るわけがありません。
しばらくの間、グレッチ不信(笑)に陥っていました。女の子には気に入られてましたけどね。グレッチって、見た目は最強ですからw
今では相性のいい歪みペダルを見つけ、(また次のときに紹介します 追記:こちらです)ギターの特性もようやく掴めてきたので、こいつでないとダメな曲もいくつかあります。
ま、せっかくのレビューですから、生い立ちはこのくらいにして、肝心の音の方にせまってみたいと思います。
- 音質
よくいえば個性的、悪く言えば「悪い」といえるんじゃないでしょうか。
先に紹介しました、ストラトやレスポールと比べると、汎用性はないし、艶もないですね。
具体的な特性としては、ブーミーな低音と、少しこもったような、しかしバリバリ暴れるドライブトーンが最大の特徴ですね。ハウリングも起きやすく、好きでないとやってられなくなりそうなギターですw
- 使い勝手
最悪ですw
まず分厚く、日本人には大きなボディにロングスケールのネックですから、特に座って弾くのには実は向いてないんじゃないかと思いますw
その大きさゆえに、最初は何度ヘッドをモノにぶつけたか・・・かなり傷だらけです。
ビグズビートレモロの繊細なヴィブラートはすばらしいですが、その代わりに弦交換はやりにくく、ブリッジは固定されていないからオクターブ合わせも一苦労、12フレット付近からセットネックのジョイント部が始まり、カッタウェイは17フレットまでしかなく、ハイフレットの押弦時には手の形が無理やりになります。
また、フルアコとはいえ、大きいので重く、生鳴りもでかいので、夜間の練習は不可能です。
まぁよくぞここまで「使いにくい」ギターをつくったもんだ、と感心してしまうほどですね。
- 好み
大好きですw
好きじゃないとやってられなくなるギターです。音は個性的だし、やたら使いにくいし・・・しかし、これはさすが日本が誇るハコモノビルダー寺田楽器!ネックはぜんぜん反らないし、非常に丈夫で、ハコモノだとか高価なギターだとかいうことを気にすることなく、がんがん弾ける点はすばらしいと思います。また、グレッチにしか出せない音が存在するので、やはりこいつは手放すわけにはいきませんね。
- 見た目
最高ですね。
持ってるだけで上手く見られるギターですw
かなり大きいですが、「依存してる」ようには見えても「弾かされてる」ようには見えないのもいい点ですね。
これほどごてごてしてて、しかしこれほど美しいバランスはすばらしいです。
Ariaとかのコピーモデルは、ただごてごて、ってだけにしか見えないですもん・・・。
こんな感じです。とっつきにくいですが、ハマると抜けられない。また、好きならばこれしか選択肢がない、という点でも、Gretschを今日まで生き残らせた原因でしょうね。(セッツァーやビートルズの存在もありましたが)