前回、BOSSのデジタルディレイについて書きましたが、ディレイの基礎編、今回はBOSSと対をなすモデルとして人気のある、LINE6のディレイについて書きたいと思います。
いつもの基礎編シリーズであれば、「定番モデル」としてさらっと紹介してしまうのですが、BOSSとLINE6については特に人気が高いというのもあり、それぞれ別にして書いています。
前回はBOSSのディレイを見たので、今回はLINE6のものを見ていこうと思っています。それにしてもこの2社は、モデリングやデジタル技術で日米を代表するメーカーになりましたね。BOSSは歴史と経験の積み重ね、Line6はPro Toolsでの経験とPODの大ヒットなどがありますが、それにしても、どちらもすごいメーカーです。
今回ご紹介するLine6のデジタルディレイは、まさにそのモデリング技術を生かしたものです。
LINE6 DL4 |
4つのフットスイッチは、左から3つがユーザープリセットの選択とタップテンポ、もしくはループ機能を使う際の録音/再生などを行うスイッチとなります。
スイッチはTrue Bypassだそうですが、少し音に変化があるという評価もあります。
モデリングを行ったのはEP-1 Tube Echoplex、EP-3 solidstate Echoplex、Space Echo、Deluxe Memory Man、Reverse delay 、Rhythmic delay、Dynamic delayといった機種で、それプラス通常のデジタルディレイを搭載することで、計15種類のディレイと、ループサンプラーが搭載されています。
各ディレイのコントロールには、TimeとRepeatはもちろん、Mix、Tweek、Tweezというコントロールで多彩な音を出すことができるようですね。このTweekとTweezが特にいろいろと使えるようで、例えばテープエコー独特のテープがヘッドを通るときの感じのような、モデリングに合わせた設定を行うことができます。
2in、2outのステレオ仕様で、エクスプレッションペダルで設定を自在に操ったり、ということもできるようですね。
単2電池を4本使えば電池駆動も可能ですし、もちろんアダプタでも動かすことができます。これがあるといろいろ遊んでしまいそうですが、やはり欲しい一台ですね。
LINE6 ECHO PARK |
ディレイのコントロールは、Mix、Time、Repeatと、モジュレーションをかけることができるModコントロールを搭載し、エフェクトOFF後にもディレイが続くシームレスディレイのON/OFFを切り替えるTrailsスイッチを装備しています。
ディレイタイムに合わせて、エフェクトON時は緑、OFF時は赤のLEDが点滅する点もわかりやすくていいですね。また、フットスイッチが2段階式になっていて、軽く踏むとタップテンポの設定、深く踏むとON/OFFとなるというのもおもしろいです。BOSSの場合は2秒間のホールドが必要でしたが、ダブルアクションタイプならそれは必要ありませんね。確実な切り替えを考えるか、それとも利便性を重んじるか、という点で違いがありますが、どちらもよく考えられています。
ということで、今回はLine6のディレイをみてみました。次回はBOSS、Line6を除いたデジタルディレイの定番からハイエンド品までをまとめてご紹介したいと思います。